間諜 洋妾おむら
- 幕末 (129)
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
間諜 洋妾おむらの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルから幕末に女スパイが活躍するお話かと思いきや、女スパイの話は伏線で、イギリス公使ニールが生麦事件を契機に生じたイギリスと江戸幕府間の事件処理に関する外交交渉にあたり、どのように考え、策を練り、最後は賠償金を勝ち得るかを追った作品です。交渉相手方の幕府側の役人たちが右往左往に迷走する様子も丁寧に書かれています。少し丁寧に書かれすぎていて、例えば登場する幕府側の人物全員について阿部越前前守正外(まさと)だの老中脇坂淡路守安宅(やすおり)だのの名称で書かれている上、当時の幕府の混乱ぶりからか登場人物も多く、役職も途中変わったりだので、小説としては読みづらい点も多々あり、途中何度もページを戻して名前だの役職だの人物像だのを再確認してしまいました。女スパイの方と言えば最初からニールやイギリス公使館下僕に怪しさを感ずかれるお粗末ぶり。落ち着いて考えれば、にわか仕立ての上20歳そこそこの芸者という経歴から見れば至極当然で、それが却ってストーリー全体を嘘くさくしていないのかもしれません。かなりの力作で、一読の価値はあると思うのですが、ちょっと読むのに骨を折るところもあり、長編でもあるので、時間のある時に一気に読むことをお勧めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
描写はとても丁寧でリアル。風景を髣髴とさせる表現力がすばらしい作家です。この作品は維新前後の薩摩藩の立場や幕府との綱引き・力関係の微妙な移り変わりをきちんと考証していて気持ちよく読めます。 が、前半を描いたこの上巻は、物語の背景を丁寧に描くことだけで終わってしまっているようなところがあって、下巻に誘導する力が弱いかな、と、感じます。 発表当時の「間諜」というシンプルかつぴったりのタイトルに、わざわざラシャメンなんていうキャッチーな文句を追加したのもどうかと。そのラシャメンは上巻ではなっかなか登場しませんから。 洋妾と書いてラシャメンと読ませるのも間違いではないですが、ラシャメンという言葉が生まれた当時の日本人が感じていた嫌悪感や差別感が希薄になる気がして好きではありません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上巻と違って展開がスピードアップし、テンポ良く話が進みます。上巻であえて丁寧に書いた背景がようやく活きてきた感じ。 ヒロインおむらの心情もよくよく描かれています。揺れ動く心というか、微妙に変化する心理というか、複雑な心の動きがなぜかリアルに感じられます。 最後が意外にハッピーエンド。こういうのってリアリティが薄いことも多いんですが、この作品の結末に限ってみると「アリかな」と思えるところが不思議かつ嬉しい。読後感が気持ちよい作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 3件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|