■スポンサードリンク
鳥かごの詩
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
鳥かごの詩の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
同じような経験があったので、読み返すたびに胸がキュッとなります。多くの新聞少年、女の子たちに読んで欲しいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人生の岐路に立った時、選ぶ道はひとつしかない。選んだ道が正しかったかどうかは、永遠にわからない。 本書は、昭和41年(1966年)、山形から上京し、住み込みで新聞配達をしながら大学受験を目指す若者、作者自身の自伝的小説。鳥かごとは、住み込みの小さな部屋のこと。鳥かごの住人(同僚)たち、そして配達先の刺青のある元やくざの爺さん、その孫娘のサキとの恋愛などを中心に物語はすすむ。 サキをとるか、受験をとるかの選択に迫られ、主人公は受験を選び、サキのもとから逃げる。家族に期待を担って上京した主人公にとって、それは仕方のない選択。でも、サキのことを思うと、胸が痛む。その心の痛みが作者にこの小説を書かせたのだろう。 2009年、この本が出版された年に北重人はガンで逝去する。死ぬ前に、サキへの思慕を込めて、そして悔恨の情を抱きながらこの作品を書いたのだろう。本書、そして同じ年に出版された『火の闇 飴売り三佐事件帖』は北重人の遺書のように思える。合掌。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まだまだ大学進学が夢だった時代の物語 大学に落ち浪人となった主人公は生活費を稼ぐために 2畳の段ボールで仕切られた部屋に住み込み 朝晩新聞配達をしながら受験勉強に励みます 私たちの年代ならまだなんとなく実感をもって想像できるけど たぶん今時の子供たちには目に浮かべることすら 無理な世界だろうな 「かぐや姫」の三畳一間の二人の下宿どころか 大部屋を段ボールで仕切っただけの個室?で 恋人と密会してみたり(笑) うーん。 なんていうか、主人公といいとりまくいろいろな人たちといい 生きるということにまっすぐで まっすぐすぎて傷ついて それがいいか悪いかは別として 見習うべき点も確かにあるなと思いました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「同上」家内の感想は「面白かった」でした。読むスピードが速いのでついていけません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品は、団塊世代のレクイエム的小説と言えると思う。小説の面白さがギュッと詰まった一冊。北氏の巧みな筆力にも感動を覚えた。著者と同世代の私は、自分が主人公“康夫”になったような思いで、引き込まれるように一気に読み上げた。自分の青春、友の青春・・・私たちは、どう青春時代を過ごし今日に至ったのか?改めて考えさせられた作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作為とケレン味に満ちた時代小説が多いなかで、この 人のものには正攻法のストーリーテリングがあると思って きました。初めての現代小説という本作にも、同じ特徴を 感じました。 ある新聞配達店に住み込んだ、主人公の浪人生の1 年間を坦々とした筆致で綴っています。なかで秀逸なの は、元やくざの爺さんが語る東京大空襲の記憶です。 簡潔な叙述ながら、今にも低空から迫り来るB29の爆 音と、周囲を焼き尽くす火焔の無情な音とが耳に聞こえ てくるかのようでした。設定は昭和41年と、戦争体験 の共有化という点からいうと微妙な時期です。それでも、 創作で東京大空襲をここまで書き込んだのは稀だと思 います。 最後に、主人公は入試に合格しこの店を出ます。同 時に、孤独を仲立ちにして身を寄せ合う程に近づいた、 爺さんの孫の女子高生を見限ります。人生の旅立ちの 時期に、とかく人の世はままならぬと、いつまでも消 えぬ後ろめたさと引き換えに学んだということなのでし ょう。作者には、新しい時代小説で、今度こそ直木賞 を取ってもらいたいものです。 〔付記〕 本作の作者は、昨年8月26日に死去しました。 この後吉田修一『横道世之介』、夏川草介『神様のカル テ』と本作から20年ごとの時代背景をもった同種本を 続けて読みました。主人公らのひたむきさという点では 共通していて、いずれにも何度も心を動かされました。 しかし、貧しさとそれ故の人々の目的の確かさ、そして そのために漂う静謐感とでは、本作が際立っていたと 思います。残念です。(2010.1) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時は昭和41年、物語は主人公の浪人新聞配達員の一年を季節の移り変わりとともに活写していく。 地を這う新聞配達員の視点は同時に、一羽の鳥となり昭和の全盛期を俯瞰する。 人間とはなにか?時代とはなにか? 武田泰淳の「富士」に似た読後感を持つ稀有な小説。 人間と時間に対する作者のフォーカスの幅広さが「鳥かご」という言葉を無限の万華鏡に昇華させている。 愛、青春、サスペンス、ミステリー、そんな言葉で表現したくないが、この一冊にはそのすべてがあふれている。 つくりものではない、つくりもの。人間と時間を描いた至極の“エンターテインメント” | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!