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bamboo さんのレビュー一覧
bambooさんのページへレビュー数11件
全11件 1~11 1/1ページ
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本書はカーター・ディクスンのH.M卿シリーズの1作品です。
男が恋人の女性との婚約の許しを得るため、女性の父親の家へ赴きウイスキーを饗されたところ、途中で意識を失い、目を覚ましたら目の前で義父が矢で射殺されていたという内容です。 本書における大きな謎は、1.犯人が主人公の男でなければ、どうやって犯人は密室の書斎で犯行を成し遂げたのか。2.義父が、主人公の男と会ったとき、憎んでいるようだったのはなぜか。 H.M卿が主人公の無罪を立証するために法廷で論述するという、密室モノの法廷ミステリでした。 密室のトリックは言わずもがなですが、なぜ、被害者が主人公に敵愾心を持っていたかの答もしっかりとしていて、なるほどなと思いました。 そして何より、タイトルの素敵さが良かったです。 一見なんのことかわからないタイトルの作品は手に取りたくなります。簡潔で、ミスリーディングの要素がありました。序文の評論家の言葉どおり、『クロスボウの殺人』なんて直截的なタイトルではなく、『ユダの窓』というタイトルのほうが数倍好みでした。 ただ、ハウダニット小説あるあるなのですが、犯行の仕掛けが、なんとなくしか理解できませんでした。そもそも、あんな方法で、目的の人物を確実に殺せるのだろうかと。もし被害者が仕掛けに気がついたらどうするのだろうかと。あまり野暮なことは言いたくないですが、せめて仕掛けの図式がほしかったです。 一応、H.M卿初登場回ではありませんが、特に不都合はなかったです。過去の事件には触れており、そちらも読んでみたいと思いました。 ジョン・ディクスン・カーと同じ作者が別のペンネームで書いたようですね。私は、カーは、『盲目の理髪師』や『夜歩く』を読んでいて、少し合わなかったのですが、本作は読みやすくお勧めです。 |
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ミステリにおいて、探偵を引き立てなくてはならないので、多少、刑事が役立たずになるのは仕方ないにせよ、本作はかなりそれが目立つ作品でした。なにしろ、殺人が起こっているのに容疑者の動きを制限せず、呑気にお茶を飲んでいるのですから。
本書は、かなり異色の作品だと思います。外部と交通が遮断されず、常に現場には刑事やら監察医が出入りするなかで起こる連続殺人。犯人の大胆さに驚かされます。また、中盤で探偵役らしき人物が登場するも、意外な展開を見せたりと、なかなか常識外れの作品でした。 現実味を欠いているのはエンタメなのであまり気にせず楽しむと良いと思います。なぜ、犯人は連続殺人の屍体近くにトランプを置いていくのか、なぜ、殺害方法に一貫性がないかなど、散逸した疑問が綺麗に回収されていくのはお見事と思いました。 登場人物が多いので、できれば最初に登場人物一覧を載せてほしかったです。 |
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本書を初めて読んだのは、私が高校生のときでした。そのときの印象はかなり不気味な物語というものでした。
特別ホラーチックな凄惨な描写はありません。主人公が、昔付き合っていた彼女と共に、廃屋のような長年使われていない家を訪れ、その家で何が起こったか、推理していく話です。かつてその家に住んでいた少年の残された日記を手がかりに、この家の住人が、なぜいなくなったのか、かつてその家にいたはずの主人公の元彼女がなぜ小学校以前の記憶を失ったのか、徐々に繙いてゆきます。 物語の大半が、電気の通っていない廃屋のような家にいるためか、かなり暗い内容でした。そして、〇〇という本書のテーマは、かなり重たいものです。 ミステリ小説の多くは、作中に日記が出てきた場合、そこに手がかりが仕掛けられていることが多いので、まだ未読の方は注意深く読むことをお勧めします。 ミステリ要素もあり、ホラーの要素もあり、かなり良い読書体験でした。久しぶりに読み返し、断片的にしか覚えていなかった内容を思いだしました。やっぱり、読み返すことも大事ですね。 時折、この家を出よう、でもやっぱり戻ることにしようという流れがくどいことと、物語終盤の、主人公の元彼女が異常なほど、主人公に詰め寄る態度が、少しマイナス評価でした。 暑い夏に少し涼しい気分を味わいたい方は是非。 |
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7つの答があるミステリー小説というテーマだけで、興味を惹かれました。さすがメフィスト賞出身の作家だけに、超ユニークな小説です。他の誰も書かないような挑戦的なミステリは好きなので、高評価となりました。文体も軽妙で読みやすいです。
マルチエンディング・ミステリー(複数の結末のある作品)という少し長ったらしいタイトルですが、改題前の『犯人選挙』の方がスッキリしていて、私は好みでした。おそらく、同じく多重解決モノの、作者の『ミステリー・アリーナ』と方向性が同じなので、タイトルを片仮名で揃えたのでしょうね。 舞台は大泰荘というシェアハウス。主人公は純文学の作家を目指す文学青年。住人の一人、ボディビルダーを目指す、マッチョの男が密室で殺され、一体誰が、どうやって殺したかを推理します。 容疑者は主人公を除いた他の住人六名。それぞれ犯人の場合と、犯人が外部の者という、計七通りの解答が提示されます。珍妙な解答もありますが、なかには説得力のある解答もあり、なかなか楽しめます。 一つ、評価が分かれるとしたら、本書は本格ミステリと呼べるか怪しく、脱力的な話ということでしょうか。なので、冒頭に"本書は三人の人物が殺されるので、殺人が嫌いで日常ミステリを楽しみたい方は本を閉じてください"と注意書きされていますが、あまり気負わず読むとよいでしょう。そして、三人目に誰が殺されるか、予想しながら読んでみてください。 こういう話があるからこそミステリは面白いと実感できる小説です。きっと作者は、楽しみながら執筆されたのだと思います。 超ユニークで超メタ的、脱力できる良作でした。メタ的描写は、以前に読んだ瀬名秀明さんの『八月の博物館』と類似していました。登場人物の存在についてフォーカスしていて、かなり面白いです。 登場人物の若い刑事が、頓珍漢なことを言って上司に叱られるという描写は、軽妙すぎるきらいがあります。実際、こんな刑事がいて事件が迷宮入りしてないことを望みますが、、、。 |
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主人公の崇史は、友人の智彦から恋人を紹介されます。その女性は、かつて崇史が偶然見かけ、一目惚れした相手。ところがある日、目を覚ますと、その女性は崇史と同棲していました。そんな二つの世界線が交互に描写されます。
どちらの話が本当かという大きな謎。そして、話が進むにつれて行方を眩ませる登場人物。何が起こっているのか丁寧に描かれ、とても良作です。 恋が人を狂わせるというのが、よくわかる作品でした。一度、一目惚れすると、絆で結ばれていたはずの親友でさえ裏切ってしまう。そして、かつてなら考えなかっただろう邪な感情を、友人に抱いてしまう。そんな、主人公、親友、女性を巡る三角関係が丁寧に描かれ、とてもリアルでした。 残念だったのは、あのとき、一体何があってそうなったのか、種明かしのほうにももう少し詳述してほしかったことです。 |
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終業式の日、担任の女教師はクラスの生徒たちに告白します。娘を殺されたこと。そして娘を殺したのは、この生徒であること――。
本作は、すべて登場人物の独白、あるいは日記や手紙により描写されているのが特徴です。視点人物による絶望や怒りなどがダイレクトに伝わり、とても読みやすいです。出版された当時、中高生の人気を集めたのは、この圧倒的に読みやすい文章と巧みな構成、そして罪人への制裁という大義名分の基、いじめを行ってしまうという危険性が、共感を呼んだのでしょう。 第一章で、娘を殺した生徒である犯人二人を告発します。第二章で、後任の教師がやってきて、事態は最悪な方向へ進み、第三章で、悲劇が起こります。そして、悲劇を起こした人物の心情の吐露が、続く第四章で行われ、、、というふうに、読者は一度読み始めたらページを捲る手が止まりません。 なぜ、こうも最悪な事態が連鎖してしまうのか、さりげなく謎が回収され、とても力作でした。 私はイヤミスはあまり読んだことがないですが、本書はトップクラスの後味の悪さを誇る作品だと思います。告白というタイトルから安易な青春恋愛小説と侮っていると、痛い目をみます。 未成年者の犯罪に対する提起も行われており、興味深かったです。犯人Aは救いようがないとしても、私は個人的に犯人Bに同情してしまいました。本来なら心優しく素直な性格。けれど臆病さと劣等感という短所が災いし、道を誤ってしまいます。なにもここまで、容赦のない仕打ちをしなくていいじゃないかと同情するほど、彼は人生のどん底に落ちてしまうのです。 私は、女教師の性格に共感を持てませんでした。単純に、娘を殺され鬼となったとは解釈できません。自分の受け持つクラスの生徒より娘が大事と、安易に秤にかけて告白していることから推測するに、極論、娘一人と生徒三十人どちらを選べと言われたら、きっとこの教師は、娘を躊躇なく選ぶのでしょう。その身勝手さが透けて、人間性に欠き、共感できなかったです。その証拠に、最後のシーン、いかに娘を殺され感情が麻痺していたとしても、無関係な多くの人を巻き添えにする方法をとっていることや、復讐に無関係な一人の生徒の死に、あまり後悔してないことから察せられます。 なので、教師に対する共感は覚えづらく、いかに罪人が人生を転落していくかという同人誌的内容となってしまったのがマイナスです。 ですが、最初に挙げたように読みやすい文章、巧みな構成を評価して☆7にしました。 |
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綾辻氏の囁きシリーズ第三弾の本作は、『緋色の囁き』や『暗闇の囁き』と比べて好みでした。なにより表紙がお洒落です。黄昏時に遊ぶ5人の子供の人影、牧歌的な光景の表紙で、まず好みでした。
さて、そんな牧歌的な光景に、一つの悲劇がありました。 主人公である大学生の翔ニは、冒頭で兄を喪いました。そして、記憶の奥に封じ込めていた15年前の悲劇を、徐々に思いだしていきます。その緩やかに思いだしていく過程は非常に遅く、焦れったさを感じずにはいられませんが、とても惹きつけます。いったい、過去にどんな悲劇があったのだろうかと。これまでの綾辻作品にある独特の表現技法が、本作でも燦いて感じられました。 犯人当てとしても一読の価値があり、まだ読んだことのない方は、ぜひ挑戦してください。私は、この人が怪しいと睨み、見事当たったと思いきや、なんと、どんでん返しがあり、やられた、と思いました。 正直、辛めにレビューをすれば、偶然がすぎる、犯人の動機が弱いと、幾つか挙げることはできます。ですが、まんまとミスリードに引っかかった悔しさから、☆7の評価にしました。 シリーズものになっていますが、緋色の囁きや、暗闇の囁きを読んでいなくても、充分楽しめます。 あとがきで、いつか、囁きシリーズの第四弾『空白の囁き』を執筆したいと書いているので、楽しみに待ちたいと思います。 その前にまずは『双子館の殺人』ですね。いつか文庫で読めることを楽しみに待ちたいです。 |
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警察は頭を働かせて犯人逮捕に繋がる手がかりを得ようと必死になりますが、犯人サイドは奸智を巡らせます。両サイドの頭脳バトルが見ものなので、ハラハラしながら読めます。ですが、両サイドは互角ではなく、犯人サイドが一枚も二枚も計算が立つため、もう少し手に汗握る攻防戦を読みたかったです。
二時間ドラマの脚本を読んでいる気分で、年末年始年始に読むのにうってつけの作品だと思います。ですが、本作は、絶対に映像化は不可能でしょう。メディアへの皮肉満載なところもありますが、とあるショッキングな内容や暴力的な描写があり、表現規制の厳しい今のテレビには、受け入れられない内容を含んでいます。 ショッキングな死体が発見されるシーンがあります。この誘拐サイトが悪戯ではないことを証明させるためかと思いきや、そこには深い犯人側の計算があります。なので必要不可欠な描写で、ミステリ要素があります。"○○○の論理"の答としては、少し陳腐な印象を持ちましたが、、、。 本作を読みながら、ドラマでありますが、相棒の『ピエロ』という作品を思いだしました。そちらの作品も誘拐劇を扱っており、かつ、ホームレスの物語も関係します。また、もう一つ、なぜ、誘拐した人物の一人を映像に映さなかったかという謎が、本作と似ている気がしました。もちろん、その答はまったく違いますが。『ピエロ』を観て楽しめた方は、本作にも満足できるかもしれません。 (ピエロの方は主人公の警部が優秀で、手に汗握る攻防戦という面で軍配が上がりますが、、、。ちなみに脚本は太田愛で、馴染みのある方もいると思います。) 本作の魅力は、なんといってもホームレスのバックグラウンドと群像劇です。ホームレスたちには、めいめいホームレスになってしまった悲劇的な出来事があり、同情を感じます。 また、この作品には数多くの人物が登場する群像劇で、それぞれの立場からの考え、台詞にリアリティがあり、感心しました。 一方で地の文には魅力が薄く、余計な登場人物も多かった印象です。 強引な展開も幾つか散見されます。細かい箇所も緻密に描けていたら完璧だったと思います。 |
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本作は、刑事である鬼貫が主人公となって、事件を追います。よくある刑事小説とは違って鬼貫刑事には刑事臭さがなく、純粋に謎を追うため機能してくれます。
事件の舞台は九州。溜まっていた有給を消化して、顔見知りの婦人の依頼によって事件の調査を引き受けることになります。 出版されたのが1950年とあるので、半世紀以上も前の作品なのですが、とっつにきにくい文章は少なく、意外とスラスラ読むことができました。ですが、他のレビュアーさんの意見にあるとおり本書が読みづらくさせる要因は、事件の複雑さでしょう。 トランクの行方を追ったり、死体の行方や、犯人と協力者の行動を追わなければならず、頭がこんがらがってしまいます。 途中、参考のために図や時刻表を挟んであったのは、作者なりの配慮で助かりましたが。しかし、時刻表も細かく時刻が書いており、私など読み飛ばしてしまったので、鬼貫の推理のときのみ役に立ちましたが。(推理パート前に時刻表を仔細に読み、事前に謎を看破できる読者がいるのでしょうか?) ただ、解決パートはなるほどと納得できました。鬼貫の推理の過程、矛盾、解決まで丁寧に描かれていました。 登場人物が少なかったのも親切だったと思います。実質、容疑者は二人ですが、私は絶対に犯人はこの人だろうと思い、見事的中していました。フーダニット小説ではないので、読者の八割近くは犯人を当てることができると思います。 次に再読するときにはメモ帳とペンを用意して、トランクの流れと犯人の行動を整理しながら読もうと思います。 それにしても、マッチ棒をいじっている合間に、このトリックを思いついたと自著解説にあるので、凄いと思いました。 |
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本書は6編の話をまとめた短編集です。
まず、そのどれもが文体が魅力的でした。主人公の心情、風景描写などに趣があり、詩や文学的な要素を感じ、味わうようにして一文一文読みました。 作者の本を最初に読んだのが『氷菓』だったので、その違いに驚かされました。氷菓の主人公、折木奉太郎が厨二病のような少年で、それに合わせたように氷菓は文体も気障な感じで、海堂尊を想起させました。私には合わないなと思って時間が空きましたが、作者、米澤穂信氏があらゆる文学賞で受賞しているのを知り、本書を手に取りました。 この文体の違いはなんだろうと驚きました。処女作だったので文体に洗練さがなかったのか、それとも、作者の想像する世の男子学生が浮世離れしているのか。とても興味深いです。 さて、私は本書では『夜警』と『万灯』がお気に入りでした。 第一章の夜警は、タイトルどおり警察小説。皆さんと同じくミステリ小説を好む私は、警察小説に苦手意識を持っています。テレビドラマによくある刑事ものは概して冤罪やら警察批判、政治家の汚職やらで二番煎じ、テレビの御意見番みたいな人は好むでしょうが、私はその手のものに辟易します。ところが、夜警はテレビでありがちなものと違う新鮮さがあります。人間向き不向きがあり、警察官に不向きな人が警察官になるとどうなるか、ミステリ要素もあり、おもしろいアプローチでした。 第四章の万灯もなかなかの傑作です。殺人の罪悪感、そして一度人を殺すと、次に殺すことの抵抗も減っていく。短いながら華麗に描かれ、何げない伏線、異国の相手とのビジネス交渉の難しさも詳述され、なんといっても綺麗な話の着地。とてもお見事でした。 三冠を獲得したのも納得の短編集でした。 今後も米澤作品を追っていきたいと思います。 |
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この作者さんの本を読むのは2冊目です。以前読んだのは『東尋坊マジック』といって、旅行代理店の水乃サトルという、本作とは別でシリーズ化されている探偵物の一作でした。そちらのほうは登場人物のセリフが多く、物理トリックもやや難解で、頭に入ってこなかった印象がありました。
比較して本作は、なかなか出来が良かったです。昭和の時代を描いているため、雰囲気が横溝正史を思わせます。 本作のメインの謎は3つ。現場に犯人の足跡のない事件が2つと、犯人の出入りが不可能な密室殺人。東尋坊マジックとは異なり、正統な本格ミステリと呼べます。 また、特徴として注釈が多く見られます。後半の謎解きするにあたって、この伏線は〇〇ページに書いてあったと説明してあるので、わざわざ探す手間が省けて親切です。また、物語の前段、昔の事件で足跡のない現場の殺人を解説するにあたり、様々な古典ミステリ小説を引き合いに出し、トリックを分類しています。作者がたくさんのミステリを読み、ミステリを愛しているのだと窺えました。 ただ、先に挙げた本作の3つの謎とは別に、犯行を予告した不審人物が、足跡残すことなく消えた謎について如何なものかなと思います。後半の足跡のないトリックを引き立てるためにジャブ程度に描いたのでしょうが、トリックがあまりに陳腐で、先行き不安に感じました。メインでないとしても、もう少し捻ってほしかったです。 それからもう一つ、過去に起こった事件を解説するシーン。東尋坊マジックと同じように、セリフが長々続きます。まずは自力で過去の事件を調べて予備知識を得て、それから当事者の当時の状況を語ってほしかったです。 他にも、いくら別解潰しとしても探偵が低レベルな質問をするシーン、ワトソン役の主人公の迷推理に賞賛してしまう迷警部、犯人との格闘シーンで急にレベルを落としたような低レベルの文体など、気になる箇所が目立ちましたが、概ね満足できました。 作品の雰囲気◯、メイントリック◎ですが、細かなところで△ 評価は☆7としておきます。 |
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