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鳥かごの詩



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【この小説が収録されている参考書籍】
鳥かごの詩

鳥かごの詩の評価: 4.29/5点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.29pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

読後感想

「同上」家内の感想は「面白かった」でした。読むスピードが速いのでついていけません。
鳥かごの詩Amazon書評・レビュー:鳥かごの詩より
4093862184
No.1:
(3pt)

ちょっと悲しく、そしてほろ苦いお話し

作為とケレン味に満ちた時代小説が多いなかで、この
人のものには正攻法のストーリーテリングがあると思って
きました。初めての現代小説という本作にも、同じ特徴を
感じました。
 ある新聞配達店に住み込んだ、主人公の浪人生の1
年間を坦々とした筆致で綴っています。なかで秀逸なの
は、元やくざの爺さんが語る東京大空襲の記憶です。
簡潔な叙述ながら、今にも低空から迫り来るB29の爆
音と、周囲を焼き尽くす火焔の無情な音とが耳に聞こえ
てくるかのようでした。設定は昭和41年と、戦争体験
の共有化という点からいうと微妙な時期です。それでも、
創作で東京大空襲をここまで書き込んだのは稀だと思
います。
 最後に、主人公は入試に合格しこの店を出ます。同
時に、孤独を仲立ちにして身を寄せ合う程に近づいた、
爺さんの孫の女子高生を見限ります。人生の旅立ちの
時期に、とかく人の世はままならぬと、いつまでも消
えぬ後ろめたさと引き換えに学んだということなのでし
ょう。作者には、新しい時代小説で、今度こそ直木賞
を取ってもらいたいものです。

〔付記〕 本作の作者は、昨年8月26日に死去しました。
この後吉田修一『横道世之介』、夏川草介『神様のカル
テ』と本作から20年ごとの時代背景をもった同種本を
続けて読みました。主人公らのひたむきさという点では
共通していて、いずれにも何度も心を動かされました。
しかし、貧しさとそれ故の人々の目的の確かさ、そして
そのために漂う静謐感とでは、本作が際立っていたと
思います。残念です。(2010.1)
鳥かごの詩Amazon書評・レビュー:鳥かごの詩より
4093862184

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