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夢魔の標的
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【この小説が収録されている参考書籍】
夢魔の標的の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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星新一は小中学生の頃に何冊か読んで「面白いなあ」と思っていた。その後筒井康隆を読むようになり・・・というお決まりのパターンを辿った。 あれから30年たち、ひっさびさに星新一の本を読んでみた。理由は、彼には珍しい長編小説だったからだ。 しかしいざ読んでみると、何か違和感がある。「こんなに読みにくくて下手な文章だったっけ?」と思いながら読んだ。 感想は、なんというか個人の妄想と現実をごちゃ混ぜにしたような展開に戸惑い、安直なラストに少し興ざめした。 もしこれを、「全盛期の」筒井康隆が書いていたらどうだったろうか・・・と読みながら思った。彼なら異常な精神状態を描くのも、理不尽な陰謀を描くのも、もっと臨場感ある筆使いで描写できたと思う。 とりあえず星新一の(唯一の?)長編小説なので読んでみました、内容はつまらなかったです、と結論づけたい。 | ||||
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久しぶりに星新一氏の作品を読んだのですが、全体の筋書きが分かりにくく、結末が理解出来ませんんでした(自分の国語力が衰えた?)。やはり、星新一の作品は、ショートショートの方が良い。丁度、コナン・ドイルとシャーロックホームズとの関係の様に。 | ||||
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以下ネタバレを含みます。 話の内容として面白いのは、クルコというもう一つの人格が主人公の自我を乗っ取ってゆく――という至極ありがちな展開ではなしに、クルコが別次元から来て全人類を支配しようとしている謎の意識体だ、という部分。序盤でクルコが私とは別個に自我を持ち始める様が描かれるものの、中ごろを過ぎるとクルコはあまり台頭しなくなる。そして私の知らないところで何らかの計画を企てているようなことを匂わせておきながら、あわてふためく主人公の裏で沈黙する。この不穏が面白い。 ただ、主人公に女医が無理やり自白剤を飲ませる部分とか、その時飲ませた自白剤がクルコに残留している設定とか、ウイスキーに自白剤を混ぜたものを飲ませて事件解決するところとか、諸々が甘い。事件解決の重要な糸口が「自白剤」一つ。それを飲ませたり云々する場面がすべて、どうにも白々しいというか、綿密に描き切れてないような感じがする。こういう物語的にギクシャクしたところは、星作品にはしばしばみられるが、こと長編だと弱点が強調されて感じるし、一つ一つが物語を成り立たせる上で重大な瑕疵になってしまう。物語の結びの部分が全体として厭に短いように思えるし、逆に承、転の部分は間延びしているようにも感じる(家具屋との絡み、バーのシーン、お祓いの場面、黒い箱にまつわるあれこれ)。 一番納得いかないのが、最後「女性にはきっと、テレパシーがないんでしょうね」というオチ。「ああそういえばあやつられた人間のなかに女はいなかったなぁ……」とかいう私の回顧も、どこか白々しいし不自然に思える。ここに至って読者は「へーそうですか」以上の感想を持つことができない。私と恵子を恋仲みたいに描いてきたんだから、「愛は勝つ」的な結末もありえただろう(むしろ自分はそうだと勘繰ったのだが……)。それをしないで、この結論に落とし込んだのは、何かしらの思惑があったのだろうか。 「完全な成功作とはいえない」とは解説(ハヤカワJA文庫版)に書かれていた文言ではあるが、その通りだと思う。無味乾燥した人物造形と世界観、という星新一の持ち味は、ショートショートでこそ活きるが、長編では欠点にもなりうる。 | ||||
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