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永遠の0
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永遠の0の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1513件 1421~1440 72/76ページ
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カミカゼに乗っていたのは悪魔だったのか。戦争中の日本人のイメージ。熱狂的愛国主義。国のため、天皇のため、喜んで命を捧げる。神風特攻隊として、ためらいなく鬼畜米兵に突撃する。なんとなく持っていたそんなイメージが塗り替えられます。現在と過去、フィクションとノンフィクションが交錯する話を読み終えたとき、戦争物語を読んだとは思えないような清々しい気持ちに気づきました。カミカゼに乗っていたのは悪魔ではなく、私と同じ人間でした。 | ||||
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終戦記念日に読みはじめ気づけば2日間で読了。 思わず引き込まれてしまった。 改めて今の世の中について考えるキッカケになる。 自分自身がなんとなくボンヤリしているかなと 感じた時に再読したい。 | ||||
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この小説は戦争の物語だが、外に向かっての戦争ではなく、内に向かっての戦争だと思った。 日本国・部隊・隊員内・自己心境、うち・・うち・・うち・・に向かっての葛藤を強く感じました。 理不尽な、不条理な事も戦争の時代には ”あり” なのか? | ||||
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たった今、読了しました。書店やインターネットで、度々目にしていた「永遠の0」。何気なく手に取り購入し、気がつくと夢中になって読んでいました。そして自身が如何に戦争に対して無知か、痛い程思い知らされ、今まで何も知らずに生きてきた自分に、嫌悪感を抱きました。本の内容に関する感想は書けません。言葉で表すのは難しい。是非一度読んでみて下さい。 | ||||
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自分は今27歳です。それなりに本は読んできた方だと思いますが、27年という短い人生のなかで、本を読んで泣いたのは初めてです。この『永遠の0』は非常に読みやすく、最後まで一気に読めます。そして、描写が素晴らしく、まるで自分が見ているような感覚になります。言葉では語り切れない程の感動があります。戦争を知らない自分は、本当にこの本に出会えて良かったです。 | ||||
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他にも書いておられる方がいるが、元兵士の回想と現在のエピソードとのギャップが大きすぎる。姉弟の会話やものの考え方、新聞記者(作者が念頭においてると思われる新聞社に、あんな考え方の記者がいるだろうか…しかもすぐに変心するし)、元兵士の一人の孫のステレオタイプさ…ホントにイライラした。回想の部分が、戦争についてほとんど知らなかった私にとってあまりにも衝撃的だっただけに、よけいギャップが大きかった。なくてもいいくらいだった。 また、宮部がなぜ特攻に志願したのか、結局よくわからない。「終戦直前には特攻が通常の攻撃として行われていたから」では物足りない。 ので、星は4つ。 ただし、回想の部分は、本当に衝撃的だった。自分があまりにも何も知らなかったことを恥じた。 読み終わって、ぐっすり眠る我が子の顔を見たらまた泣けた。この子のためにも、同じ過ちを繰り返してはならない、と強く思った。 | ||||
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私はアラフォー、2児の母です。両親は戦後生まれ、祖父母からは戦争の話は全くと言っていいほど聞いたことがなく、戦争に関する教育で一番印象に残っているのは原爆のことでした。ゼロ戦についても、大変お恥ずかしながらほとんど知識はありませんでした。意図的に避けていたわけではありませんが、この本を読むまでは、正直あまり、関心が高くはなかったと思います。 そんな私が、戦闘描写など、一番興味関心から程遠いと思っていたのに、そういうシーンも含めぐいぐい引き込まれていき、電車で読んでいるときは何度も泣きそうになり、こらえるのに必死でした。この数日間、宮部さんや、ゼロ戦の整備の方、最後の特攻隊からの通信を受ける通信員の方々のことなど、ずっと頭から離れませんでした。単に戦闘機の搭乗員だけを描いているのではないところがまた、すごいと思います。前線で戦っている人はもちろん、それをサポートする人たち、そして内地で必死で生活をしていた人たち、全ての人に、それぞれの「戦争」があったんだということも、伝わってきました。 この小説はみんなに勧めたいです!私たちの先祖は、こんなに素晴らしい人達だったこと、そして本当の愛とは何か、深く考えさせられ、本当に本当に、ノックアウトされました。遅まきながら私も、これからもっと戦争について勉強していきたいと思います。そう思わせてくれる一冊でした。ありがとうございました。 | ||||
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21世紀のこの時期に、作者が読者に問うた「戦争」という題材。 意欲は十分に感じられ、これをきっかけに戦争を学ぶ方々が増えると思います。 人間愛を謳うストーリーにも素直に涙しました。 しかし、それでもあえて小説としての評価は、表層的なのです。 インタビュー相手の歴史観がどうも、参考文献の寄せ集めで、説明的でしっくりきません。 特攻学生の諦念ともとれる生死感の描写は、やはり数多出版されてきた戦記ドキュメントが 勝ると思います。 その意味では、最も平易な太平洋戦争の入門書といえるかもしれません。 | ||||
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中学校で社会科の教員をしています。戦争についての本も様々読んできました。 この本は,私にとって戦争ものとして,最高に感慨深い本となりました。 真珠湾攻撃が宣戦布告なき攻撃でなかったことは存知でしたが,このことを含め, 当時の戦争指導者,いわゆるエリートたちの最前線の兵士のことを何も考えない無謀な作戦。 いざ現場に出れば,自分のことしか考えず,逃げ,責任転嫁する態度。 それを,今の政治家や高級官僚,または新聞社にあてはめながら,論を進める説得力。 思わず,自分も授業で子どもたちに話してみたいことを,たくさん学ばせてもらいました。 さらに,あれだけ家族のために生きると固く決意していた宮部久蔵が特攻隊となり, なぜ,自ら命を落とすことになったのかを読み解くミステリー小説としても,おもしろい。 最後に,様々な人の証言が伏線となり,驚愕の事実が判明したくだりには, 多くの人がそうであったように,私も泣かずには居られませんでした。 この夏,一番の作品であるのみならず,今まで読んだ小説の中でも, まさに,3本指に入る感動作でした。 | ||||
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65回目の終戦記念日に合わせるように読み終えた。 2週間前に購入し、 以来、通勤途中や細切れの時間を見つけて読み続け、 今日の終戦記念日に読み終えたばかり。 『永遠の0』の「0」とは、零戦の「ゼロ」のこと。 もしかしたら「すべてが無になる」という意味の「ゼロ」かもしれないが。。。 零戦。 正確には「零式艦上戦闘機」。 物語は、その零戦パイロットで最後には特攻隊で死んでいった宮部久蔵という人物を インタビューによって浮かび上がらせる。 「生きて帰る」。 生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」と蔑まされながら 零戦での戦闘にあけくれた凄腕のパイロットであった宮部。 その彼がなぜ終戦間際に特攻によって死ななければならなかったのか? 物語は、彼の孫たちがかつての彼の戦友たちへインタビューすることによって進行していく。 読み進めながら明らかになる宮部の生き様。 戦争という非情な世界に身を置きながら、人間らしく生きようとする矛盾と葛藤。 自分だったら宮部のように「十死零生」という過酷な状況の中で、 冷静に、しかし苛烈に生き様を貫いて生きていけるだろうか。 読みながら自分が試されている気がした。 「お前はしっかり生きているか」と。 この小説は物語を楽しむと同時に、 太平洋戦争という戦争を改めて学び直すきっかけにもなる作品である。 零戦という当時、世界最高の戦闘機を生かし切れなかった理由も分かる。 最高の戦闘能力を持ちながら、防御に対する配慮は皆無に等しい。 ここに日本軍の戦いに対する思想が如実に表れている。 そこには零戦に乗るパイロットへの生命への配慮などない。 撃たれて戦闘機がダメになっても、 パイロットが生きていればまた戦闘機に乗ることができる。 しかし、日本軍は防御機能を極端に減らしたことで、 攻撃を受けた零戦の死傷率は極めて高かった。 さらに助かって敵の捕虜になるくらいなら自爆せよ!という考え方をしていた。 戦陣訓の「生きて虜囚の辱めを受けず」の教えだ。 これでどれだけ無駄な命が損なわれたことだろう。 日本軍は零戦とともに優秀なパイロットも失っていくのである。 最後は促成訓練したパイロットを特攻隊で死なせていくのである。 促成されたパイロットが敵の攻撃をかいくぐって、 目的の艦隊へ突入できたのは、ごく稀なことだったという。 特攻隊といいながら、その目的を果たせずに打ち落とされた零戦パイロットたち。 宮部は日本軍の愚劣な戦争遂行に異を持ちながらも、 最後は特攻の任に就くことを選ぶのだ。 物語の最後の驚愕の真実に胸が熱くなり、 涙が流れる。 この物語を読んで良かった。 戦争を知らない世代こそ読むべき小説だ。 戦争というもののリアリティが失われた現代人こそ この濃密で清冽な物語を読むべきだろう。 宮部久蔵という人間の生き様に教えられることは多い。 そして、 「二度と戦争は起こしてはならない。」 その思いをこの小説を読んであらたにした。 | ||||
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たまたま売り上げランキング上位ということで購入したのですが、この本に出会えて本当によかったです。 | ||||
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65年目の終戦記念日にこの作品を読み終わりました。 特攻に関する本は初めて読みました。 フィクションなのでしょうけれど、よく調べて書かれたものだと思います。 読みながら、何度も涙がこぼれ、本を閉じ、また開き、一歩一歩物語を進んできました。 東京大空襲を経験した祖母と、陸軍兵士として南方に出征した経験のある祖父のことを思い出しました。 兵士を含め、戦争で亡くなった全ての人に家族があり、愛する者があり、人生がある。 そんな当たり前のことを、強烈に目の前に突きつけられた感じです。 日本人として読んでおくべき本だと思いました。 祖国と愛する者を守るため勇敢に戦い抜いた英霊達に合掌。 | ||||
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百田尚樹は、今、気になる作家である。「BOX!」も「風の中のマリア」も「モンスター」も、全く違う題材を扱いながらそれぞれ面白く読めたし、レビュー上にも書き込ませて頂いた。ただ、デビュー作の今作は、今まで手に取る機会がなく未読であったが、文庫化され、評判になっていると聞き、ようやく購入、終戦記念日である本日、読了した。 あらすじについては言うまでもないだろう。第2次世界大戦終戦直前に特攻隊員として若くして戦死したひとりの零戦乗りの男の軌跡と生き様を追いながら、兵士たちは何の為に戦い、何を思い、散っていったのか、そして、平和とは、戦争とは、家族とは、国家とは、愛国心(道徳心と言い換えても良い)とは、を読む者たちに否応なしに問いかけ、考えさせる作品となっている。 この本の魅力は、巻末の解説で、児玉清氏が余す事なく語っている事に尽きるので、私如きがくどくどと申し上げるまでもないが、ひとつだけ言わしてもらうと、それは構成の妙であって、現代を生きる戦争を知らない若者が、生みの祖父とも言える人物を調べるとの設定を取った事で、祖父を知るかっての“戦友”たちが、祖父との接点を思い出しつつ、生き残った者として、自らの体験を振り返っていく処だ。 真珠湾、ミッドウェー、ラバウル、ガダルカナル、沖縄、第2次大戦時の激戦地での壮絶かつ凄惨な史実が、時系列通りに詳細に語られる事によって、私たちがイメージとしてしか捉えられていなかった戦争の悲惨さと本質が見えてくる。 思えば、作者は、ボクシング、蜂と昆虫の生態、美容整形と人相学、と他作でもその綿密なレクチャーぶりを感じたものだが、今作も、その取材力に感心した。 もちろん、今作はフィクションであり、これが戦争の全ての真実とは思わないが、戦争の証言者たちの言葉を借りての、作者の思いがひしひしと伝わってくる熱い1冊、若い世代にも是非読んで欲しい。 | ||||
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内容は既出のとおり戦記物の繋ぎ合わせ感が強く、ドキュメンタリーとして捉えた方がよいかと思います。 私も昨年本書を読む前に大叔父の戦死日から所属飛行隊を追いかけ、最後の様子も判らぬまま散っていった英霊が大半を占める中、僥倖に恵まれ記録(戦闘行動調書)を発見するに至りました。 現実には、残された手紙等には検閲の為所属部隊は記載されておらず、想像力を働かせながら丹念に資料を調べ、割り出し作業をしなければなりません。機種・部隊編成や用語等の総合的な知識が無いと調査は難しいものがあります。 記録についても終戦時に大量に焼却が行われせいで偶然焼却を逃れ進駐軍に接収され、さらにそこから返還された物のみとなります。 また所属をつきとめたものの、戦後60年以上が経過し戦友会は高齢の為既に解散して連絡不能となっており、当時の出来事を当事者から直接聞くことは未だかなっておりません。 偶然本書と同じ様な体験をさせて頂きましたが、フィクションとはいえ羨ましく感じました。 | ||||
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毎年この時期(8月中旬)になると戦争を題材とした小説が書店の店頭に並ぶが、 旅行する時期とも重なることから、今回も急ぎ手にした本が「永遠のゼロ」 であった。昨年は、横山秀夫の「出口のない海」、共に特攻隊が描かれた小説を 選んでいたとは偶然だろうか?と不思議な感慨を持った。 零戦にまつわる話は聞きかじっていた程度で、第二次大戦の初期段階で日本の 快進撃を支えた立役者であったこと、また、その戦闘能力と引き換えに防御と いう点では全くお粗末そのものであり、戦闘員の命を全く顧みない構造であった ことなど。 小説ということで物語りは展開していくが、そこにははかなく散っていった兵士の あまりにも悲しい惨状を描き出していた。 真珠湾から始まり、ミッドウェイ海戦、ガダルカナル島の死闘、最後には本土上陸 の砦として九州各地の特攻基地とそれぞれの戦況が回想という形で語られており、 そのまま戦記として充分に読み応えがあった。 実際には激戦地を生き抜いた兵士の中には未だに口を閉ざしたままであるという ことだが、生き残ったという負い目と戦後の扱われ方が心を閉ざした原因となって いたこともよく理解出来た。 いづれにしても玉砕を指示した当時のエリート集団たる大本営の歪んだ思想は、 果たしてどこから来るのか全く持って理解出来ないし、また激しい憤りを感じた 一冊だった。 | ||||
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七年前に亡くなった私の父は大正14年生まれ、戦時中は陸軍の兵士として朝鮮半島→満州→台湾で従軍し日本に帰国しました。父から聞いていた戦争の悲惨さ愚かさ狂気はこの書に書かれていることと同じでした。とりわけ当時の指導者の戦況を見る目のなさ、かつ奇妙なエリート意識ゆえにたたき上げの現場の声を無視した行動はとりわけエリート官僚が現代日本をダメにしたのと重なります。 また「特攻隊はテロ、今で言うイスラム教の自爆テロと同じ!」と断罪する登場人物には、こんな奴らが戦後の日本では文化人と称賛され思想の中心だったことに哀れみを感じます。終戦記念日に近い今日この頃、この本に出会えた幸運を感じます。本来であればこの主人公のように特攻隊として尊い命を落とした戦没者や、本書に出てくる南方の戦線で誤った首脳陣の犠牲となって餓死した方々、彼らの犠牲のもとに今日の日本の平和があるのだとあらためて感じました。 | ||||
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回想ものだが、80才前後の老人たちが、あれほど事細かに思い出を話せるはずはなく不自然。また、人物も類型的な面が多く、茶髪の青年が祖父の話で号泣するとか、元やくざが老人でありながら、組の若いものみたいな言葉遣いをするとか、いろいろ小説としての欠点はある。しかし・・・・・。 近年、これほど涙しながら読んだ本はない。途中から涙で文面が見えなくなってしまった。しかし、涙をぬぐう時間も惜しいまま読み進めた。こまかいことは言いません。とにかく読んでほしい。自分の祖父を犯罪人のように習ってきた最近の子供たちにもぜひ読ませたい。 | ||||
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先日、ベトナムの戦争資料館に行ってきました。 そこで友人と話題になったこと。 「ベトナムの子供はみんなここに来るんだろうか?日本の子供は修学旅行でディズニーランドなんていってる場合じゃないよな。」 小説としての。。。というご意見があるようですが、読ませて伝える、という意味でこれだけの情報量を今の若者に短時間で伝える手段として見ると成功している著書だと思います。 私は涙が止まりませんでした。 太平洋戦争で亡くなった300万人全ての人に、家族や友人とのストーリーがあったんだと思うと、本当に戦争は罪だと思いました。 | ||||
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久々に感動する物語を読んだ。特攻隊員として終戦直前に命を落とした義祖父の最期の姿を姉弟が追う、と言うやや月並みな題材を用いながら、愛・信頼・矜持と言ったものの尊さを謳い上げた作品。義祖父宮部は真珠湾以来の凄腕のパイロットとして知られていたが、同時に「臆病」との陰口を叩かれていた。それは、宮部が妻子(姉弟にとっては祖母と母)のために、「生きて帰る」事に執着していたからである。それでは何故終戦直前になって、宮部は特攻を志願したのか ? これが本作のテーマである。 物語の殆んどは、宮部を知る元軍人達の回想談によって構成される。前半は、私の様な世代の者にとっては冗漫な気がするが、若い読者のために敢えて丁寧に太平洋戦争という物を説明したかったのだろう。最初は単なる戦記ものかと思ったが、重厚な描写に次第に惹き込まれて行った。宮部の関係者以外は実名で登場し、書かれている戦闘等も史実に基づいている。タイトルにもなっている零戦がある意味では本作の主役とも言え、性能分析や戦法紹介が緻密になされている。グラマン社が回収した零戦を分析した話も実話で、グラマンの技術者は「これなら(搭乗員の命を軽視するなら)我々でも作れる」と語ったという。零戦は良くも悪くも日本軍の象徴だったのだ。元軍人達の口吻に海軍への批判が読み取れるものの、作者自身には思想的背景はないと思う。回想談を読み進めるうち、宮部という男の清廉さや仲間との交誼に共感を覚えるが、その中に巧みに伏線が張られているのが上手い所。そして、最後の証言者によって明かされる感動の秘話。 戦争という現実の重みの中で、愛や友情や矜持と言った理想主義的なものの素晴らしさを感じさせる作品である。「永遠の0」と言う題名は世代を乗り越えてこのような精神が続いて欲しいとの願いであり、「現代はどうか」との問い掛けでもあろう。 | ||||
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小説としてどうか、という視点から見ると色々なご意見があるのは良く分かります。 が、中学生の自分の子供には読んでおいて欲しいということは強く思いました。 彼らには(もちろん私もですが)想像もつかないような時代が実際にあったということを感じてほしい。 今彼は隣で読んでいますが、最後まで読み切ってほしいと願います。 | ||||
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