風少女

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評判

風少女の評価:

4.09/5点 レビュー 23件。 B ランク

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平均点4.09pt

Amazonレビュー一覧

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全24件 21〜24 2/2ページ
No.4
(5pt)

「風」

継父の他界により前橋に帰省した大学生の「ぼく」。そこで初恋の女の子の死を知り、彼女の妹(高校生)とともに死の真相を探っていく。
本作品は、平成2年上半期の直木賞候補に選ばれるも受賞は逃した。選評見たさに図書館に「オール讀物」を借りに行ったことを思い出す。さわやかな雰囲気や軽妙な会話などは評価されたものの、ミステリーとしての欠点が指摘されていた。確かにつっこみどころが多々・・・
しかし嫌いになれない作品だ。さめたふうな主人公はかっこいいし、高校生のヒロインがかわいい。一見鼻っ柱が強く、思い込みが激しくてどこかずれていて、けれど根っこは繊細で素直で潔くて。こういう子との組み合わせにより、大人びた主人公とのコントラストが活きる。かけあいが楽しく、心を通わせていく様がほほえましい。ハードボイルド的主人公とちょっと外したふうなかわいげのある女の子、というのは樋口作品に登場するペアの原型とも言えるだろう。
一方、亡くなった初恋の女の子の方はリアリティが薄い。主人公の「卒業できていない」恋へのこだわりもいささか類型的で甘いかな、とも感じてしまう・・・ でも、復刊が嬉しいので星ひとつプラス(甘いのはこちらの方だなあ)。
ところで忘れてはいけないのが、前橋の気候風土、とりわけタイトルにも含まれる「風」がさりげなくも印象的に書かれていること。樋口作品はまず会話の妙などが注意をひくけれど、季節や場所の醸す空気を描きこむのがうまい作家だと思う。会話の内容は忘れても、作品の空気はいつまでも残る。今でも前橋と聞くと、まっ先にこの作品を思い出すほどに。
風少女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 風少女 (創元推理文庫)より
4488459056
No.3
(5pt)

少年少女から大人の入り口を迎える・・・

少年少女から大人の入り口を迎える中で、変わってしまったこと、変えられぬこと、夢と挫折、こだわりと諦め・・・いろいろな気持ちが交錯して起こった事件。
主人公である21歳の大学生斎木亮が亡くなった中学の同級生川村麗子の妹である川村千里とともに故郷の街で同級生たちを訪ね歩く中で浮かび上がる真相。
主人公はかつて想いを寄せた麗子へのこだわりを持ちつつもクールに振舞う。いわゆる青春ミステリにハードボイルド小説の風味をまぶせたような感じ。
この作品でも著者の特徴である少しひねった会話が楽しめる。
1990年作品の復刊。
風少女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 風少女 (創元推理文庫)より
4488459056
No.2
(5pt)

樋口さんの原点にして、理想の小説ですね

最近、再評価の機運が高まっている樋口有介のデビュー2作目。
最近次々文庫で再発された柚木草平シリーズのファンならば、彼のおなじみの世界がこの作品にも瑞々しくあらわれているのに気づくと思います。
この作品の主人公は<永遠の38歳>こと柚木草平ではなく、21歳の大学生ですが、まるで草平を若返らせて少しシャイにしたみたい。お洒落でさわやかな会話が印象に残ります。
それほど深みがあるわけではないですが、吹き抜ける風のように、静かだけど強い印象を残す作品になっています。
かつての同級生が死に、その謎を主人公が解くために自分たちの過去に向き合う。
甘酸っぱさと切なさと、そしてほろ苦さ。
このモチーフは樋口氏が手を変え品を替え、書き続けているテーマですね。
これはその原点であると同時に、素晴らしい完成度を誇る傑作だと思います。
特に、筆者の文章のうまさ(決して美文家というわけではないですが)には目を見張りました。舞台である前橋に行ってみたくなります。
風少女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 風少女 (創元推理文庫)より
4488459056
No.1
(4pt)

しずかな青春物語

一応,ミステリですが,事件の真相などはおとなしめです.
また,小気味のよい会話もカッコよく楽しめはするのですが,
21歳という主人公の年齢から考えると,やや違和感があります.
ただ,同級生たちとの微妙なやり取りや,初恋の女性など,
ミステリというよりは,むしろ青春物語のような印象を受け,
さらに,方言や情景と,冬の地方都市の様子はしずかで美しく,
その数日間に起きる恋の物語には,切なくて心をくすぐられます.
ほかにも,法月綸太郎氏の巻末解説もていねいですし,
単行本刊行時の思い出などをつづったあとがきとともに,
本編を含めて,本当に『最後』まで楽しめる作品でしょう.
風少女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 風少女 (創元推理文庫)より
4488459056