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鳥かごの詩
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鳥かごの詩の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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「同上」家内の感想は「面白かった」でした。読むスピードが速いのでついていけません。 | ||||
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作為とケレン味に満ちた時代小説が多いなかで、この 人のものには正攻法のストーリーテリングがあると思って きました。初めての現代小説という本作にも、同じ特徴を 感じました。 ある新聞配達店に住み込んだ、主人公の浪人生の1 年間を坦々とした筆致で綴っています。なかで秀逸なの は、元やくざの爺さんが語る東京大空襲の記憶です。 簡潔な叙述ながら、今にも低空から迫り来るB29の爆 音と、周囲を焼き尽くす火焔の無情な音とが耳に聞こえ てくるかのようでした。設定は昭和41年と、戦争体験 の共有化という点からいうと微妙な時期です。それでも、 創作で東京大空襲をここまで書き込んだのは稀だと思 います。 最後に、主人公は入試に合格しこの店を出ます。同 時に、孤独を仲立ちにして身を寄せ合う程に近づいた、 爺さんの孫の女子高生を見限ります。人生の旅立ちの 時期に、とかく人の世はままならぬと、いつまでも消 えぬ後ろめたさと引き換えに学んだということなのでし ょう。作者には、新しい時代小説で、今度こそ直木賞 を取ってもらいたいものです。 〔付記〕 本作の作者は、昨年8月26日に死去しました。 この後吉田修一『横道世之介』、夏川草介『神様のカル テ』と本作から20年ごとの時代背景をもった同種本を 続けて読みました。主人公らのひたむきさという点では 共通していて、いずれにも何度も心を動かされました。 しかし、貧しさとそれ故の人々の目的の確かさ、そして そのために漂う静謐感とでは、本作が際立っていたと 思います。残念です。(2010.1) | ||||
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