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とも さんのレビュー一覧
ともさんのページへレビュー数89件
全89件 81~89 5/5ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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子供は兎角守られがち。それが、特に犯罪に関わる場合はなおさら。この年代、大人が思うほど未成年は馬鹿ではない。ないのは、責任感であり、社会も擁護する傾向にある。昨今、選挙権引き下げが決まるなど 権利を与える風潮がある。それに反対はしないが、その代わり責任年齢も引き下げなければ片手落ちである。どちらかといえば、子供を悪人にすると否定される傾向が強い中、湊かなえの「告白」といい当書といい、問題提起となる非常に嬉しい作品である。
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なるほど、読み終えてしまえば 評価の高い作品であることは納得するのだが、途中というよりかは後半に入るまでは結構ダルイ。傷害致死前科者の三上と死刑執行人(刑務官)南郷 2人の主人公の説明がだらだらあったり、この2人がある事件の捜査をすることになる状況や関係者の説明などなど、どちらかといえば本筋に入るまでの人物描写や経緯など外堀をきっちりと構築して後半で一気に収束という、大きな円がだんだんと小さな円になり最後に点になる、そんな感じの作品。題名の取り方もうまく、死刑執行の13階段だけでなく、時間に、場所にと多くに掛かっており、練られたものである。ということで、面白いというよりは。結果よく出来ましたと言わざるを得ない作品である。
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この本をよくある陰謀小説と読むか、ノンフィクションと読むかは、読者の判断に委ねられるところ。仮に前者スタンスで読む場合、まぁよく出来ている。プロットはもちろんだが、ストーリー、人物描写、スピード感どれをとっても圧巻で、途中でやめられなくなる。後半はおおよそ答えも見えてきて、少々尻すぼみ感は拭えないが、最期の最後に書かれたハイチの予言は不気味であり、また東日本もどうだったんだろうと、ちょっと真剣に考えてみたりして。。。兎に角、迫力がある作品。
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3人の主人公の話が、交互に繰り返されながら重なり合う。昔からよくあるピカレスクというジャンルに入るのか、音(音楽)が無く設定地が仙台でないこと、ファンタジー性が見当たないことが 伊坂作品としては少々異例といったところだが、悪が明確で、構築されたプロットやスピード感は伊坂そのもので満足。
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スポーツというものに興味がない。やる事についてはまだしも、人のやっているものに対して見る、聴くなどには全く興味がわかない。当作は前作の「サクリファイス」の続編だが、当作品 文句の付け所がない。どちらかといえば日本ではほとんど認知度がなく(?)、斯く言うわたしも全く知識の無いロードレースを題材に、3週間に渡りフランスを1周するツール・ド・フランスをテーマに物語が繰り広げられる。内容はそこで繰り広げられる人間模様なのだが、その臨場感、スピード感、緊迫感は、冗談ではなく手に汗握るどころか、本当に身体が熱くなってくる。機会があれば読んで欲しい一冊。
※サクリファイスの続編 |
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期待に違わない一冊。題材としては、歴史的に日本国に騙されてブラジルへ渡り虐げられた人々が、国を相手取り復讐する、という何とも言えず暗いテーマで長い間積読となっていたが、ラテンのノリがその重さ、暗さを払拭し、最初からテンポよく最後まで突っ切る、ただただ楽しめる一冊に仕上がっている。とはいえ、テーマになっている日本政府の政治、外交の酷さには今更ながらに辟易する。
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書籍として、弱い家族が頑張る物語。誰もが弱い部分はあるだろうし、ある部分で大なり小なり虚勢を張りながらら生きている。その弱いところを突かれた家族が笑顔を取り戻す物語となっており、わずか応援するところもありながらも、気持ちいい内容かというとそういうでもなく、ほんわかさを求めて読む加納朋子としては、少々読む理由が無い一冊で残念。とはいえ、最後の「バルタン最期の日」は、なかなかにじんわり染み入る作品。
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書籍として、鯨統一郎の作品は主題に対して何かを掛け合わせる。当作は、落語と幕末の掛け合わせ。初めのうち、単なる落語のオチと幕末をこじつけただけのただの短編集かと思いきや、途中で連作になっていることに気づく。粗忽長屋の住人が幕末にどのような影響を与えたのか、これ以上はネタバレになるので終わりにするが、後半から面白さが増すことは鯨の必然か。
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書籍として、非常に感想の書きにくい作品。全体としてはよく出来ている。文学作品として読むのであれば秀作である。ただし、道尾作品として読んだ場合には期待から外れる。作品形態は連作短篇集。3篇とエピローグで構成され、各篇にはそれぞれの登場人物の現在と過去の物語とあとひとつずつ絵本の物語が入り混じりながら進んでいいくなかで、またそれぞれを繋がせ最期に収束させる複雑な形式を取り入れいているのだが、いつものシニカルさやパンチは全く鳴りを潜め、ん~いい人になりたいのか?普通の作家に落ちぶれか?と個人的にはガッカリである。
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