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三屋清左衛門残日録
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三屋清左衛門残日録の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全86件 61~80 4/5ページ
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大変良いもので、期待意通りでした。これからも宜しくお願い致します。 | ||||
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江戸時代の東北地方の小藩の話という設定ではあるが、現代のリタイアー後の高齢者の生き方のよいモデルと言えそうである。もちろん 時代設定のゆえ、交友範囲は藩内の元同僚や町人等に限られるがそれでもそこそこ主人公は人間関係を楽しみながら、時折くる現実の藩上層部の依頼に対処している。力まず、静かに生活しつつ一日一日暮らしていく晩年の歩みが好ましい。ただ 時代のためか 主人公の隠居の年齢が50台前半である。このあたり現代との懸隔を感じさせるのも致し方ないのか。 | ||||
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隠居しきれない自らの境遇と照らし合わせてとても深い感銘を受けた 素晴らしい老年人生 | ||||
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短篇集です 用人という重職を退き息子に家督を譲って、離れに起臥する隠居の身となった三屋清左衛門 想像していた以上の世間から隔てられた寂寥感、老いた身を襲う悔恨に悶々とする日々に戸惑う清左衛門は日録を残すことを自らに課す 暫く後、嫁や友人のアドバイスもあり隠居生活にも慣れて元気に暮らす毎日だったが、紛糾の渦中にある藩の執政府は彼を放っておいてはくれなかった 藩の政争、清左衛門の身の周りの小事件など、切れ味よく小気味よい展開で物語は語られます 定年を迎えたばかりの方には清左衛門が隠居した当初の気持ちがよく理解できるのではないでしょうか 定年後の生き方指南に役立つ一冊かもしれません | ||||
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三屋清左衛門、藩主の元用人の隠居後の生活を描く。 ショートショートかと思っていたら、それぞれの話が繋がりを持ち、途中からお家騒動の太いストーリーとなる。 それぞれの事件はちょっとしたことである。だがその心の綾がこの作家に掛かるとしみじみとした深い話しとなるから不思議だ。 | ||||
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新聞の投稿欄を見て購入 まさしく、定年を迎える前に読み非常に 参考になりました。 | ||||
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様々な事件が隠居の清左衛門に降りかかるが、凡庸な事件物のようにすべてがすっきりと解決されるわけではない。人生には未解決のままで通りすぎなければならない事柄が多々あるように、作者はいくつかの事件には本当の結末を迎えないところで筆を置いている。そのあとは、読者の思いが完結させるのである。物語が終わったあとに余韻が広がる作品です。 | ||||
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Kindleで購入した始めての小説でした そして、始めての藤沢周平でもありました。 いやぁ、どっぷり藤沢ワールドにはまらせていただきました。 最初の2〜3行を読んだだけで、江戸時代の雰囲気を十分に感じさせてくれる文体がステキです。 時代小説って使っている単語が古臭くて取っ付きにくいかな?と思っていたのですが全然そんなこと無いです。 江戸時代に使われていた単語や言い回しがすんなり入ってくるし、何よりその表現が小説全体のスパイスとして機能しています。 単純にいうと「盛り上げて」くれるんですよね。 こんなに文体に酔いしられる本は珍しいです。 読んでいて「気持ちがいい」 そしてそして、沢山の食事シーンが出てくるのですが、これがまたどれも美味しそう! これを読んだ後に日本食を食べたら「あぁ、日本人で良かったなぁ」と感謝したくなります。 小説自体も、連作短編形式になっていて、各章で物語が完結しているので読みやすいです。 TVでも放映されてたらしいですね。 ビデオが出てたら観てみたいと思いました。 | ||||
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このような定年後を送れる人がどれだけいるだろう。これは憧れの余生ということだろう。そういう意味で楽しめる本だった。 | ||||
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面白かった キュンとした 筆者の心が心に深く伝わってきた。ありがとう。 | ||||
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最近仕事から退き、手持ち無沙汰な日々。この本に出会い、侍もサラリーマンも隠居暮らしは同じだね、と。 しかし、この本ほど適時、やることがあると晩年も面白い、と羨みの気持も。 いろいろ共感するところも多いほんでした。 | ||||
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まさに「イブシ銀」の巧さです。藤沢周平作品の中の「蝉しぐれ」にも引けを取らない非常に味わいのある見事な作品です。老いを感じ始めた人には、じんわりと心に染み入ってくる小説です。これぞ「藤沢周平!」といえる出来ではないでしょうか。 家禄百二十石の御小納戸役から年を重ねるごとに累進し、最後は藩主の用人を勤め、ひっそりと息子夫婦の離れに住み、隠居の身となった清左衛門。一切の雑事から解放されたと思ったら、生涯の盛りを過ぎた強い寂寥感を抱くようになります。 しかしそんな彼も、藩の家老たちの権力争いや様々な事件に巻き込まれていきます。美しい北国の季節の移り変わりの中、清々しい清左衛門の生きかたが、古い友人、料理茶屋の女将、昔の同僚などと交わりを通して鮮やかに描かれています。できたら自分も清左衛門のような余生をおくりたいと思わせてくれます。 随所に現代の定年後のサラリーマンにも通じるような話があり、10年後にもう一度読みたいと思える作品です。平成5年にNHK「金曜時代劇」で放送されたようなので、再放送があればぜひ見てみたいものです。清左衛門を仲代達矢が演じているようです。 | ||||
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静かで趣きのある作品です。 初老で隠居をした主人公が様々な問題を解決していきます。全体にしっとりとした人間性豊かな対応に、読後に何とも言えない余韻が残ります。 藤沢周平の作品はこれが最初ですが、別のものも読んでみようかと思っています。 | ||||
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城勤めを精一杯励み過分な出世を果たした中級武士の引退後の生活を綴る残日録。巻き起こる騒動ごとに区切られて書かれているので、短編集のように読みやすい本です。全ての話が明るい話ばかりではないが、締めに希望の持てるご隠居の心持が記されているので後味が良いです。非常に味のある脇役陣に囲まれて、黄昏れる暇も無い隠居生活が描かれています。読み易く面白い、藤沢作品の中でも楽しめる一作だと思います。 | ||||
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2008年の水無月は、胸の痛む通り魔事件や東北の地震など切ない月でした。物価も値上げ値上げできゅうきゅうしております。働き盛りの40歳、後を振り返る暇もなく毎日が過ぎてまいります。 御用人時代の三屋清左衛門も、そんな心持だったのでしょうか? 日残りて昏るるに未だ遠し・・・。 なんと読みやすく、そして清左衛門の爽やかな人となりなのか。澱みに浮かぶ権力争い。三屋清左衛門 が切れ者として重宝がられるのも、その柔軟な姿勢と剛健な精神のバランス感覚に優れたゆえんではないかと思うのです。権力争いばかりではなく、夫婦の心、友のこと、泣き妻への悔恨に漣立つ心。三屋清左衛門は隠居しても慕われ、なお諸事に力を尽くし、何より「梅の一枝」にさえ命をいとおしむ。 昨年、本当に遅ればせながら「蝉しぐれ」をドラマで見、そして原作を読み藤沢周平の世界に入ったばかりの新参者です。三屋清左衛門残日録もドラマと並行して原作を楽しむ至極の時間を味わえました。 このような味わい深い作品に出会えて幸せです。 こんな年寄りになりたいものです。諸事に力を尽くし、何より「梅の一枝」にさえ命をいとおしむ心持 。それは遥か先のことではないと思います。日々を懸命に過ごしていたら辿り着いた日々。これより私の行く道を照らしてくれるそんな作品との出会いでした。ドラマと併せまして最大級の御勧めです。 | ||||
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さる藩の元傍用人の清左衛門の引退後の日々の生活を小事件を交え淡々と綴ったもの。清左衛門は引退して早く"暇になる"事を夢見ていたが、いざ暇が出来ると寂寞間に襲われる。会社員の私にも良く分かる現代にも通じる心境である。このままではいけないと、勉学や武道、そして釣りに励む決意をする。それと共に「残日録」と言う日記を書き始める。それが本書の内容である。「残日録」とは「後何日生きられるか」と言う消極的なものでなく、「日残りて昏るるに未だ遠し」と言う意気軒昂な証の由。 清左衛門は元用人という要職にあって、今では隠居の身であるから、藩内に顔が利く上に自由である。このため、藩内の公にはできない事件の解決をしばしば頼まれる。解決しても当然俸禄には繋がらない。だが、清左衛門は無為の生活ではなく、事件の渦中に飛び込む方を選ぶのである。事件と言っても、ハデな謎解きはなく、主に家中の人間模様の悲喜劇が描かれる。清左衛門自身に降り掛かる災厄もある。これも家中の人間関係の中から生まれる。清左衛門は清廉な性格で頭も切れるが、人が良過ぎてメガネ違いの事もある。嫁の里江の方が鋭いと思う事さえある。しかし、それもまた微笑ましい。年老いてから想う若き日の淡い思慕の念も共感を誘う。夫の浮気を疑う娘の悋気をキッカケに、藩の権力争いに首を突っ込む親バカ振りも見せる。公務を退いた後、無為に生きるのではなく、日々の暮らしの中のフトした出来事に喜び、悲しみ、怒り、悔恨を覚える清左衛門の様が理想的な余生の過ごし方に映る。四季折々の風景描写も物語に自然に溶け込み、清左衛門の心の移ろいを巧みに表現している。特に雷を頻繁にストーリーの分岐点に使っているのが印象的。 時代小説として優れているのは勿論、老境を赤裸々に描いて新境地を開いた秀作。 | ||||
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蝉しぐれがよかったので、次の藤沢作品は何を読もう?と皆さんのレビューを読み倒しました(笑)。蝉しぐれと、こちらの作品が双壁のようなので、「この若さで読んで味わえるのか?」(←時と場合で、年とったり若くなったりします…)と不安でしたが…いい味わいでした。 連作短編なので、蝉しぐれより読みやすいと感じたくらいです。 そして様々な事件の間に入って、骨を折る清左衛門の働きは、現在の組織社会の中での課長を思わせるよう。実際に50年、60年と現実を生きてきた人の中から出てくる、知恵、経験を感じます。 蝉しぐれは叙情的ですが、こちらは落語的と言いますか、以前連続ドラマ化されたそうですが、しやすいと思います。とは言え、読む方の年齢なりの読み取り方があるでしょう。そういう味わいを感じました。 30代でこういう感想です。ご参考までに。 | ||||
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昔は、隠居という制度がありました。 仮に自分が若くても、後進に譲ることもあります。 そのことにより、自分は宙に浮いた存在になることができました。 トランプで言うジョーカーみたいなものかもしれません。 私はそう捉えています。 本作の主人公は、さして若いわけではないのですが。 隠居したところから話ははじまります。 「さて、わしも手ぶらになったところで、日記がてら、ちょっと、つけとくかなあ。」 本書はそんな設定です。 隠居は焦ってやるべきではない。というくだりが印象に残りました。 | ||||
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江戸時代に生きた人々は、現代に生きる我々からみれば物質的には決して恵まれてはいなかった。だが、彼らのように高い志をもち、自己を律するという精神的な生き方が現代人にはできるだろうか。ここに登場する人々の清澄な生き方は、本当の豊かさはどこにあるかを考えさせてくれる。 | ||||
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おそらく蝉しぐれと双璧を為す作品。昨今この手の時代小説を書く小説家はいるが底の浅さに辟易する。似せて書いたところで作者自身の経験に裏打ちされた人生の重みがなければ小説そのものの説得力が生まれないことがわかる、そんなことを考えさせる小説である。あまりに秀逸であるが故に読み手の要求水準を上げてしまうので、続く作家がいない今読むのは危険かもしれない。 | ||||
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