21世紀のブルース
- 青春小説 (221)
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1969年11月に刊行された西村京太郎氏の5冊目の作品「おお21世紀」を改題し出版された著者には珍しいユーモア青春小説です。私はレビュー・タイトルの言葉「コメディ調」からふと「C調」が連想されて検索しましたら「調子いい」をひっくり返した言葉と出ておりましてまるっきり違う意味と知り驚きましたが、まあ些細な事とは言え中々に勉強になりましたね。 21世紀の幕開けは月からの生中継で始まった。海洋学部に学ぶ大学生の朋子はテレビ局で働く恋人・田島と来年には結婚する予定だったが、若手の学者・沢木の助手を務める内に段々と彼に心惹かれて行く。一方、田島の方もグラマーな混血タレント・ロミのマネージャーをやれと父親から命じられ行動を共にしている内に彼女に恋して行くのだったが・・・・。 本書は前作「太陽と砂」と同様に未来がテーマの普通小説なのですが、前者がやや堅苦しい悲劇を内包したドラマだったのに対して、完全に180度転換した殺人も悲劇もないコメディ・ドラマとなっておりまして、ここまでの西村氏の長編4作とは全く違うライトな感覚の作風に魂げたのと同時にとても新鮮でしたね。私が思いますに、やはり著者も人間ですから毎回の様に陰々滅々とした物語を書く事に疲れられたのかも知れませんね。さて、著者が描く21世紀は進歩が急激すぎて今の現実とは大きな隔たりがあるのは致し方ありませんね。やはり30年ぐらいでは人類がそんなに大きく変わるのは無理なのでしょうね。テレビ電話も多くの人々がシャイだから普及しそうにないのでしょうし、立体テレビも月旅行も地震の完全予知もまだ夢のまた夢の話ですね。また1969年には当然ながら阪神淡路大震災も東日本大震災も起きてはおりませんから、こういうストーリーを書けたのだと思いますしもし大震災を経験していたら世間から不謹慎と思われるでしょうからこんな事は自粛して書けなかったでしょうね。まあ普通であればこういったドラマは人間の驕りが油断を招いて大惨事が起きるという流れの警鐘を鳴らすドラマになりがちですが、全くそういう風にしないで100%大丈夫な白けたムードのドラマにするのも独自の視点で変わっていて良いと思いますね。まあでも推理作家の飯のタネである「犯罪」について一切触れていないのはあまりにも不自然だとは思いますがね。著者のユーモアは中々に冴えていて、老人達が昔を懐かしんで盛り上がる「ゲバ棒イベント」や「コント66」(王貞治のシーズン・ホームラン記録の数に因んで名づけられたコント55号のパロディ)なんかは笑えますよね。本書はだらけた人間に喝を入れて反省を促すといった内容でもありませんし、とにかく堅苦しく考えずに素直に楽しむ娯楽作品としてサラッと読めばいいのだと思いますね。最後に「天使の傷痕」の田島記者と「太陽と砂」の沢木技師と同姓のキャラクターを出しながら、全く違った性格の気難しくない気さくな人柄に描かれているのも気分が休まって良かったですね。 | ||||
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昭和44年にしては、上出来。(1969年) 31年後をみすえて書いてある。 <マスコミ・TV> *立体テレビ・・・電波の自由化の時代。 *国際公害の時代。 *月からのゆく年来る年。 イメージはよい。今読んでも、そんなに陳腐ではない。親子関係。 「冒険のない時代」になったといわれつつある。 太平洋のひとりぼっち横断を女性がやり遂げてしまった。 今までは男の世界だったのが、 女子マラソンの記録も刻々と男性に近づきつつある。 ジョイナーががんばれば、ヘナチョコ100メートルランナーは ぶっ飛ばされてしまう。 和泉雅子が、北極圏をめざす。 男の冒険が、女の冒険となり、冒険がなくなってしまった。 「挑戦」しようといっても 「何に挑戦するのか?」が問われる時代。 | ||||
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西村作品は99パーセントが事件物。しかし本作や「無明剣、走る」「太陽と砂」などのように異色の小説もある。 西村作品は初期、さまざまなテーマを持っているが、自分の可能性をこの時期に探っていたのであろうか。 ある時期を境に、十津川警部が中心となる事件小説が軸となり、現在500冊を超えている。 ある意味レアな本作。内容は、、読んでください。 | ||||
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近未来小説。 21世紀を迎える頃の話し。 今からすると過去の話しなので,自分が手に取って読むのが遅すぎた感がある。反省。 内容は2つの方向を向いており,最後まで飽きずによむことができた。 最後は無難に収めるところが,大衆小説家らしいと言えるかもしれない。 十分価値ある題材を提供していると思う。 なぜ,普通の人がまだ月にいけないのか。 なぜ,まだ火星に人がいけないのか。 自然を大きく変化させる工事の予測はどうすればいいのか。 議論の種はつきない。 | ||||
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