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bamboo さんのレビュー一覧
bambooさんのページへレビュー数3件
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心臓手術を行うロボット、ミカエル。そのロボットを使う第一人者である医師、西條が主人公の物語です。西條は、ミカエルを使い、あらゆる手術をこなしてきました。だからミカエルに対する信頼も厚い。けれど、そんなミカエルに欠陥がある疑いを聞き、本当にミカエルを使って大丈夫だろうかと、葛藤しながらオペに臨むのが粗筋です。
本書を読んで一番お見事と思ったのは、終盤の手術シーンでした。医療事故を引き起こしやすいロボットを使い、患者の命を救えるかという緊張感が伝わってきましたし、緻密な手術の描写が、とてもリアルでした。手術の用語が羅列していて、相当調べ、力を入れたのだろうと推測できます。 ただ、他は空虚と感じられました。改行が多く、不要な描写も多いです。読書が苦手な人には読みやすい本といえるでしょうが、改行が多いせいで本が厚くなってしまってる始末です。いろいろ削れば、400ページくらいに収まったと思いました。 また、細かいようですが、逆説の"が"を多用しており、気になりました。『〜だった。"が"、〜だった』というふうに。"しかし"や、"だが"、"けれど"など、いろいろ接続詞はあるのに、"が"に固執するのはなぜだろうと、少し目につきました。 展開が予想どおりなのも残念と感じました。なぜ、あの場面で、あんなことが起こったのかについて、説得力ある説明がほしかったです。 ミステリ要素は皆無のヒューマンストーリーの作品です。かといって登場人物の個性は少ないです。 辛辣なレビューをしたかもしれませんが、手術の場面のリアルさを総合し、可もなく不可もなくの☆5評価としました。 |
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小惑星が地球に衝突し、あと三年で人類が滅亡する設定の世界観で、同じ団地に住む住人たちの生き方に焦点を当てた作品です。
八年後に人類が滅亡すると知らされ、人々はパニックに陥ります。ルールは破られ、生きていくために殺すことが日常となった世界ですが、滅亡まで三年とカウントダウンしていくと、人々は小康状態になります。滅亡までの余生の過ごしたが各々異なっていて、おもしろかったです。同じ地域の住民がそれぞれの話で主人公となった短編集の形式なので、それそれの話に少し繋がりもありました。 全体に重くはなく、喜劇のような話が多いです。なので、気軽に読むことはできますが、その軽さが世界観と一致せず、違和感が拭えません。ほのぼのした話に、突如、『〇〇さんは見知らぬ人に襲われて死んだ』と、あっさり書かれていて、殺伐とした設定とギャップがあり残念でした。 加えて、この作品のメッセージ性も漠然としていて、求めていた作品と違いました。 |
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初めて著者の本を読みました。
本書は、作者と同名のヴァン・ダインが、シャーロック・ホームズにおけるワトソン助手よろしくファイロ・ヴァンス氏の推理を記録した形式をとっています。 事件は証券会社の経営者・ベンスン氏が、額を銃で撃ち抜かれたというもの。警察は、現場に残された犯人の遺留物らしきハンドバッグやアリバイ、動機などから犯人を絞ります。対してヴァンス氏は、この事件の特性から犯人の性格を予想し、推理していきます。 作中で検事に対し、アリバイや動機など信用できないなど持論を見せていて、珍しい探偵だなと思いました。 若干不満だったのは、探偵小説の性(さが)だからでしょうか、ヴァンス氏が、なかなか推理を披露しないことでした。最後になって、「私は、事件現場を訪れてすぐ、犯人の目星がついてました」ようなことを言ってるのですが、それならそれまでの話はなんだったのだと、思ってしまいます。探偵の天才性、変人さを表現するためか、ほかの作品でも度々散見されますが、中弛みする原因にもなるので、あまり良い手法とは思えないです。 2点目、作品を記録してるはずのヴァン・ダインが、まったく話に登場しないこと。一言も発言することなく、まるで幽霊視点なのかと勘ぐってしまいました。 決しておもしろくないわけではないですが、事件が小規模で、総じて話に派手さが少なく、記憶に残りづらい凡庸な作品でした。 とはいえヴァンス氏の人柄には魅力あるので、これ以降に書かれた作品も読んでみたいと思いました。 |
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