ダンス・ダンス・ダンス

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評判

ダンス・ダンス・ダンスの評価:

4.39/5点 レビュー 134件。 B ランク

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平均点4.39pt

Amazonレビュー一覧

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全145件 121〜140 7/8ページ
No.25
(4pt)

現実(こちら側の世界)にとどまり、誰よりも上手に踊り続けよ

『ねじまき鳥クロニクル』や『アフターダーク』で大きなモチーフとなる、(こちら側の世界)と(そちら側の世界)という、現実世界ともう一つ先のメタ次元の世界の表現が、本作に於いては微妙に顕現せられているのが印象的である。
高度資本主義社会にあって、文明の合理化ないし洗練化と共に、我々は様々なものを失い続ける訳であるけれども、それでも結局のところ、人は決して独りきりでは生きていけず、他人との繋がりを保ちながら、常に現実(こちら側の世界)で踊り続ける、すなわち現実と戦い続けるしかないのだ、というメッセージを受け取った。
取り敢えず氏の作品は、やはり読みやすい。リズムに乗ってポンポンと読めた。ノスタルジーに耽りすぎず、高度資本主義社会から逃避せずに生きていこう、ということが読み取れた訳だが、或いは氏のこういった平易で何処か計算書染みた文体自体が、高度資本主義社会の象徴でもあるのだろうか。合理化、洗練化、その中でもう一つ先の次元の世界を感じながら、何が起きても変ではないこの世界を生き延びていこう。
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)より
406274905X
No.24
(5pt)

あと一人・・・

「僕」は「僕」のための不思議な部屋で6体の人骨を「キキ」によって見せられることになる。 
この「ダンス・ダンス・ダンス」は展開も早く、二日で読んでしまった。僕は個人的に「ユキ」というキャラクターが好きで、特に「ユキ」と「僕」との歯切れのよいユーモアな会話が心地よかった。
話の終結に向かうにつれて、(もしかして、6体の人骨の残りの1体は「ユキ」なのだろうか・・・)と思いつつ、ドキドキ、はらはらしながら読ませてもらった。結局残りの1体が誰なのかはわからなかったが、また機会があったらじっくり読んで考えてみたいと思う。
これは「村上春樹」の処女作「風の歌を聴け」から続く四部作目(風の歌を聴け、1973年のピンボール、羊をめぐる冒険、ダンス・ダンス・ダンス)と聞く。
「ノルウェイの森」、「ねじまき鳥〜」、「世界の終わりと〜」なども読んだが、この「ダンス・ダンス・ダンス」はどの作品にも劣らないものだと思う。
是非続きを書いて欲しい作品だった。
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)より
406274905X
No.23
(5pt)

変容する村上春樹

 初期三部作の続きで最後の作。もちろん 今後村上が更なる続編を作る可能性は排除しないが おそらく 作らないと思っている。
 村上にしては珍しく後書で 本書の主人公は 「原則として」三部作と同人物であると言っている。逆に言うと そう言わないと それが分からない読者が多いのではという村上の懸念かもしれない。
 それほど 前の三つの作品との断層があるのだと言う事なのだと思う。
 この作品では村上はひたすら「死」を扱っている。出てくる登場人物達は 現実からのやり直しを求めながらも どうしようもなく死に取り付かれて死んでいく。
 本書を書いていた頃の村上は 40歳程度で 欧州で「常駐的旅行者」という立場で 放浪していた頃だ。そんな疲れと影が どこか本書に漂っている気もしてならない。
 本書は評価としては分かれているようだ。むしろ 元々の村上ファンからは 幾分かマイナス評価を得ている趣もある。確かに 話がきちんと完結しておらず 答えを出さないというスタイルが本書あたりから 村上には出てきたような気がする。その点で 読んでいてもどかしさがある。
 但し 初期三部作、特に 始めの二作に見られた村上のスタイリッシュな軽さの中に おりのようによどんでいたものが はっきりと主張され始めたという点では貴重な一作だと僕は考えている。ストーリーテリングの冴えも申し分ないと思うからだ。
 
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.22
(4pt)

疾走感ある展開

風の歌を聴けのあの若者が、ずいぶんとんでもない所へ来てしまったなぁ、としみじみ。
いつもながら爽やかな読後感。
*作品紹介には三部作とあるが2007年現在は四部作。
1.風の歌を聴け2.1973年のピンボール3.羊をめぐる冒険4.ダンス.ダンス.ダンス
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)より
406274905X
No.21
(4pt)

よりディープに

主人公の放浪癖が加速する。
暗い闇を旅するなかにも新たな出会いや思わぬ再会がある。
これまで主人公に感情移入してきた読者は、
おや、こいつ説教臭くなったぞ、30過ぎておじさんになったか?と
感じるかも。
*作品紹介には三部作とあるが2007年現在は四部作。
1.風の歌を聴け2.1973年のピンボール3.羊をめぐる冒険4.ダンス.ダンス.ダンス
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.20
(5pt)

80年代だけど新しい

村上春樹にしては珍しくミステリーっぽいこの作品。
『羊をめぐる冒険』もなかなかスピード感があったが、今作はそのミステリー感の影響でさらにスピード感のある作品となっている。
あんまり書くとネタバレになるので書かないが、今作のテーマは『死』と言っても良いと思う。
ある場面で主人公はこんなことをユキと言う不思議な少女に語りかける。
「人の生命というのは君が考えているよりずっと脆いものなんだ。だから人は悔いの残らないように人と接するべきなんだ。公平に、できることなら誠実に。そういう努力をしないで、人が死んで簡単に泣いて後悔したりするような人間を僕は好まない。個人的に。」
良い台詞だ。
80年代後半に書かれたとは思えないくらい新しい。
一読の価値アリ。
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.19
(5pt)

クライマックスへ

下巻ではいよいよ物語が終結に向かいます。村上作品にしては珍しく、物語が非常に大きな力をもっていたのがこの「ダンス・ダンス・ダンス」の特徴であり、魅力といえます。「僕」ははたしてうまくダンスステップを踏み続けることができたのでしょうか?ユキや五反田君の運命は?
この小説における大きなモチーフの1つが高度資本主義社会が生み出したさまざまな弊害です。極端に合理化され、洗練された社会において人々はそれぞれに問題を抱え込み、苦しんでいます。ユキには家庭問題が、五反田君には仕事の虚構性が、そしてディック・ノースには戦争体験がそれぞれ象徴されているのでしょうか。多くの喪失をくぐりぬけながら、主人公は再生へと歩んでいきます。
羊男の言葉通り、「僕」は誰かとつながる事ができたのでしょうか。答えは読者にゆだねられています。あなたなりに、意味をくみ取ってみて下さい。
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)より
406274905X
No.18
(5pt)

踊り続ける意味

自分は村上作品の中でこの「ダンス・ダンス・ダンス」が一番好きだ。一般的に失敗作といわれているにもかかわらず。高度資本主義社会で自分を見失ってしまった主人公、どうしようもない喪失感と孤独感をかかえながら、彼は踊り続ける(他者とかかわり続ける)ことで自分を回復しようと奮闘する。とにかく会話が洒脱で読んでいて楽しい。作者もきっと楽しく書くことができたんじゃないだろうか。魅力的な登場人物たちとドラマティックな展開は難しい解釈以前に、ぐいぐい物語に引き込んでくれる。
タイトルからもいえるようにとても音楽的要素の濃い小説だと思う。作品中には実に多くのミュージシャンの名前が出てくる。「トーキング・ヘッズ」、「デュランデュラン」、「ジェネシス」・・・これらの名前はその時代を強く意識させる役割を担いながら、作品に彩りを添えているように思う。小説のラストシーンで「僕」がささやく希望に満ちた言葉はどこか穏やかな読後感を与えてくれるものだ。
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.17
(4pt)

ダンスは止まらない

羊の冒険の続きになります。
フリーライターとして働いて四年、「僕」は社会とうまくやっていたけれど、なにかに導かれているかのように「いるかホテル」に戻ってきた。
そこは巨大な近代ホテルに変わっていたけれど、羊男と邂逅する。
そこは「僕」のために誰かが泣いている場所。
人が感心するくらい難しいステップでダンスは踊り続けないといけない、って言葉を胸に帰京する。
不思議な縁で出会った十三才の少女ユキと、キキを通して再開した中学の同級生で有名タレントの五反田君が、自主的に引きこもった「僕」の遊び相手だった。
ダンスを踊ることから覚えないといけないユキと、誰よりもうまく踊っているように見える五反田君のふたりの間で「僕」もまたステップを踏み続けようとする。
立ち止まったら海に沈むしかないからだ。
ノルウェイの森の透明な空気に沈む悲哀が美しかった。
しかし本作は、それをのりこえて底の抜けた感情が伺える。
「僕」はユキを見守る余裕が生まれていたし、それを自分の過去と重ねて大人になったことを自覚している。
それでも誰かが自分のために泣いてくれている場所を必要とするほどに「僕」の心は乾いていたのだ。
これから「僕」がどうなっていくのか、次作も期待したい。
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.16
(5pt)

題名が素晴らしいと私は思う。

 ただ「ダンス」という単語を三回繰り返しているだけだけれども、なんとも本作品をよく表現しているなと読み終えてそう思いました。私は、村上氏の描く、人の生きる世界の象徴的な表現が好きで、彼の作品を読むのですが、本作品もその期待を裏切らず、とても面白かった。
 
 題名もそうですが、本作品では多くのリピートが見られます。単純な文章表現的なリピートもありますし、象徴的な意味でのリピートもありました。それはあたかも、決められたダンスのステップを踏んでいるようでもあり、「僕」という主人公の生き方を象徴しているかのようでした。
 休む間もなく、ステップを繰り返していなければいけないという羊男の台詞は、80年代後半に書かれた作品であるにも関わらず、21世紀に突入して数年たった現代を表現しているようでもあります。
 村上氏の初期の作品ということで、近年(後期)の作品群―『海辺のカフカ』や『ねじまき鳥クロニクル』など―に見られるような、重量感のある、深い森の中を一人で散歩しているような印象は無く、幾分すっきりとしているけれども、やはり村上氏らしい独特の文体は健在だなという印象でした。
 「僕」の台詞の空虚さが、逆に非現実性を想像させながらも、物語から読者を遠ざけない。リアルに描きすぎないところにも、彼の上手さがあると思います。
 とても面白い作品でした。
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)より
406274905X
No.15
(5pt)

踊るんだよ、音楽が続く限り

久しぶりに本書を手に取った。作中に描かれている、
「あちらの世界」と「こちらの世界」との差異や
目が覚めても、目が覚めても、それが「リアルな世界」
なのかというパラレルワールド的不安感が
やや陳腐な小道具に思えてしまうのは、
20年も前のこの作品に、暗黙の模倣が多いからではなかろうか?
そういう意味では、極めて先駆的な作品である。
「前回のバブル」以降、むしろ強まったかにも見える
高度情報化・管理社会の中で
その息苦しさを斯くも鮮やかに描写して見せる手腕は
やはり村上春樹ならではだろう。
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)より
406274905X
No.14
(5pt)

踊るんだよ、音楽が続く限り

久しぶりに本書を手に取った。
本書に描かれている、いわゆる「前回のバブル」の意匠は色褪せ、
既にレトロの領域に入ってはいるものの、
主人公の「僕」の年齢を超えた今、
その喪失感と疎外感は痛いほどリアルで
あらためて村上文学の奥深さを実感した。
昔はリアルな設定の中の「羊男」といった
断絶の意匠がSF的としてどうにも馴染めなかったものだが、
突然の訃報といった日常の断絶を何回か経験した今では
どうにも抗えぬ世界の真実として
この上もなくリアルに感じる。
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.13
(5pt)

個人的な話で恐縮ですが

僕のネットでの知人が、先日交通事故で亡くなりました。
年齢は17才。
学校になじめず、高校には通っていなかったけれど、
BIGになるんだ!というのが口癖の、おもしろい奴でした。
そんな時だからでしょうか、
本作の主人公が、P.213において、お葬式の後にユキに語る以下の言葉が心に染み入りました。
“「人の生命というのは君が考えているよりずっと脆いものなんだ。だから人は悔いの残らないように人と接するべきなんだ。公平に、できることなら誠実に。そういう努力をしないで、人が死んで簡単に泣いて後悔したりするような人間を僕は好まない。個人的に」”
人間は、いつか絶対に死にます。
そのことについて、村上春樹さんは「ダンス・ダンス・ダンス」全体を通じて、適切な言葉でやさしく説明をつけてくれたような気がします。
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)より
406274905X
No.12
(4pt)

ぜひ、青春3部作を読んでから・・・

さきほど、この上巻のみ読み終わりました。
本作は青春3部作のその後のストーリーとなります。
私にとって、「羊をめぐる冒険」で奇妙な魅力を感じさせられ、一気に彼のファンとなってしまった、羊男が再登場したのが嬉しく感じました。
その他にも、一応説明はされているものの、
青春3部作を読んでいないと分かりづらかったり感情移入しにくいところがあるので、
これから読まれる方は、青春3部作を読んでから本作を読み進めた方が良いのではないかと思います。
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.11
(4pt)

魅力的で気持ち良い表現

「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」から続く「僕」の新たな冒険。
1983年3月。
羊をめぐる冒険から4年が経った。
止まっていた「僕」の物語を始まらせるために再びあの場所へ。
その場所は以前に行った時とは全く様変わりしていた。
そこでの新たな出会い、意外な再会、そして、それを境に加速する喪失。
いったい誰が、なぜ「僕」のために泣いていてくれるのか?
この物語は前の3作を読んでから読むことをおススメします。
今作だけ読んでも十分楽しめますが、背景を知っている方がはるかに面白いです。以前を知っていると楽しめるパーツがところどころに散りばめられているからです。
彩り鮮やかで、かつ、斬新な表現、意表を突く魅力的なストーリー展開。
今作品は前の3作よりもいっそう村上春樹氏特有のユーモアが詰まっているように感じられました。
このようなスパイスが効いていて、魅力あふれる作品に出会えたことに喜びを覚えます。
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.10
(5pt)

高度資本主義社会

大学紛争・安保闘争の敗北のあとやってきた「高度資本主義社会」。
主人公はその洗練された世界に巻き込まれていく。
何となく今の社会に居心地が悪いと思っている人にお薦めである。
この世界に適応するということは、どういうことを意味するのだろうか、ということを考えさせられる。
また、ユキを連れて歩きたくなったり、五反田君に会いたくなったら読み返すだろう。
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.9
(3pt)

会議は踊る、されど進まず・・・

 知人のおすすめで村上春樹をはじめて読みました。とても才能溢れる作家だと思いました。他を読んでないので分かりませんが、唐突に終わってしまうこの物語は、次の物語への序曲なのでしょうか?
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.8
(5pt)

名作

 村上春樹の中で、「ノルウェイの森」、「世界の終り〜」、そして「このダンス・ダンス・ダンス」は頭ひとつ飛びぬけていると思う。
 青春三部作の続きなので、必ず前三作を読んでから読んでください。70年代を書いてきた著者が書く、80年代の高度資本主義社会。金が溢れ、なんでも経費で落ちる中、「僕」の悲しみは癒えず、まわりのすべてが死と無感情と悲しみに包まれていく。とりあえず、村上春樹の作品が今でいう「セカイ系」であることがよっくわかる作品でもある。
 僕のためにすべてが死んでいく。僕はただ僕の影とダンスを踊っているだけ、前の三作で圧倒的な孤独を書ききった作者だが、ダンス・ダンス・ダンスでは(より孤独な社会になったはずなのに、いや、なったからこそ、かもしれない)人肌の美しさと恋しさを描いた。
 完璧な作品。
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041
No.7
(5pt)

愛すべき登場人物たち

とにかく登場人物が魅力的!時々ふっと羊男、美少女、娼婦、片腕の詩人、映画スターとホテルの精みたいな女の子に会いたくなる。まるでおもちゃ箱!村上作品の中で個人的には上巻とあわせてナンバー1の作品。初めて読んだときから10年近くたってるけれど何度読み返したか分からない私にとっては宝物みたいな1冊。基本的には全3部作からの再生の物語だがミステリーの要素もあって一気に読ませる。デビュー作から出てきたこのちょっと不器用な主人公にこういう完結編を作ってくれた事もうれしい。で、この後この人どうしちゃうんだ?って終わり方が多い村上作品の中でこういうハッピーな終わり方は珍しいと思う。ノルウェイともねじまき鳥とも違う村上ワールド、体験してみませんか?
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)より
406274905X
No.6
(5pt)

失敗作だと

初めて読んだ時は思いました。三部作で終わって欲しかったとも思いました。三部作に出てくる人物固有名詞は「ジェイ」や「鼠」、「直子」くらいなもので、先の二つはニックネームみたいなものです(「ジェイ」という名前からは中国人というイメージを受けない)。それが本作で解禁となり、何だか現実感が出てきて嫌でした。しかし、読み返してみると人物に名前を持たせることでより深みが増したように思います。内面描写に深みを加えたことが、時代の変遷を表しているのかもしれません。文句みたいに書きましたが、今では大好きな作品です。
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)より
4062749041