(短編集)

風に舞いあがるビニールシート

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評判

風に舞いあがるビニールシートの評価:

4.11/5点 レビュー 122件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.11pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全244件 181〜200 10/13ページ
No.64
(5pt)

主人公たちのこれからが、幸多きものでありますように☆

器や仏像、古典、UNCHER…といった
幅広い分野を題材にした6つの短編集。

それぞれの作品で描かれているのは、
「大切なもの」のために懸命に生きる人たち。

それを守るために何かを犠牲にしなくてはいけなかったり、
辛い思いをする時だってあり、
その価値は誰にでも理解してもらえるものではないため、
バカにされたり疎まれることも。

でも、「大切なもの」があるからこそ、
主人公たちは強くなれたり、幸せを感じることができています。
勝ち組・負け組といった言葉をはじめ、
人を判断する物差しがたくさんある世の中ですが、
その人にしかわからないことも、確かに存在するのではないでしょうか!?

自分にとって、譲れないものは何だろう***

「自分だけの価値観を守って、
 お金よりも大事なものを持って生きている***。
 あたたかくて強くて、生きる力を与えてくれる、
 森絵都の短編世界。」との紹介文が帯に書いてありましたが、
うんうん、って思わず納得。

「できるわよ。だって今までやってきたんだもの。
 不器用でムダにこまめで見当外れでも、
 実直に、粘り強くがんばってきたじゃない。
 あなたならこれからもがんばれる。」っていう文中の言葉に、
思わずジーンってなっちゃいました。

6編の物語とも、
最後には未来に開けて終わっています。

主人公たちのこれからが、幸多きものでありますように☆
風に舞いあがるビニールシート Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシートより
4163249206
No.63
(5pt)

主人公たちのこれからが、幸多きものでありますように☆

器や仏像、古典、UNCHER…といった
幅広い分野を題材にした6つの短編集。

それぞれの作品で描かれているのは、
「大切なもの」のために懸命に生きる人たち。

それを守るために何かを犠牲にしなくてはいけなかったり、
辛い思いをする時だってあり、
その価値は誰にでも理解してもらえるものではないため、
バカにされたり疎まれることも。

でも、「大切なもの」があるからこそ、
主人公たちは強くなれたり、幸せを感じることができています。
勝ち組・負け組といった言葉をはじめ、
人を判断する物差しがたくさんある世の中ですが、
その人にしかわからないことも、確かに存在するのではないでしょうか!?

自分にとって、譲れないものは何だろう***

「自分だけの価値観を守って、
 お金よりも大事なものを持って生きている***。
 あたたかくて強くて、生きる力を与えてくれる、
 森絵都の短編世界。」との紹介文が帯に書いてありましたが、
うんうん、って思わず納得。

「できるわよ。だって今までやってきたんだもの。
 不器用でムダにこまめで見当外れでも、
 実直に、粘り強くがんばってきたじゃない。
 あなたならこれからもがんばれる。」っていう文中の言葉に、
思わずジーンってなっちゃいました。

6編の物語とも、
最後には未来に開けて終わっています。

主人公たちのこれからが、幸多きものでありますように☆
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)より
4167741032
No.62
(5pt)

著者の生涯最高の短編になると思います

米国の裕福な家庭で人肌のぬくもりを知らずに育ち、資本主義社会が生み出した闇(難民)への贖罪を背負いUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のフィールドワークに全てを捧げる男とのささやかな家庭を夢見破れた、勝ち組みだったはずのキャリア女性の、出会い、結婚生活、離婚、永遠の別れ、そして再生が深い奥行と絶妙な伏線を伴い描かれています。

本書収録の他の短編と少女の成長物語であった「アーモンド入りチョコレートのワルツ」と「永遠の出口」を2年前に読んだだけでの直感ですが、小説の奥行(男女が背負う業の描写、物語の持つ社会批判性、結婚・離婚・愛への洞察)を考えた時、これ以上の短編をこの著者は描き得ないと思います。

本書が第135回の直木賞に選ばれた当時、地下鉄南北線の車内広告で見た「愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々ばかりを、気がつくと今日も思っている」という本文からの引用が、今もこの物語のエッセンスを一番上手く抽出しているのではないでしょうか。

そして、再生が本書のメインテーマなら、「愛しぬけなかった離婚相手をその死後に初めて愛しぬくことができるか」という命題が再生に繋がる裏のテーマにある気がします。資本主義社会の不条理と後ろ髪引かれる離婚に少なからず心が囚われている人には特別感じ入るところがあるかも知れません。
風に舞いあがるビニールシート Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシートより
4163249206
No.61
(5pt)

著者の生涯最高の短編になると思います

米国の裕福な家庭で人肌のぬくもりを知らずに育ち、資本主義社会が生み出した闇(難民)への贖罪を背負いUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のフィールドワークに全てを捧げる男とのささやかな家庭を夢見破れた、勝ち組みだったはずのキャリア女性の、出会い、結婚生活、離婚、永遠の別れ、そして再生が深い奥行と絶妙な伏線を伴い描かれています。

本書収録の他の短編と少女の成長物語であった「アーモンド入りチョコレートのワルツ」と「永遠の出口」を2年前に読んだだけでの直感ですが、小説の奥行(男女が背負う業の描写、物語の持つ社会批判性、結婚・離婚・愛への洞察)を考えた時、これ以上の短編をこの著者は描き得ないと思います。

本書が第135回の直木賞に選ばれた当時、地下鉄南北線の車内広告で見た「愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々ばかりを、気がつくと今日も思っている」という本文からの引用が、今もこの物語のエッセンスを一番上手く抽出しているのではないでしょうか。

そして、再生が本書のメインテーマなら、「愛しぬけなかった離婚相手をその死後に初めて愛しぬくことができるか」という命題が再生に繋がる裏のテーマにある気がします。資本主義社会の不条理と後ろ髪引かれる離婚に少なからず心が囚われている人には特別感じ入るところがあるかも知れません。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)より
4167741032
No.60
(5pt)

ミステリーのような。

どの短編も、登場人物達が謎めいており、一息で読んでしまいました。特に好きなのは「器を探して」。主人公の印象が、最初と最後じゃ全然違って私にはちょっとしたホラーでした。「風に舞いあがるビニールシート」は主人公の心情に素直に添えて、最後の決断は予定調和に見えつつ納得できるものでした。ちなみに、風に舞いあがる青いビニールシートは、私には阪神大震災後の風景の一部です。予期せぬ不運と不幸と、弱者の象徴です。
風に舞いあがるビニールシート Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシートより
4163249206
No.59
(5pt)

ミステリーのような。

どの短編も、登場人物達が謎めいており、一息で読んでしまいました。特に好きなのは「器を探して」。主人公の印象が、最初と最後じゃ全然違って私にはちょっとしたホラーでした。「風に舞いあがるビニールシート」は主人公の心情に素直に添えて、最後の決断は予定調和に見えつつ納得できるものでした。ちなみに、風に舞いあがる青いビニールシートは、私には阪神大震災後の風景の一部です。予期せぬ不運と不幸と、弱者の象徴です。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)より
4167741032
No.58
(4pt)

日常の中で作られるストーリーが共感を呼ぶ

表題作は国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)に勤める外国人の夫と同僚の元妻の物語。夫は殉職的な死を遂げてしまうが、既に離婚している夫の死に対する妻の複雑な心境が見事に描かれており、読み手に共感を与える。
風に舞いあがるビニールシート Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシートより
4163249206
No.57
(4pt)

日常の中で作られるストーリーが共感を呼ぶ

表題作は国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)に勤める外国人の夫と同僚の元妻の物語。夫は殉職的な死を遂げてしまうが、既に離婚している夫の死に対する妻の複雑な心境が見事に描かれており、読み手に共感を与える。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)より
4167741032
No.56
(5pt)

瑞々しい感性で心の機微を描いた珠玉の短編集

どうしても譲れない心の拠り所が現実とは折り合わずに葛藤する。そのような心の機微、男女の綾を怜悧な観察力と豊かな表現力で描き、ハッとさせられることが多かった。
 表題作の「風に舞いあがるビニールシート」は中でも秀逸で、愛することの難しさ、せつなさが見事に描かれている。
 以前から著者の掲載小説を読んでいたが、この本で森絵都ファンになった。
風に舞いあがるビニールシート Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシートより
4163249206
No.55
(5pt)

瑞々しい感性で心の機微を描いた珠玉の短編集

どうしても譲れない心の拠り所が現実とは折り合わずに葛藤する。そのような心の機微、男女の綾を怜悧な観察力と豊かな表現力で描き、ハッとさせられることが多かった。
 表題作の「風に舞いあがるビニールシート」は中でも秀逸で、愛することの難しさ、せつなさが見事に描かれている。
 以前から著者の掲載小説を読んでいたが、この本で森絵都ファンになった。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)より
4167741032
No.54
(5pt)

優しい視線、すべて良かった!涙した!

仕事へのこだわり、葛藤のなか、
こわばったものがほぐれていく様子が
優しい視線で描かれている。

仕事に迷いがある人、仕事に追われる人、
がむしゃらに仕事をする人、、、
あらゆる仕事をする人におすすめしたい。

「東京タワー  オカンとボクと、時々、オトン」
で泣けなかったわたしが
通勤電車の中で泣いた。温かく気持ちのいい涙。
「ジェネレーションX」「風に舞い上がるビニールシート」
が特に好き。
風に舞いあがるビニールシート Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシートより
4163249206
No.53
(5pt)

優しい視線、すべて良かった!涙した!

仕事へのこだわり、葛藤のなか、
こわばったものがほぐれていく様子が
優しい視線で描かれている。

仕事に迷いがある人、仕事に追われる人、
がむしゃらに仕事をする人、、、
あらゆる仕事をする人におすすめしたい。

「東京タワー  オカンとボクと、時々、オトン」
で泣けなかったわたしが
通勤電車の中で泣いた。温かく気持ちのいい涙。
「ジェネレーションX」「風に舞い上がるビニールシート」
が特に好き。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)より
4167741032
No.52
(4pt)

いかにもありがちな展開ながらリアリティはしっかり

読んでからだいぶたっているが、なんかよかったのは「ジェネレーションX」。まっすぐで硬い上からのモラルではなく、心の内から沸き起こってくる共感をもとにしたコミュニティーの可能性を感じさせる。
風に舞いあがるビニールシート Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシートより
4163249206
No.51
(4pt)

いかにもありがちな展開ながらリアリティはしっかり

読んでからだいぶたっているが、なんかよかったのは「ジェネレーションX」。まっすぐで硬い上からのモラルではなく、心の内から沸き起こってくる共感をもとにしたコミュニティーの可能性を感じさせる。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)より
4167741032
No.50
(3pt)

予定調和の印象がぬぐえない短編集

6つの短編を収めた一冊で、表題作は昨2006年の第135回直木賞受賞作品。

 同じ著者の「いつかパラソルの下で」(角川書店)では、“人生を誰かのせいにしたりはしない”前向きな主人公の姿勢に感銘を受けながら読んだものです。本書に収められた作品群でも、主たる登場人物たちは自らの巡り合わせの悪さの責めを他人に負わせるような愚は犯しません。その一歩手前で踏みとどまろうとしている様子が見て取れます。そこに彫りこまれた著者の人生哲学には好ましいものを感じました。

 しかし、不満も残ります。どれも物語の辿り着く先が、お話の中途でおおよそ予想がついてしまうのです。

 「犬の散歩」は、子供が出来ないために舅の覚えがめでたくない主婦の物語。この義父と義娘の関係の収束は望めるのか?

 表題作の主人公の元夫は、UNHCR職員で、仕事の途中で客死しています。彼は職場の同僚でもある妻にかつて、難民の国で実地に仕事してみることを盛んに勧めていたのに、彼女はそれを頑なに拒んでいました。最後に彼女が選んだ道は?

 と書くと、大抵の読者には容易に予想がつくのではないでしょうか。

 実際のところ、ぐずぐずする姿勢をほんのいっとき垣間見せる主人公たちが、後段では必ず、ぎこちなくはあるものの、確かで新たな一歩を踏み出すことになります。しかしそんな道程にさほどの障碍ややりきれないほどの逡巡は存外見られません。それはおそらく、どれもが短編であるがために、割くことが許された紙幅が圧倒的に足りなかったからでしょう。

 起伏がない淡白な展開のまま、予定調和に向けてまっしぐら。そんな印象の強いお話に仕上がってしまっているように思えてなりません。

 著者・森絵都の紡ぐ日本語の確かさは前作同様変わることなく、私の大いに好むところです。ぜひ、次回は読者を大きく振り回すような想定外の出来事を盛り込んだ、長編小説を期待してやみません。
風に舞いあがるビニールシート Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシートより
4163249206
No.49
(3pt)

予定調和の印象がぬぐえない短編集

6つの短編を収めた一冊で、表題作は昨2006年の第135回直木賞受賞作品。

 同じ著者の「いつかパラソルの下で」(角川書店)では、“人生を誰かのせいにしたりはしない”前向きな主人公の姿勢に感銘を受けながら読んだものです。本書に収められた作品群でも、主たる登場人物たちは自らの巡り合わせの悪さの責めを他人に負わせるような愚は犯しません。その一歩手前で踏みとどまろうとしている様子が見て取れます。そこに彫りこまれた著者の人生哲学には好ましいものを感じました。

 しかし、不満も残ります。どれも物語の辿り着く先が、お話の中途でおおよそ予想がついてしまうのです。

 「犬の散歩」は、子供が出来ないために舅の覚えがめでたくない主婦の物語。この義父と義娘の関係の収束は望めるのか?

 表題作の主人公の元夫は、UNHCR職員で、仕事の途中で客死しています。彼は職場の同僚でもある妻にかつて、難民の国で実地に仕事してみることを盛んに勧めていたのに、彼女はそれを頑なに拒んでいました。最後に彼女が選んだ道は?

 と書くと、大抵の読者には容易に予想がつくのではないでしょうか。

 実際のところ、ぐずぐずする姿勢をほんのいっとき垣間見せる主人公たちが、後段では必ず、ぎこちなくはあるものの、確かで新たな一歩を踏み出すことになります。しかしそんな道程にさほどの障碍ややりきれないほどの逡巡は存外見られません。それはおそらく、どれもが短編であるがために、割くことが許された紙幅が圧倒的に足りなかったからでしょう。

 起伏がない淡白な展開のまま、予定調和に向けてまっしぐら。そんな印象の強いお話に仕上がってしまっているように思えてなりません。

 著者・森絵都の紡ぐ日本語の確かさは前作同様変わることなく、私の大いに好むところです。ぜひ、次回は読者を大きく振り回すような想定外の出来事を盛り込んだ、長編小説を期待してやみません。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)より
4167741032
No.48
(5pt)

前向き宣言!

とにかく、終始明るく先を見据えている主人公たちに、共感の気持ちで一杯です。

6編の主人公のすべてに共通しているのが、
”楽しく生きているからこそ、頑張れるんだ”
という、強い意志です。
そしてそれが押しつけがましくなく、語られます。
主人公の性別、立場はすべて違うのですがどれもプラス思考で描かれていて、
読んでいて、五月晴れのような晴れやかな気持ちになります。

「生きてるといろんな事があるけど、
それも悪くないよね!」、っていいたくなります。
元気になりたい人に読んで欲しい本です。
風に舞いあがるビニールシート Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシートより
4163249206
No.47
(5pt)

前向き宣言!

とにかく、終始明るく先を見据えている主人公たちに、共感の気持ちで一杯です。

6編の主人公のすべてに共通しているのが、
”楽しく生きているからこそ、頑張れるんだ”
という、強い意志です。
そしてそれが押しつけがましくなく、語られます。
主人公の性別、立場はすべて違うのですがどれもプラス思考で描かれていて、
読んでいて、五月晴れのような晴れやかな気持ちになります。

「生きてるといろんな事があるけど、
それも悪くないよね!」、っていいたくなります。
元気になりたい人に読んで欲しい本です。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)より
4167741032
No.46
(4pt)

作品を追うごとに見られる、作者の成長

『器を探して』 『犬の散歩』 『守護神』 『鐘の音』 『ジェネレーションX』 『風に舞いあがるビニールシート』という、6つの短編からなる。その内容は、バラエティに富んでいる。最初の2編『器を探して』 『犬の散歩』からは、細やかな筆致と心理描写の巧みさが窺える。ただ、少し爽やかすぎる嫌いはあるる。続く『守護神』になると、少し印象が変わる。内容的にそれほど面白いとは思わないが、話の構成が興味深い。そして『鐘の音』 『ジェネレーションX』。この2つが素晴らしい。前者は仏具修復師、後者は出版社員が主人公。それぞれの業界の事情を踏まえつつ、そこで働く男の思いがひしひしと伝わってくる。プロットが秀逸だ。そして最後に表題作の『風に舞いあがるビニールシート』。6つの作品の集大成ともいうべき内容で、読み応えがある。本を通じて作家の成長が見られる短編集だ。

それぞれの作品で描かれているのは、「大切なもの」のために懸命に生きる人たち。それを守るために何かを犠牲にしなくてはいけなかったり、辛い思いをする時がある。その価値は誰にも理解されるとは限らず、バカにされたり疎まれることだってある。しかし「大切なもの」があるからこそ人は強くなれたり、幸せを感じられる。勝ち組・負け組といった言葉をはじめ、人を判断する物差しがたくさんある世の中。しかし、その人にしかわからないことも、確かに存在するのだ。自分にとって、譲れないものは何だろう…そんなことを、読後に考えさせられた。
風に舞いあがるビニールシート Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシートより
4163249206
No.45
(4pt)

作品を追うごとに見られる、作者の成長

『器を探して』 『犬の散歩』 『守護神』 『鐘の音』 『ジェネレーションX』 『風に舞いあがるビニールシート』という、6つの短編からなる。その内容は、バラエティに富んでいる。最初の2編『器を探して』 『犬の散歩』からは、細やかな筆致と心理描写の巧みさが窺える。ただ、少し爽やかすぎる嫌いはあるる。続く『守護神』になると、少し印象が変わる。内容的にそれほど面白いとは思わないが、話の構成が興味深い。そして『鐘の音』 『ジェネレーションX』。この2つが素晴らしい。前者は仏具修復師、後者は出版社員が主人公。それぞれの業界の事情を踏まえつつ、そこで働く男の思いがひしひしと伝わってくる。プロットが秀逸だ。そして最後に表題作の『風に舞いあがるビニールシート』。6つの作品の集大成ともいうべき内容で、読み応えがある。本を通じて作家の成長が見られる短編集だ。

それぞれの作品で描かれているのは、「大切なもの」のために懸命に生きる人たち。それを守るために何かを犠牲にしなくてはいけなかったり、辛い思いをする時がある。その価値は誰にも理解されるとは限らず、バカにされたり疎まれることだってある。しかし「大切なもの」があるからこそ人は強くなれたり、幸せを感じられる。勝ち組・負け組といった言葉をはじめ、人を判断する物差しがたくさんある世の中。しかし、その人にしかわからないことも、確かに存在するのだ。自分にとって、譲れないものは何だろう…そんなことを、読後に考えさせられた。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)より
4167741032