東京影同心



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    初公開日(参考)2011年01月
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    長編小説

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    東京影同心 (講談社文庫)

    2013年12月13日 東京影同心 (講談社文庫)

    「江戸の町衆を守る」捕亡(とりもの)一筋の弥一郎が選んだ生き方とは? 御一新に「八丁堀」同心がつける男の始末。 金子弥一郎は慶応3年に異例の若さで定町回(じょうまちまわ)り同心となったものの、幕府は瓦解して町奉行も消滅。新政府に仕官した同僚の誘いにも気が進まず、元岡っ引の始めた料理茶屋に居候を決め込んだが、ひょんな縁で佐幕派の「中外新聞」で種取り記者として探索にあたることに。元「八丁堀」同心の矜持を描く傑作長編。(「BOOK」データベースより)




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    東京影同心の総合評価:6.00/10点レビュー 6件。Cランク


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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.6:
    (1pt)

    時代考証が出鱈目

    時代小説で直木賞を受賞した作家の作品だけに期待して読んだが、あまりに時代考証間違いが酷くて、どっちらけ。
     主人公は町奉行所同心で、玄関構えが許されない身分なのに、自宅に玄関があるところから物語が始まって「こりゃダメだ」と思ったが、案の定。
    「御目見」で「おめみえ」と読む。「御目見得」は間違いだが、平気で「御目見得」と書いているわ、女が三つ指を突くわ。三つ指を突くのは、そもそも吉原の遊女が始めた作法で、極めて不作法な挨拶とされる。両手を「ハ」の字状にして掌をしっかり床に着け、額を床すれすれまで下げるのが最も礼儀正しい作法。
    「「月命日」という太平洋戦争以降の造語を出すなど無知の極み。年に一度の、故人の死んだ月日と同じ月日を「祥月命日」と呼び、毎月の亡くなった日を「命日」と呼ぶ。この「命日」と「祥月命日」の混同が起こったことから、「月命日」の言葉が戦後になってできた。
    「凄い」は江戸時代は「ぞっとする」「気味が悪い」という意味だが、「素晴らしい」に近い現代の用法で使っているのもNG。「大変」は江戸時代は、現代と違って「すさまじい凶事」の意味で使うが、これも「非常に」という現代の意味で使っている。
    「天領」は明治五年の『和英語林集成』の造語で「天皇領」の略。幕府直轄領は「御料」「公領」でないと。
     二音までの女性名には会話では「お」の敬称が必要だが、抜いている。
    「他愛」は「自分のことよりもまず他人の幸福を願う」意味で誤用。正しくは「たわいない」でないと。
     その他、時代劇NGワードを列挙していくと、屁理屈・呆然・厄介(坪内逍遙の造語)、揉み消す(永井荷風の造語)、図星(里見弴の造語)、野次馬・別嬪(二葉亭四迷の造語。江戸時代は「別品」の表記)、血祭り(葉山嘉樹の造語)、野心家・度肝(内田魯庵の造語)、丸め込む(久田鬼石の造語)、文句(樋口一葉の造語)、目と鼻の先(久保田万太郎の造語)、口火を切る(横光利一の造語)、甲高い(明治四十四年の谷崎潤一郎の造語)、説教(夏目漱石の造語)、密偵(徳永直の造語)、浮き足立つ(落合直文の造語)、勇み足(相撲の決まり手で昭和三十年の造語)、雲散霧消(明治十六年の馬場辰猪の造語)、交流(大正八年の水守亀之助の造語)、唖然(織田純一郎の造語)、資金(西周の造語)、視線(松原岩五郎の造語)、憮然(福沢諭吉の造語。それまでは「意外な出来事に驚いて茫然とする」「失望してぼんやりする」意味)、一本気(永井荷風の造語)、火中の栗を拾う(フランスの詩人ラ・フォンテーヌの言葉。邦訳は太平洋戦争以降)、一触即発(中島敦の造語)、土壇場(明治四十一年の生田葵山の造語。この時代の「土壇場」は「首斬りの処刑場」という意味)、土塁(犬養毅の造語)、二つ返事(禽語楼小さんの造語)、居心地(国木田独歩の造語)、飛び火(大正四年の薄田泣菫の造語。この時代だと「火の粉が飛び散る」意味か「伝染病が移る」意味しかない)、尻尾を掴む(大正十年の佐々木邦の造語)、口裏合わせ(徳田秋声の造語)、好調(昭和十五年の田中英光の造語)等々、これだけ大量にあった。
    東京影同心 (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:東京影同心 (100周年書き下ろし)より
    4062167263
    No.5:
    (5pt)

    江戸から東京、世相を移す硬めの人情話に、少し寂しさが残るがいい思いをした

    杉本章子の小説を初めて読んだ。紹介していた毎日新聞の書評は江戸言葉を使わせれば当代一のと形容と、幕末から明治への政治と世相の移り変わりを活写していると述べていたが、滑らかな江戸言葉に心が洗われた。
    内容は、第一章 つかみぼくろ
    第二章 ミルクセヰキは官軍の味
    第三章 東京影同心
    という3本仕立て。杉本さんは捕物帖というファンも多いらしく、これもそういう事件が2つ描かれてはいるが、どちらかと言えば、ちょっと硬めの人情話。金子弥一郎という16歳の同心見習いが、25歳で定周り同心になり、弟が彰義隊で死んで同心を辞め、明治になって恩義ある上役の仇討をするという間の出来事を描いている。
    江戸の同心の普段の生活、付き合いの話、町方から迎えて嫁と武家の母との確執と、町方の商いの幕末から明治への移り変わりなど。知っていそうで知っていない話が散りばめられているが、主人公の周りで良い人々が次々と死んでいくのがちょっと悲しかった。世の中の移り変わりというのはそういうものかもしれず、仇討というような行為に至るにはそのような不幸の積み重ねという前準備がいるのかもしれない。
    明治維新やその前の江戸時代については、最近は、教科書的な単純進歩的な評価から、もう少し多様な文化の継承や、そういう時代の文化的な遺産をどのように組み上げていけたkが話題になっているように思う。
    革命があっても多くの人のその日の暮らしはそう変わらないものだが、一方で、自分が生きてきた60年ほどでも多くのことが変わってしまった。
    国語学者の水谷静夫先生が自分の家は商家だったからということをおっしゃっていたが、金子弥一郎とともにしばし幕末の世を見ることができたのは、少し寂しさが残るがいい思い出だと感じた。
    東京影同心 (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:東京影同心 (100周年書き下ろし)より
    4062167263
    No.4:
    (3pt)

    江戸から東京へと変わった時の

    「武士」はどうしたか?って点に関しては面白く読んだ。昨日まで「お役目」で禄を貰ってて、今日から「はい、お役目なくなりました」状態で、無職になったらどうやって生活したのかな~と思ってたんで、1例として楽しめました。
    けど、本書の主人公には結局「無為徒食」かいwって感じがしました。もしくは「趣味」に邁進?
    …大の男が「衣食住」をかつての部下の「情」に寄りかかって、バイトすら自分で見つけられず妓の「世話」になるってかなり情けない「甲斐性なし」だなあ…と。しかもその事に本人が気付いてないのと、衣食住を他人にたかって「後ろめたい」とか「申し訳ない」とか「いたたまれない」とか「居候の肩身狭さ」の感覚が無いってトコが凄い。「情」を受けてるのも本人じゃなくて親の「恩」ゆえではなあ…。寄ってたかって「お膳立て」をして貰って、それが「当たり前」の箱入り息子の話って感じでした。
    金常にも佐平にも鯉万にも「お前たち気付け~!」と言ってあげたくなった。
    一番は主人公に「現状認識しろ」かなw
    東京影同心 (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:東京影同心 (100周年書き下ろし)より
    4062167263
    No.3:
    (2pt)

    焦点がぼやけている

    既に☆四つと三つで投稿なさっているお二方があらすじなどを述べておられるので、繰り返さない。
    読んでみて真っ先に感じたのは消化不良。幕末から明治の混乱期中で、奉行所同心がどのように生きていくのかを書いているのだが、主人公についても、周りの人々・出来事についても焦点がぼけていて面白みを感じない。悪いけど、金出して本を買った当方としては不満が残る。
    東京影同心 (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:東京影同心 (100周年書き下ろし)より
    4062167263
    No.2:
    (4pt)

    幕末から明治にかけての世相の移り変わりの描写がいい

    本書は幕末から明治期にかけての江戸・東京を舞台としています。
    主人公は定町廻り同心の金子弥一郎。

    当時の多くの武士の辿る道は駿府への移住、新政府への仕官、商売人への鞍替え等。
    弥一郎はそのどの道もとらず、かと言って食いぶちも無いことから、かつての手下・金常が経営する料理茶屋の居候となり、自由な立場で新しい時代と向きあい、己の生きる道を探ることになります。

    偶然の出会いがきっかけで新聞社に勤めることとなり、地方では新政府打倒を企て第二の維新を起こそうとする動きがあることを知ることになります。弥一郎自身もその動きに関わることになるも、自身の立場はあくまで政治的動きとは距離を置き、元上役の敵討ちをすることで武士としての生き方に区切りを付けます。

    本書は幕末から明治にかけての13年〜15年程度の短い期間を時代背景にしています。
    本書の魅力は、物語そのものの面白さもありますが、この時代の世相の移り変わりが弥一郎を通じて生き生きと伝わってくるところ。

    江戸時代の武家のしきたり(「ねずみ」と言わずに「おふく」という等)、同心が手下に渡す手札の文言、陰扶持(家中の者が江戸で騒動を起こした際に裏処理してもらうため地方大名家が与力に払う賄賂)の存在等、江戸時代の慣習等を紹介する逸話から、明治の世に移り、市民が「治まる明(めい)」と陰口を叩いていた話、倒幕後も未だ攘夷を叫ぶ人々の存在、新しい役所の名称(「檀上台」「刑部省」等)は奈良平安のころの律令から持ち出されたこと等、この時代そのものを紹介する逸話がふんだんに盛り込まれています。

    弥一郎と芸者の恋物語が物語に華を添え、読んで楽しい一冊となっています。
    東京影同心 (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:東京影同心 (100周年書き下ろし)より
    4062167263



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