(短編集)

こちらあみ子

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評判

こちらあみ子の評価:

4.20/5点 レビュー 118件。 B ランク

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平均点4.20pt

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未読の方はご注意ください

全180件 121〜140 7/9ページ
No.60
(4pt)

さらっと読めました

あみ子の視点で書かれています。
切ないです。
坊主頭の男の子、好きです。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.59
(5pt)

うーん

「夫のちんぽがはいらない」を執筆した「こだま」さんのブログ上で紹介されていた本を一通り読んでみようと思って、読みました。
「こちらあみ子」の物語は、読んでいてしんどくて、でも読み進めたくて、でも読んだらやっぱりしんどくて…を繰り返しました。

あみ子は悪気はないけど人を傷つけてしまう。
お風呂も何日も入らなくても気にならないし、起きる時間も適当で。
親もあみ子を諦めてしまった。

私なら、発達障害があっても、少しでも困っている事を無くしてあげたいと、指導しようとすると思うけれど、
もう「あみ子には何を言っても通じない」ぐらいに思っていたのかもしれない。

とてもしんどくて、あみ子が不憫で、でも最後はおばあちゃんの家に一人だけで引っ越しさせられた中でも、
幼い友達が出来て、歯を見せて笑うあみ子を想像できました。

読後感は爽やかではありませんが、こういう小説読んだことがありません。新しいなぁと思いました。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.58
(5pt)

こういう小説を書く作家がいたんだという驚きと、奇妙な喜びを感じる短編集

◆「こちらあみ子」
:あみ子は祖母と暮らしているが、15歳で引っ越すまでは田中家の長女として育てられた。あの頃は父と母、それと不良の兄がひとりいた…。

 登校したところで先生たちから叱られてばかり。保健室で寝て過ごしたり、図書室でマンガを読んだりと、授業にはほとんど出ません。ですから漢字もろくすっぽ読めません。
 あみ子は思ったことを平易な言葉で直截にしか語ることができません。その発言は同年代の子どもに比べても後先の深慮がないように聞こえるので、同級生の軽侮の対象になるばかりです。

 世間とか人間関係は、年齢が長じるにつれてますます難度を増していくものです。相手の顔色を読んだり、胸中を忖度したりの積み重ねで毎日が暮れていくことも珍しくありません。ですが、あみ子はそうした社会規範からは降りたところで日々を送っています。彼女を自由闊達な存在と呼べるのか、社会性を備えない<可哀そうな子>ととるべきなのか。頁を繰りながら私の気持ちは揺れ続けます。

 いじめの対象であったはずのあみ子に狂暴な兄がいるとわかった途端、同級生の態度が一変する過程が読ませます。あみ子自身には人間関係をうまく結ぶ力がないにもかかわらず、出自によって築かれただけの彼女の続き柄が周囲の人間の行動を縛ったり緩めたりします。彼らの変転する行動規範の胡散臭さと息苦しさは、この私にも共通してあることを突きつけられた気がするのです。

 物語の終盤、坊主頭の同級生に「気持ち悪い」と言われたあみ子が、「どこが気持ち悪いか教えてほしい」と頼む場面があります。彼女はこの同級生に憤っているわけではありません。純粋に「教えてほしい」と好奇の気持ちに従って尋ねただけ。ですが同級生は、固く引き締まった顔をしながらも目を泳がせて、「そりゃ、おれだけの秘密だ」とはぐらかしてしまいます。中学生ともなればこの同級生も立派な大人。自分の発言の及ぶ先を瞬時に読み取ってお茶を濁す社会的な知恵を有しているのです。
 けれどもそれはあみ子との間に人間関係を結ぶ意思がないことを示す行為でもあります。
「こちらあみ子、応答せよ」と呼び掛けても誰一人応えてくれない彼女の世界の寂寥感が際立つばかり。

 救いのない物語かもしれません。それはあみ子が孤独であるからではなく、私たちが社会に張り巡らされた強固な網にからめとられながら生きていることが浮き彫りになって見えてくるからです。
 二度三度と読み返したくなる誘惑にかられる小説です。

◆『ピクニック』
:ビキニ姿の女の子たちが接客する飲食店で働き始めた、ちょっと年齢が上の七瀬さん。彼女は物腰が柔らかく、年下の“先輩”たちにも丁寧に接してくれる女性です。七瀬さんのカレシはタレントの春げんき。彼は七瀬さんと付き合い始めてから運気が増して、テレビのレギュラーにも選ばれる。店の女の子たちは七瀬さんのアパートでいっしょにテレビを見て春げんきを応援するのだが…。

 ちょっと年上で礼儀正しい七瀬さんにルミを中心にした<先輩>たちも敬愛の念を抱くようになり、少しずつ距離を縮めていきます。タレントの彼氏とはなかなか会えない七瀬さん。春げんきが落としたと話す携帯電話を探して炎天下でどぶさらいを延々と続けるも、なかなか見つけられない七瀬さん。テレビ画面を通じて静かに応援するだけの糟糠の妻的存在の七瀬さんです。
 そこへ斜に構えた新人の女の子がある日、分け入ってきます。七瀬さんのことを目の敵にし続けて、<ルミたち>の注意をたびたび受けますが、当人はまるで気にする様子がありません。

 このあたりから読者はこの異分子的新人ちゃんの目を通して、献身的に見えた七瀬さんに、どことなく胡散臭さをかぎ取り始めることでしょう。そもそも本当にタレント春げんきは恋人なのか――その疑問をどうしても抑えられなくなってしまうのです。そして物語の最後に明らかになるに違いない真実を予測して、落ち着かない思いを膨らませながらの読書になるはずです。

 しかし予想外に――見方によってはむしろ想定したとおりに――物語は幕を閉じます。その幕切れを目にして感じるのは、自分ではない誰かを十全に理解することなど叶わない世の常のこと。物語の末にたどり着いた先の地平でまず一度大きく吐息をついた後、<ルミたち>と同じように屋外で缶ビールのプルトップを軽やかに開けたくなります。
 それもまた、私自身が<ルミたち>同様、世間の側に立つ者であることの証(あかし)なのかもしれません。

◆『チズさん』
:近所にチズさんというおばあさんが住んでいた。「私」は青い植木鉢の下に隠してある鍵を使ってはチズさんのところへ遊びにいっていた。その日もいつものように鍵を開けて家の中に入ったが、チズさんの家族が遊びに来て、思わず「私」はトイレに隠れてしまう…。

 わずか15頁の短編小説です。チズさんは「私」をはじめ、家族ともコミュニケーションが取れない老婆です。世間一般の通り相場の行動様式からはもう降りてしまって、二度と戻ることはなさそうなチズさん。「私」は、ほかの人とは違うペースでチズさんと一緒に過ごす時間を楽しんでいるようです。
 不思議な小説です。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.57
(5pt)

ゑんがわ

途中まであみ子の気持ちに寄り添える、私は気持ちの広い人、と思いながら読み進み、途中ある個所で許せなくなる。目線が180度変わってしまう。作者さんの手法が鮮やかで、それに乗せられる自分も納得できて。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.56
(5pt)

読書の楽しみとはこういうものだ

ひとりでも多くの人に読んでもらいたい。
そう思わずにはいられない作品である。

私は今村夏子さんのように、文才がないから伝えられないけれど。
繰り返し繰り返し読みたい、それだけでなく、ひとりでも多くの人に彼女の才能を、読んでもらいたいです。

作品に魅了されるとは、こういうことなのか。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.55
(5pt)

絶妙な温度感。純粋すぎて切ない

あみ子の同級生たちは、将来大人になって、あみ子をどういう風に思い出すのだろう。そんなことを思いながら読みました。
その場の情景、空気感がとても鮮やかに描かれていて、正直何度も読むのがつらくなりました。
でも、読んでよかった。薦めてくれた友人に感謝です。
単行本収録の『ピクニック』も風変わりな主人公七瀬さんが愛おしい作品です。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.54
(4pt)

直球すぎるあみ子

あまりにも直球過ぎて辛くなる。
私達が失くしてしまった物を大切に持ち続けているあみ子が愛おしくなる。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.53
(5pt)

特異な物語

小説の趣味に関して信頼の置ける友人に薦められて読んでみたが、傑作だった。
特異としか言いようのない語りが紡ぎあげる極上の世界観。
文学好きな人にぜひ読んでみて欲しい。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.52
(5pt)

これは

この作品はやばい。浮雲から始めて、名作と呼ばれるものをほとんどを読んでみて、比べて、そしてやばいと思う。
楢山節考、坊ちゃん、焚き火、さようならギャングたち、一文物語集、春琴抄、カルメン、杳子・妻隠、箱男、蔵の中、黒髪。岡本かの子、川上弘美、尾崎翠、近藤ようこ。
ああもっとたくさんあるはずだけど思い出せない、数々の衝撃の作品に並ぶ一冊。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.51
(5pt)

きっと、よんだら、

この本を読んでからずっと、私の中に、あみこがいます。
顔を見たことがないけれど表情が、うかぶ。声を聞いたことがないけれど、声がきこえる。
彼女のことが、ずっとずっと、こころにのこっている。日の中で、ふっと彼女が現れて、彼女がいるのを感じます。
きっと、よんだら、うれしいとき、かなしいとき、あみこがいる。
文字の羅列をかるがる飛び越えて、あみこはやってきます。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.50
(5pt)

とても良い作品です。

かなり切ない内容にもかかわらず、主人公視点で展開するこの物語はどこかふうわりとしたやわらかさを感じる。
著者のデビュー作だが、ダブル受賞するのもうなずける。なによりも著者の作家としての技量に圧倒された気がする。
どうしたらこのような表現力をもてるのか、ただただ感服した。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.49
(5pt)

これぞ小説

説明をいっさいしないで読ませる力がある。こういう小説を待っていました。

私は現実の世界で、あみ子のような人間を好きになれる自信がない。それなのに少なくとも読み終えるまでは物語の中のあみ子を嫌うことができなかった。

これが小説の力だと思いました。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.48
(5pt)

こちらあみ子、こちらあみ子(T_T)

これはちいさな宝石のような小説集だ。
小品にして佳品とはこういうもののことを云うのだろう。
発達障害を詩情豊かにあざとくなく、あみ子の目線を通して描く物語の豊かさ。

あみ子が壊れたトランシーバーで交信しようとする情景の胸を締めつけるせつなさ。

収録作の人称が「わたしたち」なのもちょっとおっかなくて斬新。絶品。

いいもの読んだな。しばらく至福にひたれること請け合い。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.47
(4pt)

裏「窓際のトットちゃん」

読みやすい話題作と貸されたので、全くなんの予備知識もなく読んだが、衝撃を受けた。

トットちゃんが、理解者や環境に恵まれたケースだとすると、
あみ子は、恵まれすぎもせず、恵まれなさすぎもしない、きわめてありがちなレギュラーケースなのかもしれないと思った。

むろんこちらは、フィクションだろうが。

理解されたい、話を聞いてもらいたい、コミュニケーションをとりたい。
その思いから、理解され話を聞いてもらえなくなってしまう行動をエスカレートさせてしまうあみ子。

障害の有る無しに関係なく、すべての人に発生しうる哀しい構造だ。

だが救いもある。
どんなに助けを求めて叫んでも誰にも届きゃしない・・・はずが、届くこともある。
ちゃんと自分の事を考えて助け見守ってくれていた人がいたことに気づくこともある。
理解を望めない相手でも、ちゃんと話せばちゃんと伝わることもある。

基本つながらないトランシーバーのように悲惨だけど、一瞬つながることがある。
そのつながった瞬間が、つながらなかったそれまでとそれからを覆うくらい眩いから生きていける。
人生ってそんなもんかも?

でも対話と観察を増やして、ちゃんと人を理解しようとしてれば、
つながる瞬間ってもっと人生で増えるのかもしれない。

ちゃんと自分の人生に還元できる何かがある作品は好きだ。
だが大好きな作品・・とは言えないのは、甘口の感傷に浸らせてはくれず、あくまでシビアだからだ。
彼女のヒーローは永遠のヒーローでもないし、一瞬のとまでは言わないまでも、ものすごく不完全なヒーローだ。
だがそれがリアル。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.46
(5pt)

愚者に福あれ

土屋仁応さんの彫刻が美しい表紙に目を奪われ、読もうと思い立つ。書籍にとって装幀は大切だ。
「こちらあみ子」の感想。自身の無邪気な「善行」で家族を崩壊させたが、それに気づかない主人公。彼女の鈍感さ故に、周囲が悲劇に満ちているにもかかわらず、普通の日常のように描写される。あみ子と読者(私)の心理のギャップにひきずられて、最後まで読んでしまう。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.45
(5pt)

季節の匂いがしました

この本に興味を持ったのは、表紙が大好きな彫刻家の人の作品だったからです。
正直、中身はあまり期待していませんでした。
題名から察するに、あっけらかーんとしてぼわぼわぽかーん、という感じに
ごまかすように終わる物語なんだろうなぁと思っていました。
 いやいや手ごわかったです。
文章にもったいぶったり、もってまわったりする感がないので読みやすいです。
文章中にでてくるトウモロコシの茹でたのの感じとか、
習字の墨汁と他のいろんなものがまざった匂いとか、そういうのを読んでいて感じました。
けっこうキツイことをがんがん書かれているにもかかわらず、
なぜか悲壮感よりも、主人公の躍動感みたいなものが先に立つので、
読後は重苦しくありません。思ったよりもとても。

主人公のこの後が、とても気になりました。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.44
(5pt)

優しさと悲しさと・・

この頃、「発達障害」という言葉をよく耳にするようになった。それでも本人と家族が問題をすべて抱えて生活しているスタイルはあまり変わってはいない。彼女の内面描写(これは特筆すべき!)からも分かるようにあみ子は本当は優しい。そして、家族は輪を掛けて優しい。彼らは知っているのだ。誰にも理解されない悲しさの中に漂いながらも健気に生きているのはあみ子自身なのだと。ただ、優しさは決して幸福につながらない。優しさの裏側に見え隠れする弱さ。そこからのやるせなさ、切なさ・・これは障害者とその家族の決しておおげさではない起り得るだろう現実、縮図を表した物語でもある。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.43
(5pt)

幻想的で、感傷的で、郷愁を誘う作品

太宰治賞2010受賞作。
主人公、あみ子の小学校時代の回想が一人称視点で進行する。
冒頭の小学生とのやり取りではあみ子は普通の女性として描かれるが、過去はちょっと個性的過ぎる女の子だった。
治療が必要なのか、あるいは先天的な障害なのかと気を揉んでしまうほどの、逸脱した主観がどれほどの深刻さかと心配になる危うさ。
しかし絶望的にならずに読み進められるのは、テンポ良いリズムとコミカルなタッチで描く安定した筆力があるため。
一見無秩序に見える出来事が頻出するのは論理性の瓦解と思われるかもしれないが、あみ子の視点で物語が進行していることを考えれば、一般的価値判断の基準と照らし合わせて不合理に写るのは当然でもある。
全体としてミステリアスな魅力に溢れ、感傷的で、読者の心に強く響く。
ここ最近で読んだ新人女性作家の作品の中で一番よかった。もちろん芥川賞受賞作を含めた上で。
但し残念だったのはタイトル。
元々の「新しい娘」が審査員に不評で改題になったが、「こちらあみ子」ではあまりにひねりがなく、せっかくの作品の重厚な魅力が伝わってこない。
すみれがキーアイテムなのだから、すみれ絡みのタイトルにして欲しかったのが唯一の心残りである。
こちらあみ子 Amazon書評・レビュー: こちらあみ子より
4480804307
No.42
(5pt)

読書とは。

「こちらあみ子」他二編も素晴らしかった。どこがどう良いのかはどんなに言葉を尽くしても上手く他人に伝えるのは難しいと思う。ただ良かった、と。あえて言うのならばこの小説を読んだ後はテレビやラジオなどのメディアに触れる気が全くしなかった。しばらくはこの小説の世界観に浸って反芻していたいと思った。読書とは時にそんな幸福な時間をもたらす。
こちらあみ子 (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: こちらあみ子 (ちくま文庫)より
4480431829
No.41
(5pt)

こちらあみ子というのは異次元にいる自分という意味?

題名のこちらあみ子というのはトランシーバーで遊ぶときの言葉だが、異次元にいる自分という意味も掛けられていると思う。主人公のあみ子は心霊の声を聞く子であるし、小中四度も同じクラスになり、大好きだったのり君の氏名を中学卒業まで知らなかった子であるし、チョコクッキーのチョコだけ舐めて裸にしたシケったやつをのり君に食わせてしまう子である。それから「手作りよ、死体は入っとらんけどな」と庭に弟の墓碑を作ったりするのだった。父の後妻のアイデンティティーは小豆代のほくろなのであり、時に、赤黒いグミの実になったりもする。そして、それが落ちる物なのか、そうでないのかが最大の興味の対象なのである。
 この小説は、同列の、同じ方向を向いた人間が、人間間の、ちょっとした違いをあれこれ悩んだり、いじめたり、喜んで感激したり、そんなレベルの動機ではないのであって、外に棲息しつつ人間世界を見て描く筆に、真っ直ぐで、太くて、強い真実があると思った。あと、保健室でのり君から昔と今、二つの大罪のため、ぶん殴られるシーン、暴走族の兄が家に帰って来て、ベランダの巣を外にぶん投げるまでのシーンなど、難しい単語など一切ないのに、抜群の突き詰め方になっていると感じられた。天然の、天才による作品だという気がした。
こちらあみ子 (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: こちらあみ子 (ちくま文庫)より
4480431829