この世の春

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評判

この世の春の評価:

3.83/5点 レビュー 103件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.83pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全116件 61〜80 4/6ページ
No.56
(4pt)

陰惨な過去を癒やす優しさ

新聞で書評を見て以前から気になってはいたもののなかなか手に取る機会がなく漸く読破。上下巻だが時間を忘れて読んだ。重興が乱心と見なされた原因は悲しく凄惨な過去ゆえだったが、そのテーマにかかわらず読後感にある種の救いを見いだせるのは、重興を癒そうと尽力するヒロイン多紀や爺達登場人物がみな優しいからだろう。個人的には岡田将生さんが重興役なんかで映像化して欲しいなあと思う。
この世の春 下 Amazon書評・レビュー: この世の春 下より
4103750146
No.55
(4pt)

解決編

下巻は正に「解決編」だった(以下、ネタバレの中枢には言及していないけど、そこから波及する結果には言及しています)。

謎は大まかなところでは解けた。もっと、藩の中枢の政治的な歪みが、事件を起こしたのかと思っていたが、政治というよりも、やはり人の心の中の欲望、恨みなどが発動したのだ。相手が権力の中枢にいるだけに、慎重に慎重に行われ、その周辺の庶民に対しては、もっと簡単に殺されたり、隠微されたりしていたことが分かった。そういう意味では何時もの宮部みゆきなのだ。

しかし、謎は100%解かれたわけではない。「真の黒幕」(386p)は、未だ影さえ現してはいないように思える。しかし石野織部は「内訌が露わになれば、北見藩の存亡にも関わりかねぬ」とここで打ち切りを宣言する。若い政治家栗木も「獅子身中の虫を殺そうとして、獅子そのものを殺してしまう羽目」は避けるべきだと同意する。不満だが、下級武士に過ぎない半十郎も「堪忍します」と同意する。(387p)思うに、現代政治家に通じる「ずるい部分」である。宮部みゆきは、そのことにはあまり嫌悪を表さない。ただ、重興は出土村で新居を構えるだろう。その時、多紀を含めた新たな事件が、過去を蒸し返さないとは限らない。もちろん、それは新たな一編が必要になる。御霊繰の術は絶えてはいない。今回は医学的にはとても科学的に物語が進んだが、宮部みゆきの時代ものらしく、そこの謎も、総ては明らかにしていないのである。蓋し、エンタメの常道であろう。
2019年2月読了
この世の春 下 Amazon書評・レビュー: この世の春 下より
4103750146
No.54
(4pt)

上巻を読んで

宮部みゆきの最新刊。上巻は、どうやら導入部のようだ。ほとんどの「謎」は、解かれゆくのを待っている。新九郎(伊東成孝)の一族の村を根切りした理由、その首謀者。それに御霊繰はどう関わっているのか。重興の「症状」は、果たしてあの「病気」なのか、それとも他に理由があるのか。

そして、おそらくこの後現れてくる「謎」もあると、私は「踏んで」いる。表紙の2人の主人公(重興と多紀)の背後に、下野北見二万石、この藩特有という落雷する山々が描かれている。また、雷の火で出火し「おんど様の大火」で孤児になった女中「お鈴」の活躍は、まだ上巻では見られない。しかし、編集者が作ったと思われる人物相関図では、主要登場人物6人の中に入っているのだ。新九郎も、成興も、脇坂勝隆も入らず、なぜお鈴がフィーチャーされているのか?「雷」がキーワードになると思われるが、まだその雰囲気はない。16年前に連続神隠しに遭った子供たちの「謎」もまだ明らかにされていないが、それと関係あるのか?池から見つかったしゃれこうべはどう関わるのか?

総ては下巻である。ちょっと速く読みすぎた。「つづき」を手に取るのはもう少し後になる。

初出「週刊新潮」2015.8.13・20日号ー2017.3.30日号。

2019年1月読了
この世の春(上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: この世の春(上) (新潮文庫)より
4101369453
No.53
(4pt)

上巻を読んで

宮部みゆきの最新刊。上巻は、どうやら導入部のようだ。ほとんどの「謎」は、解かれゆくのを待っている。新九郎(伊東成孝)の一族の村を根切りした理由、その首謀者。それに御霊繰はどう関わっているのか。重興の「症状」は、果たしてあの「病気」なのか、それとも他に理由があるのか。

そして、おそらくこの後現れてくる「謎」もあると、私は「踏んで」いる。表紙の2人の主人公(重興と多紀)の背後に、下野北見二万石、この藩特有という落雷する山々が描かれている。また、雷の火で出火し「おんど様の大火」で孤児になった女中「お鈴」の活躍は、まだ上巻では見られない。しかし、編集者が作ったと思われる人物相関図では、主要登場人物6人の中に入っているのだ。新九郎も、成興も、脇坂勝隆も入らず、なぜお鈴がフィーチャーされているのか?「雷」がキーワードになると思われるが、まだその雰囲気はない。16年前に連続神隠しに遭った子供たちの「謎」もまだ明らかにされていないが、それと関係あるのか?池から見つかったしゃれこうべはどう関わるのか?

総ては下巻である。ちょっと速く読みすぎた。「つづき」を手に取るのはもう少し後になる。

初出「週刊新潮」2015.8.13・20日号ー2017.3.30日号。

2019年1月読了
この世の春 上 Amazon書評・レビュー: この世の春 上より
4103750138
No.52
(4pt)

エンタメ時代小説

解離性障害を時代物に持ち込むとこうなるのか、という面白さがあった。
それだけにとどまらず、時代物ならではのキャラクターとストーリー設定で、最後まで楽しめるエンタテインメント性の高い作品だった。
この世の春(上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: この世の春(上) (新潮文庫)より
4101369453
No.51
(4pt)

エンタメ時代小説

解離性障害を時代物に持ち込むとこうなるのか、という面白さがあった。
それだけにとどまらず、時代物ならではのキャラクターとストーリー設定で、最後まで楽しめるエンタテインメント性の高い作品だった。
この世の春 上 Amazon書評・レビュー: この世の春 上より
4103750138
No.50
(5pt)

気に入っています

宮部みゆきさんの作品は好きでよく読みますが、図書館を利用することがほとんどでした。でもこれは読んだ後どうしても手元に残したくて、購入しました。
この世の春(上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: この世の春(上) (新潮文庫)より
4101369453
No.49
(5pt)

気に入っています

宮部みゆきさんの作品は好きでよく読みますが、図書館を利用することがほとんどでした。でもこれは読んだ後どうしても手元に残したくて、購入しました。
この世の春 上 Amazon書評・レビュー: この世の春 上より
4103750138
No.48
(4pt)

装丁が残念

ストーリーはとても良かったです。ネタバレになるので書かないですが、宮部みゆきさんの時代小説の世界観がとても好きです。
ただ、今回の作品は、表紙や人物相関図のイラストに違和感。作家30周年のためか、若い読者にもなじみやすくするためかわかりませんが、宮部作品にこういう今風漫画タッチは合いません。もっと重厚感や風情のある絵柄にしてほしかった。
安っぽく感じられ、残念でした。
この世の春(上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: この世の春(上) (新潮文庫)より
4101369453
No.47
(4pt)

装丁が残念

ストーリーはとても良かったです。ネタバレになるので書かないですが、宮部みゆきさんの時代小説の世界観がとても好きです。
ただ、今回の作品は、表紙や人物相関図のイラストに違和感。作家30周年のためか、若い読者にもなじみやすくするためかわかりませんが、宮部作品にこういう今風漫画タッチは合いません。もっと重厚感や風情のある絵柄にしてほしかった。
安っぽく感じられ、残念でした。
この世の春 上 Amazon書評・レビュー: この世の春 上より
4103750138
No.46
(4pt)

内容は★5つ、帯と装丁が残念

謎をはらんで隠居を強いられる貴人、凛とした女性主人公、不運を背負いつつ健気に働く子どもなど、「荒神」や「孤宿の人」を思わせる要素が多々あり、宮部作品では馴染みのある世界が広がります。架空の藩の生活や藩政が見事に描き出されて物語に入り込みやすく、謎がどう解かれるのか早く先が知りたいと上下巻を3日で読み切りました。六代を取り巻く人々の誠実さ、真摯な思いに胸を打たれます。
ただ、少女マンガ風の装丁とイラストは興ざめでした。また、他のレビューにもあるように、帯の文は何を言いたいかわかりません。ヒーローとかリベンジとか、時代小説の帯に無理なカタカナは浮いています。内容は★5つですが内容以外のところで-1です。文庫化で装丁と帯が変わるといいなあ。
この世の春 下 Amazon書評・レビュー: この世の春 下より
4103750146
No.45
(4pt)

上巻を読んだ時点での感想~風変わりな「お家騒動」を背景に、数奇な"人の縁"を描いた秀作

上巻を読んだ時点での感想。「乱心」ではなく「多重人格」となってしまったために「押込」された小藩(現在の栃木県の一部)の先代藩主(重興)に纏わる物語。幽閉された重興の世話係となった(流刑中の鳥居耀蔵を扱った「孤宿の人」を想起させる)、元作事方の娘で男勝りの多紀という名の若い美貌の女性をヒロインとしている。この多紀は「御霊繰」と呼ばれる、この地方特有の死霊と交霊出来る能力を持つ一族の末裔。ところが、16年前、名君の誉れ高い先々代藩主(成興)の御世に何物かがこの一族を抹殺し、その"秘密"を知った重興が成興を弑逆し(勿論、この事実は藩上層部以外には秘匿された)、当初はそれが重興が「多重人格」となったキッカケと思われた。

しかし、重興の「多重人格」の症状が幼少の頃からの事である旨が元江戸家老から告げられ、上述の事由だけでは説明出来ない上に、藩主になってから症状が益々酷くなる程の"秘密"とは一体何なのか? また、10年前程から、藩内では4人の子供が断続的に"神隠し"に合っている事が後に判明し、しかも、子供たちは作事の使役を担っていたらしい。「多重人格」、"神隠し"及び作事業務間の関係の有無は如何に? というのが基本線。

これだけだと、何だか伝奇ホラー風の時代ミステリの様だが、作者の意匠はチョット違うと思う。登場人物が多過ぎる上に、その関係が複雑なために一言では書けないが、多紀を中心とした数奇な"人の縁"を描きたかったのだと思った。多紀に纏わる恋物語の趣きさえある。小藩の風景・気候描写、数多の登場人物間の関係や各自の性格・心理描写が非常に丹念で、仮にミステリ的趣向がなかったとしても、一級の時代小説に仕上がっていると思う。下巻が楽しみである。
この世の春(上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: この世の春(上) (新潮文庫)より
4101369453
No.44
(4pt)

上巻を読んだ時点での感想~風変わりな「お家騒動」を背景に、数奇な"人の縁"を描いた秀作

上巻を読んだ時点での感想。「乱心」ではなく「多重人格」となってしまったために「押込」された小藩(現在の栃木県の一部)の先代藩主(重興)に纏わる物語。幽閉された重興の世話係となった(流刑中の鳥居耀蔵を扱った「孤宿の人」を想起させる)、元作事方の娘で男勝りの多紀という名の若い美貌の女性をヒロインとしている。この多紀は「御霊繰」と呼ばれる、この地方特有の死霊と交霊出来る能力を持つ一族の末裔。ところが、16年前、名君の誉れ高い先々代藩主(成興)の御世に何物かがこの一族を抹殺し、その"秘密"を知った重興が成興を弑逆し(勿論、この事実は藩上層部以外には秘匿された)、当初はそれが重興が「多重人格」となったキッカケと思われた。

しかし、重興の「多重人格」の症状が幼少の頃からの事である旨が元江戸家老から告げられ、上述の事由だけでは説明出来ない上に、藩主になってから症状が益々酷くなる程の"秘密"とは一体何なのか? また、10年前程から、藩内では4人の子供が断続的に"神隠し"に合っている事が後に判明し、しかも、子供たちは作事の使役を担っていたらしい。「多重人格」、"神隠し"及び作事業務間の関係の有無は如何に? というのが基本線。

これだけだと、何だか伝奇ホラー風の時代ミステリの様だが、作者の意匠はチョット違うと思う。登場人物が多過ぎる上に、その関係が複雑なために一言では書けないが、多紀を中心とした数奇な"人の縁"を描きたかったのだと思った。多紀に纏わる恋物語の趣きさえある。小藩の風景・気候描写、数多の登場人物間の関係や各自の性格・心理描写が非常に丹念で、仮にミステリ的趣向がなかったとしても、一級の時代小説に仕上がっていると思う。下巻が楽しみである。
この世の春 上 Amazon書評・レビュー: この世の春 上より
4103750138
No.43
(4pt)

ミステリーというよりホラーかも

上下巻通して読みました。「宮部さんといえばミステリー」と思っているので、ミステリーだと思って読んでしまいましたが、読み終わってみると、時代もの(歴史ファンタジー的)を背景に描かれたホラーだったのかもと思いました。結構何でもありの自由な小説なので、それがダメと思ってしまうと楽しめないかもしれないです。怪奇と人情(愛すべきキャラクターも多い)の小説かな。そういう意味では楽しめました。ミステリーとしてみれば、ひねりが無いので若干物足りなさも感じましたが、ホラーだと思ってみると十分な筋立てで、ちゃんと成り立っている小説だと思います。ただ、2回は読まないな。楽しんでお仕舞い。ホラーなら、自分にはそれで充分です。
この世の春(上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: この世の春(上) (新潮文庫)より
4101369453
No.42
(4pt)

ミステリーというよりホラーかも

上下巻通して読みました。「宮部さんといえばミステリー」と思っているので、ミステリーだと思って読んでしまいましたが、読み終わってみると、時代もの(歴史ファンタジー的)を背景に描かれたホラーだったのかもと思いました。結構何でもありの自由な小説なので、それがダメと思ってしまうと楽しめないかもしれないです。怪奇と人情(愛すべきキャラクターも多い)の小説かな。そういう意味では楽しめました。ミステリーとしてみれば、ひねりが無いので若干物足りなさも感じましたが、ホラーだと思ってみると十分な筋立てで、ちゃんと成り立っている小説だと思います。ただ、2回は読まないな。楽しんでお仕舞い。ホラーなら、自分にはそれで充分です。
この世の春 上 Amazon書評・レビュー: この世の春 上より
4103750138
No.41
(4pt)

期待通り

宮部さんの時代物は期待を裏切りません。
主人公以外の登場人物も丁寧に描かれており映画をみている様です。
この世の春(上) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: この世の春(上) (新潮文庫)より
4101369453
No.40
(4pt)

期待通り

宮部さんの時代物は期待を裏切りません。
主人公以外の登場人物も丁寧に描かれており映画をみている様です。
この世の春 上 Amazon書評・レビュー: この世の春 上より
4103750138
No.39
(4pt)

恐怖は残る

黒幕は目的を成し遂げたようだが、
旧藩主が目立った存在になれば、
攻撃を再開するであろう。
という恐怖をもっと強調してもよかった様な。
この世の春 下 Amazon書評・レビュー: この世の春 下より
4103750146
No.38
(5pt)

<こころに巣くう闇>を解き、癒す「寄り添い人」:この世の春(=^・^=)

凄惨なドラマだった。重興が「蘇ってくる過去を吐き出し、見つめ直し、検分」するという「まるで己の臓物を取り出して裏返すような苦しみ」を経、<原罪>を背負って新しい伴侶と再び第二の生を歩き出す、という結末に至るまで、彼に思いを寄せる登場人物たちの暖かいまなざしと行為が、残酷な描写を忌憚なく交えながら、丁寧に書かれています。決して読みやすい本ではありませんでした。重興本人が告発した<こころに巣くう闇>を多くの人の手を借りて解き明かし、自ら癒し、また周りの人をも守っていくという過程は、人が人として自立していく姿に重なり合って見えました。<はかなくて過ぎにし花の森を経て白滝の音の懐かしきかな>
 人が人に寄り添うということの力を、あらためて知り深く感動しました。お勧めします(=^・^=)
この世の春 下 Amazon書評・レビュー: この世の春 下より
4103750146
No.37
(4pt)

スピリチュアル好きな自分に重ねて

上巻でぎゅーっと謎の奈落に押し込まれたのを、淀みなく逆回転しながら解放する下巻。「どうだったことにするのかな」➡️「そう来たかー」という感じで一気に読みました。

ただのおどろおどろしい話にせず、心を病んでしまった人にこんなふうに接することができたらいいのかな?という描き方は、心優しい宮部さんならではの味わい。エンディングはやや蛇足な感もありましたが、スピリチュアル自己啓発本好きな自分が何に心を奪われているか、そしてその結果どんな現実が生み出されているのか、考えなおそうと思いました。
この世の春 下 Amazon書評・レビュー: この世の春 下より
4103750146