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No.309
坂の途中の家
角田光代
坂の途中の家の感想
No.308
熔果
黒川博行
熔果の感想
No.307
催眠
松岡圭祐
催眠の感想
No.306
風葬
桜木紫乃
風葬の感想
No.305
天使に見捨てられた夜
桐野夏生
天使に見捨てられた夜の感想
No.304
エトロフ発緊急電
佐々木譲
エトロフ発緊急電の感想
No.303
首無の如き祟るもの
三津田信三
首無の如き祟るものの感想
No.302
木挽町のあだ討ち
永井紗耶子
木挽町のあだ討ちの感想
No.301
仮面病棟
知念実希人
仮面病棟の感想
No.300
福家警部補の追及
大倉崇裕
福家警部補の追及の感想
No.299
向日葵の咲かない夏
道尾秀介
向日葵の咲かない夏の感想
No.298
九月が永遠に続けば
沼田まほかる
九月が永遠に続けばの感想
No.297
ブラックボックス
篠田節子
ブラックボックスの感想
No.296
ジェンダー・クライム
天童荒太
ジェンダー・クライムの感想
No.295
未明の砦
太田愛
未明の砦の感想
No.294
リボルバー
原田マハ
リボルバーの感想
No.293
切断
切断の感想
No.292
朽ちないサクラ
柚月裕子
朽ちないサクラの感想
No.291
悪逆
悪逆の感想
No.290
レベル7
宮部みゆき
レベル7の感想
とにかく主人公里沙子の思考にイライラする。
本文中にも「・・・そんな具合に、ネガティブな思考のループにはまりやすい自分を里沙子は自覚していて、心底面倒だと思っているのだが。・・・」
まさにこの一文に尽きる。
主人公は三歳の娘を育てている普通の主婦である。夫陽一郎もその娘を可愛がるどこにでもいるような普通のサラリーマン。
そのどこにでもあるような普通の家庭の普通の主婦が、裁判員制度の補充裁判員に選ばれ、刑事裁判に臨むことになったというお話。
刑事裁判の被告は、我が子を湯船に沈めて虐待死させた女性水穂。
当方読み始めて本書の展開は、「被告や証人の証言や主人公の発言・行動が複雑に絡み交錯しつつ、事件の真相が思わぬ展開を迎える」というエンタメ的なストーリーを予想したが、実際は全く異なっていた。
事件そのものは、この小説の本題ではない。
要するに、主人公里沙子が被告水穂に自分を重ね、自分の生い立ち・環境・家庭・家族・結婚生活・子育て・躾け・虐待・嫁姑・自立・専業・共稼ぎ等を考える社会派的家族小説である。
安直に言うと、若い男女が結婚するに当たっての指南書・啓蒙書とも言っていいかもしれない。
男性側から見ると、里沙子のような超面倒な女性は遠慮したい。
女性側から見ると、陽一郎のような一見理解があるようだが、女性の内面を知ろうとしない無理解・マザコン男はもう無理。こういうことだろう。
だから、円満な結婚生活を送るためには、この本を読んで男女の特性差を知り、些細な一言も気を配って結婚しましょう。ということではないか。
勝手ながら、当方、著者の意図をそういう風に捉えてしまった。
アマゾンの感想を読んでいると、里沙子の心情に共感するというコメントが多いことになるほどと思う。
無理解男が世に多いということの証左でもある。
まあしかし読みながら、うじうじ思考の里沙子には、もっとガツーンと言ってやれよと言いたくなった。
もしかすると、著者はダメ女性の例として里沙子を描き、世の女性たちに「もっと自立せよ!」って発破をかけているのかとも思った。
エンタメ小説では無く、ちょっと本サイトでは範疇外という印象なので、中庸点の5点とした。