ツリーハウス

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評判

ツリーハウスの評価:

4.50/5点 レビュー 56件。 A ランク

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平均点4.50pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全149件 101〜120 6/8ページ
No.49
(5pt)

読後もしみじみと心に残り続ける作品

読み終わった後もしばらくは、まるで身近にいる実在の家族のように、
自分の心の中に居続けた。
ありふれた普通の家族にも、あたりまえだが歴史があり、
表面上は平凡でも、それぞれに波乱万丈の人生を生きていると気づかされた。
今年読んだ本の中でも上位に位置する、とてもいい作品だった。
ツリーハウス (文春文庫) Amazon書評・レビュー: ツリーハウス (文春文庫)より
416767209X
No.48
(5pt)

素敵な家族の物語でした

大河ものといってもいいぐらいにダイナミックな話でしたが、でも登場人物がみなそれほど気取っていなくてひょうひょうとしていていい感じなので読んでいて好感が持てました。いい話でした。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
416328950X
No.47
(5pt)

素敵な家族の物語でした

大河ものといってもいいぐらいにダイナミックな話でしたが、でも登場人物がみなそれほど気取っていなくてひょうひょうとしていていい感じなので読んでいて好感が持てました。いい話でした。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
B00CB9Q2RI
No.46
(5pt)

素敵な家族の物語でした

大河ものといってもいいぐらいにダイナミックな話でしたが、でも登場人物がみなそれほど気取っていなくてひょうひょうとしていていい感じなので読んでいて好感が持てました。いい話でした。
ツリーハウス (文春文庫) Amazon書評・レビュー: ツリーハウス (文春文庫)より
416767209X
No.45
(5pt)

言葉で表せないほど複雑で深い作品

久しぶりに読み応えがある作品でした。
私は32歳になりますが、きっと若いときに読んでいたらここまで深く感動することはなかったように思います。

物語は祖父の泰造が亡くなるところより始まり、
遡る祖母ヤエがまだ若い戦争の時代から父慎之輔の家業を継ぐまでの学生運動が盛んな時代、そして現代の末っ子良嗣へと主体人物が移り変わっていきます。

淡々と生きているような人って周りにいるけれど、その人の心の中までは覗くことはできないですよね。
何か大きな出来事があるわけではないけれど、時代に翻弄されて生きていく人々の姿がうまく描かれていると思います。

逃げるな、とか逃げてもいいよ、っていう背中を押してくれる本ではなく、
ただこういう道があるよっていうのを見えないところに標識を出してくれているような印象を受けました。
何かを押し付けることもせず、みんな自分のことで精一杯で、でも、愛情を感じられる物語でした。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
416328950X
No.44
(5pt)

言葉で表せないほど複雑で深い作品

久しぶりに読み応えがある作品でした。
私は32歳になりますが、きっと若いときに読んでいたらここまで深く感動することはなかったように思います。

物語は祖父の泰造が亡くなるところより始まり、
遡る祖母ヤエがまだ若い戦争の時代から父慎之輔の家業を継ぐまでの学生運動が盛んな時代、そして現代の末っ子良嗣へと主体人物が移り変わっていきます。

淡々と生きているような人って周りにいるけれど、その人の心の中までは覗くことはできないですよね。
何か大きな出来事があるわけではないけれど、時代に翻弄されて生きていく人々の姿がうまく描かれていると思います。

逃げるな、とか逃げてもいいよ、っていう背中を押してくれる本ではなく、
ただこういう道があるよっていうのを見えないところに標識を出してくれているような印象を受けました。
何かを押し付けることもせず、みんな自分のことで精一杯で、でも、愛情を感じられる物語でした。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
B00CB9Q2RI
No.43
(5pt)

言葉で表せないほど複雑で深い作品

久しぶりに読み応えがある作品でした。
私は32歳になりますが、きっと若いときに読んでいたらここまで深く感動することはなかったように思います。

物語は祖父の泰造が亡くなるところより始まり、
遡る祖母ヤエがまだ若い戦争の時代から父慎之輔の家業を継ぐまでの学生運動が盛んな時代、そして現代の末っ子良嗣へと主体人物が移り変わっていきます。

淡々と生きているような人って周りにいるけれど、その人の心の中までは覗くことはできないですよね。
何か大きな出来事があるわけではないけれど、時代に翻弄されて生きていく人々の姿がうまく描かれていると思います。

逃げるな、とか逃げてもいいよ、っていう背中を押してくれる本ではなく、
ただこういう道があるよっていうのを見えないところに標識を出してくれているような印象を受けました。
何かを押し付けることもせず、みんな自分のことで精一杯で、でも、愛情を感じられる物語でした。
ツリーハウス (文春文庫) Amazon書評・レビュー: ツリーハウス (文春文庫)より
416767209X
No.42
(4pt)

家族の事を考えさせられた

なにげなく一緒に暮らしている父母にも、それぞれの父母がいて、それぞれの人生があって今ここにいるんだな、という当たり前のことに深く気づかされた。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
416328950X
No.41
(4pt)

家族の事を考えさせられた

なにげなく一緒に暮らしている父母にも、それぞれの父母がいて、それぞれの人生があって今ここにいるんだな、という当たり前のことに深く気づかされた。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
B00CB9Q2RI
No.40
(4pt)

家族の事を考えさせられた

なにげなく一緒に暮らしている父母にも、それぞれの父母がいて、それぞれの人生があって今ここにいるんだな、という当たり前のことに深く気づかされた。
ツリーハウス (文春文庫) Amazon書評・レビュー: ツリーハウス (文春文庫)より
416767209X
No.39
(4pt)

過去から未来につながる家族の絆に感動!

祖父も祖母も決して過去を語らなかった。だが、祖父の死をきっかけに、祖母ヤエは過去を
振り返る旅に出る・・・。
藤代泰造と田中ヤエは、戦時中の満州で出会った。だがそこは安住の地ではなかった。
敗戦とともに命からがら日本に戻ったふたりは、生きるために必死に働く。子供が生まれた。
自分たちの店を持った。そして、幸せも不幸もたくさん味わった。泰造やヤエが、なぜ過去を
語らなかったのか?いや、ふたりは語らなかったのではない。語れなかったのだ。いったい
どんな言葉で、思い出すのもつらいこの壮絶な体験を語れるというのだろう。
戦争、終戦、そして昭和から平成の現代へと移り変わる中での親子三代にわたる物語は、実に
壮大だ。家族には家族の歴史がある。過去から現代、ずっとつながった家族の絆。そこに自分も
いる。この作品を読むと、その当たり前のことに新鮮な感動を覚える。作者の熱い思いが込め
られた、読み応え充分の面白い作品だった。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
416328950X
No.38
(4pt)

過去から未来につながる家族の絆に感動!

祖父も祖母も決して過去を語らなかった。だが、祖父の死をきっかけに、祖母ヤエは過去を
振り返る旅に出る・・・。
藤代泰造と田中ヤエは、戦時中の満州で出会った。だがそこは安住の地ではなかった。
敗戦とともに命からがら日本に戻ったふたりは、生きるために必死に働く。子供が生まれた。
自分たちの店を持った。そして、幸せも不幸もたくさん味わった。泰造やヤエが、なぜ過去を
語らなかったのか?いや、ふたりは語らなかったのではない。語れなかったのだ。いったい
どんな言葉で、思い出すのもつらいこの壮絶な体験を語れるというのだろう。
戦争、終戦、そして昭和から平成の現代へと移り変わる中での親子三代にわたる物語は、実に
壮大だ。家族には家族の歴史がある。過去から現代、ずっとつながった家族の絆。そこに自分も
いる。この作品を読むと、その当たり前のことに新鮮な感動を覚える。作者の熱い思いが込め
られた、読み応え充分の面白い作品だった。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
B00CB9Q2RI
No.37
(4pt)

過去から未来につながる家族の絆に感動!

祖父も祖母も決して過去を語らなかった。だが、祖父の死をきっかけに、祖母ヤエは過去を
振り返る旅に出る・・・。
藤代泰造と田中ヤエは、戦時中の満州で出会った。だがそこは安住の地ではなかった。
敗戦とともに命からがら日本に戻ったふたりは、生きるために必死に働く。子供が生まれた。
自分たちの店を持った。そして、幸せも不幸もたくさん味わった。泰造やヤエが、なぜ過去を
語らなかったのか?いや、ふたりは語らなかったのではない。語れなかったのだ。いったい
どんな言葉で、思い出すのもつらいこの壮絶な体験を語れるというのだろう。
戦争、終戦、そして昭和から平成の現代へと移り変わる中での親子三代にわたる物語は、実に
壮大だ。家族には家族の歴史がある。過去から現代、ずっとつながった家族の絆。そこに自分も
いる。この作品を読むと、その当たり前のことに新鮮な感動を覚える。作者の熱い思いが込め
られた、読み応え充分の面白い作品だった。
ツリーハウス (文春文庫) Amazon書評・レビュー: ツリーハウス (文春文庫)より
416767209X
No.36
(5pt)

戦争を知らないからこそ、読んでよかった。

藤代家の一員になってみたい…と思うほど、ぐいぐい引き込まれる
昭和と平成をつないでいる家族のお話です。

藤代家の誰かが誰かを時代の出来事と重ねながら見ている。
時代が悪いとか、言い訳も後悔もせず生きる人。
「戦争体験」は今の私たちとは見てきた世界が違う。
理解できない感受性を持ちながら、日々を重ねている。
この本を読み終わって、自分の祖母にも色んな話を聞いておきたかったと
思いました。

今、東日本大震災が起きて、2万人以上の人が「生きること」ができず、
一体、どう考えてよいか分からない。
答えではないが、答える見つける手掛かりがあるような
1冊なのかしれません。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
416328950X
No.35
(5pt)

戦争を知らないからこそ、読んでよかった。

藤代家の一員になってみたい…と思うほど、ぐいぐい引き込まれる
昭和と平成をつないでいる家族のお話です。

藤代家の誰かが誰かを時代の出来事と重ねながら見ている。
時代が悪いとか、言い訳も後悔もせず生きる人。
「戦争体験」は今の私たちとは見てきた世界が違う。
理解できない感受性を持ちながら、日々を重ねている。
この本を読み終わって、自分の祖母にも色んな話を聞いておきたかったと
思いました。

今、東日本大震災が起きて、2万人以上の人が「生きること」ができず、
一体、どう考えてよいか分からない。
答えではないが、答える見つける手掛かりがあるような
1冊なのかしれません。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
B00CB9Q2RI
No.34
(5pt)

戦争を知らないからこそ、読んでよかった。

藤代家の一員になってみたい…と思うほど、ぐいぐい引き込まれる
昭和と平成をつないでいる家族のお話です。

藤代家の誰かが誰かを時代の出来事と重ねながら見ている。
時代が悪いとか、言い訳も後悔もせず生きる人。
「戦争体験」は今の私たちとは見てきた世界が違う。
理解できない感受性を持ちながら、日々を重ねている。
この本を読み終わって、自分の祖母にも色んな話を聞いておきたかったと
思いました。

今、東日本大震災が起きて、2万人以上の人が「生きること」ができず、
一体、どう考えてよいか分からない。
答えではないが、答える見つける手掛かりがあるような
1冊なのかしれません。
ツリーハウス (文春文庫) Amazon書評・レビュー: ツリーハウス (文春文庫)より
416767209X
No.33
(4pt)

取り立ててドラマのないごく普通の家庭を通して時代を見る

最初は、小説だから、何か事件らしい事件が起こるのかと期待して読み始めました。
しかし、この小説は、戦争中から現代までの壮大な時代を背景に書かれているにも関わらず、
たったひとつの家族の、それを取り巻く世界を、ゆるゆると、激しい熱情もなく、どことなく冷めた視点から、
書いています。
だから最初から最後まで、感情移入がしずらく、正直、エンターテイメント的には、それほど「面白い」とは私は思いませんでした。

しかし、物語のところどころで、私たち現代人の、何とも言葉にしにくい平和ボケについて、
その本質をついてくるような、鋭く、すっと心に食い込んでいる文章があって、
いつまでも尾を引くようなところがあります。
私たちの世界とはかけ離れた、救世主のようなヒーローが活躍するドラマティックな歴史の書かれ方はよくありますが、
歴史というのは、本当は、この小説に出てくるような、私と同じような、何てことない人たちが、
言葉にしにくい希望や閉塞感を抱えて、ただ生きていた、その人生の集まりなんじゃないかなという気分になります。

それはとてもつまらないことのようで、でも、今こそ私たちがしっかりと感じるべきことだと思います。

戦争も、貧しかった時代も、平和や自由のために戦ってきた世代も、遠い国の話じゃなく、
今の豊かな、モノであふれている、生きるに困らない時代に、脈々と受け継がれている。
生きることに必死にならなくても、なんとなく流されるように生き、当たり前のように過保護すぎるほどの
サービスを受けられる現代は、人の意欲も、行動力も、考える力も、どこかでゆっくりと奪っているように思います。

世間をにぎわすニュースも、歴史上の重大事件も、実は意外なほど近くに転がっていて、
そういうものを受け入れながら、今の私たちがあるということ。

忘れたくないです。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
416328950X
No.32
(4pt)

取り立ててドラマのないごく普通の家庭を通して時代を見る

最初は、小説だから、何か事件らしい事件が起こるのかと期待して読み始めました。
しかし、この小説は、戦争中から現代までの壮大な時代を背景に書かれているにも関わらず、
たったひとつの家族の、それを取り巻く世界を、ゆるゆると、激しい熱情もなく、どことなく冷めた視点から、
書いています。
だから最初から最後まで、感情移入がしずらく、正直、エンターテイメント的には、それほど「面白い」とは私は思いませんでした。

しかし、物語のところどころで、私たち現代人の、何とも言葉にしにくい平和ボケについて、
その本質をついてくるような、鋭く、すっと心に食い込んでいる文章があって、
いつまでも尾を引くようなところがあります。
私たちの世界とはかけ離れた、救世主のようなヒーローが活躍するドラマティックな歴史の書かれ方はよくありますが、
歴史というのは、本当は、この小説に出てくるような、私と同じような、何てことない人たちが、
言葉にしにくい希望や閉塞感を抱えて、ただ生きていた、その人生の集まりなんじゃないかなという気分になります。

それはとてもつまらないことのようで、でも、今こそ私たちがしっかりと感じるべきことだと思います。

戦争も、貧しかった時代も、平和や自由のために戦ってきた世代も、遠い国の話じゃなく、
今の豊かな、モノであふれている、生きるに困らない時代に、脈々と受け継がれている。
生きることに必死にならなくても、なんとなく流されるように生き、当たり前のように過保護すぎるほどの
サービスを受けられる現代は、人の意欲も、行動力も、考える力も、どこかでゆっくりと奪っているように思います。

世間をにぎわすニュースも、歴史上の重大事件も、実は意外なほど近くに転がっていて、
そういうものを受け入れながら、今の私たちがあるということ。

忘れたくないです。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
B00CB9Q2RI
No.31
(4pt)

取り立ててドラマのないごく普通の家庭を通して時代を見る

最初は、小説だから、何か事件らしい事件が起こるのかと期待して読み始めました。
しかし、この小説は、戦争中から現代までの壮大な時代を背景に書かれているにも関わらず、
たったひとつの家族の、それを取り巻く世界を、ゆるゆると、激しい熱情もなく、どことなく冷めた視点から、
書いています。
だから最初から最後まで、感情移入がしずらく、正直、エンターテイメント的には、それほど「面白い」とは私は思いませんでした。

しかし、物語のところどころで、私たち現代人の、何とも言葉にしにくい平和ボケについて、
その本質をついてくるような、鋭く、すっと心に食い込んでいる文章があって、
いつまでも尾を引くようなところがあります。
私たちの世界とはかけ離れた、救世主のようなヒーローが活躍するドラマティックな歴史の書かれ方はよくありますが、
歴史というのは、本当は、この小説に出てくるような、私と同じような、何てことない人たちが、
言葉にしにくい希望や閉塞感を抱えて、ただ生きていた、その人生の集まりなんじゃないかなという気分になります。

それはとてもつまらないことのようで、でも、今こそ私たちがしっかりと感じるべきことだと思います。

戦争も、貧しかった時代も、平和や自由のために戦ってきた世代も、遠い国の話じゃなく、
今の豊かな、モノであふれている、生きるに困らない時代に、脈々と受け継がれている。
生きることに必死にならなくても、なんとなく流されるように生き、当たり前のように過保護すぎるほどの
サービスを受けられる現代は、人の意欲も、行動力も、考える力も、どこかでゆっくりと奪っているように思います。

世間をにぎわすニュースも、歴史上の重大事件も、実は意外なほど近くに転がっていて、
そういうものを受け入れながら、今の私たちがあるということ。

忘れたくないです。
ツリーハウス (文春文庫) Amazon書評・レビュー: ツリーハウス (文春文庫)より
416767209X
No.30
(4pt)

昭和負け組の落語的クロニクル

故郷を捨てたのではなく、故郷から捨てられるように逃げ出した男と女
その2人からなりゆきのように生まれた子供達
その息子の1人と、これまた、なりゆきのように結び付いた女
そしてその男女から生まれ、自分の血族と同じようななりゆき人生を繰り返す子供達
これが、本作品の大まかなストーリー。

終盤になって、人生論的な台詞がポンポン出てくるが、これは落語のサゲでしかないと思う。
そこに感動するのも一興だが、それがテーマなら、いくらでも先達に良作はある。

私には、この話は、むしろ、極めて落語的に感じられて仕方がない。
一つには、立川談志の云う「落語とは人間の業の肯定」というところが、本作では通底している点。
そして、昭和史を背景・ネタにしているが、庶民からの昭和史という作品ではないこと(これは、落語が江戸時代等を背景にしているが、庶民の江戸時代を描くための作品でないことのアナロジー)。
また、ストーリーの顛末は、ストーリーの結実を意味しておらず、数年後には、おそらくはまた、彼ら・彼女らはこれまでのなりゆき人生を繰り返しているだろうということ。

古典落語の大ネタは、噺家によって喜怒哀楽をもたらされるものだが、ストーリー自体は乾いたものであることが少なくないし、人生万歳とか人間って素晴らしいってな月並みな感想を持たせるものではないのが殆どだ。
私は、本作にはそうした安い感動を排したところに、八日目の蝉を描いた作者ならではの才能を感じたのだが・・・どうも、他のレビューを読むと、私が捻くれているのかなと思う(笑)。

あと、「逃げる」ということについては、いま何か分からん「みんな」や「日本」が「がんばろう」「つながろう」と何の躊躇いもなく皆に求める中で、「逃げる」権利を声高にではなく、しかし、強く持つことは意味があると思う。
「庶民」という手垢のついた言葉ではなく、落伍者や底辺に沈んだ者にこそ「逃げる」権利は実感されるべきものだし、感動とは全く違うものとして本書を読み受け止めてもらいたい気がする。
ツリーハウス Amazon書評・レビュー: ツリーハウスより
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