逆ソクラテス
評判
逆ソクラテスの評価:
4.37/5点 レビュー 246件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全464件 261〜280 14/24ページ
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逆ソクラテスの評価:
4.37/5点 レビュー 246件。 B ランク
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本のタイトルにもある『逆ソクラテス』。
先入観と大人に押しつぶされそうになりながらも、抵抗を試みる小学生がかっこよすぎる。
仕掛けは爽快だけど、実は小学生が行うものだから不恰好だし、失敗もしている。それでも抗って「自分は、そうは思わない」と声を上げて行動することの勇気に立ち上がって拍手したくなる。カッコ良かった。
何一つ難しい言葉なんて入ってないし、言い方によってはただの否定するだけの人間のセリフに聞こえる「自分は、そうは思わない」だけど、こんなにも強い武器となって人を支えてくれるのかと教えてくれる作品。
そして、そのセリフが常に自分たちを守ってくれてるわけじゃなくて、社会では通用せずに煙たがれてしまうこともちゃんとプロローグで描いてくれているのが味のあるところ。
仕掛けだけで終わらせるただのハッピーエンドにしないのが伊坂幸太郎が文壇で評価される理由だとしみじみ感じた。
二作目の『スロウではない』
ペンダント?のくだりはやや強引だったきらいもあるけど、それを踏まえても圧倒的な構成力だった。短編ひとつのなかでよくここまできれいに伏線回収できるなと脱帽。さすがにもう小慣れた印象受けます。
個人的には一番胸に来るものがありました。
もちろん表題作が一番目にこなきゃいけないし完成度も高いけど、僕は一番この作品が刺さった。
何が良いってヒロインの高城かれん。転校してきたいわゆるクラスでは目立たない子が泣きながら、渋谷(悪役)に向かって主張するところは今でも思い出すと涙目になってしまう。今もちょっと思い出して涙目になった笑
痛快感も凄かったけど、そこにきっちり現実と折り合いをつけるのが伊坂幸太郎。
人生の流れは遅くなんかない。あっという間に未来が来て、自分だけぽつりと置いてけぼりになった主人公のラストシーンを最後に置いてくるのがもう言葉にならない。美味しい100点満点の物語で終わらせずに、最後に子供にはわからない余韻をスッと残していくこの………
伊坂幸太郎作品の何が素晴らしいですか?と訊かれた時に今答えるとしたら「もう一度読み返したくなる作品」だと思う。
もちろん伏線回収や物語の構築をもう一度読み返したいのもあるけど、決してそれがメーンではなく「この、彼らの物語をもう一度時間が経ってからも読み返してみたい」
そんな風に思わせる作品です。
ストーリーだけの作品って2回目読む時は「あー、なるほどw」っていう爽快感に近いものがあるかもしれないし、なんなら仕掛けさえわかればもう二度目なんていい、ってなるかもしれないけど、やっぱり違う。伊坂幸太郎には何か読者の記憶を「焼き付ける」ではないけど「たしかにあそこになにかあった」と古い本をやっと見つけた時のあの懐かしい匂いを残してくれるそんな本になってる。
あとがきにも書いてるし、僕もちょっとインタビュー読んだけど、ベテラン作家として節目の作品になってる。伊坂ファンなら間違いなく読んで損はないと思います。
あと本のカバーもこれまで買ったりしたどの装丁よりもトップクラスで最高。
特にレビュータイトルのアオリ文が素晴らしい。これをつけた編集者さんに天晴れ。