路(ルウ)

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評判

路(ルウ)の評価:

4.38/5点 レビュー 130件。 B ランク

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平均点4.38pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全225件 221〜225 12/12ページ
No.5
(4pt)

最終章で・・・

正直最終章までは、読むまでの予想に反して物語が平坦すぎるように感じて
いました。
登場人物の中でも特に本書の核となるのは春香だと思うのですが、彼女や彼
女を取り巻く人物が、もっともっと苦労をしてようやく開通にこぎつけたと
いうようなストーリーを期待していました。確かにそのようなくだりはある
ものの、非常に淡泊な展開である事は否めません。
しかしその印象は最終章でガラッと変わります。
特に病院長が日本の旧友に言った『台湾で死ね』という言葉は、私の魂を大
きく揺さぶりました。
読み手によって書籍に求める価値観や好みは千差万別でしょうが、私はその
『台湾で死ね』という一言だけで、この本を読んだ意義があったと思ってお
ります。
路 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 路 (文春文庫)より
4167903571
No.4
(5pt)

いいね〜人間っていいものだな〜とても温かい絆の物語。

台湾新幹線の着工決定に伴い、入社4年目の多田春香は台湾へ出向することになった。まさかあの時、自分が将来この街に暮らすのなどとは考えてもいなかったが、6年前にこの街で出会った青年・エリックとの思い出はいつも心の片隅にしずかに在った・・・・1日だけ共に過ごしたあの人にもう一度会いたい、決して言ってはいけない言葉で傷つけてしまった親友に、生きているうちに謝りたい。
開通までの7年間に及ぶプロジェクトに絡めて、現地での仕事に悩む商社マン、台湾生まれで終戦後に帰国した老人、台湾人建築家など国境を越えたそれぞれの人のドラマと絆が描かれている。そんな彼らは皆、台湾で様々な出会いや別れを経験し、忘れがたい思い出を胸に秘めながら生きている。ある者は日本人として台湾で暮らし、ある者は台湾人として日本で生活する。2つの出会いと別れをメインに、日本と台湾の遠距離恋愛、台湾の水が合わず心身ともに疲弊する社員とその家族、幼馴染の女の子と意外な形で幸せを手にする車輛工場員など・・・様々な人間模様が鮮やかに描きだされている。日本人と台湾人の気質の違いギャップを乗り越えて「互いに相手を心から尊敬し、認め合う」という作者の姿勢が、本作品には貫かれている。話がうまく行きすぎの部分もあるが、読み終えたら、多くの読者は、人間っていいものだな〜と感ずるに違いない。とても温かい絆の物語。
これはお薦め!
路(ルウ) Amazon書評・レビュー: 路(ルウ)より
4163817905
No.3
(5pt)

いいね〜人間っていいものだな〜とても温かい絆の物語。

台湾新幹線の着工決定に伴い、入社4年目の多田春香は台湾へ出向することになった。まさかあの時、自分が将来この街に暮らすのなどとは考えてもいなかったが、6年前にこの街で出会った青年・エリックとの思い出はいつも心の片隅にしずかに在った・・・・1日だけ共に過ごしたあの人にもう一度会いたい、決して言ってはいけない言葉で傷つけてしまった親友に、生きているうちに謝りたい。
開通までの7年間に及ぶプロジェクトに絡めて、現地での仕事に悩む商社マン、台湾生まれで終戦後に帰国した老人、台湾人建築家など国境を越えたそれぞれの人のドラマと絆が描かれている。そんな彼らは皆、台湾で様々な出会いや別れを経験し、忘れがたい思い出を胸に秘めながら生きている。ある者は日本人として台湾で暮らし、ある者は台湾人として日本で生活する。2つの出会いと別れをメインに、日本と台湾の遠距離恋愛、台湾の水が合わず心身ともに疲弊する社員とその家族、幼馴染の女の子と意外な形で幸せを手にする車輛工場員など・・・様々な人間模様が鮮やかに描きだされている。日本人と台湾人の気質の違いギャップを乗り越えて「互いに相手を心から尊敬し、認め合う」という作者の姿勢が、本作品には貫かれている。話がうまく行きすぎの部分もあるが、読み終えたら、多くの読者は、人間っていいものだな〜と感ずるに違いない。とても温かい絆の物語。
これはお薦め!
路 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 路 (文春文庫)より
4167903571
No.2
(5pt)

重層的な構成で語られる台湾への愛と路

吉田修一氏は「悪人」(2007年刊)があまりに素晴らしかったのでその後の4作が低調に思えましたが、この作品で輝きを取り戻しました。

舞台は台湾、1990年代に計画された台湾新幹線の建設工事に並行して4人の物語が進みます。
美香は入社4年目の商社員、プロジェクトメンバーとして台北に派遣されています。台湾人の人豪は、日本に留学し、東京の建設会社で働いています。葉山勝一郎は台北で生まれ育ち、戦後の帰国後は土木技師として高速道路建設で腕を振いました。威志はグァバ畑跡に建った新幹線の車両工場で整備士をしています。建設工事は台湾、欧州、日本の合同プロジェクトのために意思疎通に課題を抱えながら2005年の新幹線開通めざして進んでいきます。

美香には学生のときに台湾旅行で出会った青年のことが忘れられないでいます。台北に来たのも彼を探す気持ちがあったからでした。一方、人豪も彼女を追って日本に留学したのでした。なかなか再会できないふたり、再会しても進まない恋愛は読者をやきもきさせます。この小説は、1人の女性が異国で仕事に忙殺されながら自分の人生を見出していく成長物語でもあります。登場人物の背景を深く掘り下げる吉田氏の手法がリアリティを高めています。

日本と台湾、難渋する新幹線工事、交錯する4人の人生。重層的な構成の小説ですが少しの破綻もなく描ききった筆力はさすがです。最終章では、詳しくは書けませんが、4人がそれぞれの「路」を見出してエンディングとなります。その情景が目に浮かび、静かな感動がこみあげました。吉田氏の新しい試みは見事に成功しています。以前の作品に比べて吉田氏の人間を見る目にあたたかさが増したように感じました。

台湾の日本の交流や気候、自然、街、食べ物、人がていねいに描写されています。普段、日本人は気づいていませんが、いかに台湾の人が日本に親しみを感じ、特別な思いで見ているか、読み終わって強く心に残りました。吉田氏の台湾への深い思いが結実した作品です。
路(ルウ) Amazon書評・レビュー: 路(ルウ)より
4163817905
No.1
(5pt)

重層的な構成で語られる台湾への愛と路

吉田修一氏は「悪人」(2007年刊)があまりに素晴らしかったのでその後の4作が低調に思えましたが、この作品で輝きを取り戻しました。

舞台は台湾、1990年代に計画された台湾新幹線の建設工事に並行して4人の物語が進みます。
美香は入社4年目の商社員、プロジェクトメンバーとして台北に派遣されています。台湾人の人豪は、日本に留学し、東京の建設会社で働いています。葉山勝一郎は台北で生まれ育ち、戦後の帰国後は土木技師として高速道路建設で腕を振いました。威志はグァバ畑跡に建った新幹線の車両工場で整備士をしています。建設工事は台湾、欧州、日本の合同プロジェクトのために意思疎通に課題を抱えながら2005年の新幹線開通めざして進んでいきます。

美香には学生のときに台湾旅行で出会った青年のことが忘れられないでいます。台北に来たのも彼を探す気持ちがあったからでした。一方、人豪も彼女を追って日本に留学したのでした。なかなか再会できないふたり、再会しても進まない恋愛は読者をやきもきさせます。この小説は、1人の女性が異国で仕事に忙殺されながら自分の人生を見出していく成長物語でもあります。登場人物の背景を深く掘り下げる吉田氏の手法がリアリティを高めています。

日本と台湾、難渋する新幹線工事、交錯する4人の人生。重層的な構成の小説ですが少しの破綻もなく描ききった筆力はさすがです。最終章では、詳しくは書けませんが、4人がそれぞれの「路」を見出してエンディングとなります。その情景が目に浮かび、静かな感動がこみあげました。吉田氏の新しい試みは見事に成功しています。以前の作品に比べて吉田氏の人間を見る目にあたたかさが増したように感じました。

台湾の日本の交流や気候、自然、街、食べ物、人がていねいに描写されています。普段、日本人は気づいていませんが、いかに台湾の人が日本に親しみを感じ、特別な思いで見ているか、読み終わって強く心に残りました。吉田氏の台湾への深い思いが結実した作品です。
路 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 路 (文春文庫)より
4167903571