秋期限定栗きんとん事件

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秋期限定栗きんとん事件の評価:

4.16/5点 レビュー 76件。 A ランク

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平均点4.16pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全87件 61〜80 4/5ページ
No.27
(3pt)

二人のそれぞれ

 シリーズの第3弾。今回は上下巻の分冊刊行である。
 下巻では怒濤のように話が展開する。結末には一定のカタルシスがあるが、それが事件そのものの解決によるのではないところが、非常にこのシリーズらしいというか。
 ギョッとするし、満足するし、ニヤリとするが、ミステリとしては何だかなあという感じ。
 キャラクター重視で読む人には嬉しいのかも。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
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No.26
(3pt)

リアリティを感じませんでした

はっきりいって、私はこの著者のファンというわけではありません。
そのため、本シリーズも第1作目などは未読です ( 第2作目は既読 ) 。
それで本作は、前後編にするほどの内容とは、とても思えませんでした。
登場人物の視点が2つになったとはいっても、まわりくどい描写が多かった印象があります。
オジサンの自分からすると、好感の持てる登場人物が1人もいなかったのは辛いです。
自分で自分のことを 「 小市民 」 などという高校生の存在にはリアリティを感じず、
また、警察がするべき領域にまで首をつっこむなど、アリエナイと思いますね。
あくまでもフィクションとしてなら許容範囲かもしれませんが、
放火犯は予想通りで、結局作者がこの作品を通して訴えたかったことというのが、
私には理解できませんでした。
高校生諸君には、復讐などより、もっと前向きなことをしてもらいたいものです。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
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No.25
(5pt)

彼女の恐ろしさ

この2人はくっつくのだと分かっていても、やはりくっついた時は嬉しかった。 そのために犠牲になった他2人だが、片方は良いとしてもう片方のダメージは凄まじいと思う。プライドも無くして、友人も、恋人も無くして…。それが彼女の復讐心のスゴさを示すツールであるというのも、後味悪さを通り越して恐ろしさを感じた。最後の一言に彼女の性格が凝縮されている。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.24
(5pt)

ちょっと変わったミステリ

 通常、ミステリというのは、Who(誰が犯人?)、How(トリックは何?)、Why(動機は何?)といったあたりをメインテーマにして展開されるものだと思います。
 しかし、本作のメインテーマは、Whatです。つまり、「小山内さん、今度は何をやってくれちゃったの?」
 犯人捜しのミステリとして読んでいくと期待はずれかもしれませんが、「まさかそこまで」「でも、小山内さんなら・・・」と考えながら読んでいくと、全く違った世界が見えてきます。こうした二重構造は、夏期限定トロピカルパフェ事件でかなり明確になってきましたが、今回の作品では、その技法にますます磨きがかかってきているように思いました。
 評価は分かれているようですが、私は大好きです、ということで★5つ。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.23
(3pt)

ジョーって呼んでいい?

『秋期限定栗きんとん事件〈上〉』です。
文章は相変わらず読みやすく、すらすらと進むのですが、内容的には、面白いとも面白くないともいえないような微妙な感じでしょうか。
前の巻で訣別した小鳩くんと小山内さんに、それぞれあっさりと彼女彼氏ができます。
作者の作風の特徴である、青春と謎解き、の青春パートは、そうして進みます。青春については現時点では悪くはないと思います。
謎解きの方は、日常的な事件とも呼べぬような事件、というのはほとんど登場しません。その点では物足りないです。
出てくる事件は連続放火事件です。そしてそれを追いかけるのは、小鳩くんではなく、小山内さんの彼氏となった瓜野です。一ヶ月に一度起きる放火事件を追うので、作中の時間がどんどん流れます。そのせいで、なんとなく間延びしているようにも感じます。決して面白くないわけではないのですが。
さすがに上巻では、事件の顛末が語られるだけで、本格的な謎解きは下巻に持ち越しです。
暫定評価なので★3です。
秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)より
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No.22
(4pt)

小市民は善良な市民とイコールではない

ジョー、ではなく上巻を受けての解決編の下巻です。
誰がどう見ても小市民じゃない小鳩くんと小山内さんが訣別して、その後ですが、やっぱり小市民ではなく、二人とも事件に首を突っ込んできます。
連続放火事件、容疑者は○○○。そして連続放火のポイントと真犯人は……
謎解きの部分は、やや物足りなくあります。真相と真犯人が分かっても、読者的にはそれによって大きな驚きは無いというか。どちらかというと、小鳩くんと小山内さんの関係がどう変化するかが主眼となっていますので。連続放火事件は、二人の関係を描くためのダシといったところです。
そして事件以上にダシなのが、その二人の彼女と彼氏です。彼女も彼氏も小市民であり、けっして善良とは言い切れないのですが、それにしてもこっぴどい扱いを受けます。
小鳩君と小山内さんは、やっぱり小市民とはとてもいえないのですが、でもやっぱり決して善良ではありません。最後にきちんとオチがついて、しっかりまとまってはいますが、読者の受け取り方次第では、相当に後味の悪いバッドエンドに見えるはずです。
シンプルに表面をなぞるだけの読み方だったら、ちゃんと事件を解決し、小鳩くんと小山内さんはヨリを戻し、オチもついて、良くできています。それが、小市民でありかつ善良な市民である読者としての正しい読み方です。
秋期限定というわりには上下巻合わせて一年も時間が経ってしまいました。それなりにまとまった作品ではありますが、その間延びぶりと、謎解きの不満部分と読者の受け取り方次第の部分も含めて、★4としておきます。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
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No.21
(3pt)

二人のそれぞれ

 シリーズの第3弾。今回は上下巻の分冊刊行である。
 とりあえず、上巻だけ読んだ時点でこれを書いているのだが、なんだか下巻を買いに行こうという気が起きない。
 もちろん、上巻だけで完結してしまっているわけではなく、これから事件の山場がやってくるはずなのだが…
 ひとつには、ミステリとしての質の問題があるだろう。「放火事件」の謎が弱いのだ。真相への関心が涌かない。
 また、米澤さんの文章というか世界観が変質しつつあるのも事実だろう。これまではふんわりした読み心地とショッキングな事件・真相というギャップが面白かったのが、前者が薄れつつあるように思う。
 とはいえ、上巻だけ読んでとやかく言っていても仕方ないから、頑張って下巻を読んでみなくては。
秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)より
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No.20
(1pt)

上巻以上に

不愉快な展開だった。犯人がわかっても気分が悪くすっきりせず、最初から最後までずっと登場人物にイライラしっぱなしだった。登場人物が見事なまでにみんな感じ悪い小説もめずらしい。特に主役級のキャラクターがいずれもそろいもそろって。
どの登場人物も自分以外の人間を見下したりなめたり疑ったりしていて、こんな人間関係の中で生きるとしたら、人生はあまりにもつまらない。あったかい気分になったり、胸が熱くなることもなく、空々しくなんだか冷たい人間関係。誰も生きている人のように感じられない。
上巻を読んでしまったので、下巻も読んだが、もう二度とこのシリーズはごめんだと思った。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
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No.19
(4pt)

ワンパターン化してるかも

 今回の話は純粋な推理小説と見るには少々物足りないかもしれません。これまでのシリーズで小山内さんの性格を把握している読者には、展開の先読みが簡単にできてしまいます。推理小説を少し読んでいる方なら、犯人と動機は上巻で既にわかってしいるかと思います。
 
ただ、個性的なキャラ同士の会話は楽しいので、物語としては十分に読む価値があると思います。この年代でよくやってしまう失敗がきつく表現されてあるので、なんだか耳に痛い部分もあります。作中のキャラの失敗談は、ぜひ自分の日常生活に生かしていきたいものですね。
 
 次が冬季でラストだと思いますが、ちょうどいいかと思います。推理部分が苦しくなってきているので、このまま無理に続けてしまうと、段々ワンパターンでつまらない作品になってしまうと思います。このまま面白いまま上手く終わらしていただければと思います。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.18
(5pt)

小鳩君に彼女が言った

最後の言葉が印象的でした。罪悪感に酔うのが趣味の性悪な女の、実は更に上をいっていた小鳩君は、 ある意味爽快でした。やはり彼は小市民を演じることは出来ても、小市民にはなれない人です。 冬期で完結するのが待ち遠しくもあり、寂しくもあります。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.17
(5pt)

オチが秀逸すぎる…

オチが最高でした。
そうか…こう来るのか…。ちょっと打ち震えました。
タイトルも事件と関係ないじゃんと思っていたら……そんなことはありませんでした。
注意して読んでいけばわりと簡単に犯人の見当はつきます。
たぶんあの人かなと思っていた人が犯人だったのでその点はちょっと拍子抜け。
でも、それは作者が意図的にわかりやすく書いたのかもしれないなあとも思います。
事件そのものは、小鳩くんと小佐内さんのキワ者っぷりを際立たせるためのスパイスに
過ぎないような気がします。おそろしい。
二人の前では瓜野くんも放火犯も到底かないそうにありません。
小鳩くんと小佐内さんの周辺をかためる登場人物たちの傀儡っぷりが泣けました。
上下巻通して小佐内さんがいいキャラしすぎていて困りました。
台詞回しや行動がいちいち素敵すぎて、小佐内さんの登場シーンばかり何度も
読み返してしまいます。深読みすると楽しいです。ちょっと毒があって。
でも個人的な印象だと、抱えている病巣みたいなものは小佐内さんより小鳩くんのほうが
厄介な感じがしました。
で、なにを置いても二人が元さやにおさまってくれたのはうれしい限りでした。
そうだよ!普通に恋愛してる柄じゃないよ君たち!と思っていたので。
小鳩くんと小佐内さんの関係は恋愛のそれとはたぶん違うと思いますが、
(もしかしてすごい遠まわしな照れ隠しなのか?と疑ったこともありましたがそんな
かわいらしいものじゃないな多分と今作を読んで思った)
今後ともよき理解者同士(?)仲良くやっていってほしいです。
健康的ではないよなあとは思いつつ、興味を引かれたことに一直線な彼らであってほしいです。
あと二人が食べていた栗きんとんが食べたいです。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.16
(2pt)

上下巻わける必要が無い

シリーズ化ともなると事件の展開と同じく登場人物のドラマが多くなってくる。
しかしそれは仕方が無いことだ。
固定読者が登場人物の成長ドラマも楽しみにしているからだ。
今回特に恋愛ドラマが漫然と感じられる。
二人はめでたく互恵関係を回復する運びになったわけだが、
仲丸と瓜野は互恵関係の解消→復活のために登場させられた感じがする。
今回の事件では、奇想天外のトリックはなく、じっくり読んでも徒労に終るだろう。
犯人がわかっても えっ という驚きではなく、え〜という落胆の声が聞こえてきそうだ。
日常の謎だけで長編を書くのは難しいとはいえ、
お約束どおりの恋愛ドラマを見せ付けられるのだけはごめん被りたい。
一冊でも十分におさまる内容だったのではないか。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.15
(2pt)

タイトルとカバーイラストは

いいと思う。でも、やはり読んでていらいらする。
小市民という言葉が、やたらしつこく不愉快に響く。
主人公が周りの人を見下しているようにしか思えなくて。このシリーズは1作目から読んだはずだが、これほどはイラつかなかった気がする。
小市民を装って生きているけどほんとは小市民になりきれないぼく、というのは、それこそものすごく小市民的な発想だよ、と主人公に言ってあげたくなるのだが。
秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)より
4488451055
No.14
(4pt)

小鳩くんと小佐内さんの恋人

小市民を目指す、なぞとき好きの小鳩くんと
復讐好きの小佐内さん。
つきあっているフリをしていた二人だけど
その関係は解消された。
そして二人はそれぞれ恋人ができ、
小市民らしい生活を送っていた。
けれど小佐内さんの恋人というのが
相次ぐ放火事件に執着し、
それを学校新聞に書きたいという瓜野で。。
事件は放火といっても小規模なものですが
次第にエスカレートしていきます。
学校新聞に情熱を燃やす瓜野は、それを追いますが
その陰に小佐内さんを見つけた小鳩くんは。。というお話ですが
ミステリー以上に驚かされたのは、二人が別々にいること。
前回のラストでわかっていたはずなんですが、うーん。
改めて別々に恋人とかできちゃうと、なんか違和感。
お話の語り手も、多くを瓜野がしめていて
その目から語られる人物像もいつもとは違い、おもしろかったです。
堂島君を守旧派か臆病者、とは。。。
そんな印象をくつがえす学校側と堂島君のやりとりは爽快。
でもそろそろ、小鳩くんと小佐内さんの活躍が見たいです。
秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)より
4488451055
No.13
(5pt)

小佐内さんの、復讐は?

小市民を目指す、謎とき好きの小鳩くんと
復讐好きの小佐内さん。
ふたりはそれぞれ恋人ができ、小市民生活をおくっていたが
小佐内さんの恋人・瓜野は、連続放火事件を追うことに執着していて。
連続事件に熱中する瓜野。
その放火事件の陰に見え隠れする小佐内さん。
事件を追うため、小鳩くんは元新聞部長・堂島君の協力を得て
新聞部の動向をさぐっている。。
「秋季」の解決編です。
小佐内さんの動向にどきどきしていましたが
小鳩くんの推理、動きにもわくわく。
「復讐ってね、あんなものじゃない」と
夏季限定の事件をふりかえる小佐内さんの復讐とは。
・・・その原因を聞くと、復讐された人への同情があふれましたが。
小佐内さん、キビシイ。
でもおもしろかったです。
「秋季」は、もうすぐお話が終わることを予感させる
ラストとなっていて…。
次の「冬季」で終わるのでしょうか。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.12
(3pt)

ちょっとキツすぎでは…

『小市民シリーズ』の3作目にして4冊目,上下巻分冊の下巻となります.
一応,上巻での事件の解決編とはなっているものの,そのあたりはそれほど重要ではなく,
前作(夏期)から続く主人公ふたりについて,ひとつの『結末』が描かれる作品になります.
(実際,事件の謎解きには弱いところがありますし,『日常の謎』の類はほとんどありません)
その中でもタイトルの『栗きんとん』と,対比として挙げられる『マロングラッセ』は,
ストレートですが,ふたりのそれぞれ,そして心境をみごとに表現しているのが印象的で,
仮題だった『マロングラッセ事件』でも,意味の深いよいタイトルになっていたと思います.
また前作,というよりはシリーズの始まりから続くふたりに起きる『ちょっとの変化』は,
やや高揚気味に映る少年と,そんな中でも淡々と語る少女の姿がおかしくもあり微笑ましく,
まだ少し微妙な距離感を残しつつも,卒業までの僅か,完結作となる次巻が楽しみになります.
ただ,本作にて少女が取った行動や理由,それによりもたらされた結果はかなりキツく,
青春のほろ苦さや挫折ではあるものの,ちょっと酷すぎて正直なところ好きになれません.
これまでの作品からある程度は理解できますし,それ自体は苦笑しつつも楽しめるのですが,
対象者が脇役で『その後』も語られないため,いつも以上にイヤな感覚が残ってしまいます….
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.11
(5pt)

自意識をめぐる、正しい青春ミステリ

ライトノベルとの境界領域で、コージーな「日常の謎」ものとして発表された(ように見えた)『春期限定いちごタルト事件』、思春期の全能感を「名探偵」という本格ミステリの装置と組み合わせることで戯画的に照射してみせた『夏期限定トロピカルパフェ事件』に続く待望の〈小市民〉シリーズ第三弾。
依然、ミニマムすぎるぐらいにささやかな「日常の謎」本格のフォーマットをたもちながらも(バスの降車ボタンのエピソードがお気にいり)、思春期の自意識に試練をあたえる物語としてはより容赦がない方向へ、ユーモラスな外装につつまれた苦い味わいがたまらないです。
個人的には、自意識をめぐる青春ミステリという点で、法月 倫太郎『密閉教室』、真木 武志『ヴィーナスの命題』につながる系譜だと思いますし、田中 ロミオ『AURA ‾魔竜院光牙最後の闘い‾』に通底する部分も感じます。【以下ややネタバレにつき注意!】
本作では、小鳩 常悟朗の「名探偵」にくわえて、小佐内 ゆきに情報・人心操作(ミステリのタームでいう「操り」)を駆使して復讐を果たす「名犯人」の役割があたえられていることが暗示されます。
二人が〈小市民〉をめざすのは、トラブル回避だけが目的ではなく、「名探偵」「名犯人」として全能感に身をまかせることの痛々しさを知っているからです。
小鳩・小佐内とは対照的に全能感に距離をとれないあるキャラクター(中学時代の2人に重なる人物造形です)が本作で辛辣な結末をむかえることは実に象徴的です。
しかし物語のラストでは、2人は〈小市民〉の皮をかぶりながら他人を見下す今の自分たちもまた、ひどく醜悪であるということを自覚せざるをえなくなります。全能感に身をまかせることも、見ないふりをするもできなくなった2人は、どうやってやっかいな思春期の自意識に落とし前をつけるのか?それが語られるであろう「冬季限定」がとても楽しみです。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.10
(5pt)

小佐内ゆきファン集まれ〜

 小佐内ゆきファンとしては、もう小佐内ゆきの一挙手一投足のみに全神経を研ぎ澄ませて読むべし、読むべし!
 ……と思っていたら、上巻では新恋人との日常に現を抜かしていた(いや、実際は現を抜かすことすらできていなかった)小鳩常悟郎の活躍と言ったら、小市民シリーズの真髄を両の眼に叩きつけられた思いがしました。 ……ととと、それだけで終わるかと思いきや、最後に待っているのは我らが小佐内ゆきの超絶暗躍。これぞまさに、「そこにシビれる!あこがれるゥ!」改めてファンになること必至。
 内容が内容なので深く突っ込んでは話せないけれど、上巻を読んで想像していた、甘っちょろい小生の予想を大きく、あらゆる方向に飛び抜けていました。傑作です。そして栗きんとんが食べたくなりました。が、今は冬です。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.9
(5pt)

「これは情報操作で片がつく」

上巻の最後で、連続放火事件は「情報操作で片がつく」と宣言した小鳩くん。
彼は本巻でその言葉を実証し、事件の真相を解明しますが、「情報操作」
という手段が用いられたところに、彼の大きな変化を窺うことができます。
一人だけ事件の「外部」に位置し、示された証拠のみに基づいて推理するという思考派の
名探偵だった小鳩くんが、『夏期』を通過した本巻では、友人たちとの協力のもと、犯罪が
発生するプロセス自体に介入し、ある意味、犯罪を誘導するような行為をしているのです。
この変化が、(探偵)として進化なのか退化なのかはともかく、
小鳩くんの、人としての成長であることには違いないでしょう。
これを経ることで、彼は再び、小山内さんと向き合うことができたのです。
ところで、辻真先氏も解説で書かれていますが、本作には(驚天
動地の大トリック、あっといわされるドンデン返し)はありません。
ただその代わり、(犯人〉や(探偵)にさんざんダシにされ、最終的には
コケにされた(被害者)の視点から本作を改めて捉え返すと、なんとも
ブラックで、底意地の悪い仕掛けを堪能することができます。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063
No.8
(5pt)

待った甲斐がありました

小鳩君の小気味の良い推理も、小佐内さんの暗躍っぷりも健在です。
本筋は連続放火事件ですが、日常の謎やスイーツの薀蓄もアクセント的に散りばめられています。
シリーズのファンならば、買って損は無いでしょう。
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Amazon書評・レビュー: 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)より
4488451063