イージーマネー
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同名の映画を見て大変おもしろかったので原作も読もうと思いました。映画は原作の忠実に作られていたようで、ストーリーはだいたい同じ流れになっていました。 主要登場人物は3人。 スウェーデン人の青年JW(イーヴェ)は、地方の小さな町でごく普通の家庭に生まれ育ったことに強烈なコンプレックスを持っています。成績優秀な学生ではあるけれど、夜はもぐりでタクシーの運転手をして、涙ぐましい努力で自分を良家の師弟に見せかけ、首都ストックホルムでなんとかセレブたちの仲間入りを果たします。表の顔は華やかでリッチな今時の青年、裏では移民の闇社会と繋がりを持ち、お金を稼ぐためコカイン売買に手を染めるようになります。 ホルヘは南米からの移民。収監されていた刑務所から見事に脱走。外見を変え、家族に会うのも我慢して、孤独の中でかつてストックホルムで名うての麻薬密売人だった地位を復活させようとしています。が、裏切った組織と警察から追われる彼は、逃亡生活に次第に疲れを感じ始めます。 ムラドはユーゴスラビアからの移民で犯罪組織の幹部。町のバーやレストランからのピンはねを取り仕切っていて、手段を選ばない暴力的な男です。が、そんな彼の弱点は離婚した妻が引き取っている幼い娘。娘の前では普通の父親になろうと努力し、こんな仕事をしていてはいけないと悩みます。 本来なら出会うはずのないこの3人がコカイン取引を巡って出会うことになり、話が回り始めます。 日本人にはなかなか理解しづらいですが、最近のヨーロッパのミステリを読んでいると、移民が大きな問題になっていることがよくわかります。地中海を越えて押し寄せる難民のことなど、普段のニュースを見ているだけでもそれは感じられるのですが、どの小説を読んでも土台に移民問題が含まれているのは、それが社会や一般の人々にとっても避けて通れないことになってしまったからなのでしょう。そんな重いテーマも含まれていますが、全般にスピード感のある犯罪小説としてよくできていると思います。 ただ、翻訳があまり上手ではないと感じました。やたらと文がブツ切れになっていて、たとえば「ジム、セルビア人の溜り場。アナボリック・ステロイド漬け。用心棒の温床。この場所が好きなのだが、マシンはひどかった。古いブランド”ノルディックジム製”。」「ふたりは席についた。おしゃべり。スペイン語で通す。セルヒオが4人全員にバーガーをおごった。さすが。看守たちは別のテーブルに座る。本物のブタみたいな食べっぷり。働く娘たちもセクシー。サラダに野菜。ホルヘの意見ではうさぎの餌。それでも自由の象徴。」というような感じで読みにくくてしょうがなかったです。これはもしかして原書がこうなっているのでしょうか。それにしても、もう少しなめらかな日本語にしてもよかったのでは・・・。小説はおもしろいのですが、残念ながら翻訳で星ひとつマイナスにしてしまいました。 | ||||
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