(短編集)
玩具の言い分
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「半笑いで困惑される時代を経て、気の毒そうに見守られる」 半笑いの方も、見守られる方も、とっくにすぎちゃった。としみじみし、 「生まれ育った商店街、恋愛までまかなう気はまったくなかった」に頷き、 「しかし、外でロマンスを拾える気もしなかった」に最大級に同意した 「いい寄ってきた彼らでないことは確かだ」うん。そこまでは分かるんだよねー、と共感し 「四十歳だ。出産、を考えたら、猶予などないのである」に 猶予どころか、既に手遅れに近い、と突っ込んだ 楽しく読みました | ||||
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短篇のタイトルが「グラン・トゥーリズモ」「誦文日和」「寄り目インコズ」「小包どろぼう」「孑'踊」「努力型サロン」と二文字尻取りになってたりして…… 「グラン・トゥーリズモ」とは現在三十八歳の相葉万佐子が高校同窓生だった斉野政近と足繁く通った小さな町の高台に建つラブホテルの名前。そして今わたしはこんな女になっていた。自分に駄目出し。反省一杯。でもまあ、いいんじゃないのか、それで…… 「誦文(ずもん)日和」は一人称始まり、ラスト三人称の変わった構成の物語。同じ商店街で生まれ育ったわたしと晴子はたぶん友だち。子供の頃には良く遊んだ。晴子は人を惹きつける。わたしは晴子のデートを取り持ち、好きな相手を奪われる。何故ならわたしは真面目で礼儀正しい不器量な子で、晴子が男出入の激しい不良娘だったからだ。現在わたしと晴子は三十二歳。だけど晴子が今でも本当に好きなのは頭は良いがわたし同様不器量な一児の父になったばかりのわたしの兄であることに、わたしはまったく気づかない。 視点が変わってくるりと見事に物語の意味が反転する、これぞ浅倉マジックの醍醐味か? 「寄り目インコズ」は、ミドリ、あずりん、ペコちゃん、クーの呼び名を持つ高校時代からの仲良し四人組のお話だ。現在全員三十五歳。ミドリは男知らずの独身者、あずりんは高校デキ婚の長期既婚者、ペコちゃんは今もモテモテふっくりの独身者、クーは晩婚だが既婚者だ。クーの新居が四人のサロンになっていた。さてさてミドリがついに女になって、その相手が滅相うらぶれていて…… ああ、イタイ! 「小包どろぼう」とは誰かが受け取るはずだった小包(結婚相手または女らしさのホルモン)を掻っ攫ってしまう人のこと。例えば母の姉で結婚暦なし独身のきみちゃんに届くはずだった小包を奪ったのは三人姉妹の真ん中の母だ。そして茂美はきみちゃんそっくり。きみちゃん二号と呼ばれている。命名したのもきみちゃん本人。茂美は現在四十三歳。きみちゃんと同じ道を辿っている。そんなきみちゃんが肺炎で入院して父母が見舞いで家を留守にしたその日は父の知り合いの幸せ家族が泊まりに来る予定になっていた。が、実際に現れたのは? 結局、泥棒なんていなかったんじゃない? 「孑'(ボウフラ)踊」に登場するのは活躍の場が地方にしかないエッセイストの中川ちさ子(本名さち子)。以前エッセイを掲載した全国紙の支局長鵜沢芳之と大人の関係になっていた。鵜沢芳之は四十八歳。さち子より九歳年上だ。妻とは以前に離婚していた。あたしは、なにも手に入れていない。あたしは、なにもやり遂げていない。今回目指すのは支局長夫人の座なのであった。もうすぐ鵜沢芳之は東京に戻る。ここでアピールをしなくては…… けれども無理がたたって、さち子は風邪でダウン。代わりに母におさんどんを頼んで彼のマンションに向かわせたが…… 無理しないで行きまっしょい! 「努力型サロン」は全員が四十三歳になった「寄り目インコズ」の後日譚。主演はクーで夫は月に十日は海外出張の有閑マダムだ。でもクーに不満はない。一時期は不妊治療に精を出した今年で結婚八年目。おそらく子どものいない夫婦になる。好きで好きで堪らなかった高校時代の彼のことを思い出す。旅館でであった若い女中さんは好きな人とは別れたというがそのお腹には子供がいて…… 切ない痛さを痛快に抉って辛いけれども最後に希望が…… | ||||
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6編の短編集のタイトルが「しりとり」で繋がっています。 個人的には登場人物にさほど感情移入はできなかったのですが、 作者の描写のうまさや、遊び心に惹かれました。 独身女性にはとくにシビアに感じてしまうかも。 読み終わった後にほろ苦さを感じる一冊です。 | ||||
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孤独な中年女性の日常と、性に対する欲求を描いた短編集。個人的には、小包どろぼうが楽しめた。あらかじめどの女性にも小包という女性らしさのホルモンが用意されていて、それが届く時期も決まっていると思っているのだが、自分の分がないのは納得できず、男や恋愛、結婚、出産をした女たちはみんな小包どろぼうと考えてしまう。どの作品も女性の寂しさ、嫉妬、性への欲求がリアルに表現されていたが、全体的に物足りなかった。 | ||||
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