ノルウェイの森

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評判

ノルウェイの森の評価:

3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク

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平均点3.82pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,323件 921〜940 47/67ページ
No.403
(5pt)

村上的

完璧な小説ではない。突然のように反リアリズム的なラストシーンやストーリー展開の
強引さなど傷はある。だが、もっとも村上春樹的であり、彼の魅力を余すところなく伝
える魅力的な本である。無人島に村上春樹の本を一冊持っていくなら・・やはりこの本
しか、ありえないと個人的に思う
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.402
(5pt)

20年ぐらい前に薦められ、読みました。

平成元年頃、工業高校に教諭として採用された順風満帆の風を感じて、まわりから見ると、かなりの浮き足状態だったのでしょう。その時に、薦められて“村上春樹氏のノルウェーの森”を読みました。それがきっかけで、たくさんの作品群やエッセイや翻訳を読んでおります。皆様も、いかがですか。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.401
(4pt)

20年後に読んで更に思索を深めることができる作品

出版された87年当時、それまでの村上春樹作品を愛していた多くの読者と同様、
私もこの作品のメッセージと世間のブームには違和感を感じ、構えて読んだものでした。
20年ぶりに再読。
大切な人や大切なものを失い、取り返しのつかないことをしてきてしまったという
喪失感を積み重ねて人は生きていきます。
大切な人の信頼を失い、自分が相手のために何もできなかったという深い後悔、
でも時間はすぎていきます。
その強い痛みも時間と共に疼く痛みへと変化していくこと、また人は再生をできるものであること、そのためには逃げることなく正面から向き合っていくこと。
そんなことを実感させる作品でした。
直子と緑はどっちがよいか、といったステレオタイプ的比較をすること自体
意味がないと感じます。
存在、生きている苦しみ、そのおかれている境遇、比較する必要を感じさせない
くらい異なっているからです。
なぜワタナベ君以外の男性のキャラクターが浅く、それこそステレオタイプ的
表現でしかないほうが、気になりました。
結局作者が何が言いたいのか・・・なんて、自分がどのくらい受け止めるかだよなぁ。と村上春樹作品を読むたんびに感じ、やっぱり挑戦されているような気がしてしまうんですよね、今でも。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.400
(4pt)

10回恋をすれば最低9回は永遠の痛みをともなうもの。

相手の気持ちに鈍感な未熟な恋をした経験があって、別れた経験があって、自分と出会わなければあの人は幸せだったかもしれないと後になり突然気がついた経験があって、それを取り返しのつかない後悔とその後ずっと感じている人には、「じくっ」とした遠い痛みと、「ふわっ」とした救くわれた感覚が、読後感として残ると思います。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.399
(5pt)

大切なもの

ノルウェーの森、完結作。
感想としては、「面白かった」です。
大切なものとか出会いとか人とか、景色とかはいつだって、通り過ぎてから始めて感じるものなんだなぁ・・・と思いました。
日々暮らしている中で、当たり前になりすぎていること。
当たり前になりすぎていて、気がつかないこと。
少なくとも、それらが私には沢山ある事に気がつかされました。
これらの事が決して強制的ではなく、柔らかなメッセージとして伝わってくる小説だと思います。
オススメの小説なので、ぜひ、読んでみて下さい。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.398
(5pt)

いくつもの出会い/別れ

今回、初めて村上春樹さんの作品を読ませて頂きました。
まず、感想としては「面白かった」です。
上巻は大体、過去の回想シーンがメインとなる訳ですが、主人公とヒロインの出会い、親友との別れや先輩との出会い、小林緑との出会いなど。
訳ありな人達との出会いを通じて、主人公がヒロインに対して、様々感情を巡らせます。
簡単に言ってしまえば、恋愛ものであり、少し異質な恋愛ものである感じがしますが、こういった言い回しや文章の伝え方は、難しすぎる事がなくて読みやすいと感じます。
また、私はビートルズの楽曲が大好きで、タイトルを言われて曲のイメージがすぐに理解できるということもありますが、情景とビートルズの曲がマッチしていると感じる部分が多かったため、非常にすっと世界に入っていけました。
※余談ですが、ビートルズを聴きながら同小説を読むのがオススメです。シーンと合わせなくとも、素敵です。
村上春樹さんのほかの作品を読んでいないため、文体や言い回しなどの書きっぷりについて、深くコメントは出来ませんが、様々な人との出会い・別れや、平凡である主人公の偉大さ、周りからの憧れなど、読み進めていて、楽しい作品でしたので、☆5つです。
下巻も楽しみに読ませて頂きたいと思います。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.397
(5pt)

ノルウェイ

この本に出会ったのは今から20年前、ちょうど高校生の頃だったけど、読んでいて衝撃をうけたのを覚えています。また最近読み返してみたが、色あせるどころか、さらなる鮮明さをもって再び心にうったえかけてくれました。ふと考えてみると、今の自分は小説の中の現在のワタナベ君と同い年なんだなぁと個人的な感傷も覚えたり。
僕の周りでは結構直子が嫌いっていう人、特に女の子が多いのですが、僕にとってはなんていうか、直子という存在は硝子の器のように儚いものの象徴のような気がして、読んでいるととても悲しい気持ちにさせらます。最近映画化の話が出ているが、個人的な感想としては直子はぼんやりとしていて現実味がない、儚い象徴なので映像ではっきりと写されるときっと違和感を感じてしまうと思う。
ゴダールか誰が言った言葉だったか忘れたが、映像は色あせるが文章は色あせないという言葉を聞いた事がある。
僕の中ではきっとこの本はこれから20年先、40年先と生き続けていくものになると思う。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.396
(4pt)

大学生を主人公にした場合の限界

 ハンブルグ空港に着陸するボーイング747に乗った主人公ワタナベが回想したのは、大学時代に見舞いに行った女友だち直子が療養生活を送る京都北山の草原の情景です。自殺した親友の恋人だった直子の心の病を通して、大学1年生ワタナベの人生が大きく揺さぶられていきます。読者は淡々とした描写の中に、登場人物たちの大きな心の変化を読み取るべきでしょう。
 そして療養所で直子と同居するレイコさんが、二人のアドバイザーのような立場で人生を語ります。ワタナベが療養所を訪れた最初の夜に彼の床に現れたのは、直子ではなくて実はレイコではなかったのかという疑問は、下巻に持ち越されます。
 全般に、大学生を主人公にしているため、私には描かれている世界が世界がやや狭く感じられます。純文学作品として評価の高い理由が今一つつかみきれないのは、私の読書経験の少なさゆえでしょうか。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.395
(4pt)

1Q84後に。

新刊1Q84を読んだあとで、最読了。やっぱりハルキワールドの旗手はこの本かな。
来年は映画化されるそうだが、たぶんこの空気感は出せないだろうなと再確認しました。
小説だからこそ良い世界というのもあると思います。
売れたものを片っ端から映画化するのではなく・・・・
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.394
(5pt)

大変面白い作品だと思うけど

他の方のレビューを見ると、「傑作」「駄作」と両極端なのが目に付きます。
最近買って読んだのですが(30代半ば、男です)、
とても面白い作品です。
久しぶりに小説系は読みます。
まだ下巻の途中までですが、早く読みたい衝動に駆られています。
自分なりに評価が分かれる点を考えると、
主人公の心情や正確に共感出来るか否かが大きいのでは?
主人公はいわゆる「読書家」タイプで「内向的」、
だが決して内にこもるタイプではなく、外交的な面は上手く立ち回っている、
そしてそこそこ女の子にもモテるし、外見も悪くないのだろう。
こういった現実にはそれほど多くない主人公設定に、上手くピントが合わないと、
「変」とか「共感できない」、「エロイ」などの感想が出るのでしょう(笑)。
ストーリーも心情面を不安定に描くような描写が多いので、
謎を明らかにしたいタイプ(じゃあ答えは?的な)の読者には受入難い面があるでしょうね・・・
私は村上春樹作品はこれが最初ですが、良い作品にめぐり合ったと思います。
反感覚悟で言えば、実際自分の過去と主人公の設定にもかぶってる要素も多かったのも関係ありかな。
若い頃に読んだら、また別の感想や思いがあったかもしれませんが、
この年で読めてよかったとも思います。
やたらエロ小説って言ってる人もいますが、
私から言わせると人生経験少ない人だなと・・・この作品のレベルなんてたいしたこと無い(笑)。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.393
(5pt)

「性」と「現実」の狭間

 この作品については、あらゆる方面で語りつくされているので、今更コメントを述べることもないのですが、一言で言いきってしまうと、”超一流官能小説”です。
 それは、きっと読後に感じられる実感だと思うのですが、とても人の根源的なことを「性」という一側面(本当は目を背けたいけれど、なぜか熟読してしまう人が多いのでは)を過去現代に表出した作品だと言えます。
 
 現実には捉えがたい「性」というものを、虫網で捉えたような、そんな物語だと思います。
 今まで読んだ作品のなかで、このようなせくシャリティを感じた作品はありません。
今のところ、自分の村上春樹さんの作品の中で”BEST"です。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.392
(5pt)

ボンボニエール 〜 思い出の玉手箱

 めくるめく長い月日を経て、自分の全身全霊をかけて愛し抜いた直子という女性の記憶の断片が、飛行機の中で流れていたビートルズの「ノルウェイの森」の曲と共にデ・ジャ・ヴとしてよみがえってくる・・・。
 時代は学生運動の全盛期。大学生活を送っている主人公の「僕」は、自殺していった姉や恋人の死に打ちのめされ、まるで三途の川をさまよう亡霊のように生きている直子へストイックな愛を捧げる。
 死という荒波に押し流されてしまいそうな彼女を苦しみの世界から連れ出して、二人で明るい生活を築いていきたいけれど、もがいてももがいても「僕」の心の中でずっと咲き続けている可憐ではかない直子という花の花びらが散っていくのを、どうすることもできずに遠くからじっと眺めているような焦燥感と絶望感。
 そこはまるでノルウェイの森のように深くて暗い闇の世界。
 そして最愛の人を失った哀しみを乗り越えて、新しいパートナーと愛を培って自分の居場所を見つけながら生き抜いていくというラストシーンは、ノルウェイの森という深い暗闇の中に差し込んだ一本の光の矢のように光り輝いていました。
 私はこの本を読んでいる時もこのレビューを書いている時も、ずっと涙がとまりませんでした。
 「人を愛するという事はどうしてこんなにも切なくて哀しいものなのでしょうね」
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.391
(5pt)

ボンボニエール 〜 思い出の玉手箱

 めくるめく長い月日を経て、自分の全身全霊をかけて愛し抜いた直子という女性の記憶の断片が、飛行機の中で流れていたビートルズの「ノルウェイの森」の曲と共にデ・ジャ・ヴとしてよみがえってくる・・・。
 時代は学生運動の全盛期。大学生活を送っている主人公の「僕」は、自殺していった姉や恋人の死に打ちのめされ、まるで三途の川をさまよう亡霊のように生きている直子へストイックな愛を捧げる。
 死という荒波に押し流されてしまいそうな彼女を苦しみの世界から連れ出して、二人で明るい生活を築いていきたいけれど、もがいてももがいても「僕」の心の中でずっと咲き続けている可憐ではかない直子という花の花びらが散っていくのを、どうすることもできずに遠くからじっと眺めているような焦燥感と絶望感。
 そこはまるでノルウェイの森のように深くて暗い闇の世界。
 そして最愛の人を失った哀しみを乗り越えて、新しいパートナーと愛を培って自分の居場所を見つけながら生き抜いていくというラストシーンは、ノルウェイの森という深い暗闇の中に差し込んだ一本の光の矢のように光り輝いていました。
 私はこの本を読んでいる時もこのレビューを書いている時も、ずっと涙がとまりませんでした。
 「人を愛するという事はどうしてこんなにも切なくて哀しいものなのでしょうね」
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.390
(4pt)

【禁忌】情緒不安定な人は読まないで!

村上春樹の他の著書は読んだことはありませんが、
作品としては優れていると思います。
が、精神的に病んでいる、または不安定な方は
絶対に読まないほうがいいと思います。
そのくらい作品の引力が強いのです。
それゆえに優れていると評価したのですが・・・
「喪失と再生」とありますが、私には「再生」を感じられませんでした。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.389
(5pt)

魔の山

最近、世界に飛び出す政治的な動きで話題を呼んでいる、村上春樹の超ベストセラーである。
こんなベストセラーはもう二度と出版界に出ないのではと思えるくらいだろう。
いろいろな理解のしかたがこの作品においては可能だろうが、私が強調したいのは、主人公が「魔の山」を読みふけっている背景である。これが不治の病の治療をする病院での直子の生活とだぶっている。「ノルウェーの森」を読んで、この形而上学的入れ子構造が理解できたら、さらに複雑な応用編として、手前味噌だが、この本、「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著を読むことをお薦めしたい。フェルメール論についてのもので、村上春樹と一見すると全く無関係に思われるかもしれないが、そうでもない。なぜこの小説の冒頭で飛行機はドイツに降り立つのか。永沢さんはなぜ後年、ドイツに行くのか?その答えがこの本にある。ドイツの騎士道と言えばわかるだろう。永沢さんは悪魔的発想の持ち主なのだ。そういえば「魔の山」もドイツのトーマス・マンの作品である。読むのに多少、努力を必要とするかもしれないが、さらに村上ワールドが進化かつ複雑化した形而上学的思考が楽しめるはずである。その上で村上春樹との共通項が徐々に見えてくる。この感覚は最後まで読まなければわからない。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.388
(5pt)

忘れていた感性

今まで村上春樹の作品を読んだことがなかったのですが、今回、カナダ人の友人に勧められ読んでみました。ビートルズの曲と物語の回想シーンとが見事に状況をとらえ、何回も読みたくなる本です。ストレートな文章から、忘れていたとてもデリケートな感性が呼び起されるような気がしました。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.387
(5pt)

恋愛ファンタジー

村上春樹さんの作品で、はじめて読んだのがこのノルウェイの森です。悲しい話なのですが、どこかファンタジーな感じもします。この作品が相当面白かったので、しばらく村上春樹さんの作品を読みあさりました。その結果、ノルウェイの森が、一番面白かったです。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.386
(5pt)

人生最高の恋愛、青春小説

映画化されるということで20年ぶりに読み返してみた。
20代の頃の私が、この小説を読み、どう感じたかは記憶にないが、面白かったと言う記憶は鮮烈にある。
何事も薄っぺらで、精神性の希薄だったバブルの時代に学生活動の活発だったこの頃を舞台にした青春小説と言うのは、必然だったのかお知れない。
少し理屈っぽい主人公(しかしノンポリで中庸)の彼が、なぜか極端な登場人物と出会い、現実離れした経験を経て、現実世界に根を下ろしてゆく。
若年期特有の恋愛に対する理想と恐れを恋人との擬似恋愛を通して経験し、社会に対する恐怖や、人間関係に対する考慮や、思いやりや人生を年長の登場人物から学んでゆく姿は、哲学書の赴きもある。
性描写もファンタジックで現実味をかけ離れており、少しも不快感を与えるものではない。
最後に、少し風変わりであるが、地面にしっかり足のついた女性と現実世界に根を下ろすことになる主人公は、少年期を過ぎ、社会で生きてゆく決意をしたようにうつる。
登場人物の台詞には、多くの金言が含まれており、絶大な説得力を持っている。
久々に、読み終わることが残念で仕方のない作品であった。
この後の主人公の人生を垣間見て見たい。
万人にお勧めできるとは思わないが、個人的に夢中になった作品である
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.385
(5pt)

不明確な部分もあるが共感するべきことが多い

精神をわずらった主人公の彼女ともなんとも呼べない女の子。その女の子と少し変わった主人公を取り巻く様々な出来事。
自分では普通の人間であると思っている、実際そうであるが、なにか人を惹きつけるものを持ち、そして彼は数十年まえ今でいう団塊の世代が大学生であった時代の時代背景ではあるが、その時代で大学生特有の葛藤と、そして大学生であるという垣根を越え全くの大人である側面を見せる。
村上春樹特有の世界観はすごいですね、考えさせられる場面も数多くありました。彼の小説はどのものでもそうであるように、読んでいると不思議に景色が頭の中に浮かんでくるような小説。
死に直面し、肉体と精神、そして特有の世界が繰り出す主人公が思考する感覚。どれをとっても素晴らしいという言葉でしか表現ができないと思う。
恋をし、失恋し、セックスをし、孤独を感じる。あなたが昔、僕も今現在そうであるように、主人公の彼もまたそうであったんだなぁと。
僕が村上春樹の本を読んで感じることは、時代背景が結構団塊世代の特に学生運動が盛んであった時代のものが多いですね。
それはある種、連続性というか多くの側面において似ているが独特の個別差があり(あたりまえではあるにせよ)主人公の思考は、連続性を見出すことが出来ます。
あの時代の出来事が随所にちりばめられ、それについて自分は他人との繋がりによって生きているし、考えている。不明確な部分もあるが共感するべきことが多く存在しました。そしてそれが村上春樹の世界であると思う。上巻下巻があります。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.384
(5pt)

駄作/名作

村上春樹の小説は「駄作」か「名作」かという両極端な評価に分かれることが多いようです。
本作もその例に漏れることなく、やはり評価は賛否両論ですが、事実として「ノルウェイの森」は、ノーベル文学賞候補に毎年選ばれるほどの作家の代表作であり、世界の各国でベストセラーになるほどの小説であるわけですから、本質的に「名作」なのか「駄作」なのかはさておき、それだけの「魅力」が、小説内のどこかにあることだけは誰にも否定できないことでしょう。
「駄作派」の人たちには、夏目漱石や谷崎潤一郎などの、日本文学の名作と呼ばれる小説に数多く触れ、読書経験が豊富で、いわゆる「文学通」といわれる方が多いようです。
否定の方法も、「展開や登場人物の行動に根拠がない」や「過去の名作のような深みがなく薄っぺらい」など、自分の文学観に照らし合わせた意見がほとんどで、平たく言ってしまえば「私にわからないのだから、面白い訳がない」という気持ちが、「駄作派」の大部分を占めている本心のような気がします。
逆に「名作派」の人たちには、あまり文学に詳しくない方が多いようで、「何だか分からないけど、面白い」という無邪気な感想が頻繁に見受けられます。
ここで注目したいのは、文学に詳しい人たちは小説の魅力を理解できず、そうでない人たちには、理解できるという、逆転の現象が起こっていることでしょう。
とにかく「駄作派」の、否定の調子の激しさはすごいもので、留まるところを知りません。
もはやそれは悪意と言ってもよいほどで、その矛先は作品を飛び越えて、著者本人、果てには、小説を肯定する読者にまで及ぶ勢いです。
しかし「名作派」の人たちは、とりたててそれに反論する様子もなく、自分の周りに壁を張り巡らせて、ひそっりと、ひとりで小説を楽しんでいるような、そんな風情です。
そこには、まさに、「根拠のない悪意」と「自閉」という、村上春樹の小説世界そのものの図式が浮かび上がってくるようです。
村上春樹氏は「日本文学には残念ながら僕が求めているものはなかった」というニュアンスのことをどこかに書いていますし、人の情念をどこまでも深く追究して表現しきる、日本文学の伝統ともいえる名作の数々には、確かに惚れ惚れするものがありますが、単に、著者はそこを目指してはいない、ということでしょう。
「駄作派」の方々には、著者が表現しようとしているものは何であるのかを汲み取ろうとするやさしさが、もう少しあってもいいように思いますし、「名作派」の方々には、自分を惹きつけるものは一体何なのか知ろうとする意志を持ち、「駄作派」の人たちの土俵に、多少なりとも歩み寄ろうとする、そんな勇気も必要なのでは、と思います。
そして、ちょうどそのあたりにこそ、村上春樹の表現したいものも、あるのではないでしょうか。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681