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(短編集)
実話奇譚 奈落
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実話奇譚 奈落の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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川奈まり子氏の作品を読むのはこれで何冊目かになる。 最近では自らの経験だけではなく体験者からの聞き取り調査を元に執筆活動を行っていらっしゃるようなので、中には“第三者としての報告”に徹した著作もあったが、本書は川奈氏ならではの豊富な知識もちりばめられていて非常に良かったように思う。 特に印象に残ったのは東日本大震災に纏わる逸話を何篇か収録している所だ。 例えば冒頭の「霊験」は決して怖くはない奇跡譚だが、この作品を読んで先の震災では多くの神社が被災を免れたという話を聞いたのを思い出し、改めて神社の不思議を実感したし、その一方で、御遺族の方や復興に携わった方達の一連の体験談「慰霊碑の煙草」「ビッタンビッタン」「ほういちさん」は明らかな心霊現象ではあるものの、これまた当事者達が霊を温かく見守っているのが微笑ましく、秀逸な美談であったように思う。 その他、栃木県を舞台にした「お稲荷さまと龍神さま」は、実は私自身も類似の体験をした事があるだけに(勿論、この作品ほど明確ではなく、今思えば…という程度だが)実際に“異界からの警告”というものはあり得るんだな…と妙に納得してしまったりもした。 尚、本書に収められているのは、こうした霊験あらたかな物語や美しくも悲しい体験談だけではなく、本格的な恐怖譚も多数あるので実話怪談好きの方達にはお勧め。 特に、たまたま良く知る地域で凄惨な事件があった事を知ったのは驚きだったし、また“曰く付きの場所”の話は、いつ自分が知らずに足を踏み入れてしまうか判らないだけに恐ろしい…因みに、本書には肝試しやこっくりさんの話も含まれているが、興味本位で行なうべきではないという教訓も含まれているようなので、各々が気を付けるべきだろう。 尤も、こうした体験談は少々話を盛ってある場合もあるだろうし、部分的な創作もあるかもしれないが、自らも不思議な体験談をお持ちの川奈氏だけに良く厳選されていると思う。 世の中には不思議な事があるのだな…と思うと同時に、実は怪異は常に身近にあり、それに気付くか気付かないかの違いなのではないか…そんな風に思えて来るのだ。 | ||||
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実話怪談にはまり、読んでます。ストーリー性は短編ですので無いですが、ハラハラドキドキが楽しいですね。 | ||||
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ステイホーム期間でしたので、とても読みごたえがあり新刊が待ち遠しくなりました。 | ||||
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最初は張り切って書き始めたけど、終わりになるにしたがってネタ切れになってどうでもいいように書きなぐりました、というような話が続きます。 | ||||
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これまでかなりの数を読んできた「実話系」には、都度期待をしてほとんどがっかりさせられてきたが、本作はその期待を裏切る素晴らしさ。あざとさや不自然な落ち着きがなく、ひんやりとした感じが怖さに読み応えあり。 | ||||
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川奈氏を知ったのは北野誠氏からだった。 氏の番組には怪談、オカルトに付き物の嘘がないところが好きで、 そこから川奈まり子氏を知りTABLO 、TOCANAでの連載を読むようになった。 本書は基本的に「聞き書き」という体裁を取ってはいるが、それのみならず、 怪談と聞いた時に想起される、おどろおどろしく過剰な演出などとは無縁の、 非常に端正な文章と、扱う物語に関する予備知識と文化的背景を、 広範な資料を渉猟し、必要とあらば取材後にも調査の上、補遺として資料を加えるなど、 従来の「怪談」とは一線を画する文章で、自ら確りと裏取り取材をした形となっている点は 「魂でもいいから、そばにいて」に近いルポルタージュ感覚を感じさせる。 実際の霊体験というのは「あれ?今のはなんだったのだ…」というほど意味不明に 眼前に投げ出されるものであり、理由も何もわからないというのが実際であって、 「後から聞いたところによりますと」、等という不確実な伝聞などの後付けは意味をなさない。 自分に近しい人間が亡くなった「虫の知らせ」のような理由がある場合を別にして、 経験した人間が知りたいのは何故、その場所なのか、何故、自分なのか、何が理由なのか、に尽きる。 その点からも、2ページほどの経験談もさりげないけれどゾッとする味わいで、 非常にリアルである。 天災、忌地、怨念、愛情、と様々な状況下で描かれる、人の感情が交錯する物語たちは、 勿論、怪談としての怖さ、恐ろしさ不思議さ、哀しさを十分に堪能できるものである。 特に川奈氏自身の経験談、姉、人形が気に入っている。 不思議とすっきりとした後味の読後感でもあり、特にオカルト嫌いの方に 川奈氏の著作の一読をお勧めしたい。 | ||||
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提供された実話怪談を著者の裏取りや周辺取材で補ったルポルタージュ風怪談集で、竹書房のシリーズとしては4冊目。相変わらず、良いネタをきちんと料理して、誠に堪能できる名品集となっている。冒頭の「霊験」からもう、東日本大震災の津波に関わる正真正銘の実話奇譚である。靖国神社近くの会社で相次いだ怪異、姉の自殺未遂にまつわる不思議な怪異「姉」、宮城県下の震災復興工事現場の怪異、南洋諸島に散った伯父にまつわる奇譚「納骨の旅」など、体験者自らの困惑や不思議感が強く伝わってきた。正に実話怪談ならではの味わいである。知人は、某女優をモデルにした人形の怪を描く「人形」がとても怖いと述べていた。川奈さんには是非この調子で書き続けてほしい。 | ||||
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