■スポンサードリンク
道頓堀川
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
道頓堀川の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.51pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全39件 21~39 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一人ひとりの人間臭さが、やがて読み進めるうちに、そのキャラクターへの愛情に変わっていくようです。 そんな錯覚に読者を導いてくれる。人と人との付き合いもそんなもんだと、実感させてくれる作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
道頓堀の歓楽街に集う個性的な人々が織りなす物語。終戦の混乱も落ち着いて、どうやら復興が始まろうとしている時代。主人公邦彦は両親を亡くし大学に通いながら喫茶店リバーの住み込みになり生計をたてる。邦彦を中心に喫茶店のマスター武内、亡き父の愛人だったと言う弘美、かおるというゲイボーイ、さとみというストリッパー、武内の息子で賭けビリヤードをする政夫、金兵衛の主人宇崎らを含む10数人ほどの人物が描かれているが、どれも将来の先行きが見えない人物として登場する。 宮本氏の作品で感心させられるのが、どの小説でも人物の描写が上手く、どれも個性的で素敵な人物として表現されていることだ。武内はかつて賭けビリヤードに嵌り、それで生業を立てていた時代もあった。妻、鈴子は武内が毛嫌いしていた杉山と言う絵描きで占い師と突然姿を消し、自棄になり無頼の過去を持った。数年後にひょっこり戻ってくるが、許せなく武内の暴力が元で命を落とす。 また偶然に会った宇崎金兵衛と言う、てっちり割烹店の主人に、昔、邦彦の父に世話になったからと、亡き父の「つけ」で良いから何時でも食べに来いと馳走になる。(この亡き父が熊吾のイメージと重なって嬉しい。実際宮本氏も大学生の時に父を亡くしていると思う) 十人十様の生き様があり、それぞれに絡まった人間模様。それを邦彦の視点から巧みにとらえていて読んでいて楽しい。泥の河、蛍川に次ぐ川三部作の三部作目。道頓堀川に架かる橋の名が具体的名で待ち合わせ場所であったり、思い出の場所であったりと随所に登場する、近在の方には身に近く感じられるのではないでしょうか。秀逸な作品でした! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
泥の川と並ぶ名作。多くの人に読んで欲しい。********* | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
戦後から昭和中期の大阪を舞台にした、喫茶店に住みこみで働く大学生を主人公にした青春小説。道頓堀川の緩やかな、そして、汚染された流れに乗るように現れる周囲の人たちとの交流を描く。 食べるのに必死だったこの時代の人々がもつ、生来の消すことのできない猥雑さとともに、どの人も持つ心の中にあるひときわ美しい純粋さが印象に残った。 宮本輝の小説は、読後、ひとことで言い表せない感慨に浸ることが多いが、この小説は一段とその思いが強い。一人一人の登場人物がどうこうではなく、すべての登場人物をパッケージとして、人間とは何かを語るような小説だろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初の電子書籍でしたが違和感なく読めました。 内容はハズレがなく、また、軽くもない良い内容でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今回、出張の機内で読んだ。3度目の読書である。 大阪の歓楽街、道頓堀に生きる男と女たちを、優しい視線で描いた作品。 両親を亡くした邦彦を作品の中心に据え、彼の親代り'のマスター竹内の戦後の人生と彼の周辺に集う人々の人生を描く。 人間の卑小さ、悲しさ、孤独を、体感するかのようにしっぽりと描き、 それでも小さいながらの歩みを遂げようとする人々を、優しく歌い上げた作品で、1982年、深作欣二により映画化されている。 一言でいうと、これは演歌の世界なんだけど、これが絶妙の筆致で描かれていてよい。 生きるって悲しい、でも生きるって素晴らしい。 宮本輝の文章力を味わうのにいい作品で、今敏の「東京ゴッドファーザーズ」とか楽しめた人にもおすすめです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮本輝氏の作品が大好きで購入。すぐ読みました。 お話としては大阪の道頓堀を中心に多様な人を描いています。 蛍川・泥の河と比べると、あまり面白くないなぁという印象を受けてしまいました。 1人1人の人物描写は流石ですが、物語としての理解が非常に難しい作品と言えると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は、道頓堀という大都市の歓楽街を舞台にしている。 コーヒー店を営む男性を中心に、その店で働く大学生や、その周囲で生きる個性豊かな男と女が、簡単には手に入らない自身の幸福を求めて生きる姿を、本書は描いている。 大阪人、大阪を愛する人は、一読する価値がある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かわ三部作をもともと持っていましたが失くしたので探したところ一冊にまとまったこの商品が。好きな作品でしたしハードカバーのほうが大事にできるかと思い購入。 瞬間の表現が瞬間的さ、ただよう空気感の空気っぽさが作品世界へのたまらぬ憧憬を誘います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「泥の河」は同時代に生きたものなので、比較的身近な世の中の流れにあったという親しみある作品である。この小説を取り上げた講義を受ける機会があったので、もう一度読み直してみた。講義された先生も小生と同年代でしかも大阪育ちということであった。先生はこの小説を読む度に泣けてしょうがないとおっしゃられていたけれど、どこがお涙の原因かをつかめないままでいる。 終戦後にはこんなこともあったのかなあという旧懐の思いだけである。 河三部作というらしいが、蛍の河、道頓堀川へと続けて読み進むには、冗長で退屈な文章と、繰り返される同じ内容に耐えて行かなければならないと感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮本輝の川三部作がこれ一冊で読めます。 この本が私を読書の虜にした本なのです。 心をあやつる巧みな描写、解りやすくすらすら 読めるから、読み出すとストーリーに引きずり 込まれもう夢中になり、止まらない…。どれも、 これも、感慨無料の余韻が残る最高傑作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮本輝は、小説の真の力を知っている作家の一人であると思う。それは、物語の虚構性。彼は、常に物語の虚構性を第一とした作品を書いているのだと思う。この作品に関しても、大阪の繁華街という周縁を描いている。其のことにより、中心世界を際立たせることにも成功していると思う。作中に出てくる色彩、そして多くの登場人物とビリヤードとの相関性、作者があらゆる方法を用いてこの作品を書いているのではないだろうか。物語のないようをたどる読み方も楽しいが、この作者の作品を読むときにはどのような方法が作中に用いられているか、意識しながら読むのいいだろうと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮本輝氏の世界は処女作からの大ファンです!とにかく文体と情景が美しいです。谷崎潤一郎や、川端康成、横光利一といった新感覚派の流れを汲む正統派、あるいは純文学の世界を継承し、築き上げてきた優れた作家だと思っています。ここに収められている川シリーズですが、デビュー作「泥の川」で、第13回太宰治賞、「蛍川」で、第78回芥川賞を受賞されています。三部作とも映画もありますが、原作に触れ、一人一人の心に描くそれぞれの「川」三部作を体験されるのもも良いのではないかと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
別段ストーリーに内容がある訳ではない。なのになんで、こう泣けてくるのか・・・・・・ 子供から老人まで、人間を描くのが旨すぎです。そして表現力も群を抜いて素晴らしい。 ふと読みたくなる。ふと手に取ってみて下さい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮本輝の川三部作が一冊で読める。 幻想的で物悲しく、どこか遠景の水彩画のように淡い「蛍川」。 少年の友情と人生の悲哀を軽いユーモアを交え、ノスタルジックに描いた「泥の川」。 若さと情熱、そして恋愛を美しく描いた「道頓堀川」。 川三部作に共通しているのは、貧しさの中でも揺るがない高貴な人間性である。この三作では人間の正直さや純粋さを真正面から描いた。80年代の初めに、観念的でもシニカルでもなく、純文学的なテーマをエンターテイメントとして成立させた希有な作家だった。同時期にデビューした村上春樹、龍との比較で言えば、その主題の確かさが宮本輝の魅力だと思う。 「青が散る」で宮本輝は最初のピークを迎えるが、その前段にこの川三部作がある。 大エンターテイメント作家となる前の宮本輝の初々しさをぜひ味わってほしい。 宮本作品の原点があるはずだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮本輝さんの作品は大好きなので この作品もとてもよいです 主人公だけでなく登場人物すべてが 人間味があり魅力的でした | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の小説は、普通の人々を描いた作品が多い。 何気ない日常を描いているが、そのまなざしは常にあたたかい。 英雄伝もよいが、ごくありふれた日常をこれだけリアリスティックに 描かれると、これが人間なんだと思わずにはいられない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人間にはさまざまな過去があって、人から見れば郷愁をさそったり、どうしようもないと恫喝されてしまうものかもしれない。 それでも強く逞しく雑草のようにいきるのに道頓堀という土地はあっているのかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮本輝のデビュー作。彼の繊細な感性は、梶井基次郎に通じるところがあると思う。壊れそうな薄弱な視線で、今揺れ動き、刹那に消える情景を捉え、描く。只の作家にできることではなく、今の村上春樹から抜け出せぬ文豪連中には、到底及びも着かぬ。 舞台も主人公も違い、ただ近くに川があるというだけで3部作とはチャンチャラおかしいと初めて読んだ時には思う。が、あなたは、この作品の底辺に、憂いににた悲しみが広く淡く、存在していることを気づくでしょう。 短編小説の儚さを存分にもつ、名作。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!