大下宇陀児 楠田匡介: ミステリー・レガシー
評判
大下宇陀児 楠田匡介: ミステリー・レガシーの評価:
4.00/5点 レビュー 3件。 - ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1〜2 1/1ページ
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
大下宇陀児 楠田匡介: ミステリー・レガシーの評価:
4.00/5点 レビュー 3件。 - ランク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
次に、大下宇陀児の1958年作「自殺を買った男」。「週刊大衆」に連載された全20章に分れた読みやすい探偵小説だ。単行本刊行とほぼ同時に映画化されているので、あらかじめ映画化を想定したものだったのだろう。しかし、だからと言って、本作が映画向きのセンセーショナルなものだったり、ストーリーがシンプルだったりということはない。むしろ、最初は退屈なくらいだ。第6章に当る「自殺の値段」に至るまでは、もちろん重要な布石があるとはいえ、ヤクザな主人公の厭世観にちっともシンパシーをもてないので、まるで戦後の中間小説を読まされているような感じなのだ。ところが、この奇妙なタイトルの由来がだんだんわかってくる辺りから次々と謎が仕掛けられ、その謎が謎を呼び…という探偵小説の醍醐味が転がりだす。大下宇陀児は「ロマンチック・リアリズム」を提唱した人でもあり、本作でも極日常的な地平から探偵小説的ロマンへと飛翔させる手際は実に周到である。それから、これは著者の意図的な方法であるが、探偵小説といえども、名探偵は登場させない。また警察小説とも違う。だから、素人たちが知恵を絞って犯人を探りあてていくのだ。ご都合主義が皆無とも言えないが、われわれ読者を納得させるだけのリアリズムは発揮されていると思う。物語は主人公の一人称で語られていくが、このヤクザな男が実に甲斐甲斐しい恋人に助けられながら成長していくビルドゥングスロマーンとなっているのも本作にさらなる魅力を与えている。以上のように、趣の異なる作風が一冊で楽しめるという塩梅になっている。