(短編集)
夏目家順路
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七十四歳で生涯を閉じた元ブリキ職人の夏目清重の死を悼む多くの人々の人生模様を描く朝倉かすみさんの心に沁みる家族小説の感動作です。昭和十年の元日に生まれた清重さんは確かに不器用で聡明ではありませんでしたね。ルールをよくは知らない草野球チームの監督で「テンマリ叩け」と言われたら皆笑っちゃいますよね。叶わなかったけど問題児のトッチが大人になり立派になった姿を見せてあげたかったな。元妻かず子は知的な男に惚れて離婚せざるを得なかったのが誠に不運でした。葬儀の場で多くの人が自然に涙を流す愛すべき素直な良い人でしたね。 | ||||
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母の勧めで読んだ作品。故人的に「悪女について」のような「周囲の人間に語らせてひとりの人物像を浮かび上がらせる手法」が好きなせいもあると思いますが、故人の人格と故人を思う人の人格が重なりあって、じわじわあぶり出される感じはけっこうよかった。人は知らないうちに人に影響を与え、与えられ、誰かの長所が誰かの短所になり、そのまた逆もあり。そういう不確かさと、どんなに強い感情も時とともに薄れていくが、オリのようなものは残る。という確かさみたいなのを感じて、ズシリとくるものがありました。でも、外の男に走る女の人が、ただの好色に見えてしまったのは残念だったかな。理屈ではないというのはわかるんですが。 レビューを開いたら意外に低評価で、他の作品はもっと面白いのか〜と今から楽しみです。 | ||||
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作者が体験した葬式の段取りを元に一本小説をでっち上げたと言う印象。もっとも小説部分は悪くない。が、最高でもない。両親と早くに別れた隠居ブリキ屋の主人公と、それを取り巻く人間関係が、ワザモノ朝倉にしては幾分普通っぽく描かれている。浮気され、離婚した妻、娘(姉)と息子(弟)、とその連れ合い、若い頃にかかわった近所の高校生、引退してから関わったスナックのママたちや、息子とほぼ同年代のシステムエンジニアからの視点と構成は重層的だ。 妻と娘の重ね合わせ方などは井上荒野風かもしれない。 珍しくないかもしれないが、特殊な女の情感と、男の死を利用したずるさの表現は吉田修一風かもしれない。 まとめれば、朝倉らしさが低く感じれたということか? それとも、こちらが慣れてきただけなのか? | ||||
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「夏目清茂は、めでたい男だ。」で始まるこの小説は、夏目清茂と家族やとりまく周囲の人の物語だ。 姪にあたる香奈恵が、「冠婚葬祭の『葬』の場面で自分がなにもしてこなかったとありきたりの感慨を抱きやすいからむずかしい」と考えていて、これは私も痛感。 総じて登場人物の男たちは昔を懐かしみ、女たちは今をねっとり生きている。 孫娘の詩織が思う「わたしも死ぬまで毎日生きる」というのが、本当にそのとおりで納得。 | ||||
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夏目清茂が、脳梗塞で突然他界した。彼をよく知る人たち、そして彼の家族が葬儀のため集まって くる。さまざまな人から見た清茂の人間像とは?一人の人間の生きざまを、多角的にとらえた作品。 物語は清茂が自分の過去を回想するところから始まる。そして清茂の死。集まってきた人たちは、 清茂と過ごした日々をふり返る。あるひとつのできごとも、人それぞれ受け取り方が微妙に違う。 そして、清茂の人物像も、いろいろな人たちがさまざまな角度からとらえている。読んでいくと、 だんだんと清茂の立体像が浮かび上がってくる。そんな感じだった。この作品を読んでいると、 「自分の生き方について、いったい家族はどんなふうに思っているのか?」と気になってしまう。 「どんなに深くつき合っているつもりでも、その人間の本質に迫ることはできない。」そういう思いも 強く感じる。だが、人は器用には生きられない。自分の思った道を進むしかないのだ。自分が老いて 自分の人生をふり返ったとき何を思うか?そして、まわりの人たちはどう思うのか?そこに現れる 自分の人間像は?知りたくもあり、知りたくもなし・・・。読んでいて、さまざまな思いがあふれて くる作品だった。 | ||||
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