処刑の丘

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種別
長編
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あらすじ

2017年02月20日 処刑の丘

深夜、かつて虐殺の舞台になったことで〈黒が丘〉と呼ばれる場所で、男たちが“処刑"と称し青年を銃殺した。死体発見の報を受けた警察は、禁止されている酒の取り引きに絡む殺人として処理したが、巡査のケッキだけは納得していなかった。事件の陰に見え隠れする内戦の傷、敗北した人々の鬱屈。果たしてこの町に正義はあるのか? 推理の糸口賞受賞。フィンランドの語られざる暗部を描いた注目のミステリ。(「BOOK」データベースより)

評判

処刑の丘の評価:

7.50/10点 レビュー 2件。 C ランク

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平均点7.50pt

処刑の丘の総合評価:

7.67/10点 レビュー 3件。

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No.1
(4pt)

フィンランドの暗い歴史

殺人事件が起き警察が捜査する、というミステリ小説の形を取っているが、民間防衛隊が大手を振り警察は信用されず、警察官は警察内部の圧力により一向に解決の糸口を見いだせない。
ミステリというよりは、1920年頃のフィンランド、ラハティを舞台とする歴史フィクションと思える。
主人公格のオッツォ・ケッキ巡査は傍観者であり、実際の主人公はラハティに生きる一般市民だ。白軍の収容所から帰ってきてから廃人同様の父親アウグスト、その妻でサウナのマッサージ係をするヒルダ、工場労働者で次第に共産主義思想に傾いていく息子のイスモ、ロシアから逃げ娼婦のような生活をするヴェーラ、父親が殺され言葉を失ったヴィエノ、禁酒法を逆手に粗悪な蒸留酒ピルトゥ(日本で言えばカストリ)を密売する者、ピルトゥにすがる男達、噂をする住民達。彼らの体験、記憶、思い、将来像はそれぞれに異なり、平穏な社会生活を見いだせないでいる。
世界史の教科書などを開けば、フィンランドは1917年にロシアの支配下から独立をし、平和な社会を取り戻したかのように思えるが、実際はその直後、ソビエト政権に賛同する赤軍と、後にドイツ、スウェーデンが支援する白軍が対立する激しい内戦が起こっている。1919年にフィンランド共和国が成立し、内戦は終わるのだが、小説が描く1920年頃はまだ人々の悲しみも怒りも完全に治まってはいない。
こうした状況の中で起こった殺人事件は、悲壮な社会生活の一端にしか過ぎないように見えてしまう。
小説とは関係ないが、フィンランドはその後の第二次世界大戦でもソビエトとドイツに翻弄されることになるのだが、50年代にはオリンピックが開催されたり、マリメッコが世界的に人気になるなど、復興を遂げたのは驚くべきことである。
処刑の丘 Amazon書評・レビュー: 処刑の丘より
4488010660

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