夜の国のクーパー

登録されているタグ

※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。

オススメ平均点

7.40pt (10max) / 5件

6.59pt (10max) / 41件

Amazon平均点

3.67pt (5max) / 86件

楽天平均点

3.63pt (5max) / 61件

みんなの オススメpt 自由に投票してください!!

6pt

サイト内ランク[]
ミステリ成分[] この作品はミステリ? 自由に投票してください!!

↑現実的

4.80pt

5.80pt

←非ミステリ

23.60pt

ミステリ→

16.80pt

↓幻想的

初版刊行(参考)
種別
長編
閲覧回数
7,887回
お気に入りにされた回数
4
読書済み登録回数
72
このページのURL

あらすじ

2022年01月27日 夜の国のクーパー【新装版】 (創元推理文庫)

僕の小説の中ではもっとも本格ミステリー度が高い自信作です。今でいう特殊設定ミステリーなのでは?と思ったりもします。――伊坂幸太郎恐怖と信頼、欺瞞と驚愕、猫と鼠、そして人・・・・・・壮大かつ野心的長編ミステリを装いも新たに贈る目を覚ますと見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。胸にはトムと名乗る灰色の猫が座り、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と言うものだから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きて」猫は摩訶不思議な隣国との戦争と「クーパー」について語り始める――。新たなカバーで贈る、伊坂ミステリの到達点。(「BOOK」データベースより)

評判

夜の国のクーパーの評価:

7.40/10点 レビュー 5件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.40pt

夜の国のクーパーの総合評価:

7.35/10点 レビュー 91件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(6pt)

喋る猫、交渉する鼠、兵士に変身する杉・・・国家と戦争のファンタジー

伊坂幸太郎の10冊目の長編小説。猫が喋り、鼠が交渉する世界で起きた戦争と国家支配と住民の不思議な物語である。
妻に浮気された40歳の公務員が船で釣りに出て遭難し、気が付いたら体を縛り付けられており、しかも胸の上に乗っかった猫が「ちょっと話を聞いてくれ」と語りかけて来た。その話は、猫が住む国で起きた戦争と敗戦と占領と国民の間に伝わる伝説の兵士たちの物語だった。
現実とパラレルに出現する異世界で現実の世界を反映しためるくめくようなファンタジーが展開するという、伊坂幸太郎お得意の世界の話である。そこの部分を楽しめるか否かが、本作への評価の分岐点であり、個人的にはどっぷりと浸り込むことは出来なかった。
ファンタジックな物語で現実世界を照射するという伊坂ワールドが好きな人にはオススメする。

iisan
927253Y1

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.86
(5pt)

考察や予測をせず、最後まで読んで欲しい

読書録「夜の国のクーパー」5

著者 伊坂幸太郎
出版 創元推理文庫

p182より引用
“「誰だって、自分たちより小さいものに
ついては、意識が薄くなるのかもしれない。
開き直るつもりはないんだけれど、だから、
僕たちも君たちのことを深く考えていなかっ
た。ただ、誰だって少なからず、知らない
うちに誰かに迷惑をかけているんじゃない
かな」"

 動物にもはっきりとした意識がある世界
を舞台とした、長編ファンタジー小説。
同社刊行作文庫版。
 大勢が集まる広場に、敵国の兵士がやっ
て来た。見たこともない道具を持ち、見た
こともない動物を伴って…。

 上記の引用は、主人公で語り部的存在で
ある猫のトムが、鼠の代表者と交渉する場面
でのトムの台詞。
自分の行動の、端から端まで意識を配るの
は難しいものなのでしょう。よくある事で
すが、足の小指を何かにぶつけるのも、意識
の外にあるらしいからだとか。知らず知らず
ぶつかっているかも知れないことがあるの
ならば、せめて分かっている範囲では、しっ
かりと気を付けていたいものです。
「ベルセルク」の主人公・ガッツの、“アリ
を踏み潰すのを気にしてたら歩けない"と
いった意味の台詞を思い出す台詞でした。
 p331に、敵に対して反抗した街の人に対
しての、度胸と不安と行動についての台詞
がありますが、割と納得できる考えでした。
脳が暇を持て余すと、不安に襲われるそう
なので、体を動かして脳をそちらに使いた
くなるのかもしれません。
 中盤に少し冗長というか、読んでいてだ
らけるというか、そのような感覚を覚えま
したが、それらは全て終盤の為。
読み始めたら必ず最後まで、読み進めて欲
しい作品。
考察や予測をあまりせず、物語が語られる
にまかせて読み進めると、より読後が気持ち
良いのではないかと思われます。
勘の良い読者は、途中で色々気付いてしま
うかもしれませんから。

ーーーーー
夜の国のクーパー【新装版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 夜の国のクーパー【新装版】 (創元推理文庫)より
4488464033
No.85
(5pt)

たぶん評価はわかれると思うけど

大江健三郎へのオマージュとして読めばそれなりに楽しめます。
しかも最後の場面では伏線回収されるのですっきり。
さすが。
夜の国のクーパー【新装版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 夜の国のクーパー【新装版】 (創元推理文庫)より
4488464033
No.84
(4pt)

猫のトムとサレ男公務員「僕」が国を救う!?

伊坂氏の作品をこれまで大分読み進めてきました。初期のものから22作読み進め、これで23作目。

本作は2012年の作品。2000年の「オーデュボンの祈り」はじめ初期の疾走感に満ちた雰囲気から考えると、大分落ち着いた筆致かなと感じました。

とはいえ、洒脱さや奇想天外感は今回も健在で、十分堪能させていただきました。

・・・
本作、いい意味で切れ目がありません。

目次も章立てもなく、途中途中で猫のマークで節のストップがあるだけ。トム君がメインキャストですからね。

・・・
また構成も、三つの場面を行き来します。

一つは猫のトムが語る、彼がいた国が鉄国に占領される状況。一つは猫のトムと、仙台の公務員の「僕」とが会話する場面。そしてもう一つはクーパーの兵士が遠征に行く場面。

状況がかなり異なる上、断片的な情報のみが与えられるため、欠けた部分を埋めるべく初めは読み進めました。そして、その埋まる部分が増えていくにつれ、今度は三つの場面の繋がりが分かってくると、物語の全体像が見えてきて、これまた気持ちよくて止まらなくなる。ミッシング・パーツをもっと埋めたくて、展開を知りたくて、更にページを手繰る手を止められなくなる。

この読ませるテクニックも伊坂マジックと言えましょう。

・・・
もう一つ。

伊坂作品では、何というか、人間の良き部分に信念のある性善説的なキャラづくりが物語を方向づけている部分があると思います。

今回でいうと、猫のトム。

本能から鼠に飛びかかってしまうのですが、おのが国を占領される最中に<中心の鼠>から、今後鼠を狩ることをやめてほしい旨、団交を申し出される。

鼠たちは狩られるリスクを冒して猫のトムに賭けたわけですが、その態度はトムをして
「疑うのをやめて、信じてみるのも一つのやり方だ」(P.300)
と語らしめます。

この信じることの可能性は、パッとしない仙台の公務員「僕」が、浮気した妻を今後信じてゆくかどうかという事で一つの道を示しているように思います。

難しいことではあるのでしょうが、そこを敢えて信じてみるのは、文字通り一つのやり方であり、そういう生き方もあっていいんだと思います。

また猫のトムが、本能から鼠にとびかかりたいのを少しづつ押さえていく様。これもまた理性の可能性を寓意的に示しているようにも思えました。

ああ、うまく表現できないのですが、伊坂氏はこういう「人の力」みたいなのを本当に上手にストーリーに練りこんでくるのですよ。で、私はこういうのが好きなんです。

ちなみにトムは猫ですが、まあ喋って考えることができるという時点で既に人と同等ですよね。

・・・
ということで伊坂作品を堪能しました。

未知なるクーパーと戦う+国中を塀で巡らす、という当初の描写で、すわ進撃の巨人か、と思わせましたが、全きツイストに私の予想は見事外れ、思っても見ない結末となりました。あっぱれな結末。

戦争敗北・政治(王族)腐敗というひんやりした設定は、「魔王」や「モダンタイムス」などにみられるファシズム的ネガティブエッセンスと通底しますが、本作はそうしたひんやり風味を残しつつ、どこか明るいユーモラスさが漂うエンターテイメント小説に仕上がっていると感じました。
夜の国のクーパー (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 夜の国のクーパー (創元推理文庫)より
4488464025
No.83
(4pt)

猫のトムとサレ男公務員「僕」が国を救う!?

伊坂氏の作品をこれまで大分読み進めてきました。初期のものから22作読み進め、これで23作目。

本作は2012年の作品。2000年の「オーデュボンの祈り」はじめ初期の疾走感に満ちた雰囲気から考えると、大分落ち着いた筆致かなと感じました。

とはいえ、洒脱さや奇想天外感は今回も健在で、十分堪能させていただきました。

・・・
本作、いい意味で切れ目がありません。

目次も章立てもなく、途中途中で猫のマークで節のストップがあるだけ。トム君がメインキャストですからね。

・・・
また構成も、三つの場面を行き来します。

一つは猫のトムが語る、彼がいた国が鉄国に占領される状況。一つは猫のトムと、仙台の公務員の「僕」とが会話する場面。そしてもう一つはクーパーの兵士が遠征に行く場面。

状況がかなり異なる上、断片的な情報のみが与えられるため、欠けた部分を埋めるべく初めは読み進めました。そして、その埋まる部分が増えていくにつれ、今度は三つの場面の繋がりが分かってくると、物語の全体像が見えてきて、これまた気持ちよくて止まらなくなる。ミッシング・パーツをもっと埋めたくて、展開を知りたくて、更にページを手繰る手を止められなくなる。

この読ませるテクニックも伊坂マジックと言えましょう。

・・・
もう一つ。

伊坂作品では、何というか、人間の良き部分に信念のある性善説的なキャラづくりが物語を方向づけている部分があると思います。

今回でいうと、猫のトム。

本能から鼠に飛びかかってしまうのですが、おのが国を占領される最中に<中心の鼠>から、今後鼠を狩ることをやめてほしい旨、団交を申し出される。

鼠たちは狩られるリスクを冒して猫のトムに賭けたわけですが、その態度はトムをして
「疑うのをやめて、信じてみるのも一つのやり方だ」(P.300)
と語らしめます。

この信じることの可能性は、パッとしない仙台の公務員「僕」が、浮気した妻を今後信じてゆくかどうかという事で一つの道を示しているように思います。

難しいことではあるのでしょうが、そこを敢えて信じてみるのは、文字通り一つのやり方であり、そういう生き方もあっていいんだと思います。

また猫のトムが、本能から鼠にとびかかりたいのを少しづつ押さえていく様。これもまた理性の可能性を寓意的に示しているようにも思えました。

ああ、うまく表現できないのですが、伊坂氏はこういう「人の力」みたいなのを本当に上手にストーリーに練りこんでくるのですよ。で、私はこういうのが好きなんです。

ちなみにトムは猫ですが、まあ喋って考えることができるという時点で既に人と同等ですよね。

・・・
ということで伊坂作品を堪能しました。

未知なるクーパーと戦う+国中を塀で巡らす、という当初の描写で、すわ進撃の巨人か、と思わせましたが、全きツイストに私の予想は見事外れ、思っても見ない結末となりました。あっぱれな結末。

戦争敗北・政治(王族)腐敗というひんやりした設定は、「魔王」や「モダンタイムス」などにみられるファシズム的ネガティブエッセンスと通底しますが、本作はそうしたひんやり風味を残しつつ、どこか明るいユーモラスさが漂うエンターテイメント小説に仕上がっていると感じました。
夜の国のクーパー Amazon書評・レビュー: 夜の国のクーパーより
4488024947
No.82
(5pt)

途方もないホラ話として、これ、とても面白かった!

巻末に(文庫版付記)として、著者がこんなことを語っています。
《どうせ小説を読むのであれば、聞いたこともないような「とんでもないホラ話」がいい。しかも、現実社会とどこか地続きのものがいい。ずっとそう思ってきたので、この『夜の国のクーパー』が書けたことは本当に達成感があります。》p.447

「とんでもないホラ話」として、話の中にぐいぐい引っぱり込まれていく面白さがありました。読み終えた後味も良かったです。

出てくるキャラクターの中では、猫の〈トム〉君が一等良かったっすね。しゃべる猫なんてのがいたらこうであろうという、実に親しみの持てるキャラでした。

話の終盤、謎がするすると明かされるくだりで二つ、びっくりサプライズがありました。
ひとつは、ある人物の正体について。もうひとつは、ここでは異邦人である人間の〈私〉と、この異世界に関わるあることについて。
詳しくは言えないけど、後者のからくりには全くびっくり。心地よく驚かされましたね。英国の諷刺(ふうし)小説の名作のこと、思い浮かべました。

文庫本巻末の解説、松浦正人さんの「敗戦と占領をめぐる緊迫の物語」も読みごたえあります。でもこれ、《本書を読み終えたかたのみを対象に書いていくことになりますので、どうかご諒承ください。》p.454 とある文章が後半を占めてますし、本作を読み終えたあとにすでて読むのが良いかもです。まっさらな白紙の状態で本作の世界の中に飛び込んだほうが、より楽しめる気がいたします。

私が本書を読んだのは、『ミステリースクール』(講談社)てガイドブックの中、【特殊設定】担当の杉江松恋さんが取り上げていらしたから。その作品紹介の文章を読みまして、「へえっ! 面白そうじゃん」てんで、手にとってみました。
夜の国のクーパー【新装版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 夜の国のクーパー【新装版】 (創元推理文庫)より
4488464033

その他、Amazon書評・レビューが 86件あります。
Amazon書評・レビューを見る