冬のオペラ

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評判

冬のオペラの評価:

3.84/5点 レビュー 25件。 C ランク

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平均点3.84pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全72件 41〜60 3/4ページ
No.32
(4pt)

「名探偵」とは

北村氏お得意の、無垢で感受性豊かな女の子と探偵(指南役)という組み合わせのお話。・・・失礼、探偵ではなく「名」探偵であった。その名は巫弓彦。突出した才能を有する人がしばしばそうであるように、名探偵・巫先生も不遇の人である。その悲哀が「わたし」(あゆみ)というフィルターを通ることによって増幅される。何ともいえないおかしみがあればこその悲哀である。生計を立てるためビアガーデンでモロキューを運び、コンビニや新聞配達のバイトをし、玄海鮨で出前を手伝う名探偵。何せ「名探偵にふさわしい事件」しか手がけないのだ。本業のみで生活が成り立つわけがない。しかしひとたび難事件に遭遇すれば並外れた鋭い推理を働かせ、「わたし」から全幅の信頼を得る。その姿は、下界と天上界を行き来するかのようである。
本書には彼らが関わる3つの事件が描かれている。断っておくが、胸躍る冒険譚ではない。そこにあるのは、「わたし」に無垢の反対側にある人の心の動きを知らしめる事件であり、痛みを伴う物語である。ことに表題作。2月の京都を舞台にした、それこそ底冷えするような悲しみに包まれた物語だ。
冬のオペラ Amazon書評・レビュー: 冬のオペラより
4120022382
No.31
(2pt)

子供向けの推理小説?

 かなり好き嫌いが分かれそうな作品である。はっきり言って私はダメだった。でも馳星周は(デビュー前、本の評論をしていた頃)この作品をほめちぎっていた。とにかく言い回しがうざくてそれだけで幻滅。主人公の不動産屋事務員兼探偵助手の女の子、あゆみにも自称名探偵の巫(かんなぎ)にも魅力を感じることができない。限りなくジュニア小説っぽいので小中学生には楽しめるかも。
冬のオペラ Amazon書評・レビュー: 冬のオペラより
4120022382
No.30
(5pt)

円紫シリーズもよいけれど

何度も読み返している作家のひとりです。胸にズキリとくる探偵巫弓彦の方が好み。こちらがシリーズ化されなかったのが残念でなりません。短編三作品が収録されていますが、タイトルにもなっている『冬のオペラ』が一番素敵です。殺人事件であるのに殺伐としていなく、優しくそして泣けてくるような話の運びは、さすが北村薫という感じです。ミステリという分野に足を踏み入れていない方は北村薫から入るのがベストでしょう。
冬のオペラ Amazon書評・レビュー: 冬のオペラより
4120022382
No.29
(3pt)

本格推理の世界

 いわゆる名探偵が登場し、密室やらのトリックを解くという傾向の作品は国内外で減少しています。実際、刑事や犯罪捜査の専門家などごく自然な登場人物が現在の主流でしょう。一昔前はそれこそ百花繚乱の名探偵が活躍しましたが近年は全滅種に指定されそうです。 ポーの系譜に連なる名探偵たちは自分達がいかに現代に場違いか、犯罪トリックというものが如何に不合理か、誰よりも知っているのでしょう。 この作品の名探偵も自分にふさわしい事件らしい事件も無くひたすら待機を強いられています。名探偵の啓示を受けた、というのは方便であり、去り行く推理小説の形式への自虐とも開き直りとも取れます。 とはいえ、この作品は素直におもしろいと思います。型と現実にはさまれながら切々とした!!物語を描き出す作者の力量には驚嘆します。特に女性ミステリーファンにはお薦めです。
冬のオペラ Amazon書評・レビュー: 冬のオペラより
4120022382
No.28
(4pt)

職人芸

巫弓彦シリーズがこの一冊で(今のところ)終わっていることが、最後まで読んでなんとなく分かった気がした。最初の一編二編は最後の中編「冬のオペラ」の伏線-といって悪ければ序章なのである。この「冬のオペラ」は謎解きもなかなか本格的なのだが、著者の人を見る目がやさしいのだ。だからこそ、内容自体はこんなにも残酷である。しかし北村薫はホントに若い女性の「つぶやき」を書くのが上手い。職人芸ですね。
冬のオペラ Amazon書評・レビュー: 冬のオペラより
4120022382
No.27
(3pt)

心に染みるミステリ

北村薫の作品は、トリックの妙というよりも、もっと地味な部分。物語の中にひっそりと紛れ込んでいる人々の存在や、ほんの何げない場面の心に染みるような描写にこそ真価を発揮していると思います。というわけでこの作品なんですが。北村薫の作品としては、やや面白味に欠けているというのが正直なところです。最初の短編2編はあっさりと終わってしまいますし、最後の表題にもなっている中編も、加害者の心理の揺れに感情移入することができないままに終わってしまいました。同じ作家によるもので「空飛ぶ馬」をはじめとする円紫シリーズというのがありますが、こちらのほうが絶対のお薦めです。
冬のオペラ Amazon書評・レビュー: 冬のオペラより
4120022382
No.26
(4pt)

本当の「探偵小説」。

 推理小説のと言うのは不思議なモノで、探偵がというものが暗黙の了解の上でなりたってしまいます。事件が起こり、そこに居合わせた(または、依頼を受けた)探偵が調査をして、推理して、事件の謎を解き明かす。それは、ひとつの当たり前の流れであり、おもしろさでもあるわけですが、果たしてこの日常生活で起こる事件に実際に「探偵」という人が現れたなら、何も違和感を感じずに受け入れることができるでしょうか。 「どんな事件もあっと言う間に解決してしまう。」なんて都合のいいことはありえません。小説の中の探偵は実際にありえそうなことであって、実は非現実的なのです。  しかし、著者はこの小説の中で見事に日常の中に「探偵」を表現しました。それも、とびきり腕のいい。 ぜひ、一度身近に「探偵」を感じてみて下さい。
冬のオペラ Amazon書評・レビュー: 冬のオペラより
4120022382
No.25
(5pt)

「名探偵」として生きる

ある時、自分のことを「名探偵」と気づいた巫弓彦と、
彼の記録者に立候補した物書き志望の姫宮あゆみの物語。
▼「三角の水」
 証拠隠滅を謀った企業スパイが行った放火方法とは?
 トリックは自体は、化学的知識に基づく単純なもの。
 本作においては、謎解き興味より、二人が奇妙なコンビを組むに至る経緯や、
 いかにも現代的で卑小な人物たちと、超然として自らの道を歩む巫との対比の
 構図が読みどころです。
 世知辛く散文的な今の時代に、「名探偵」という孤独な
 生き方を貫く悲哀と覚悟を、淡々と軽妙に描いていきます。
▼「蘭と韋駄天」
 上野のニコライ堂周辺を舞台に、足疾鬼の
 仏舎利盗難になぞらえられる蘭盗難事件。
 〈アリバイ崩し〉がテーマ。
 被害者も犯人も俗物で、醜い虚栄心の応酬を繰り広げていく展開に苦笑。
 彼女たちの友人で、本件の依頼者でもある椿雪子は「冬のオペラ」にも登場します。
▼「冬のオペラ」
  冬の京都の大学。
  2階にある研究室で、教授が殺害された。
  窓からはザイルが垂らされ、地上には被害者の衣類がばら撒かれていた。
  犯人は、ザイルを使って部屋に出入りしたのか?
  実質的に密室状況であった犯行現場が生じた背景には、
  「蘭と韋駄天」と同様、足疾鬼の影が……。
  レッドへリングを適度に泳がしながら、結末で巫がダイイング・メッセージの
  意味を告げる、その一点に向かって物語を収斂していく様は、哀しくも美しいです。
  
冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125004366
No.24
(4pt)

「名探偵」とは

北村氏お得意の、無垢で感受性豊かな女の子と探偵(指南役)という組み合わせのお話。・・・失礼、探偵ではなく「名」探偵であった。その名は巫弓彦。突出した才能を有する人がしばしばそうであるように、名探偵・巫先生も不遇の人である。その悲哀が「わたし」(あゆみ)というフィルターを通ることによって増幅される。何ともいえないおかしみがあればこその悲哀である。生計を立てるためビアガーデンでモロキューを運び、コンビニや新聞配達のバイトをし、玄海鮨で出前を手伝う名探偵。何せ「名探偵にふさわしい事件」しか手がけないのだ。本業のみで生活が成り立つわけがない。しかしひとたび難事件に遭遇すれば並外れた鋭い推理を働かせ、「わたし」から全幅の信頼を得る。その姿は、下界と天上界を行き来するかのようである。
本書には彼らが関わる3つの事件が描かれている。断っておくが、胸躍る冒険譚ではない。そこにあるのは、「わたし」に無垢の反対側にある人の心の動きを知らしめる事件であり、痛みを伴う物語である。ことに表題作。2月の京都を舞台にした、それこそ底冷えするような悲しみに包まれた物語だ。
冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125004366
No.23
(2pt)

子供向けの推理小説?

 かなり好き嫌いが分かれそうな作品である。はっきり言って私はダメだった。でも馳星周は(デビュー前、本の評論をしていた頃)この作品をほめちぎっていた。とにかく言い回しがうざくてそれだけで幻滅。主人公の不動産屋事務員兼探偵助手の女の子、あゆみにも自称名探偵の巫(かんなぎ)にも魅力を感じることができない。限りなくジュニア小説っぽいので小中学生には楽しめるかも。
冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125004366
No.22
(5pt)

円紫シリーズもよいけれど

何度も読み返している作家のひとりです。胸にズキリとくる探偵巫弓彦の方が好み。こちらがシリーズ化されなかったのが残念でなりません。短編三作品が収録されていますが、タイトルにもなっている『冬のオペラ』が一番素敵です。殺人事件であるのに殺伐としていなく、優しくそして泣けてくるような話の運びは、さすが北村薫という感じです。ミステリという分野に足を踏み入れていない方は北村薫から入るのがベストでしょう。
冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125004366
No.21
(3pt)

本格推理の世界

 いわゆる名探偵が登場し、密室やらのトリックを解くという傾向の作品は国内外で減少しています。実際、刑事や犯罪捜査の専門家などごく自然な登場人物が現在の主流でしょう。一昔前はそれこそ百花繚乱の名探偵が活躍しましたが近年は全滅種に指定されそうです。 ポーの系譜に連なる名探偵たちは自分達がいかに現代に場違いか、犯罪トリックというものが如何に不合理か、誰よりも知っているのでしょう。 この作品の名探偵も自分にふさわしい事件らしい事件も無くひたすら待機を強いられています。名探偵の啓示を受けた、というのは方便であり、去り行く推理小説の形式への自虐とも開き直りとも取れます。 とはいえ、この作品は素直におもしろいと思います。型と現実にはさまれながら切々とした!!物語を描き出す作者の力量には驚嘆します。特に女性ミステリーファンにはお薦めです。
冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125004366
No.20
(4pt)

職人芸

巫弓彦シリーズがこの一冊で(今のところ)終わっていることが、最後まで読んでなんとなく分かった気がした。最初の一編二編は最後の中編「冬のオペラ」の伏線-といって悪ければ序章なのである。この「冬のオペラ」は謎解きもなかなか本格的なのだが、著者の人を見る目がやさしいのだ。だからこそ、内容自体はこんなにも残酷である。しかし北村薫はホントに若い女性の「つぶやき」を書くのが上手い。職人芸ですね。
冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125004366
No.19
(3pt)

心に染みるミステリ

北村薫の作品は、トリックの妙というよりも、もっと地味な部分。物語の中にひっそりと紛れ込んでいる人々の存在や、ほんの何げない場面の心に染みるような描写にこそ真価を発揮していると思います。というわけでこの作品なんですが。北村薫の作品としては、やや面白味に欠けているというのが正直なところです。最初の短編2編はあっさりと終わってしまいますし、最後の表題にもなっている中編も、加害者の心理の揺れに感情移入することができないままに終わってしまいました。同じ作家によるもので「空飛ぶ馬」をはじめとする円紫シリーズというのがありますが、こちらのほうが絶対のお薦めです。
冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125004366
No.18
(4pt)

本当の「探偵小説」。

 推理小説のと言うのは不思議なモノで、探偵がというものが暗黙の了解の上でなりたってしまいます。事件が起こり、そこに居合わせた(または、依頼を受けた)探偵が調査をして、推理して、事件の謎を解き明かす。それは、ひとつの当たり前の流れであり、おもしろさでもあるわけですが、果たしてこの日常生活で起こる事件に実際に「探偵」という人が現れたなら、何も違和感を感じずに受け入れることができるでしょうか。 「どんな事件もあっと言う間に解決してしまう。」なんて都合のいいことはありえません。小説の中の探偵は実際にありえそうなことであって、実は非現実的なのです。  しかし、著者はこの小説の中で見事に日常の中に「探偵」を表現しました。それも、とびきり腕のいい。 ぜひ、一度身近に「探偵」を感じてみて下さい。
冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)より
4125004366
No.17
(5pt)

「名探偵」として生きる

ある時、自分のことを「名探偵」と気づいた巫弓彦と、
彼の記録者に立候補した物書き志望の姫宮あゆみの物語。
▼「三角の水」
 証拠隠滅を謀った企業スパイが行った放火方法とは?
 トリックは自体は、化学的知識に基づく単純なもの。
 本作においては、謎解き興味より、二人が奇妙なコンビを組むに至る経緯や、
 いかにも現代的で卑小な人物たちと、超然として自らの道を歩む巫との対比の
 構図が読みどころです。
 世知辛く散文的な今の時代に、「名探偵」という孤独な
 生き方を貫く悲哀と覚悟を、淡々と軽妙に描いていきます。
▼「蘭と韋駄天」
 上野のニコライ堂周辺を舞台に、足疾鬼の
 仏舎利盗難になぞらえられる蘭盗難事件。
 〈アリバイ崩し〉がテーマ。
 被害者も犯人も俗物で、醜い虚栄心の応酬を繰り広げていく展開に苦笑。
 彼女たちの友人で、本件の依頼者でもある椿雪子は「冬のオペラ」にも登場します。
▼「冬のオペラ」
  冬の京都の大学。
  2階にある研究室で、教授が殺害された。
  窓からはザイルが垂らされ、地上には被害者の衣類がばら撒かれていた。
  犯人は、ザイルを使って部屋に出入りしたのか?
  実質的に密室状況であった犯行現場が生じた背景には、
  「蘭と韋駄天」と同様、足疾鬼の影が……。
  レッドへリングを適度に泳がしながら、結末で巫がダイイング・メッセージの
  意味を告げる、その一点に向かって物語を収斂していく様は、哀しくも美しいです。
  
冬のオペラ (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (中公文庫)より
4122035929
No.16
(4pt)

「名探偵」とは

北村氏お得意の、無垢で感受性豊かな女の子と探偵(指南役)という組み合わせのお話。・・・失礼、探偵ではなく「名」探偵であった。その名は巫弓彦。突出した才能を有する人がしばしばそうであるように、名探偵・巫先生も不遇の人である。その悲哀が「わたし」(あゆみ)というフィルターを通ることによって増幅される。何ともいえないおかしみがあればこその悲哀である。生計を立てるためビアガーデンでモロキューを運び、コンビニや新聞配達のバイトをし、玄海鮨で出前を手伝う名探偵。何せ「名探偵にふさわしい事件」しか手がけないのだ。本業のみで生活が成り立つわけがない。しかしひとたび難事件に遭遇すれば並外れた鋭い推理を働かせ、「わたし」から全幅の信頼を得る。その姿は、下界と天上界を行き来するかのようである。
本書には彼らが関わる3つの事件が描かれている。断っておくが、胸躍る冒険譚ではない。そこにあるのは、「わたし」に無垢の反対側にある人の心の動きを知らしめる事件であり、痛みを伴う物語である。ことに表題作。2月の京都を舞台にした、それこそ底冷えするような悲しみに包まれた物語だ。
冬のオペラ (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (中公文庫)より
4122035929
No.15
(2pt)

子供向けの推理小説?

 かなり好き嫌いが分かれそうな作品である。はっきり言って私はダメだった。でも馳星周は(デビュー前、本の評論をしていた頃)この作品をほめちぎっていた。とにかく言い回しがうざくてそれだけで幻滅。主人公の不動産屋事務員兼探偵助手の女の子、あゆみにも自称名探偵の巫(かんなぎ)にも魅力を感じることができない。限りなくジュニア小説っぽいので小中学生には楽しめるかも。
冬のオペラ (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (中公文庫)より
4122035929
No.14
(5pt)

円紫シリーズもよいけれど

何度も読み返している作家のひとりです。胸にズキリとくる探偵巫弓彦の方が好み。こちらがシリーズ化されなかったのが残念でなりません。短編三作品が収録されていますが、タイトルにもなっている『冬のオペラ』が一番素敵です。殺人事件であるのに殺伐としていなく、優しくそして泣けてくるような話の運びは、さすが北村薫という感じです。ミステリという分野に足を踏み入れていない方は北村薫から入るのがベストでしょう。
冬のオペラ (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (中公文庫)より
4122035929
No.13
(3pt)

本格推理の世界

 いわゆる名探偵が登場し、密室やらのトリックを解くという傾向の作品は国内外で減少しています。実際、刑事や犯罪捜査の専門家などごく自然な登場人物が現在の主流でしょう。一昔前はそれこそ百花繚乱の名探偵が活躍しましたが近年は全滅種に指定されそうです。 ポーの系譜に連なる名探偵たちは自分達がいかに現代に場違いか、犯罪トリックというものが如何に不合理か、誰よりも知っているのでしょう。 この作品の名探偵も自分にふさわしい事件らしい事件も無くひたすら待機を強いられています。名探偵の啓示を受けた、というのは方便であり、去り行く推理小説の形式への自虐とも開き直りとも取れます。 とはいえ、この作品は素直におもしろいと思います。型と現実にはさまれながら切々とした!!物語を描き出す作者の力量には驚嘆します。特に女性ミステリーファンにはお薦めです。
冬のオペラ (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 冬のオペラ (中公文庫)より
4122035929