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ロコモーション
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ロコモーションの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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「余韻」が読破時間より長く続く小説。読後数日たっているのに、正直未だに整理がつきませんが……。 自分でも気付かないほど微妙だけど、ずっと澱となってたまっていく心の動きが、朝倉さん特有の適度に乾いた文体とリズムで描かれています。 これがピンポイントに私の心を突いてきました。 例えば、幼児の頃家に訪れた外国人宣教師の真似をして意味もなく罪悪感を感じる場面、こんなあだ名で呼ばれたら嬉しいと、心の中で微笑む場面。……まだたくさんそういう場面があるので、二つぐらい例を挙げても赦されるでしょう(笑)。 小説と同じ場面を経験したわけではないですが、主人公のこの心の動きは、あの時の私だ、知っているこの感じ!と、私は思わず本から顔を上げて、しばし呆然としてしまいました。 少なくとも、私はそうでした。 主人公の微妙な心の揺れが少しずつ積み重なっていき、それに呼応しながらストーリーは変化する。その塩梅が絶妙。優れたサスペンス、心理劇を見ているようです。 そして後半、主人公は全く予想もしない方向に進んでゆく。すごい。 他人の人生と心の内をのぞき見たような緊張感と興奮がありました。 だけど、作品自体くどくどしていないし、重苦しくもない。なんなんだろう、この洒落っ気と哀しさの同居の妙は。 「田村はまだか」とはテイストが違いますが、個人的にはこっち「ロコモーション」が好きかな。粘土を握りしめて握りしめて、さらに握りしめた上で、にゅるっと「それでも生きていきまっしょい」という肯定的なテーマが見えてくる。そんな感じがたまらない。 | ||||
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