魔境の女王陛下: 薬師寺涼子の怪奇事件簿



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長編小説

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魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社文庫)

2015年03月13日 魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社文庫)

日本中を恐怖に陥れた殺人鬼を追って、警視庁の史上最強女王・薬師寺涼子警視は部下の泉田準一郎らを連れてシベリア奥地を大追跡、犯人が潜伏する秘密都市へ向かった。そこで一行が見たのは地獄のような光景と恐るべき陰謀、とうに滅びたはずの幻の巨獣!?人智を超えた敵に、お涼さまは常識越えの作戦で挑む!(「BOOK」データベースより)




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魔境の女王陛下: 薬師寺涼子の怪奇事件簿の総合評価:4.92/10点レビュー 39件。Eランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

薬師寺涼子の無敵ぶりはいかがなものか

薬師寺涼子シリーズも9作目。しかし8作目からのインターバルは長く、なんと5年ぶりの登場だ。

涼子とその部下泉田くんが今回赴くのはロシア。しかしモスクワといった大都市ではなく、シベリアの辺境の地だ。連続殺人鬼日下公仁がロシアに潜伏しているという情報を得た警視庁に涼子たちが派遣される。

そして彼らに同行したのは阿部真理夫と貝塚さとみのもはや涼子ファミリーとも云うべき一味。そして例に漏れずライバルの室町由紀子も加わり、その部下でキャリアでオタクの岸本もおまけとして付いてくる。

誇大妄想狂の政治家に、精神倒錯者の連続殺人鬼。
これほど物語の舞台としては背筋を寒からしめる材料が揃っているのに、薬師寺涼子には全く危機が訪れない。日下公仁と4人の精神倒錯者という大敵と絶滅したはずのサーベルタイガーの群れと、通常の小説ならば絶望的な状況であるのに、涼子は冷や汗すらかかない。

特に日下公仁は女性に対して肉体的、精神的苦痛を与えて愉しむ倒錯者であり、彼の秘密都市に囚われているという四面楚歌状態ならば、さすがの薬師寺涼子も無傷ではすまないのではないかとハラハラさせられたのだが、むしろ相変らず日本のみならず世界の、とりわけアメリカの政治・政策・思想に対する鋭い舌鋒による口撃が大半を占めるのみで、連続殺人鬼も涼子や室町由紀子、そして部下の貝塚さとみという、拷問するにはこの上ない材料が揃ったと述懐しているのにもかかわらず、捕えて拷問しようという素振りさえ見せないのだ。

これは読者に対する配慮、つまり薬師寺涼子は普通のヒロインなら陥るべき危機などとは全く無縁の、絶対的存在として君臨してほしいという女王崇拝的興趣を削がないためのストーリー展開なのだろうか(実際タイトルの女王陛下はてっきり秘密都市を治めているカリスマ的女性リーダーの存在を想像していたのだが、全く女性キャラは現れず、薬師寺涼子その人を指す単語だった)?
だとしたらは過剰な読者サービスで、物語作家としては失格だろう。そうだとしたらどんな強敵が現れても、常に薬師寺涼子はピンチに陥らなく、エンタテインメント小説の物語の要素として挙げられる「絶体絶命のピンチ」がこの小説には大きく欠けているからだ。例えれば雨霰のように降り注ぐ銃撃戦の中で涼しい顔をして歩いても、決して弾が当たらず、むしろ弾が避けているような存在になってしまっている。

特にこのシリーズが作者の他のシリーズと大きく異なるのは物語の軸となる大きな縦軸が設定されていないところにある。
当初この縦軸を担うのは薬師寺涼子と泉田との関係だと思っていたが、9作目になっても全く進展を見せない。むしろ物語としては舞台と敵を変えただけで同じ話を読まされている気がして、パターン化されているのだ。

確かにそんなシリーズは多々あり、いわゆるミステリの探偵物は事件発生~探偵登場~事件の調査~推理~解決と一定のフォーマットがあって、いわゆる大いなるマンネリが繰り返されているのだが、ミステリでは謎にヴァリエーションがあって一種不可解な謎をどのように解き、そしてどんな真相が現れるのかという求心的興味があるのに対して、このシリーズはそういった核となる謎もなく、敵が現れ、涼子が対峙し、撃退するという実に単純な構造である。
これは昔の連続ヒーローアニメ物に見られるパターンであり、昨今これほど物語に変化のないシリーズも珍しいのではないか。

『銀英伝』、『アルスラーン戦記』、『創竜伝』と数々の傑作シリーズを作ってきた田中芳樹氏がなぜ今頃こんなシリーズを続けているのだろうか?
その問いに対する答えは実は1作目のあとがきにある。解説にもあるが、シリーズ1作目はもともと文庫書き下ろしで刊行されたものだった。当初からサブタイトルに「薬師寺涼子の怪奇事件簿」と冠せられていたことから多分シリーズ化の頭はあったのだろうが、恐らく数巻ぐらいの構想だったのではないだろうか。
それが予想以上の好評を以て迎えられたのか、今に至るまでシリーズは続いている。そしてその1作目のあとがきに書かれているように1作目は作者のストレス解消の一環として書かれたものだった。これを字義どおりに受け取るか、冗談と取るかは読み手の判断だが、作中で繰り広げられる涼子の鋭い舌鋒に対する政治批判を読むとどうも本音のようだ。

本書が刊行されたのは2012年6月。東日本大震災から約1年3ヶ月経ってからの刊行だが、実際に書かれたのはおそらく1年後かそれ未満の頃だろう。とにかく本書では全編に東日本大震災での放射能漏れに対する日本政府への痛烈な批判と皮肉に満ちた記述に満ちている。

そのことからも解るようにこのシリーズは不甲斐ない、もしくは自分の求める理想や道徳的に悖ることが世の中に起きると、それを痛烈に罵倒するためのもので、やはり作者のストレス解消のために書かれているのだろう。これら国家権力に屈しない至高の存在である薬師寺涼子はいわば作者の代弁者で、つまり政治に、行政に不満がなければこのシリーズも新作が生まれないし、新作が生まれるときは日本の政治がおかしいと作者が感じたときなのだ。

そういう意味ではこのシリーズは今後も登場人物らに変化が訪れるような縦の発展はないだろう。年も取らず、常に同じような事件に合間見える横への展開が繰り返されるだけだ。
次の薬師寺涼子も絶対無比の無敵振りを発揮するだけだと思うと次作への興味も薄れてしまうのだが。でも恐らく次が出ても読むのだろうな、私は。


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No.38:
(1pt)

退屈、読む価値なし

このシリーズの売りはハチャメチャな怪奇をハチャメチャなお涼様がずんばらりんと解決することだった。今作の怪奇は地味で規模も小さい。この点だけなら星3ぐらい、次回に期待しようでおしまいである。

しかしながら他の人も言っているように政治批判の色が強すぎる。風刺というには余りにも直接的だ。もちろんこれまでもそういったものはあったがあくまでもおまけでブラックジョークだった。今作はもはや薬師寺涼子の原発事件簿と言わんばかりにそればかりで怪奇がおまけである。しかも壊れたレコードのように同じことをひたすらグチグチ言っているのである。左右の思想にとやかく言いたくないが、こんなものは求めていなかった。単純につまらなすぎる退屈な作品だった。
魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)より
4061828118
No.37:
(2pt)

パワーダウン

今回はシベリアに出張。お約束の怪物も悪人も出てくるのだが、どうにもパワー不足の上に、女王陛下の涼子も派手な動きが少ない。泉田準一郎がちょっと羽目を外したのがご愛敬かな。それにしても作者の田中芳樹は、よほど官僚や政治家が嫌いなようだ。
「官僚組織の目的は、自己保存にある。国策も税金も、すべては彼らの自己保存に奉仕する存在でしかない。大震災の復興を目的として編成された何十兆円もの予算は、ごく一部が被災地に配られただけで、あとは無数の基金の設立にまわされ、それらの基金の理事長には、ことごとく官僚OBが天下った」
という文章があったが、最近読んだ中山七里の「総理にされた男」でも同じことが書かれていた。ダイレクト出版の情報でも、新型コロナ対策の政府資金も同様の運命を辿ったというようなことが述べられていた。いったいどうなっているんだ!
魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)より
4061828118
No.36:
(1pt)

田中芳樹史上最低の一冊

最低の一冊。政治批判が売りだったが、今回は少なめ。民主党政権時だったからかな。で今回は原発批判が大半。しかもテレビの受け売りレベル。調べてから書こうね。
加えて、プロットの段階で落第級のつまらなさ。このシリーズは怪物や悪党をぶっ飛ばす涼子の痛快さが売りだったのに、それが皆無。怪物もショボいし、悪党も口だけ。何をしたいか分からない。また怪物や悪党を追い詰める「捜査」の部分が全て抜け落ちてる。なぜか悪党のもとに向かってダラダラ暴れておしまい。流石にツマラナイ。
魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)より
4061828118
No.35:
(3pt)

女王陛下は完全無欠

主人公薬師寺涼子は27歳の女盛りで頭脳明晰、おまけに絶世の美女かつ大金持ち。これ以上ない完璧なキャラ
かと思いきや人を人とも思わぬ女王陛下である。ある哲学者の言葉だが「女は好きな男の前では奴隷でありた
いと願い、その外の男には女王様でありたい・・・」という。相棒の泉田君との関係もしかり。傍若無人の女
王陛下ぶりのなかにも微かに他の奴隷とはちょっと違うものを抱いている様子。読者にオヤッと思わせる淡い
希望を感じさせるところは著者の憎いサービスである。
 本書では凶悪犯を追って旧ソ連時代の秘密都市へ向かうストーリーだが、「私、失敗しないので・・・」の
ごとく、安心して読み進めることが出来る。
魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)より
4061828118
No.34:
(1pt)

これは酷い

左右については書き尽くされているので別のベクトルから…

涼子がどんどんダメな女になってきていますね。
才色兼備で傲岸不遜、決して男に媚びないけれど好きな人には不器用という
さっぱりした涼子のキャラに魅かれてファンになった人も多いはず。
しかし最近の彼女は作者の自慰アイテムと化しているように見て取れます。
涼子はオフロ上がりの薄着をチラ見せし、間接キス等の安っぽいお色気を振り撒くようなキャラでしたか?
現実の女性と触れ合う機会の無い芳樹おじさんの妄想がだだ漏れで気持ちが悪いです。
初期の毅然とした凛々しいヒロインにはもう戻れないんでしょうね。吐き気がします。
魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)より
4061828118



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