第四の核

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第四の核の評価:

4.13/5点 レビュー 23件。 B ランク

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平均点4.13pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全43件 1〜20 1/3ページ
No.43
(5pt)

古臭いフィクションだと思うことなく読み終えました。

イギリスは、1982年3月に起きたフォークランド紛争を3ヵ月で収束させたばかりだった。
鉄の女宰相サッチャーの断固たる決断は、国民の支持を得て保守党の政権も安泰に見えた。
その4年後、労働党の巻き返しを影で謀るソ連KGB(事実は書記長直属の部下だけ)のとんでもない計画を進める物語をフォーサイスはこの「第四の核」という小説に仕上げている。
評者は、本書上巻のレビューでこのストーリーには時間的な齟齬があり、リアル感を欠いていたから残念だとレビューに書いた。
が、当時の東西冷戦時代の世界情勢などや核開発の進歩などを俯瞰しながらこの小説を読み進むと、スーツケース大の核爆弾「第四の核」という驚異の時代を迎えた現実を直視したフォーサイスの警告とも思えたから、この小説を単なるフィクションとして読み流すことができなくなってしまった。
1991年、ソ連邦が崩壊したあとの東西冷戦後の世界は、サミエル・ハンチントンの予想通り民族や宗教対立からの紛争が絶えない。
東西冷戦の10年後に、世界貿易センターに突っ込んだジャンボ機に、この第四の核が搭載されていたら、などと考え身震いしてしまったのです。
この小説はイギリスの危機を主人公のプレストンの活躍で終えているが、で詳小型核爆弾の製法なども本書しく知り(こんなに簡単にと思ってしまった)フォーサイスの警告として今にも通じるのです。
もちろんプレストンだけの活躍で危機を回避できたわけでなく、陰でMI6チーフのナイジェル卿とKGB管理総局のカルポフ中将との密約があつてのことだったのです。
MI5で次期長官のハーコート・スミスに冷遇されていたプレストンが、MI5を辞職したあとナイジェル卿の計らいで財産保全会社へ転身し、給料は、MI5時代の倍以上で、めでたしめでたしでエンディングを迎えます。
ハーコート・スミスも抜け目なくシティの大銀行に天下りしているからムカつきましたが。
37年も昔にフォーサイスが書いた『第四の核』下巻を、古臭いフィクションだと思うことなく興味津々で読み終えました。
第四の核 (下) (海外ベストセラー・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下) (海外ベストセラー・シリーズ)より
4047911526
No.42
(5pt)

古臭いフィクションだと思うことなく読み終えました。

イギリスは、1982年3月に起きたフォークランド紛争を3ヵ月で収束させたばかりだった。
鉄の女宰相サッチャーの断固たる決断は、国民の支持を得て保守党の政権も安泰に見えた。
その4年後、労働党の巻き返しを影で謀るソ連KGB(事実は書記長直属の部下だけ)のとんでもない計画を進める物語をフォーサイスはこの「第四の核」という小説に仕上げている。
評者は、本書上巻のレビューでこのストーリーには時間的な齟齬があり、リアル感を欠いていたから残念だとレビューに書いた。
が、当時の東西冷戦時代の世界情勢などや核開発の進歩などを俯瞰しながらこの小説を読み進むと、スーツケース大の核爆弾「第四の核」という驚異の時代を迎えた現実を直視したフォーサイスの警告とも思えたから、この小説を単なるフィクションとして読み流すことができなくなってしまった。
1991年、ソ連邦が崩壊したあとの東西冷戦後の世界は、サミエル・ハンチントンの予想通り民族や宗教対立からの紛争が絶えない。
東西冷戦の10年後に、世界貿易センターに突っ込んだジャンボ機に、この第四の核が搭載されていたら、などと考え身震いしてしまったのです。
この小説はイギリスの危機を主人公のプレストンの活躍で終えているが、で詳小型核爆弾の製法なども本書しく知り(こんなに簡単にと思ってしまった)フォーサイスの警告として今にも通じるのです。
もちろんプレストンだけの活躍で危機を回避できたわけでなく、陰でMI6チーフのナイジェル卿とKGB管理総局のカルポフ中将との密約があつてのことだったのです。
MI5で次期長官のハーコート・スミスに冷遇されていたプレストンが、MI5を辞職したあとナイジェル卿の計らいで財産保全会社へ転身し、給料は、MI5時代の倍以上で、めでたしめでたしでエンディングを迎えます。
ハーコート・スミスも抜け目なくシティの大銀行に天下りしているからムカつきましたが。
37年も昔にフォーサイスが書いた『第四の核』下巻を、古臭いフィクションだと思うことなく興味津々で読み終えました。
第四の核 (下) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下)より
4042537103
No.41
(5pt)

さすがのフォーサイスも予見することができないこともある。

イギリス諜報機関の汚名を世に知らしめた「ケンブリッジ・ファイヴ」の一人でその中心人物のキム・フィルビーが1987年の新年を迎えて75歳(一月一日生まれだから)になったところからこのストーリーが始まっている。
1984年に出版された本書は、3年ほどだけ先を予見してフォーサイスが書いた未来小説なのです。
フォーサイスは、ソ連の書記長をユーリ・アンドロポフの後を継いだコンスタンティン・チェルネンコを想定して書いているようですが、本書が刊行された後の1985年3月にチェルネンコも病死し、1985年3月からミハイル・ゴルバチョフがソ連書記長になっています。
ゴルバチョフは書記長に就任してからわずか8か月後に米ソ首脳会談を行い核軍縮交渉に積極的に参加することで冷え込んでいた米ソ間の関係改善に向けて動き始めます。
ゴルバチョフは、1986年4月には「ペレストロイカ」を提言しています。
たった3年ほど先を予見してフォーサイスが書いた小説も残念ながらリァリティを感じない物語になってしまっています。
フォーサイスでも激動の時代の3年先を予見することなどは難しく、この本が出版された7年後にはソ連邦が崩壊するなど「神のみぞ知る」ことだから、さすがのフォーサイスでも予見の外であったと思います。
それはそれとして、イギリス諜報部MI5のプレストンが主人公の活躍に引き込まれてついページを繰る手が早くなってしまいました。
プレストンが南アへ行って調べる描写などは、フォーサイスが現地へ取材に行って書いていること間違いないと思いながら楽しく上巻を読み終えました。
第四の核(上) Amazon書評・レビュー: 第四の核(上)より
404253709X
No.40
(4pt)

楽しい本です。

楽しい本です。
第四の核 (下) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下)より
4042537103
No.39
(4pt)

楽しい本です。

楽しい本です。
第四の核(上) Amazon書評・レビュー: 第四の核(上)より
404253709X
No.38
(4pt)

楽しい本です。

楽しい本です。
第四の核 (下) (海外ベストセラー・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下) (海外ベストセラー・シリーズ)より
4047911526
No.37
(5pt)

数年後にベルリンの壁の崩壊、思えば最後の対ソ連とのスパイ小説。時代を経験した人には納得のストリー

時代設定が絶妙で、最もらしい社会情勢のもとに、英国の登場者達が、高貴な貴族の思わぬ宝石盗難に会い、それからスパイストリーに展開していく、当時の英国は鉄の女性宰相サッチャー政権登場の時で、米ソ間では中距離ロケットの英国展開で平和主義者のデモが激しさを見せていた。とにかく登場者達の設定がもっともらしく、それを作者の巧妙なストリー展開がテンポ良く、英国の裏切り者フィルビー、それをオールドスパイマスター達が二重スパイなどを登場させて実に面白い。最後にオールドスパイマスターの引退と、英国人のノスタルジー溢れるラストシーン。同時期に英国のレジデントで会った読者には忘れることができない小説。難しい単語もKindle辞書でありがたく読めた。
第四の核 (下) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下)より
4042537103
No.36
(5pt)

数年後にベルリンの壁の崩壊、思えば最後の対ソ連とのスパイ小説。時代を経験した人には納得のストリー

時代設定が絶妙で、最もらしい社会情勢のもとに、英国の登場者達が、高貴な貴族の思わぬ宝石盗難に会い、それからスパイストリーに展開していく、当時の英国は鉄の女性宰相サッチャー政権登場の時で、米ソ間では中距離ロケットの英国展開で平和主義者のデモが激しさを見せていた。とにかく登場者達の設定がもっともらしく、それを作者の巧妙なストリー展開がテンポ良く、英国の裏切り者フィルビー、それをオールドスパイマスター達が二重スパイなどを登場させて実に面白い。最後にオールドスパイマスターの引退と、英国人のノスタルジー溢れるラストシーン。同時期に英国のレジデントで会った読者には忘れることができない小説。難しい単語もKindle辞書でありがたく読めた。
第四の核(上) Amazon書評・レビュー: 第四の核(上)より
404253709X
No.35
(5pt)

日本は原爆を二度落とされた分、平和ボケだった!

ソ連崩壊前の1980年は、米ソ対立が厳しく、ヨーロッパでは、核戦争の可能性もゼロでなく、核シェルターも売れていたと聞く。そうした背景のもとで、本書が書かれ、読まれたものだと感じる。しかし、日本は、核戦争の危機を考える者は皆無、何の気なしに切迫感はなかったように思う。日本は、二度も原爆を落とされたのだから、もう三度目はないという思い込みがあったのではないか!平和ボケだ。

本作品に書かれたことは、決して荒唐無稽な話ではなく、実際に有ってもおかしくない話だったさと思う。
第四の核 (下) (海外ベストセラー・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下) (海外ベストセラー・シリーズ)より
4047911526
No.34
(5pt)

人間の疑心暗鬼が現実化することもあるのではと思う。

本書を読んで、複雑な思いが浮かぶ。それは、人間の思いが先か事実が先かということだ。東西冷戦時、小説に書かれたような謀略がソ連にあったのかということだ。私は、そのような謀略はなかったと思う。もし、そうだとすると、作者の頭脳明晰の中で生み出された想念が、敵方に伝わり、敵方は、然るべき対応をすることとなる。作者の想いが現実がしてしまう。疑心暗鬼が生まれる。小説としては、危機一発で、人類の破局を食い止める形で完結するから良いが、現実世界では、ハーピエンドで終わる保証はない。本作品を詠み終え、恐怖を感じた。
第四の核 (下) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下)より
4042537103
No.33
(5pt)

人間の疑心暗鬼が現実化することもあるのではと思う。

本書を読んで、複雑な思いが浮かぶ。それは、人間の思いが先か事実が先かということだ。東西冷戦時、小説に書かれたような謀略がソ連にあったのかということだ。私は、そのような謀略はなかったと思う。もし、そうだとすると、作者の頭脳明晰の中で生み出された想念が、敵方に伝わり、敵方は、然るべき対応をすることとなる。作者の想いが現実がしてしまう。疑心暗鬼が生まれる。小説としては、危機一発で、人類の破局を食い止める形で完結するから良いが、現実世界では、ハーピエンドで終わる保証はない。本作品を詠み終え、恐怖を感じた。
第四の核(上) Amazon書評・レビュー: 第四の核(上)より
404253709X
No.32
(4pt)

じれったさを我慢した先に読書の愉悦あり

窃盗グループが手に入れたものは、イギリスを窮地に陥れる機密文書だった...で幕を開ける、フォーサイスの十八番のエスピオナージ。

ソ連がイギリスに仕掛けた西側諸国に大ダメージを与える罠「オーロラ」とは。不確かながらも情報を察知したイギリスの諜報機関は、ソ連側の動きを追いかける。

上巻は、ひとつの出来事に対し、関連する描写が細かく(というかしつこく)て、とにかく話の展開が遅い。読者は、ソ連、イギリス双方の立場から俯瞰できるわけだが、仕掛けの内容がなかなか明らかにならず、じれったさを感じる。

各諜報機関内での権力闘争を絡めて、前半にストレスを溜めさせるのは、ジョン・ル・カレの作品でも見られる王道パターン。ちょっと、メインストーリが動き始めて下巻へ続く。

ソ連がイギリスに仕掛けた西側諸国に大ダメージを与える罠「オーロラ」。下巻では、いよいよその内容が明らかになる。

ここでそれを明らかにしてしまうのは野暮というもの。驚愕の作戦のヒントは邦題に表されている。

現実的なものであるかは判然としないが、それを疑う間もなく、俄然、ストーリーの展開が早くなっくる。上巻のじれったさを我慢した先に読書の愉悦あり。

ソ連、イギリス双方の諜報合戦の行く末は?ハラハラドキドキのクライマックス、そしてその先には捻ったオチが待っている。
第四の核 (下) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下)より
4042537103
No.31
(4pt)

じれったさを我慢した先に読書の愉悦あり

窃盗グループが手に入れたものは、イギリスを窮地に陥れる機密文書だった...で幕を開ける、フォーサイスの十八番のエスピオナージ。

ソ連がイギリスに仕掛けた西側諸国に大ダメージを与える罠「オーロラ」とは。不確かながらも情報を察知したイギリスの諜報機関は、ソ連側の動きを追いかける。

上巻は、ひとつの出来事に対し、関連する描写が細かく(というかしつこく)て、とにかく話の展開が遅い。読者は、ソ連、イギリス双方の立場から俯瞰できるわけだが、仕掛けの内容がなかなか明らかにならず、じれったさを感じる。

各諜報機関内での権力闘争を絡めて、前半にストレスを溜めさせるのは、ジョン・ル・カレの作品でも見られる王道パターン。ちょっと、メインストーリが動き始めて下巻へ続く。

ソ連がイギリスに仕掛けた西側諸国に大ダメージを与える罠「オーロラ」。下巻では、いよいよその内容が明らかになる。

ここでそれを明らかにしてしまうのは野暮というもの。驚愕の作戦のヒントは邦題に表されている。

現実的なものであるかは判然としないが、それを疑う間もなく、俄然、ストーリーの展開が早くなっくる。上巻のじれったさを我慢した先に読書の愉悦あり。

ソ連、イギリス双方の諜報合戦の行く末は?ハラハラドキドキのクライマックス、そしてその先には捻ったオチが待っている。
第四の核(上) Amazon書評・レビュー: 第四の核(上)より
404253709X
No.30
(5pt)

「運動」の陰に政治あり

日本でも「平和運動」、または「反原発運動」など、さまざまな「市民」による運動が行われています。しかし、これらの運動が本当に一般市民によって行われていると思う人はだれもいないでしょう。必ずその背後に政治が見え隠れしています。
英国の共産主義化を狙うソ連による陰謀を描く本作。現代日本の政治を考えるうえでも有意義な一冊です。
第四の核 (下) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下)より
4042537103
No.29
(5pt)

「運動」の陰に政治あり

日本でも「平和運動」、または「反原発運動」など、さまざまな「市民」による運動が行われています。しかし、これらの運動が本当に一般市民によって行われていると思う人はだれもいないでしょう。必ずその背後に政治が見え隠れしています。
英国の共産主義化を狙うソ連による陰謀を描く本作。現代日本の政治を考えるうえでも有意義な一冊です。
第四の核(上) Amazon書評・レビュー: 第四の核(上)より
404253709X
No.28
(5pt)

「運動」の陰に政治あり

日本でも「平和運動」、または「反原発運動」など、さまざまな「市民」による運動が行われています。しかし、これらの運動が本当に一般市民によって行われていると思う人はだれもいないでしょう。必ずその背後に政治が見え隠れしています。
英国の共産主義化を狙うソ連による陰謀を描く本作。現代日本の政治を考えるうえでも有意義な一冊です。
第四の核 (下) (海外ベストセラー・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下) (海外ベストセラー・シリーズ)より
4047911526
No.27
(5pt)

「運動」の陰に政治あり

日本でも「平和運動」、または「反原発運動」など、さまざまな「市民」による運動が行われています。しかし、これらの運動が本当に一般市民によって行われていると思う人はだれもいないでしょう。必ずその背後に政治が見え隠れしています。
英国の共産主義化を狙うソ連による陰謀を描く本作。現代日本の政治を考えるうえでも有意義な一冊です。
第四の核 (上) (海外ベストセラー・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (上) (海外ベストセラー・シリーズ)より
4047911518
No.26
(5pt)

巧妙に組み合わさった寄木細工

丁度30年前、大学に入学した1984年に大学生協の書店でのランキングが1位だった本。あまりに人気だったので敬遠し、まずは友人が薦めてくれた「ジャッカルの日」を読んでから購入した。今まで本を読んでいて電車を乗り越したことがなかった私が、唯一西武線で乗り越しした時この本を読んでいたが、あまりに面白かったのは確かだ。それも上井草で降りるはずを東伏見まで気づかなかったのは異常だ。こんな本はほかに例がない。
日本語のタイトルである第四の核というのは、原子爆弾、水素爆弾、中性子爆弾に次ぐ第四番目の核爆弾を指していた。携帯できる小型の核がそれだが、テクノスリラーの代表例という記憶がある。この後ネゴシエイターが書かれるが、それも冴えていた。最初にダイヤモンドの盗難事件が描かれるがこれがどうやって本題に繋がるのか完全に忘れていて今読んでも楽しめた。フォーサイスの英文は時に非常に難解なイギリス英語だ。事件の舞台もイギリス。
本題から外れるバイストーリもそれなりに興味があるが、どうでもよいと思われることに細かい描写が続く。
この本もテキストが複数あるようだ。ソ連に亡命した大佐が長文のレポートを書記長に提出するのだが、原書の方は極端に短くなっている。もちろんこの方が読みやすいのだが、ちょっと拍子抜け。鉄の女マーガレットサッチャー女史が実名で登場するし、ブレジネフ、アンドロポフやチェルネンコといった名前も登場するが時代がややずれているように思えた。この本に描いているのは1987年という想定だ。確か下名が在学中にブレジネフは没し、新聞に「強運アンドロポフ氏」とでかい記事が出ていたのを覚えている。面白いのは日本の佐々淳行氏がMI6長官の浅間山荘事件の回想とともに出てくることだ。何故か舞台が大滝根山になっているのだが。
The Fourth Protocolという表現だが、ソ連の書記長がイギリス政府転覆計画を吟味している時にメンバーの一人が国際議定書である「核不拡散条約」に反することを明言したものだ。これが第4の議定書という題名につながっている。
フォーサイスの本領発揮だが、3分の一ぐらいのところでプレストンがアフリカの外交官の過去を調査する話についつい引き込まれる。ほとんど無しに等しい些細な手がかりを元に徐々に調べが進むが、枝葉のエピソードであるにも係わらず非常に面白い。ひょっとしたらこうしたストーリテリングがフォーサイスの魅力か。
ソ連のKGBのカーポフ将軍がオーロラ作戦を探る際にバターを飲み込んで酒に耐えるシーンは自分でも酒の席での経験で実感したものだ。この本で知った知識だったことを思い出した。
次の盛り上がりは、潜入した東側の工作員をプレストンが追跡するところで、イギリスの地図を見ながら列車で長距離移動を追った。他のクーリエがが全く危なげなく部品を運び込むのに対しこの工作員は無様に追跡を許したが最後のところで捜査員を撒いてしまう。しかしプレストンは食い下がり遂に埋覆の家を発見するところは一気に読んでしまうこの本の中にいくつかあるクライマックスだ。
しかしプレストンの努力もむなしくすべてのクーリエはペトロフスキー少佐のところに集まり、小型原爆は完成してしまう。いったいプレストンが追跡して見つけたギリシャ人兄弟は囮なのか?最後にきてギリシャ人の役割がわかる。今まで何度も登場していたのだが、明記されていなかったのだった。このチェスターフィールドの捕物では、グーグルの地図を見ながらプレストンの捜査過程を追認してみた。さらにペトロフスキー少佐の本拠であるイプスウィッチまで追跡するところも。途中セフィールドで二輪を乗り換えることで追跡者は撒かれてしまうが、偶然にもペトロフスキー少佐の行動を具現する立場の反戦デモによって再び発見される。このプレストンという男は随所で大胆な行動を見せるのが隠れた魅力だ。ポロニウムのディスクをホームセンタで購入したワッシャとすり替えたり、チェスターフィールドで追跡のためにバイクを強奪したり、追跡車を横倒しにして事故に見せかけたりする。すべて重要な行動なのだが、こういうところは作者のフォーサイスの分身なのか、うまく作品に溶け込んでいる。
そして、KGBのカーポフの動き、東側の二重スパイの偽情報はどのように関係していくのか。最後の30ページになると目も離せない。そして、カーポフの謎は氷解し、突入直前にリンドバースト大尉に掛かった電話の謎も解ける。実に巧妙に組み合わさった寄木細工が最後になって全貌を見渡せるようになる。最後の一撃も強烈。
第四の核 (下) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下)より
4042537103
No.25
(5pt)

巧妙に組み合わさった寄木細工

丁度30年前、大学に入学した1984年に大学生協の書店でのランキングが1位だった本。あまりに人気だったので敬遠し、まずは友人が薦めてくれた「ジャッカルの日」を読んでから購入した。今まで本を読んでいて電車を乗り越したことがなかった私が、唯一西武線で乗り越しした時この本を読んでいたが、あまりに面白かったのは確かだ。それも上井草で降りるはずを東伏見まで気づかなかったのは異常だ。こんな本はほかに例がない。
日本語のタイトルである第四の核というのは、原子爆弾、水素爆弾、中性子爆弾に次ぐ第四番目の核爆弾を指していた。携帯できる小型の核がそれだが、テクノスリラーの代表例という記憶がある。この後ネゴシエイターが書かれるが、それも冴えていた。最初にダイヤモンドの盗難事件が描かれるがこれがどうやって本題に繋がるのか完全に忘れていて今読んでも楽しめた。フォーサイスの英文は時に非常に難解なイギリス英語だ。事件の舞台もイギリス。
本題から外れるバイストーリもそれなりに興味があるが、どうでもよいと思われることに細かい描写が続く。
この本もテキストが複数あるようだ。ソ連に亡命した大佐が長文のレポートを書記長に提出するのだが、原書の方は極端に短くなっている。もちろんこの方が読みやすいのだが、ちょっと拍子抜け。鉄の女マーガレットサッチャー女史が実名で登場するし、ブレジネフ、アンドロポフやチェルネンコといった名前も登場するが時代がややずれているように思えた。この本に描いているのは1987年という想定だ。確か下名が在学中にブレジネフは没し、新聞に「強運アンドロポフ氏」とでかい記事が出ていたのを覚えている。面白いのは日本の佐々淳行氏がMI6長官の浅間山荘事件の回想とともに出てくることだ。何故か舞台が大滝根山になっているのだが。
The Fourth Protocolという表現だが、ソ連の書記長がイギリス政府転覆計画を吟味している時にメンバーの一人が国際議定書である「核不拡散条約」に反することを明言したものだ。これが第4の議定書という題名につながっている。
フォーサイスの本領発揮だが、3分の一ぐらいのところでプレストンがアフリカの外交官の過去を調査する話についつい引き込まれる。ほとんど無しに等しい些細な手がかりを元に徐々に調べが進むが、枝葉のエピソードであるにも係わらず非常に面白い。ひょっとしたらこうしたストーリテリングがフォーサイスの魅力か。
ソ連のKGBのカーポフ将軍がオーロラ作戦を探る際にバターを飲み込んで酒に耐えるシーンは自分でも酒の席での経験で実感したものだ。この本で知った知識だったことを思い出した。
次の盛り上がりは、潜入した東側の工作員をプレストンが追跡するところで、イギリスの地図を見ながら列車で長距離移動を追った。他のクーリエがが全く危なげなく部品を運び込むのに対しこの工作員は無様に追跡を許したが最後のところで捜査員を撒いてしまう。しかしプレストンは食い下がり遂に埋覆の家を発見するところは一気に読んでしまうこの本の中にいくつかあるクライマックスだ。
しかしプレストンの努力もむなしくすべてのクーリエはペトロフスキー少佐のところに集まり、小型原爆は完成してしまう。いったいプレストンが追跡して見つけたギリシャ人兄弟は囮なのか?最後にきてギリシャ人の役割がわかる。今まで何度も登場していたのだが、明記されていなかったのだった。このチェスターフィールドの捕物では、グーグルの地図を見ながらプレストンの捜査過程を追認してみた。さらにペトロフスキー少佐の本拠であるイプスウィッチまで追跡するところも。途中セフィールドで二輪を乗り換えることで追跡者は撒かれてしまうが、偶然にもペトロフスキー少佐の行動を具現する立場の反戦デモによって再び発見される。このプレストンという男は随所で大胆な行動を見せるのが隠れた魅力だ。ポロニウムのディスクをホームセンタで購入したワッシャとすり替えたり、チェスターフィールドで追跡のためにバイクを強奪したり、追跡車を横倒しにして事故に見せかけたりする。すべて重要な行動なのだが、こういうところは作者のフォーサイスの分身なのか、うまく作品に溶け込んでいる。
そして、KGBのカーポフの動き、東側の二重スパイの偽情報はどのように関係していくのか。最後の30ページになると目も離せない。そして、カーポフの謎は氷解し、突入直前にリンドバースト大尉に掛かった電話の謎も解ける。実に巧妙に組み合わさった寄木細工が最後になって全貌を見渡せるようになる。最後の一撃も強烈。
第四の核(上) Amazon書評・レビュー: 第四の核(上)より
404253709X
No.24
(5pt)

巧妙に組み合わさった寄木細工

丁度30年前、大学に入学した1984年に大学生協の書店でのランキングが1位だった本。あまりに人気だったので敬遠し、まずは友人が薦めてくれた「ジャッカルの日」を読んでから購入した。今まで本を読んでいて電車を乗り越したことがなかった私が、唯一西武線で乗り越しした時この本を読んでいたが、あまりに面白かったのは確かだ。それも上井草で降りるはずを東伏見まで気づかなかったのは異常だ。こんな本はほかに例がない。
日本語のタイトルである第四の核というのは、原子爆弾、水素爆弾、中性子爆弾に次ぐ第四番目の核爆弾を指していた。携帯できる小型の核がそれだが、テクノスリラーの代表例という記憶がある。この後ネゴシエイターが書かれるが、それも冴えていた。最初にダイヤモンドの盗難事件が描かれるがこれがどうやって本題に繋がるのか完全に忘れていて今読んでも楽しめた。フォーサイスの英文は時に非常に難解なイギリス英語だ。事件の舞台もイギリス。
本題から外れるバイストーリもそれなりに興味があるが、どうでもよいと思われることに細かい描写が続く。
この本もテキストが複数あるようだ。ソ連に亡命した大佐が長文のレポートを書記長に提出するのだが、原書の方は極端に短くなっている。もちろんこの方が読みやすいのだが、ちょっと拍子抜け。鉄の女マーガレットサッチャー女史が実名で登場するし、ブレジネフ、アンドロポフやチェルネンコといった名前も登場するが時代がややずれているように思えた。この本に描いているのは1987年という想定だ。確か下名が在学中にブレジネフは没し、新聞に「強運アンドロポフ氏」とでかい記事が出ていたのを覚えている。面白いのは日本の佐々淳行氏がMI6長官の浅間山荘事件の回想とともに出てくることだ。何故か舞台が大滝根山になっているのだが。
The Fourth Protocolという表現だが、ソ連の書記長がイギリス政府転覆計画を吟味している時にメンバーの一人が国際議定書である「核不拡散条約」に反することを明言したものだ。これが第4の議定書という題名につながっている。
フォーサイスの本領発揮だが、3分の一ぐらいのところでプレストンがアフリカの外交官の過去を調査する話についつい引き込まれる。ほとんど無しに等しい些細な手がかりを元に徐々に調べが進むが、枝葉のエピソードであるにも係わらず非常に面白い。ひょっとしたらこうしたストーリテリングがフォーサイスの魅力か。
ソ連のKGBのカーポフ将軍がオーロラ作戦を探る際にバターを飲み込んで酒に耐えるシーンは自分でも酒の席での経験で実感したものだ。この本で知った知識だったことを思い出した。
次の盛り上がりは、潜入した東側の工作員をプレストンが追跡するところで、イギリスの地図を見ながら列車で長距離移動を追った。他のクーリエがが全く危なげなく部品を運び込むのに対しこの工作員は無様に追跡を許したが最後のところで捜査員を撒いてしまう。しかしプレストンは食い下がり遂に埋覆の家を発見するところは一気に読んでしまうこの本の中にいくつかあるクライマックスだ。
しかしプレストンの努力もむなしくすべてのクーリエはペトロフスキー少佐のところに集まり、小型原爆は完成してしまう。いったいプレストンが追跡して見つけたギリシャ人兄弟は囮なのか?最後にきてギリシャ人の役割がわかる。今まで何度も登場していたのだが、明記されていなかったのだった。このチェスターフィールドの捕物では、グーグルの地図を見ながらプレストンの捜査過程を追認してみた。さらにペトロフスキー少佐の本拠であるイプスウィッチまで追跡するところも。途中セフィールドで二輪を乗り換えることで追跡者は撒かれてしまうが、偶然にもペトロフスキー少佐の行動を具現する立場の反戦デモによって再び発見される。このプレストンという男は随所で大胆な行動を見せるのが隠れた魅力だ。ポロニウムのディスクをホームセンタで購入したワッシャとすり替えたり、チェスターフィールドで追跡のためにバイクを強奪したり、追跡車を横倒しにして事故に見せかけたりする。すべて重要な行動なのだが、こういうところは作者のフォーサイスの分身なのか、うまく作品に溶け込んでいる。
そして、KGBのカーポフの動き、東側の二重スパイの偽情報はどのように関係していくのか。最後の30ページになると目も離せない。そして、カーポフの謎は氷解し、突入直前にリンドバースト大尉に掛かった電話の謎も解ける。実に巧妙に組み合わさった寄木細工が最後になって全貌を見渡せるようになる。最後の一撃も強烈。
第四の核 (下) (海外ベストセラー・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 第四の核 (下) (海外ベストセラー・シリーズ)より
4047911526