クォンタム・ファミリーズ

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

クォンタム・ファミリーズの評価:

3.71/5点 レビュー 31件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.71pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全38件 21〜38 2/2ページ
No.18
(4pt)

とても面白かった

SFとか量子とか難しい事は抜きにしても
楽しめる作品。

タイムラインや登場人物によって重層的な構造(マジックリアリズムっぽい?)を取っていて
その手の作品が好きな人は楽しめるのではないでしょうか
クォンタム・ファミリーズ Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズより
410426203X
No.17
(4pt)

とても面白かった

SFとか量子とか難しい事は抜きにしても
楽しめる作品。

タイムラインや登場人物によって重層的な構造(マジックリアリズムっぽい?)を取っていて
その手の作品が好きな人は楽しめるのではないでしょうか
クォンタム・ファミリーズ (河出文庫) Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)より
4309411983
No.16
(4pt)

神、もしくは復讐、それとも・・・

ふぅ、やっとこ読み終わりました。 正直面白かったです。 量子物理学の理論からなるSFの部分と、家族の絆からなる部分が上手く絡み合い展開していく物語。 それは、完璧な人生を求めながら生きるのだけど、満たされない人たちが、並行世界とゆう可能性の中でも個に宿る性に翻弄されていってしまう。 後半に、主人公の往人は、どんな並行世界でも因果応報とゆうか、宿命の中でしか生きられないとゆう悟りに似たような内的経験をします。 最終章、完璧でありたいとゆう人格を支えていた嘘が、反転して他者の理解(愛)へと変わって行くのですが、そこには神ではなくとても人間的な主人公が描かれています。 面白いです。
クォンタム・ファミリーズ Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズより
410426203X
No.15
(4pt)

神、もしくは復讐、それとも・・・

ふぅ、やっとこ読み終わりました。 正直面白かったです。 量子物理学の理論からなるSFの部分と、家族の絆からなる部分が上手く絡み合い展開していく物語。 それは、完璧な人生を求めながら生きるのだけど、満たされない人たちが、並行世界とゆう可能性の中でも個に宿る性に翻弄されていってしまう。 後半に、主人公の往人は、どんな並行世界でも因果応報とゆうか、宿命の中でしか生きられないとゆう悟りに似たような内的経験をします。 最終章、完璧でありたいとゆう人格を支えていた嘘が、反転して他者の理解(愛)へと変わって行くのですが、そこには神ではなくとても人間的な主人公が描かれています。 面白いです。
クォンタム・ファミリーズ (河出文庫) Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)より
4309411983
No.14
(4pt)

刺さった! ひとの生は、なしとげられる《かもしれなかった》ことに支えられている

評論家、東浩紀渾身の初小説。
3つ4つからなる平行世界をもとに、
ひと家族が時代と空間を超えて、
それぞれの“ありえたかもしれない人生”が交錯しあう。
ちょっとややこしいのだが、それを上回る面白さがあった。
あれ?これどーなってんだ?と思いつつも、
どんどん読み進めてしまう「惹き」がある。

それは、今この世界で生きていることで生じる
問題意識がぞんぶんに注がれているからだ思う。

ネット世界における、コミュニケーションや実存…
その中でも、印象に残っているのは「35歳問題」だ。
(私自身がアラウンド35歳ということも大きい)

ちょっと長いが、以下、35歳問題のベースとなっている
村上春樹の小説「プール」から重要箇所を抜粋する。

「ひとの生は、なしとげたこと、これからなしとげられるであろうことだけではなく、
決してなしとげられなかったが、しかしなしとげられる《かもしれなかった》ことにも満たされている。
生きるとは、なしとげられるはずのことの一部をなしとげたことに変え、
残りをすべてなしとげられる《かもしれなかった》ことに押し込める、そんな作業の連続だ。
ある職業を選べば、別の職業を選べないし、あるひとと結婚すれば別のひととは結婚できない。
直接法過去と直接法未来の総和は確実に減少し、仮定法過去の総和がそのぶん増えていく。
 そして、その両者のバランスは、おそらく三十五歳あたりで逆転するのだ。その閾値を超えると、
ひとは過去の記憶や未来の夢よりも、むしろ仮定法の亡霊に悩まされるようになる。
それはそもそもがこの世界に存在しない、蜃気楼のようなものだから、
いくら現実に成功を収めて安定した未来を手にしたとしても、決して憂鬱から解放されることがない。」

村上春樹が、
「なしとげられる《かもしれなかった》こと」を
亡霊と比喩していることに対し、東は作中で主人公に、
「ひとの生は、なしとげられる《かもしれなかった》ことに支えられている」
と肯定させているのだ。

世界はありえないくらいに複雑になっている。
やれやれ。
と言ったところで、なんの気休めにもならない。
この小説は、ハッピーエンドではない。
しかし、前述の東の肯定に希望を感じた。
次回作、多いに期待です。
クォンタム・ファミリーズ Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズより
410426203X
No.13
(4pt)

刺さった! ひとの生は、なしとげられる《かもしれなかった》ことに支えられている

評論家、東浩紀渾身の初小説。
3つ4つからなる平行世界をもとに、
ひと家族が時代と空間を超えて、
それぞれの“ありえたかもしれない人生”が交錯しあう。
ちょっとややこしいのだが、それを上回る面白さがあった。
あれ?これどーなってんだ?と思いつつも、
どんどん読み進めてしまう「惹き」がある。

それは、今この世界で生きていることで生じる
問題意識がぞんぶんに注がれているからだ思う。

ネット世界における、コミュニケーションや実存…
その中でも、印象に残っているのは「35歳問題」だ。
(私自身がアラウンド35歳ということも大きい)

ちょっと長いが、以下、35歳問題のベースとなっている
村上春樹の小説「プール」から重要箇所を抜粋する。

「ひとの生は、なしとげたこと、これからなしとげられるであろうことだけではなく、
決してなしとげられなかったが、しかしなしとげられる《かもしれなかった》ことにも満たされている。
生きるとは、なしとげられるはずのことの一部をなしとげたことに変え、
残りをすべてなしとげられる《かもしれなかった》ことに押し込める、そんな作業の連続だ。
ある職業を選べば、別の職業を選べないし、あるひとと結婚すれば別のひととは結婚できない。
直接法過去と直接法未来の総和は確実に減少し、仮定法過去の総和がそのぶん増えていく。
 そして、その両者のバランスは、おそらく三十五歳あたりで逆転するのだ。その閾値を超えると、
ひとは過去の記憶や未来の夢よりも、むしろ仮定法の亡霊に悩まされるようになる。
それはそもそもがこの世界に存在しない、蜃気楼のようなものだから、
いくら現実に成功を収めて安定した未来を手にしたとしても、決して憂鬱から解放されることがない。」

村上春樹が、
「なしとげられる《かもしれなかった》こと」を
亡霊と比喩していることに対し、東は作中で主人公に、
「ひとの生は、なしとげられる《かもしれなかった》ことに支えられている」
と肯定させているのだ。

世界はありえないくらいに複雑になっている。
やれやれ。
と言ったところで、なんの気休めにもならない。
この小説は、ハッピーエンドではない。
しかし、前述の東の肯定に希望を感じた。
次回作、多いに期待です。
クォンタム・ファミリーズ (河出文庫) Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)より
4309411983
No.12
(5pt)

圧倒的に練られた世界感と世界。

これは年の離れた姉から、ひょいと気まぐれに贈られた作品のひとつです。

僕は小説を読む際はいつも特定の登場人物に感情移入し、進んでいくという方法なのですが、実に根気と忍耐の必要な作品でした。
メモ等を取りながら読み進めることをオススメします。

結論から申しますと、素晴らしい作品です。

複雑ですがいくつかの主題をつかむことができればその完成度の高さに驚かされます。
この分量で、これだけの内容を納めることが可能だったことにも脱帽です。

僕は読み物として純粋に楽しむことが(時に混乱もありましたが)できました。
クォンタム・ファミリーズ Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズより
410426203X
No.11
(5pt)

圧倒的に練られた世界感と世界。

これは年の離れた姉から、ひょいと気まぐれに贈られた作品のひとつです。

僕は小説を読む際はいつも特定の登場人物に感情移入し、進んでいくという方法なのですが、実に根気と忍耐の必要な作品でした。
メモ等を取りながら読み進めることをオススメします。

結論から申しますと、素晴らしい作品です。

複雑ですがいくつかの主題をつかむことができればその完成度の高さに驚かされます。
この分量で、これだけの内容を納めることが可能だったことにも脱帽です。

僕は読み物として純粋に楽しむことが(時に混乱もありましたが)できました。
クォンタム・ファミリーズ (河出文庫) Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)より
4309411983
No.10
(4pt)

著者のことを知らずに手にして難渋した読書がやがて魅力的なものへと変わっていった

2007年、作家で大学教員でもある葦船往人(あしふねゆきと)はある日、見知らぬ人物からの電子メールを受け取る。それは2035年の世界に暮らす彼の娘・風子(ふうこ)からのものだというのだが、彼にはそもそも娘はいない。このメールをきかっけに、本来この世界では存在しなかった並行世界に生きる家族が、時空の垣根を越えて交錯していく…。

 朝日と産経の新聞書評に取り上げられているという事実だけで手にしたのですが、作者の東浩紀の名前も、彼が日本の現代思想界を牽引してきたスター的人物であることも全く知らぬまま読み始めたため、本書に登場する難解な専門タームの連なりに最初のうちは面喰いました。

 しかしそうしたタームにある程度の割り切りと見切りを決め込んだ上で腹を据えて読み進めると、これは中途で投げ出すどころか巻を措くことが難しいSF小説であると感じました。

 生まれてこなかったはずの子どもをまじえた家族関係が存在しうる世界にある日突然放り込まれるという展開は、P.K.ディックの短編『地図にない町』の結末を連想させますが、本書はそのディックの短編の結末から始める小説のようにも見えます。
 事実、本書はディックの『ヴァリス』などのアリュージョンや、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』への言及がそこかしこに現れます。そうした幻想的並行世界に幻惑される悦楽を好む読者には、とても魅力的な物語といえるでしょう。

 しかしそんな仕掛けを礎としたこの小説が描くのは、「量子的に拡散してしまった家族を再縫合する」物語です。
 そしてやがて見えてくるのは、その家族とともに「偽物だけれど唯一の、まちがいだらけだけどやりなおしの出来ない人生を歩む」ことの尊さ。

 その結末に強くうなづく読者は決して私だけではないと思うのです。
クォンタム・ファミリーズ Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズより
410426203X
No.9
(4pt)

著者のことを知らずに手にして難渋した読書がやがて魅力的なものへと変わっていった

2007年、作家で大学教員でもある葦船往人(あしふねゆきと)はある日、見知らぬ人物からの電子メールを受け取る。それは2035年の世界に暮らす彼の娘・風子(ふうこ)からのものだというのだが、彼にはそもそも娘はいない。このメールをきかっけに、本来この世界では存在しなかった並行世界に生きる家族が、時空の垣根を越えて交錯していく…。

 朝日と産経の新聞書評に取り上げられているという事実だけで手にしたのですが、作者の東浩紀の名前も、彼が日本の現代思想界を牽引してきたスター的人物であることも全く知らぬまま読み始めたため、本書に登場する難解な専門タームの連なりに最初のうちは面喰いました。

 しかしそうしたタームにある程度の割り切りと見切りを決め込んだ上で腹を据えて読み進めると、これは中途で投げ出すどころか巻を措くことが難しいSF小説であると感じました。

 生まれてこなかったはずの子どもをまじえた家族関係が存在しうる世界にある日突然放り込まれるという展開は、P.K.ディックの短編『地図にない町』の結末を連想させますが、本書はそのディックの短編の結末から始める小説のようにも見えます。
 事実、本書はディックの『ヴァリス』などのアリュージョンや、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』への言及がそこかしこに現れます。そうした幻想的並行世界に幻惑される悦楽を好む読者には、とても魅力的な物語といえるでしょう。

 しかしそんな仕掛けを礎としたこの小説が描くのは、「量子的に拡散してしまった家族を再縫合する」物語です。
 そしてやがて見えてくるのは、その家族とともに「偽物だけれど唯一の、まちがいだらけだけどやりなおしの出来ない人生を歩む」ことの尊さ。

 その結末に強くうなづく読者は決して私だけではないと思うのです。
クォンタム・ファミリーズ (河出文庫) Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)より
4309411983
No.8
(5pt)

「われらの時代」の小説

著者と同じ年に生まれた者として、十数年前の著者の批評家としてのデビューには
ちょっとした興奮をおぼえました。
本作は著者初の単独小説ということで、期待半分、「つまらなかったらどうしよう」
という思い半分でページをめくりました。
そして、「われらの時代」の小説が誕生した、という強い印象を受けました。
量子力学とネット社会をたくみに結びつけた設定は知的興奮を誘いますが、
それはさておき、私がぐっと来たのは、小説全体を通じて主人公にまつわる寂寥感でした。
本作のプロット自体に真新しいものはないのかも知れません。
『1Q84』がそうであったようなパラレル・ワールドものだといえます。
しかし、プロットの源に本物の孤独が置かれたことで、他に換えがたいものになっていると思いました。
愛する家族がいて、仕事があって、自分の思想を支持するフォロワーたちもいる。
にもかかわらず埋められない主人公の孤独が、文章からじわじわにじみ出る様子に、
うなずき、泣きました。
この孤独の質が世代特有のものなのかどうか分かりません。しかし少なくとも私にとってこの小説が、
それが参照するP.K.ディックやグレッグ・イーガンよりも、そして何度も言及される村上春樹よりも
忘れがたい、近しいものになったのは、その何ともいえない、絶対的な孤独のトーンにおいてでした。
クォンタム・ファミリーズ Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズより
410426203X
No.7
(5pt)

「われらの時代」の小説

著者と同じ年に生まれた者として、十数年前の著者の批評家としてのデビューには
ちょっとした興奮をおぼえました。
本作は著者初の単独小説ということで、期待半分、「つまらなかったらどうしよう」
という思い半分でページをめくりました。
そして、「われらの時代」の小説が誕生した、という強い印象を受けました。
量子力学とネット社会をたくみに結びつけた設定は知的興奮を誘いますが、
それはさておき、私がぐっと来たのは、小説全体を通じて主人公にまつわる寂寥感でした。
本作のプロット自体に真新しいものはないのかも知れません。
『1Q84』がそうであったようなパラレル・ワールドものだといえます。
しかし、プロットの源に本物の孤独が置かれたことで、他に換えがたいものになっていると思いました。
愛する家族がいて、仕事があって、自分の思想を支持するフォロワーたちもいる。
にもかかわらず埋められない主人公の孤独が、文章からじわじわにじみ出る様子に、
うなずき、泣きました。
この孤独の質が世代特有のものなのかどうか分かりません。しかし少なくとも私にとってこの小説が、
それが参照するP.K.ディックやグレッグ・イーガンよりも、そして何度も言及される村上春樹よりも
忘れがたい、近しいものになったのは、その何ともいえない、絶対的な孤独のトーンにおいてでした。
クォンタム・ファミリーズ (河出文庫) Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)より
4309411983
No.6
(5pt)

批評家が書いた小説ではない、小説家のそれだ

批評家東浩紀氏初の小説。
内容は複雑で、緻密な計算、複線があり一読しただけではわからないけれど、
物語として非常に面白く読めた。

また、批評家としての側面がいくつかの並行世界の描写や設定に表現されており、
道州制、表象、村上春樹論、情報処理、集合知、世界経済などのキーワードが随所にでてくる。
ただ素晴らしいのは、それを登場人物に語らせすぎない点だ。
批評家としての部分を抑え、小説として破綻しないバランスがいい。

そしてこの本は、批評されること、そのコミュニティの中には著者も含めて、
広がりを見せることで価値を持つ本であろう。
クォンタム・ファミリーズ Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズより
410426203X
No.5
(5pt)

批評家が書いた小説ではない、小説家のそれだ

批評家東浩紀氏初の小説。
内容は複雑で、緻密な計算、複線があり一読しただけではわからないけれど、
物語として非常に面白く読めた。

また、批評家としての側面がいくつかの並行世界の描写や設定に表現されており、
道州制、表象、村上春樹論、情報処理、集合知、世界経済などのキーワードが随所にでてくる。
ただ素晴らしいのは、それを登場人物に語らせすぎない点だ。
批評家としての部分を抑え、小説として破綻しないバランスがいい。

そしてこの本は、批評されること、そのコミュニティの中には著者も含めて、
広がりを見せることで価値を持つ本であろう。
クォンタム・ファミリーズ (河出文庫) Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)より
4309411983
No.4
(5pt)

東浩紀を全く知らない人にこそ…

この本をネタバレ抜きで、何の前提知識も持たずに読める人がいたら、その人はとてつもなく幸運だと思う。

「東浩紀読者」の一人として、東浩紀をこれまで読み続けてきた立場からすると、この本は著者の98年のデリダ論文「存在論的、郵便的」のモチーフを、2000年代のウェブ想像力を交えた上で物語化した本という位置づけになるだろう。「届くかもしれなかったけれど届かなかった手紙」というデリダの思想について、これほどまでに見事に物語化した東浩紀はやはり凄まじい知性の持ち主だと驚嘆する。

が、そんな東浩紀の変遷や略歴を全く知らず、いきなり書店で偶然この本を手にとって読む人こそが、一番の衝撃を受けるのではないだろうか。小説が好きな人、村上春樹が好きな人、ゲームが好きな人、ネットが好きな人、人生つまらんと思って生きてる人etc. とにかく、「東浩紀」という固有名を全く知らない人が、「誤配」によってこの本に到達することを願って止みません。(もしも可能であれば、東浩紀について何も知らない状態でこの本を読みたかった…)
クォンタム・ファミリーズ Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズより
410426203X
No.3
(5pt)

東浩紀を全く知らない人にこそ…

この本をネタバレ抜きで、何の前提知識も持たずに読める人がいたら、その人はとてつもなく幸運だと思う。

「東浩紀読者」の一人として、東浩紀をこれまで読み続けてきた立場からすると、この本は著者の98年のデリダ論文「存在論的、郵便的」のモチーフを、2000年代のウェブ想像力を交えた上で物語化した本という位置づけになるだろう。「届くかもしれなかったけれど届かなかった手紙」というデリダの思想について、これほどまでに見事に物語化した東浩紀はやはり凄まじい知性の持ち主だと驚嘆する。

が、そんな東浩紀の変遷や略歴を全く知らず、いきなり書店で偶然この本を手にとって読む人こそが、一番の衝撃を受けるのではないだろうか。小説が好きな人、村上春樹が好きな人、ゲームが好きな人、ネットが好きな人、人生つまらんと思って生きてる人etc. とにかく、「東浩紀」という固有名を全く知らない人が、「誤配」によってこの本に到達することを願って止みません。(もしも可能であれば、東浩紀について何も知らない状態でこの本を読みたかった…)
クォンタム・ファミリーズ (河出文庫) Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)より
4309411983
No.2
(5pt)

読まないはずの読者に読んで欲しい小説

非常に設定が複雑で、率直な第一印象は「もう何が何だかわからんwww」みたいな感じ。互いに時間差のある平行世界の中、あの人の人格がこの人でその人の何年後の姿があの人で…みたいな。

でも、つまらなかったのかと言えば決してそんなことはない。複雑怪奇な設定も何故かとてもリアルに感じられるし、何より無駄なストーリーがない。収束しないストーリー、偶有的なストーリーも含め『クォンタム・ファミリーズ』の中では全てが必然性を持つように思える。

今まで特にデリダやらの現代思想には馴染みがなかった自分のような読者がこの小説を手に取ったこと自体が、この小説の“貫世界通信”的なものなのかもしれない。だとすれば、現代思想ファンでもなく、SF好きでもなく、この本を見て「わたしは読まなそうな本だな…」と思う人こそ、この小説を特権的に味わう資格があるのかもしれない。
クォンタム・ファミリーズ Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズより
410426203X
No.1
(5pt)

読まないはずの読者に読んで欲しい小説

非常に設定が複雑で、率直な第一印象は「もう何が何だかわからんwww」みたいな感じ。互いに時間差のある平行世界の中、あの人の人格がこの人でその人の何年後の姿があの人で…みたいな。

でも、つまらなかったのかと言えば決してそんなことはない。複雑怪奇な設定も何故かとてもリアルに感じられるし、何より無駄なストーリーがない。収束しないストーリー、偶有的なストーリーも含め『クォンタム・ファミリーズ』の中では全てが必然性を持つように思える。

今まで特にデリダやらの現代思想には馴染みがなかった自分のような読者がこの小説を手に取ったこと自体が、この小説の“貫世界通信”的なものなのかもしれない。だとすれば、現代思想ファンでもなく、SF好きでもなく、この本を見て「わたしは読まなそうな本だな…」と思う人こそ、この小説を特権的に味わう資格があるのかもしれない。
クォンタム・ファミリーズ (河出文庫) Amazon書評・レビュー: クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)より
4309411983