幻の祭典
評判
幻の祭典の評価:
4.50/5点 レビュー 4件。 - ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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幻の祭典の評価:
4.50/5点 レビュー 4件。 - ランク
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600ページを超える長編スリラーです。単行本化されたのはバルセロナ五輪開催翌年の93年と、いささかお話が古いかもしれないと予期しつつ手に取りましたが、スペインびいきの私にとって、かの国の文化や歴史、料理や言葉が満載のこの作品はまさにページターナーといえる作品。暇に飽かせて2日で読んでしまいました。
スペイン通の逢坂剛ならではの綿密なリサーチに基づいた、虚実ないまぜの物語。いかにもそういう物語が実際に起こったかもしれないという思いにからせます。
30年代後半のスペイン内戦史に多少なりともなじみがあったほうが、この小説の底に流れる哀しい人間関係に感情移入しやすいかもしれません。隣人同士はおろか、父子や兄弟までもが、フランコ派と共和派とに別れて対立し、また同じ共和派内でもコミュニストとアナキストとの間で血で血を洗う熾烈な戦いを繰り広げることになったあの戦い。そのことを思い返しながら読むと、一層このスリラーが痛ましいものとして迫ってきます。
惜しまれるのは、この小説のてんこ盛りともいえる謎の数々が最終盤で短時間の間に一気に明らかにされるさまに、多少急ぎすぎのきらいがある点です。少しずつ謎が明らかになるというチラリズムも全くなく、こちら側にしっかりと受け止めて咀嚼するだけの構えがないまま一気に大きな展開を見せます。そのぶん、現実感が薄まってしまったのではないかと残念に思うのです。