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天路の旅人



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【この小説が収録されている参考書籍】
天路の旅人

天路の旅人の評価: 4.51/5点 レビュー 104件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.51pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全104件 41~60 3/6ページ
No.64:
(3pt)

期待値を上げすぎたかもしれません

ここ数年来中央アジアら辺に行きたい、もちろん「深夜特急」好きの中年旅行者としては、かなり楽しみにしていた本だったが、
期待値を上げすぎてしまった感があり、正直なところ何度か挫折しそうになってしまったが、インドに抜けてからは、多少先も見えてきたのもあって何とか読了。

沢木耕太郎の「凍」や「壇」といったルポバイオグラフィーとでもいうべき作品の、一人間への調査探求力、自分がその場に同席していないのになぜここまで書ける?!というところなんかに感銘を受けていたので、これらに比べると長い長い中盤が”潜行”行程の時系列羅列にすぎなくて、西川さんの感情や人となりの描写に欠けていたので、退屈を感じてしまったのだと思う。ただ行程も追うだけでも大変な作業だったに違いないとは想像に難くないのだけれど。この中盤を挟む前後の現在に近い部分はいずれも、沢木さんらしさが出ている筆で、充分楽しめた。

同時代にあの辺を”潜行”していた木村さんのエピソードも出てくるが、個人的には圧倒的に西川さんの東北で過ごした後半人生の方に美的を感じる。少し認知症の症状が出てきている頃に「もっといろいろなところに行ってみたかったなぁ・・・」とおっしゃったという。冷静に考えたら、一般的(という言葉も好きではないが)にはかなり旅した部類に入ると思われるのに、この言葉が出るあたり生粋の、骨の髄まで旅気質だったんだなぁと思う。そもそも満洲からこの西域に踏み込む時の動機も、ものすごい大義名分があったわけでもなく、大方部分、個人の「行ってみたい!」という単純な希求が占める割合が大きかったようだったし。

余談:この短い数ヶ月の間に「ムルマンスク」という地名に2回も出会うとは思わなかった。「コンパートメント No.6」のゴール地でどこら辺なのかなぁと調べずにいたが、再度この本の中に出てきて、知識と知識がつながる大好きな感覚にうわっとなった。
天路の旅人Amazon書評・レビュー:天路の旅人より
4103275235
No.63:
(5pt)

ともに旅をした気になれる!

旅とは何でしょうか。
リゾートステイ、グルメ旅、温泉巡り、神社仏閣ツアー、最近では聖地巡礼の旅なんてのもあります。古くからあるお遍路巡りも旅の一つでしょう。それぞれに魅力があると思いますが、旅は大きく二つに分類できるのではないかと思います。
それは「滞在する旅」か「移動する旅」か。

私は「移動する旅」派です。
自転車ツーリングも、バイクツーリングも、登山も、カヌーツーリングも目的地に着いてから何かをするのではなく、移動していくこと自体が旅の目的だ。
自転車だと夏の暑さ、冬の寒さを全身で感じながらの旅となる。バイクならば機動性を活かしてあえて脇道に入ってくこともできる。登山であればより困難なルートを選び、達成感を味わうことができる。
移動する過程で感じる土地の空気、少しずつ変わっていく景色、突然の動物との出会い、それらを五感で感じられるのが移動する旅の魅力だと思う。

海外放浪旅なんて究極の移動旅ではないだろうか。

本作は太平洋戦争最中、敵国の中国大陸奥地までスパイとして侵入し、終戦後も放浪を続け不法滞在で強制送還されるまでの8年間、チベット、ヒマラヤ、インドネパールを移動し続けた男、西川一三(かずみ)の物語。深夜特急で有名な沢木耕太郎氏の著書だ。

普通のバックパッカーと違うのは西川氏はスパイであること。そのため日本人であることを一切封じた。
モンゴル生まれのチベット教の僧侶(ラマ僧)、ロブサン・サンボーになりきり、一切日本語は話さず、モンゴル語を操り、敵国の奥へ奥へと侵入していく。ついにはヒマラヤを超え、インドに渡り、ネパールから再びインドへ。旅の過程でモンゴル語に加え、チベット語、ヒンドゥー語、ネパール語も習得していく。日本語を話すことを完全に封じられたことが現地語の習得にプラスに働いた面もあるだろう。
当初の目的は敵国の情報収集だったが、日本の敗戦とともに目的は未知の土地を巡る旅に変わっていく。操る言語も増えたことで現地でのコミュニケーションは増し、好奇心の向かうままに旅は続いていく。
西川氏の凄みはお金を必要としていないことだ。最低限の資金はラマ僧として托鉢や御詠歌(ごえいか)を唄うことでなんとかなったからだ。移動手段は歩くこと。ただそれだけ!

匪賊に物を奪われても、原因不明の高熱に見舞われも、一歩旅路に踏み出せば広大なゴビ砂漠に流れる蛇のような黄河の流れを望み、巨大な赤い夕陽が沈む地平線を仰ぎ、ヒマラヤの白い峰々や青い草原が心を鎮めてくれる。

チベットには乾いた風が吹き、ネパールではタルチョがたなびき、インドの湿った空気が絡みつく。

元々、西川氏はお金やモノに執着するタイプではないが、ラマ寺で何度も修行したことも執着心をコントロールすることに役に立ったのだろう。多くを求めず身体一つだけで旅は続けていく。

帰国後は自ら「秘境西域八年の潜行」という手記を発刊したことで、メディアに取り上げることもあったが、天狗になるようなことは当然なかったようだ。中には自らの旅路を再び訪れる企画もあったが、同じところに行ってもつまらないと興味を示さなかった。

西川氏に執着心があるとすれば、未知の土地を旅すること、それぐらいなものだったのかもしれない。

上梓まで足かけ25年かかったという本作。
ページ数も膨大だったが、ページをめくる手は軽く中央アジアをともに旅をした気持ちになれる大変楽しい一冊でした!
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4103275235
No.62:
(4pt)

圧巻の取材力

序盤は少し退屈ですが、旅が進むにつれて引き込まれます。
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4103275235
No.61:
(5pt)

旅は その人の生き方を表しているとも言えるのでしょうか

読み進めていって 200ページ辺りから文字に吸い寄せられていきました。
約20年前、四国お遍路をバックパッカー、シュラフを詰めたリュックを背負って、歩き遍路をした時のことが交差しました。この本の中でラマ僧の読経、御詠歌。旅の不安はあっても「自由」と未知の世界を歩くことの喜びとワクワク感は 映像が浮かぶと同時に私を秘境の地へ連れて行ってくれました。
いま、西川一三著の「秘境西域八年の潜行」を読んでいます。私も同じところにもう一度は行きたくありませんが、沢木耕太郎氏とは違った景色が、心情が垣間見れるかもしれません。
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No.60:
(5pt)

すごく深みのある作品でした。

人間がミニマルなものを求めるようになるプロセスが頷ける。
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4103275235
No.59:
(5pt)

ラブレター?

すごい人がいた。
沢木氏と共通点がたくさんある。
沢木氏は西川氏に憧れまたは畏怖を抱いたと思う。
読み終わってラブレターの様に感じた。
是非、同じルートを歩くことを期待している
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No.58:
(5pt)

さすが沢木耕太郎氏、

ご同樣の方がいらっしゃるかと思いますが、NHKクローズアップ現代プラスで本書を知りました。
 主人公は、終戦後もチベット僧になりすまし、活動を続けていたという旧日本軍の諜報員。同人も帰国後、自身で手記を書いたらしいが、さすが沢木耕太郎氏。分厚い単行本を一気に読了させてくれました。
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No.57:
(5pt)

無欲が変える人生

第二次世界大戦末期、当時の敵国中国にスパイとして潜入した、西川一三という人物がいた。西川はチベット仏教(ラマ教)の蒙古人巡礼僧になりすまして中国の奥地へと入って行き、更にチベットやインドにまで足を伸ばし、帰国後この旅の出来事を『秘境西域八年の潜行』という書籍として刊行する。本書はこの書籍を基に、本人へのインタビュー内容も加味しながら、西川の辿った旅路を改めて著者の視点で描いた作品である。
 日本人の密偵として身分を隠してラマ僧に扮し、蒙古人になりきろうとする西川。草原や砂漠を歩き、断崖絶壁の山を越え、急流の川を渡り、夜営をしながら、仲間と共に過酷な旅を続ける。その仲間も一つの旅を終えるごとに、出会っては別れを繰り返す。
 時には旅先で出会う人々と物々交換を行い、食料が底をつけば物乞いを行うこともためらわない。山賊にも襲われかけ、ちょっとした戦いを行うことも余儀なくされる。まさにリアルRPGのようなこの西川の旅の様子を著者は淡々と語っていくのだが、沢木さんの絶妙な筆致によりそれらの光景が鮮やかに広がってくる。
 旅の途中で変化していく西川の心境も興味深い。未熟な旅人として周りに必死についていく西川が、やがて一人前になって独り立ちしていく。ラマ僧は仮の姿であるにもかかわらず、僧としての巡礼や修行を行い、少数民族の味方として漢人に対抗する意識までもが芽生えていく。密偵の役割を終えてからは、旅そのものを目的とし、一人の無欲な人間となっていく。無欲が人生を変える。これが西川の人生観であり、読んでいて主人公に感情移入する箇所だ。
 西川の旅は、あたかもそれが人生そのものだったかのように、帰国後は盛岡の一店主として地味な生活を送る。(この点は一時期共に旅をした木村とは対称的だ)旅の終盤で西川がたどり着いた無欲の境地は、ある種の落ちぶれを受け入れることで人生もまた別の角度で見ることができるという達観だと思った。自分の人生観を改めて見つめ直すことができた1冊となった。
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No.56:
(2pt)

期待倒れずら

戦中から戦後の足掛け8年間に「密偵」として中国大陸奥地からチベット、インド亜大陸までを探訪した西川一三の壮大な旅の記録である。

データとしては西川本人の膨大な旅行記「秘境西域八年の潜行」および著者の本人取材に拠っているが、本書の大半を占める大旅行の「リライト」よりも、著者による西川本人の印象記のほうが、遥かに興味深いものがあった。
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No.55:
(5pt)

久々の満足感

読み進むうちに主人公に感情移入し 砂漠やヒマラヤ越えでは自分まで苦しくなるほど。
主人公の体力、そして精神の強さを感じるとともに 中国西域やチベットへの興味を沸き立てる一冊。
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No.54:
(5pt)

面白かったー

歴史において教わることのない部分を知ることができて、楽しく読めました。軽妙なタッチで書かれているにも関わらず、その時の様子が目に浮かぶ様で、人の様子や心情も推察するのが楽しく、ぐいぐい引き込まれました。物語りの構成も全体像が分かりやすく書かれており、壮大な物語が4つくらい含まれていて面白かったです。沢木さんの旅と、この物語りの完結を待っています。
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4103275235
No.53:
(5pt)

壮大な物語

とても壮大な物語です。戦時下においてこんな旅をした人がいたのかと感心します。地域もとても広く足取りを追うだけでも大変です。一度読んだくらいではその広さもわかりません。時間をおいて何度か読み返そうと思います。25年の歳月がかかったとかさもありなんと思いました。
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No.52:
(5pt)

久しぶりに読み終えるのがもったいないと思った長編ルポ。でも本も旅も人生もいつかは終わる。。。

僕は大学生の頃、いまから35年も前のこと。初めての海外旅行で香港から広州、西安、ウルムチと蒸気機関車を乗り継ぎ、タクラマカン砂漠の縁をバスで数日かけて中国の西の果ての街カシュガルまで旅行しました。そして帰国後に「深夜特急」を読んで、沢木耕太郎さんと同じく香港でチョンキンマンションから僕の旅が始まったことに驚き、そして中国の内陸を旅した時のあのバックパック旅行独特の気持ちが蘇ってきたことを思い出し、一気に沢木耕太郎さんのファンになりました。

「深夜特急」は沢木耕太郎さんが自らの旅行で感じた記録だけど、この「天路の旅人」は沢木さんの旅よりも30年近く前の戦中戦後の日本人密偵、西川一三さんとそのご家族、西川一三さんの著作「秘境西域八年の潜行」を発行した出版社の方々を25年にわたってインタビュー・取材して完成されたルポルタージュです。時代は30年の違いはあるけど、西川さんと同じような旅を経験した沢木さんだからこそ描ける世界観の本だと思います。最終章で沢木さんも「鳥肌が立つような感覚を覚えた」ブッタガヤで沢木さん見かけたブッタが悟りを開いた樹の下で太鼓を叩いていた男は、その30年前に西川さんが見かけた男と同一人物かもしれません。

かなり長編のルポでしたが、久しぶりに読み終えるのがもったいないと思った本です。でも本も旅も人生もいつかは終わる。。。と、今年57歳になる僕は、いつになく感傷的になってしまいました。そして、またふと旅に出たくなってしまいました。
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No.51:
(4pt)

生きるということ

西川一三が自分の生き方に、まっすぐに正面から、向きあってきたことが伝わりました。蒙古高原の馬のようになりたかったが、なれなかった自分。そんな後悔をいだきながらも、愚直に毎日の日々を生きていく。40代の自分のこれからの生き方を考えさせられる内容でした。
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No.50:
(5pt)

こんな旅人がいたのかと感銘を受けました

まさに旅でした。最高の本で、570ページなどと結構な量でしたが、終わるのが惜しくなるような内容でした
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4103275235
No.49:
(3pt)

淡々と続く

その歩みと同期するかのように
1ページ1ページ時間をかけて読みました
無味乾燥に思える時もありましたが
静かに充実した読後感です
良書
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No.48:
(4pt)

地図があったら・・・

ラジオでの書評かご本人の談だったか忘れましたが、それを聞いて気になっていたところ、書店で目についたので買って読みました。
西川一美さんの忍耐力と好奇心には感心させられました。と同時に、何度も死に直面した西川さんのことを思うと、同様の任務でたくさんの方が亡くなられたことが偲ばれます。
旅行記の類は、行ったことのないところの記述が続くと読む方としてはどうしても中だるみしてしまいます。そういう意味ではもっと詳しい地図があれば少しは親しみが出てきますが、本書では表裏の見返しにおおざっぱな地図が出ていただけだったので、それがちょっと残念でした。かわりにgoogleマップで調べながら読みましたが、結構細かいところまで掲載されていて、おまけに街の写真なども出ているので、助けになるとともに、改めてgoogleマップの有用性に気づかされました。
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4103275235
No.47:
(5pt)

人間の自由、本質とは何か⁉️

終戦前後に、広大な西アジアを、身分はどうであれ、ほぼ徒歩で旅をした日本人がいた事に衝撃を受けた。物のない時代、しかも異国の修行僧に対する、そこに住む人々の温かい心にも感動し胸が熱くなった。物や情報に溢れて疲れ切った今の時代に、人として本当に大切なものとは何かを、この著書は私に問いかけてきた。
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4103275235
No.46:
(5pt)

先の戦時中、こんなすごい軍人冒険家がいました。

いままでこの作家の著書は読んだことがありませんでした。NHKの番組で紹介されたので購入しました。この本は長い間、取材をおこないモデルの驚くような人生を詳細に記録しています。中盤にややダラダラ感がありますが世界地図を眺めてみて、よくも生きて帰国できたとは奇跡だと思います。戦後、商売をして晩年まで経営した商店がわたしの地元にあり、クルマ通勤でいつも店舗の前を通る道路沿にあったようで、とても驚きました。当時、中国大陸で日本軍がどんな世界観で軍事進攻したのかの背景がよくわかる本です。作家の労作です。
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4103275235
No.45:
(5pt)

傑作です

作者本人が語っている通りノンフィクションの力作です。構想から作品に結実するまでのエピソードが巧み織り込まれ、重厚な傑作に仕上がっています。
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4103275235

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