魔笛

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評判

魔笛の評価:

4.14/5点 レビュー 29件。 B ランク

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平均点4.14pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全53件 21〜40 2/3ページ
No.33
(3pt)

人称に問題あり。

故・野沢尚の江戸川乱歩賞候補作。

官公庁連続爆破事件を起こした新興宗教メシア神道。その教祖・坂上輪水に死刑宣告がなされた日、渋谷スクランブル交差点で爆弾テロが起こる。やがて、事件にあたった殺人犯の妻を持つ刑事、鳴尾が突き止めたのは、犯人がかつて公安が教団に送ったスパイだという事実だった……。

作りにちょっと難ありかなぁと思いました。
話自体は面白く、展開も、人物造形もいいのです。
が、全体が「犯人の告白」となっているのに、犯人不在のシーンが多く、どうしてもそこに矛盾を感じてしまうのです。

もちろん、これを一人称にした、という理由はわかります。
だからこそ描けているものもあったと思いますし、
ある種、冒険だったというのも理解はできるのです。

でも、三人称で書いて、中盤以降に犯人の正体がわかるほうが、
単純に面白かっただろう、とやっぱり思ってしまうのです。

特に後半、行き詰る描写が連続して続く辺り、
文体的には完全に三人称になっているので、
余計にそういう印象を強く抱きました。

アイデアもいいし、筆力も抜群、
ただ、それが残念なことに噛み合わなかった、
ということでしょうか。

でも、ドキドキしては読めます。
マイナス点を含めても面白かったです。
魔笛 Amazon書評・レビュー: 魔笛より
4062114577
No.32
(3pt)

人称に問題あり。

故・野沢尚の江戸川乱歩賞候補作。

官公庁連続爆破事件を起こした新興宗教メシア神道。その教祖・坂上輪水に死刑宣告がなされた日、渋谷スクランブル交差点で爆弾テロが起こる。やがて、事件にあたった殺人犯の妻を持つ刑事、鳴尾が突き止めたのは、犯人がかつて公安が教団に送ったスパイだという事実だった……。

作りにちょっと難ありかなぁと思いました。
話自体は面白く、展開も、人物造形もいいのです。
が、全体が「犯人の告白」となっているのに、犯人不在のシーンが多く、どうしてもそこに矛盾を感じてしまうのです。

もちろん、これを一人称にした、という理由はわかります。
だからこそ描けているものもあったと思いますし、
ある種、冒険だったというのも理解はできるのです。

でも、三人称で書いて、中盤以降に犯人の正体がわかるほうが、
単純に面白かっただろう、とやっぱり思ってしまうのです。

特に後半、行き詰る描写が連続して続く辺り、
文体的には完全に三人称になっているので、
余計にそういう印象を強く抱きました。

アイデアもいいし、筆力も抜群、
ただ、それが残念なことに噛み合わなかった、
ということでしょうか。

でも、ドキドキしては読めます。
マイナス点を含めても面白かったです。
魔笛 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 魔笛 (講談社文庫)より
4062748851
No.31
(4pt)

怒濤のテンポ

すべてが犯人である照屋礼子の視点から書かれた 手記という手法をとった作品 相当の文才が無いと書けないくらい難しいやり方なのに、意外とするっと読めました さすが野沢尚 内容は正直どうでもよくて 面白いけど、へぇーみたいな感じで終わりました でも 獄中の刑事の妻が、手紙の中で同じ刑務所の女性の話をしていて 仏がなぜ自分をこの世に産み落としたか分からない ならば仏を憎みなさい と、慰問に来た僧侶に諭され それ以来彼女にとっての仏は自分と対峙する対象になった というくだりにぐっときた
魔笛 Amazon書評・レビュー: 魔笛より
4062114577
No.30
(4pt)

怒濤のテンポ

すべてが犯人である照屋礼子の視点から書かれた 手記という手法をとった作品 相当の文才が無いと書けないくらい難しいやり方なのに、意外とするっと読めました さすが野沢尚 内容は正直どうでもよくて 面白いけど、へぇーみたいな感じで終わりました でも 獄中の刑事の妻が、手紙の中で同じ刑務所の女性の話をしていて 仏がなぜ自分をこの世に産み落としたか分からない ならば仏を憎みなさい と、慰問に来た僧侶に諭され それ以来彼女にとっての仏は自分と対峙する対象になった というくだりにぐっときた
魔笛 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 魔笛 (講談社文庫)より
4062748851
No.29
(5pt)

天才による心理サスペンス

大量殺戮犯自身による分析報告という形をとる本書は、冒頭から著者(犯人)が刑務所内で原稿を書き上げることができた謝辞ではじまり、いきなり引き込まれる。爆弾を作る者と壊す者、殺人者とそれを捕まえる刑事、愛と憎悪は表裏の関係にあり、その境界は明確ではない。ささいなことで逆転する。人を憎むことは生きるエネルギーとなり、それを失ったとき、人は安心するのではなく喪失感を感じる。その感情を何と表現するのか。人は、敵が見えなければ怖いから、目に見える敵を自分で作り上げるものなのか。それが自分の子どもだとしても。野沢尚の描写する心理はおそらく一般の人が感じえるもので特別なものではない。それを文字にして見せられることでどんどん登場人物に同化していくのだろう。
魔笛 Amazon書評・レビュー: 魔笛より
4062114577
No.28
(5pt)

天才による心理サスペンス

大量殺戮犯自身による分析報告という形をとる本書は、冒頭から著者(犯人)が刑務所内で原稿を書き上げることができた謝辞ではじまり、いきなり引き込まれる。爆弾を作る者と壊す者、殺人者とそれを捕まえる刑事、愛と憎悪は表裏の関係にあり、その境界は明確ではない。ささいなことで逆転する。人を憎むことは生きるエネルギーとなり、それを失ったとき、人は安心するのではなく喪失感を感じる。その感情を何と表現するのか。人は、敵が見えなければ怖いから、目に見える敵を自分で作り上げるものなのか。それが自分の子どもだとしても。野沢尚の描写する心理はおそらく一般の人が感じえるもので特別なものではない。それを文字にして見せられることでどんどん登場人物に同化していくのだろう。
魔笛 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 魔笛 (講談社文庫)より
4062748851
No.27
(4pt)

必読の書

明らかに某宗教団体を意識した物語。
緻密さ、精巧さが際立っていて、野沢ワールドの集大成である。このまま映画のシナリオに使えそうな細かな情景描写は、脚本家だった故の術か。
 
公安女性の自己破壊と自己完結は作者自身なのか。それを暗示させる本書は、数ある野沢作品の中でも傑作であり、日本ミステリーに燦然と輝く作品でもある。
 
間違いなく全読者必読の書。
魔笛 Amazon書評・レビュー: 魔笛より
4062114577
No.26
(4pt)

必読の書

明らかに某宗教団体を意識した物語。
緻密さ、精巧さが際立っていて、野沢ワールドの集大成である。このまま映画のシナリオに使えそうな細かな情景描写は、脚本家だった故の術か。
 
公安女性の自己破壊と自己完結は作者自身なのか。それを暗示させる本書は、数ある野沢作品の中でも傑作であり、日本ミステリーに燦然と輝く作品でもある。
 
間違いなく全読者必読の書。
魔笛 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 魔笛 (講談社文庫)より
4062748851
No.25
(4pt)

ワクワクするぐらい期待させるが、やや出来すぎの感じも・・・

 物語の冒頭「自己批判、弁明ではなく分析報告である」というくだり、さらに語り手や登場人物の人間関係や背景の設定が凝っている。プロットの段階的な構築や人物像のプロファイルを周到に準備する著者らしい。公安と警察の関係、カルト教団の扱い方も不謹慎だがワクワクするぐらい興味を引かれるところで、巧い作りだと思う。またカルト教団の施設の描写や、マスコミの報道体制の風景など、脚本家らしい映像に訴える表現が感じられる。
 物語の構成としてはいつものように伏線がカチッとはまる作りで、完成品として素晴らしいのだが、逆にブレがないことが予定調和というか、なんとなく作品を小振りにしてしまったような気もする。特に犯人の行動の原因となった部分などはあまり釈然としないし、好きなモチーフである「森」へのイメージの連結も弱い。最後のキーワードもやや消化不良・・・。
 楽しめるのだが、もっと膨らませることが出来た作品なのにと思うのは、ややお門違いの望みだろうか?
魔笛 Amazon書評・レビュー: 魔笛より
4062114577
No.24
(4pt)

ワクワクするぐらい期待させるが、やや出来すぎの感じも・・・

 物語の冒頭「自己批判、弁明ではなく分析報告である」というくだり、さらに語り手や登場人物の人間関係や背景の設定が凝っている。プロットの段階的な構築や人物像のプロファイルを周到に準備する著者らしい。公安と警察の関係、カルト教団の扱い方も不謹慎だがワクワクするぐらい興味を引かれるところで、巧い作りだと思う。またカルト教団の施設の描写や、マスコミの報道体制の風景など、脚本家らしい映像に訴える表現が感じられる。
 物語の構成としてはいつものように伏線がカチッとはまる作りで、完成品として素晴らしいのだが、逆にブレがないことが予定調和というか、なんとなく作品を小振りにしてしまったような気もする。特に犯人の行動の原因となった部分などはあまり釈然としないし、好きなモチーフである「森」へのイメージの連結も弱い。最後のキーワードもやや消化不良・・・。
 楽しめるのだが、もっと膨らませることが出来た作品なのにと思うのは、ややお門違いの望みだろうか?
魔笛 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 魔笛 (講談社文庫)より
4062748851
No.23
(5pt)

野沢尚らしい濃く深い闇

明らかに、とある実在の宗教団体を意識した設定が、
この傑作を文学賞から遠ざけたといういわくつきの作品
(その辺は北方謙三氏の解説に詳しい)。モデルの方も、
折しも教祖に死刑判決が確定したばかり・・・。
ここまで社会派に徹することのできるミステリーは、なかなかない。
宗教団体の内部だけでなく、公安、爆発物処理班など、
日頃あまり現れない警察組織の描写も多い。
特に公安は作品のひとつのキーである。
作品を貫く、人間の暗部をえぐり出すような描写の数々。
この手の心理描写は作者の大きな特徴のひとつかもしれない(『深紅』が典型)。
そしてその描写の深さは、彼が自ら命を絶ったという事実により、
いっそう濃い闇を放っていくのである。
魔笛 Amazon書評・レビュー: 魔笛より
4062114577
No.22
(5pt)

野沢尚らしい濃く深い闇

明らかに、とある実在の宗教団体を意識した設定が、
この傑作を文学賞から遠ざけたといういわくつきの作品
(その辺は北方謙三氏の解説に詳しい)。モデルの方も、
折しも教祖に死刑判決が確定したばかり・・・。
ここまで社会派に徹することのできるミステリーは、なかなかない。
宗教団体の内部だけでなく、公安、爆発物処理班など、
日頃あまり現れない警察組織の描写も多い。
特に公安は作品のひとつのキーである。
作品を貫く、人間の暗部をえぐり出すような描写の数々。
この手の心理描写は作者の大きな特徴のひとつかもしれない(『深紅』が典型)。
そしてその描写の深さは、彼が自ら命を絶ったという事実により、
いっそう濃い闇を放っていくのである。
魔笛 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 魔笛 (講談社文庫)より
4062748851
No.21
(5pt)

ぜひ映像化を

鶴橋康夫 監督 へ 野沢さんが亡くなり、2年以上がたちました、僕は鶴橋さんが野沢さんの作品を引き継いでくれる事を切望します、『砦なき者』を見て、心を揺さぶられました、また、僕の心を揺さぶって下さい、鶴橋さんが野沢さんの作品を映像化して頂けるのを、僕は楽しみにしています。
魔笛 Amazon書評・レビュー: 魔笛より
4062114577
No.20
(5pt)

ぜひ映像化を

鶴橋康夫 監督 へ 野沢さんが亡くなり、2年以上がたちました、僕は鶴橋さんが野沢さんの作品を引き継いでくれる事を切望します、『砦なき者』を見て、心を揺さぶられました、また、僕の心を揺さぶって下さい、鶴橋さんが野沢さんの作品を映像化して頂けるのを、僕は楽しみにしています。
魔笛 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 魔笛 (講談社文庫)より
4062748851
No.19
(4pt)

おいしい要素てんこ盛りの小説

盛りだくさんの内容で、おいしい要素てんこ盛りの小説。
ちょっと詰め込みすぎの印象あり。
犯人の一人称神様視点にも違和感を感じる。
登場人物にも、通常だったら有り得ないと思われる設定がある。
そんな欠点もありますが、なんと言ってもこの作品はダイナミックな
ストーリー展開と抜群の描写力で読者をぐいぐい引き込みます。
特に終盤の盛り上げ方は見事。
良く出来た映画や劇画を見ているようです。
この作品は第42回江戸川乱歩賞の最終候補作に残ったが、
実在の宗教団体の起こした事件を背景にしている事や、
設定の強引さから、結局受賞するのは他の作品となりました。
受賞した作品は、良く言えばそつの無い、悪く言えば凡庸な作品であり、
小説としては明らかにこの作品の方が勢いがあり面白かったです。
魔笛 Amazon書評・レビュー: 魔笛より
4062114577
No.18
(4pt)

おいしい要素てんこ盛りの小説

盛りだくさんの内容で、おいしい要素てんこ盛りの小説。
ちょっと詰め込みすぎの印象あり。
犯人の一人称神様視点にも違和感を感じる。
登場人物にも、通常だったら有り得ないと思われる設定がある。
そんな欠点もありますが、なんと言ってもこの作品はダイナミックな
ストーリー展開と抜群の描写力で読者をぐいぐい引き込みます。
特に終盤の盛り上げ方は見事。
良く出来た映画や劇画を見ているようです。
この作品は第42回江戸川乱歩賞の最終候補作に残ったが、
実在の宗教団体の起こした事件を背景にしている事や、
設定の強引さから、結局受賞するのは他の作品となりました。
受賞した作品は、良く言えばそつの無い、悪く言えば凡庸な作品であり、
小説としては明らかにこの作品の方が勢いがあり面白かったです。
魔笛 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 魔笛 (講談社文庫)より
4062748851
No.17
(4pt)

やや無理めの手掛かり?

野沢氏の謎解きプロットにはいつも唸らされるがこの「魔笛」のそれはイマイチと感じました。一つ目は犯人特定の手掛かり。うーん、ちょっと無理じゃないか、そのストリングから犯人のバックグラウンドに至るのは?二つ目はラストシーン、決戦場所を特定する閃き。ストーリーの核心なので詳述はさけますが、えー?そこでそういくか?と思いました。以上2点、物語のキモの部分でちょっと興醒めしたのでこの評価です。某教団事件を鏡として日本の公安警察のあり方を問うくだりは体制側に大きなアイロニーを突きつけていると思います。
魔笛 Amazon書評・レビュー: 魔笛より
4062114577
No.16
(4pt)

やや無理めの手掛かり?

野沢氏の謎解きプロットにはいつも唸らされるがこの「魔笛」のそれはイマイチと感じました。一つ目は犯人特定の手掛かり。うーん、ちょっと無理じゃないか、そのストリングから犯人のバックグラウンドに至るのは?二つ目はラストシーン、決戦場所を特定する閃き。ストーリーの核心なので詳述はさけますが、えー?そこでそういくか?と思いました。以上2点、物語のキモの部分でちょっと興醒めしたのでこの評価です。某教団事件を鏡として日本の公安警察のあり方を問うくだりは体制側に大きなアイロニーを突きつけていると思います。
魔笛 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 魔笛 (講談社文庫)より
4062748851
No.15
(5pt)

追い詰められた女を描く真骨頂

女を不幸に追い込む話を書くと、どうしてこの人はこうも活き活きとした筆致になるのだろう?元々は脚本の世界でデビューし、書く作品ごとに、これでもか、という程に女を不幸に追い込んでいたと思うのだが、小説の世界にその活躍の場を広げてからも、作品のスタンスは殆ど変わらないらしい。それでも、やはり新書が出ると手に取っていた私としては、この先もう新作が手に入らないことに寂しさを覚える。話を本筋に戻すと、これまでの野沢作品の中でもかなり手の込んだ趣向が凝らされており、最後まで油断できない物語展開となっている。渋谷のスクランブル交差点で数百人を殺傷せしめた爆弾魔と、その犯人を追う訳ありの刑事。新興宗教の教祖や公安警察の上層部なども絡み、追い詰められた女の描写という野沢節もやはりあって、野沢ファンならずとも楽しめる作品になっていると思う。
魔笛 Amazon書評・レビュー: 魔笛より
4062114577
No.14
(5pt)

追い詰められた女を描く真骨頂

女を不幸に追い込む話を書くと、どうしてこの人はこうも活き活きとした筆致になるのだろう?元々は脚本の世界でデビューし、書く作品ごとに、これでもか、という程に女を不幸に追い込んでいたと思うのだが、小説の世界にその活躍の場を広げてからも、作品のスタンスは殆ど変わらないらしい。それでも、やはり新書が出ると手に取っていた私としては、この先もう新作が手に入らないことに寂しさを覚える。話を本筋に戻すと、これまでの野沢作品の中でもかなり手の込んだ趣向が凝らされており、最後まで油断できない物語展開となっている。渋谷のスクランブル交差点で数百人を殺傷せしめた爆弾魔と、その犯人を追う訳ありの刑事。新興宗教の教祖や公安警察の上層部なども絡み、追い詰められた女の描写という野沢節もやはりあって、野沢ファンならずとも楽しめる作品になっていると思う。
魔笛 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 魔笛 (講談社文庫)より
4062748851