南神威島
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
南神威島の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
南神威島の総合評価:
9.00/10点 レビュー 4件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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『南神威島』:南方の無医島に赴任して来た青年医師は素朴だが残酷な一面がある村の人々に恐れを抱いていたが、やがて島に謎の伝染病が発生し彼はさらなる戦慄に襲われるのだった。もし血清の数が足りていれば何の問題もないのに不運な設定を作り出す著者は意地悪その物ですよね。この閉鎖的な島で暮らす人々はよそ者の合理的な考えを頑なに受け入れる事無く自分達の信じる神を未来永劫に崇め奉り続けるのでしょうね。
『幻想の夏』:十七歳の僕は亡き父の再婚した妻である若く美しい母と一緒に夏休みを西伊豆の海で過ごしていたが、最近になって彼が心中で密かに愛する母に始終つきまとっている小説家の男に激しく嫉妬して次第に暴力的になって行く。青年が見た不吉な夢が恐ろしいラストの伏線になる、まさにどんでん返しが鮮やかなホラー系心理サスペンスの白眉でしょうね。
『手を叩く猿』:東京の記者・沢木は、北海道から東京に働きに来て三年になる二十歳の若者が旅先の北陸の海で自殺を遂げた事件を青年の母親と共に調べていた。彼は何故か二十歳にもなるのに何とも幼稚な手を叩く猿の玩具を持っていたという。ミステリーの本来持つ意外なひねりは一切ありませんが、最後の最後にとうとう謎に対する哀切な答が明かされて彼への哀れみと憐憫の情が一気に込み上げて来ましたね。
『カードの城』:路地で絞殺された女の死体が見つかり、すぐにトルコ風呂で働く女と判明する。やがて刑事の田口が調べる内に彼女と結婚を約束していた町工場の男と売れない詩人の男の二人の容疑者が浮上するのだったが・・・・。人間の心理は本当に複雑怪奇だなとつくづく思いましたね。サイコ・サスペンスの味とは全く違うのですが、特異な人間性の不思議を深く掘り下げて分析して見せてくれておりまして、ある意味でとても勉強になりましたね。
『刑事』:「息子が自殺しましたので来て下さい」という電話を受けて小野と田坂の二人の刑事が向かったのはある女優の家だった。過去に私生活である悲惨な事情を持つ田坂は「これは殺しだ」とすぐに確信して彼女の身辺を徹底的に調べ始めるのだった。この結末は誠にオーソドックスでなく多くの読者から文句を言われそうな曖昧なものになっていますが、考えるとこういう風に書くのは中々に勇気が要る事だと思いますね。もしも後年の十津川警部なら例え疑惑を持ったとしてもこんな乱暴なやり方はせずにもっと慎重に振る舞うでしょうね。そして当然ながら良き相棒のカメさん(亀井刑事)もうまく助けてくれるでしょうしね。うーん、彼はこの先の人生で立ち直れるのか?それが心から心配になりますね。でもやっぱりこれではあまりにも謎だらけで彼が惨めすぎますし事件の真相と彼のその後の運命が知りたいと強く思いますので、何時か著者に続編を書いて欲しいとリクエストしたいですね。