ノルウェイの森

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

ノルウェイの森の評価:

3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.82pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,323件 1,101〜1,120 56/67ページ
No.223
(4pt)

恋は哀しい、恋愛でない恋はもっと哀しい

初めて読んだのは発売当初。奇しくも同年代。最初はさっぱり良さが判りませんでした。
暗く重苦しく、そして伝えようとし合わない、噛み合ない流れに、イライラとしたものを感じました。
でも、よく考えれば人はそんなに饒舌ではなく。
20歳前後の恋愛なんて、恋愛なんだか欲情なんだか自己の確認なんだか...そういえばちゃんと伝えることさえ出来てなかったと、時を経てやっと気づきました。
村上さんがこの物語を書いた年頃に、改めてじっくりしっかり読み直しました。
そうして改めて思ったのが「恋は哀しい」っていうこと。
でも「恋愛でない恋は、もっと哀しい」です。
恋って、重たくて苦しくて、すごく邪魔なこともあります。でも、恋したい。
だれかに自分を欲してほしい、この切なくて折れそうな思いを、理解してほしいと願うもの。
それゆえに、押しつぶされたり、思いを伝えることに回りくどくなったり、命も投げ出したくなったり...。
あぁ判る、この不器用な思い。
でも、底に流れているのはあの、なんとも言えない軽く明るい「ノルウェイの森」
魅力的な本です。
魅力的すぎて、時々思い切ってじっくり読まないと、浮上できないような気がします。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.222
(5pt)

読むほどに深く理解できる作品です。

 小説の中に何度か登場するトーマス・マンの「魔の山」の中で主人公が向かったサナトリウムと、「ノルウェイの森」の主人公ワタナベ君が向かった「阿美寮」が重なる。対象が異性・同性の違いことあれ人里離れた山奥で暮らす、病的な人物たちを描く。
 ただ、ノルウェイの森に出てくるレイコさんや直子は正常と病との間にいる。どちらも過去を引きずりながら精一杯生きようとする。
 「ノルウェイの森」を読むのはこれで3度目。20代の頃は主人公な直子の気持ちが良く分かった。30になって読むと、レイコさんの気持ちが良く分かるし、2人を慮ったやさしさと気配りのうまさを特に感心して読んだ。読むほどに深く理解できる作品です。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.221
(5pt)

美しい本

この本を初めて読んだのは18歳のとき、
本屋の100円コーナーで緑と赤の背表紙が目についてなんとなく購入しました。
村上春樹の本を読むのはこれで2冊目なんですけれども、早くも
「ああ、この作者は凄い人だなあ」と感じました。
どこが良いのか分からないけれど、何故かこの本には惹かれてしまいます。
私は論理ではなく感覚で本を読むほうなのでノルウェイの森はばっちり合いました。
ビートルズのノルウェイの森は聴いたことが無いけれど、
この本を読んでいるとどことなく音楽が聞こえてくるような気がします。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.220
(5pt)

究極の恋愛小説だと思う

村上作品は独特の美しい比喩表現が特徴的だが、本書ではその比喩表現はほとんど姿を見せない。ただ淡々と物語が進んでいく。それを退屈と捉えるかどうかは人によるところだろう。
本書に出てくる登場人物たちは皆それぞれの孤独を抱えている。
一種の嫌世観をもった大学生ワタナベ、幼馴染のボーイフレンドに自殺されてしまった直子、有能すぎて人と対等に付き合うことができない永沢。
皆とても自分に正直に生きていてソツのない会話を交わしているけれども、根底にあるのは誰とも理解し合うことはできないだろう、できたとしてもその状態は永遠には続かないだろう、という登場人物たち同士の暗黙の了解だ。恋人や友人同士であったとしても、お互いの過去や秘密をすべて共有していたとしても、結局は人は一人で生きていくしかないんだと本書は訴えかけてくる。
村上春樹の作品は読者が納得するような整った形のオチがないものが多くて、正直私はあまり好きではなかった。読者を物語の深みに引き込んでおいて、ラストで宙に放り出すやり方にどうしても賛同できなかった。
けれども、それは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」や「海辺のカフカ」などのファンタジー形式の小説に於いてのことだ。
本書のような単純な恋愛小説では割り切れない純文学に片足突っ込んでいるような作品では、春樹スタイルは最も生きてくると思う。
少なくとも私は「ノルウェイの森」で濃密な読書時間を過ごせたと思っている。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.219
(5pt)

優れた古典的名作

 この作品は、永沢さんの言う「作家の死後30年を経て」ないとしても、優れた古典作品の一つであるのは間違いないでしょう。18歳で初めて読んだ時には数ページでダウンしました。20歳の頃には登場人物に嫌悪しました。25歳になってやっと素直に読めるようになって、今は30を過ぎていますが、何度でも手にとってしまう一冊です。
 結局のところ、優れた古典と言われるものは作家のものではなくて、読者のものなのでしょう。私たち読者は、村上春樹が「何をどう書いているのか」を読み取っているのではなくて、私たちが「どう受け止めたのか」、そして「どう変わっていくのか」を自分に当てはめて読んでいるのだと思います。だから、年をとりいろいろな経験を積む度に、それまで気付かなかったいろいろな読みが生まれてくるのだろうし、繰り返し繰り返し何度読んでも擦り減らないのだと思います。その意味で間違いなく古典的名作です。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.218
(5pt)

いいですか、人が撃たれたら血は流れるものなんです

どうしてそんなに死の描写があるのか。
どうしてそんなに性描写が必要なのか。
出来ることなら性とか死とか、そうゆう煩わしいものは触れないでいたい、と思うのは自然なことだと思います。
そもそも、おそらくそんなことに答えはないんじゃないか、とも僕は考えます。
「いいですか、人が撃たれたら血は流れるものなんです」
僕は「スプートニクの恋」の後にこの作品を読んだ、と言うめずらしいタイプです。
その中で出てきたこの印象的な言葉がどうしても忘れられません。
この言葉は少なくとも「ノルウェイの森」にも当てはまるのではないでしょうか。
人は生きているから死ぬ。
人は生きているからセックスをする。
人は生きているから狂う。
村上春樹の作品はドライでリアリティーがないと言われるけど、僕にとってはとても心地がいいです。
この世界と村上春樹の世界、どちらが本当のリアルなのか分かりませんが、少なくとも僕は村上春樹が好きです。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.217
(5pt)

素晴らしい

本当に熟慮された上に綴られた文章とは人間の心を揺さぶるのだなぁと思った。
作中に出てくる井戸とは、まさしく人生に突然訪れる落とし穴のような不幸を象徴
しているのだと思う。個人がどのような努力をしようとも不幸は突然やってきて
私たちを捉え、その哀しさの前では人間のできることなどないのだ。
そして切実で真剣だった思いもいつか薄れていき、哀しさや不幸に翻弄されながら
生きていくしかないのだと思った。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.216
(5pt)

ほかの作品とは少しちがうものだと思う。

村上春樹は全ての作品を愛読しています。
この小説は、ほかの村上春樹の小説と少し違うところがあると思う。
過ぎ去られたものや失われたものをみつめている時や、
その中にまだ含まれている自分の描写の中に
村上春樹自身もいるのではないかなあ、と感じることが多くある。
とても正直だから。
文章が、正直すぎて、ほかの彼の文章とは違って、少しいたいのだ。
なんというか、彼がこの作品を書くときに、自分の心に沿って書いていったのではないかな、と思う。
もう何かを失ったあとに、それが何だったかを、時間をかけてゆっくりと理解していくようで、とても哀しい。
たまらなく哀しい。
「いろんなことを気にしないで下さい。
 たとえ何が起こっていたとしても、たとえ何が起こっていなかったとしても、結局はこうなっていたんだろうと思います。」
本当にそうなのだろうか?
少しでも自分が何かが損なわれていくのを見過ごしていたのなら、
そしてそれによって親愛なる誰かを少しでも傷つけていたのなら。
そういうことを気にしないということは、
自分と周りの様々な事物との間に少しの距離を置きながら生きるということの中に含まれるのではないか。
この小説を読むたびに、
損なわれたもの、損なったものを見つめながら生きていくことほど哀しいことはないんじゃないかと思う。
死者は死んだままということだけが私たちの頭の上につよく決定されていて、
私たちは、しばしばその決定事項は残された人間が生きていくことよりも大きいんじゃないか、と感じる。
でも違うのだ。大切なのは残された風景・言い換えれば残った風景なのだ。
たとえそれがひどく弱弱しくみすぼらしくともとにかくそれが私たちに残された風景なのだ。
瞳は失われた風景を見ているし私たちはそこにいるように思える。
でも私はこの小説を読んで、本当に存在している場所は残された風景で、今で、そこにいることこそがすごく哀しいことなのだと思った。
そしてそれがキーなのだと思った。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.215
(5pt)

「精神を病む人」への造詣の深さ

著者は、「精神を病む人」にかなり造詣が深いみたいですね。おそらく、著者自身が多少なりともその世界に無縁ではないからかなぁ、なんて思いました。精神を病む人が、そうでない人々よりも却って「健全」であるケースが、作品の中にいくつも描かれています。私は、各登場人物が、「精神を病んでいるが実は純粋」⇔「世の中に適合しているが心は腐っている」の尺度の上の諸段階に位置づけられていることに興味を持ちました。左端は自殺をした3名の人たちであり、その隣は左と右とのインターフェースが務められる「僕」およびその解説者としての「レイコ」、その右隣が腐った世の中に疑問と嫌悪を感じて自分の左隣に居る「僕」に魅かれる「緑」、その右隣が世の中に適合しているし健全でもある、即ち最も「歪み」の少ない「ハツミ」、(彼女も結局自殺をするのですが、私はこの位置に彼女をおきたいと思います。)右から二番目が、自分の価値観が全てであり他人への配慮がない代わりに特に大きな迷惑もかけない「突撃隊」および「寮長」、右端が、世の中に埋没して腐っている「店長」および「学生運動の人たち」でしょう。外務省に入る「永沢」は、それら全ての段階を承知していながら、いや承知しているがゆえに、そのどこにも自分を位置づけないし、おそらく位置づけることが出来ない「根無し草」です。私および最も多くの読者が共感を覚えるのは、「緑」ではないでしょうか。素直でひたむきでありながら、かつ、やせ我慢や片意地を張って見せたりする。そして、その、入って三ヶ月でやめたフォークのサークルについてのそれに代表される胸のすくような科白。「僕」が「緑」といっしょに幸せになったかどうか、という読者が一番知りたい(それを知りたくて最後まで一気に読んだのに。)結果は、とうとう知らされないまま物語は終わってしまいました。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.214
(5pt)

村上さんの恋愛小説といえばこれ。

村上春樹の描く恋愛小説。
出世作といっていいと思います。
どこまでも深く深く沈んでいってしまいそうなお話です。
どのキャラクターも生き生きとしながらも淡々としている分、僕には異色とも言えるふつうな女の子「緑」の存在が大きかったです。
読む人を選ぶ小説だと思いますが、彼の小説の中では唯一と言っていい「真正面からぶつかろうとしている恋愛小説」なので、ぜひ手に取ってみてほしいです。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.213
(5pt)

俺は17だけど。

クソみたいに共感できる。まず、ファンタジーとか感動できるような話を求めている人には向かない。「楽しい」本では無い。
淡々と、この人の現実を語っている感じがする。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.212
(4pt)

村上春樹を読むならこれ

言わずと知れた村上春樹の代表作で、私が村上春樹ワールドに足を踏み入れるきっかけとなった本。他者との人間関係を上手く築くことがができない、という悩みは誰しも一度は持ったことがあると思うが、本書の主人公はまさにその悩みを具現化したような人物。20歳前後の悶々とした大学生を現代風に描いており、当時青春真只中の悩み多き若者だった私も、その内容に共感し何度も読み返した。その後大人になって読み返すと、当時のような瑞々しい共感は沸いてこないため、自分が年を取ったことを感じさせられた。好き嫌い、賛否両論あるものの、少なくとも日本の文学史に大きな影響を与えたことは事実。また、村上春樹作品全般にみられる「孤独」や「寂寥」、「優しさ」といった雰囲気が色濃く出ているため、村上春樹を未だ読んだことがない方にはお勧め。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.211
(4pt)

一気に読んでしまったけど

やっぱ悲しいです。登場人物に身近な人を重ねてしまうからでしょうか。この本は彼氏に勧められて読みました。なんでこの人は私にこの本を薦めたんだろと思いました。彼は村上春樹の作る雰囲気を楽しんでいるそうです。私は感情移入しすぎて正直苦しかったです。命の意味を考えました。めっちゃ泣きました。あと、村上春樹のSEX観は私のキャパを越えてしまってて、正直よくわかんないです。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.210
(5pt)

それでも、生きなければ

私自身、読書というものが得意ではないのだが、この作品は驚くほどすらすらと読むことが出来た。この小説では多くの登場人物が死んでいくのだが、死んでいった人物も、生きる道を選んだ人物も、皆とても正直だ。自分に、他人に、正義に、誠意を尽くすことにとても正直である。そこが作品の魅力の一つであり、またその純度を高めており、死に対極する生の輝きを一層高めているように思う。しかしそれは生と死が紙一重であるという喩えにも感じられる。内容は暗く陰鬱であるのだが、物語全体を通して伝わってくるのは、ワタナベの「死を傍らに、それでも生きていかなくては」という悲痛な心の叫びであった。ワタナベという男は自分で言う以上に変わっているし、多少危うさを孕んでいるのだが、彼がキズキにも直子にも引きずられずにいれたのは、彼のそうした悲壮な決意が生きる上での前提であったからではないか。物語の延長で、彼が幸せを育んでいる事を願って止まない。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.209
(5pt)

最高です

村上春樹さんの作品はまだこれしか読んだ事はありませんが、私はこの本すごく好きです。この本を読み終わったあとに「世界の中心で愛を叫ぶ」を読みましたがやはり「ノルウェイの森」の方が個人的に好きです。あの独特な主人公ワタナベ君の喋り方がすごく好きで、他の本を読んでも何か物足りなくなってしまいました;それぐらい良いです。ビートルズの「ノルウェイの森」をBGMにして購読なさっては如何でしょうか。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.208
(4pt)

衝撃的

初めて村上春樹さんの作品を読みました。村上春樹さんは理解するのが難しいと聞いていたので、恋愛小説と言われている「ノルウェーの森」を手にとりました。印象としては思ったより読みやすかったということです。自分と同じ大学生が描かれていたこともあるかもしれません。この作品に出てくる人たちほど繊細ではないものの誰しも弱い心を持っており共感できるところがあると思いました。愛する人が亡くなっても生きていかなくてはならない悲しみを感じました。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.207
(5pt)

6年ぶりに読んで

最初にこの本を読んだのは19歳の頃でした。あの頃は、この本を読んでも「なんでこうなるの?」という気持ちがいっぱいで、登場人物の行動について、共感できなかった部分が多かった気がします。6年経った今、再びこの本を読んだとき、息が詰まるようで、胸が苦しくて、涙がでてきました。最初に読んだときは1回読むだけで十分だったのに、今は何度も繰り返し読んでいます。あの頃と何が変わったのか分かりませんが、私は、登場人物たちの色んな意味での不器用さ(これが適切な表現なのかは分かりませんが)にとても心が惹かれ、胸が熱くなりました。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.206
(4pt)

生きていくことの難しさ

「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」生きていく強さを持ちつづけていたい、と思いました。色々なことを周りのせいにするのも、いいかげん飽きてきますしね。性的表現が多すぎる、という書評があるようですが、わたしはそうは思いませんでした。言葉よりも、自然に手がのびて触れ合う方が「あるべきかたち」で、お互いそれがわかってる時ってありますよね。それが愛している人でも、そうではない人とでも。それをうまく表現している本だな、と思いました。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.205
(5pt)

俺は時の洗礼を受けてないものを読んで貴重な時間を無駄にしたくないんだ。

この本の中にはいくつも私の心に響いた台詞がありますが、題名の台詞もその一つです。昨今、若手作家が多く賞を受賞していますがこれらの賞を受けた作家で本当に時の洗礼に耐えられるものはいくつあるのでしょうか?ノルウェイの森は永沢先輩が定義している30年には満たないけれどすでに14年近く時の洗礼を受けているにも関わらず未だに色々な世代の人々が良いと評価している程です。読んでも害にすらならない本は多数あるけれど、この本は読めば絶対に何かしらの影響を読んだ人に与える(善し悪しは問わず)と思います。私はこの本を手垢がついてボロボロになる位何度も読んだけど、まだ繰り返し読んでいる本の1冊です。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.204
(4pt)

恋愛小説?

 この本は恋愛小説なんでしょうか。複数の男女がそれぞれに複雑な想いを抱えて絡み合っているという意味ではそうなのかもしれませんが・・・。まあ、この際それはどっちでもいいような気もします。この作品の持つ深みの前では、そんなカテゴライズは無意味でしょう。 村上氏の作品はまず「風の歌を聴け」から読み、次に今作を読んだので、氏はデビュー当時から既に完成されていた作家なのだなと感銘を受けました。文章の一つ一つ、ちょっとした描写に非凡なものを確かに感じます。 この本は言わずと知れた超有名作なので、読む前から話の流れは大体わかっていたのですが、魅力的でキャラの立った人物たちとのやりとりや巧みな場面展開があり、そしてその中での主人公の情感が見事に表現されていて、ページを繰る手が止まりませんでした。 個人的に驚いたのは、直子の言葉の数々がもつリアリティです。僕は過去に精神を患った女性と個人的な関わりをもった経験があるのですが、彼女の言っていたことの多くは言い回しこそ違えど直子と同じ意味をもっていました。時に読んでいて辛くなったほどです。 そして、直子を失った主人公の喪失感の描写たるや・・・。第11章(下巻)だけで、いま話題の「世界の中心で~」丸々1冊分の軽く10倍は表現されています。 星1つの減点は、氏独特のセリフ回しが時としてあまりにも突飛だからという理由ですが、それも村上作品の魅力の一部なのでしょう。他の作品もぜひ読んでみようと思います。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154