月下のサクラ
評判
月下のサクラの評価:
3.27/5点 レビュー 37件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 21〜34 2/2ページ
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月下のサクラの評価:
3.27/5点 レビュー 37件。 C ランク
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前作『朽ちないサクラ』の続編であり、本作も警察の不祥事と不条理の世界を巧みに描かれた物語である。
米崎県警本部の捜査二課(知能犯係)に所属する女性巡査・森口泉。東北管区で唯一設置された県警の捜査支援分析センターにおける事件現場で収集した情報を解析しプロファイリングをする機動分析係への配属を希望するも実技試験に失敗した泉だが人並み外れた抜群の記憶力を買われセンターの係長である黒瀬仁人警部の強い推薦により念願の異動となった。
初出勤の日に県警の会計課の金庫から一億円に近い大金の盗難事件が発生し、この緊急事態にメンバー全員で捜査にあたり内部犯の見当をつけるのだが……。
2017年に起こった広島の警察署における8500万円盗難事件をヒントに描かれたと思われるが(この事件も容疑者とされる人物が後日、自殺とも事故死ともわからぬ不審死を遂げている)、物語的には通俗小説の域から出ていないように思えた。
前作の『朽ちないサクラ』が面白く読ませる展開であったので期待値が高かった分、本作に関しては少し残念だった。近年読んだ『サイレント・トーキョー』や木内一裕小説よりも物語の構成は作り込んでまとまっているのだが肝心の真相が明らかになってもそれが理由としては意外性もなく弱いように感じるし、事件が解決してもカタルシスを得る内容ではなかった。
主人公の泉もまっすぐな性格で警察組織の闇に飲み込まれそうになっても信念を曲げずに捜査を続ける姿勢は好感が持てるし(この手の主人公は大抵そうなのだが)、上司の黒瀬も当初は泉にツラく当たりながらも物語が進行するうちに泉を信頼するような関係性になったのもよかったし、泉に対して厳しいイメージのある黒瀬だが警察組織における大事件に部下を巻き込みたくない感情を持ち合わせた優しさや不正事実に対しても圧力に屈せず真っ向から対応しようとする熱い上司であるのだ。
他にも泉の同僚となる日下部真一(メンバー歴6年)、市場哲也(8年、当係最年長の50歳)、里見大(2年、最年少の28歳)、春日敏成(4年、頭の切れる男)など個性豊かな面々で上司である黒瀬に対しても信頼を置いている。
人物設定はきちんと描かれているし泉の能力が活かされてそこから捜査の突破口に導いて物語の作りとしてはきちんとしているのだが真相に対してもう一工夫あってもよかったかなと思う。
追伸…泉のイメージとしては『外事警察』の頃の尾野真千子がイメージとして合っていると思います。