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お狂言師歌吉うきよ暦



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【この小説が収録されている参考書籍】
お狂言師歌吉うきよ暦
お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)

お狂言師歌吉うきよ暦の評価: 3.00/5点 レビュー 5件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(1pt)

時代考証に、あまりに無知

時代小説で直木賞を受賞した作家だが、意外に言葉の時代考証間違いが多い。
「凄い」は江戸時代は「ぞっとする」「気味が悪い」という意味だが、「素晴らしい」に近い現代の用法で使っている。「大変」は江戸時代は、現代と違って「すさまじい凶事」の意味で使うが「非常に」という現代の意味で使っている。
 当身で失神させるのに、腹を殴っている。気絶させるには側頭部か顎を殴って脳震盪を起こさせる。これが本当の当身。
 女が三つ指を突くのもNG。三つ指を突くのは、そもそも吉原の遊女が始めた作法で、極めて不作法な挨拶とされる。両手を「ハ」の字状にして掌をしっかり床に着け、額を床すれすれまで下げるのが最も礼儀正しい作法。三つ指を突くのが礼儀正しいと思い違いしているとしか思えない。
「行かず後家」とは、婚約が決まったのに嫁入りする前に縁談の相手が急死して「行く前に未亡人(後家)になった状況を指す。主人公の歌吉は、婚約していないから、明白な時代考証間違い。
 その他、時代考証NGワードを列挙していくと、甲高い・太鼓判を押す・一言一句(谷崎潤一郎の造語)、つんけん(三遊亭円朝の造語)、三羽烏(大正十年の小林花眠の造語)、目玉(津村節子の造語)、目を丸く(河盛好蔵の造語)、箔を付ける(樋口一葉の造語)、尻尾を掴む(大正十年の佐々木邦の造語)、鉢合わせ(坪内逍遙の造語で、江戸時代は「出会い頭に頭と頭が激突する」意味)、円卓・無駄(国木田独歩の造語)、甘い汁を吸う・度肝(内田魯庵の造語)、手駒(小島徳彌の造語)、得意気(幸田露伴の造語)、藩(「天皇に仕える諸侯の領地」の意味で、幕末になって薩長など尊皇倒幕派の過激派志士が言い出したが、徳川方は使わず)、別嬪(二葉亭四迷の造語。江戸時代は「別品」の表記)、口裏合わせ(徳田秋声の造語)、反対(中村正直の造語)、粛清(渡辺善一郎の造語)、空理空論(末広鉄腸の造語)、針小棒大(中江兆民の造語)、捨て鉢(有島武郎の造語)、戸惑い(尾崎紅葉の造語)、ぐしょ濡れ(小山内薫の造語)、すっぽかす(夏目漱石の造語)、藁をも掴む(徳富蘆花の造語)、目と鼻の先(久保田万太郎の造語)など。
お狂言師歌吉うきよ暦Amazon書評・レビュー:お狂言師歌吉うきよ暦より
4062131102

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