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真昼の翳



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真昼の翳の評価: 3.67/5点 レビュー 3件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

アーサー・アブデル・シンプソンという男

この作品の面白さは、無国籍のペテン師アーサー・アブデル・シンプソンという男のキャラクターにつきます。
 彼は後年、「ダーティ・ストーリー」にも登場しますが、基本的な行動志向は同じで、コソコソとごきぶりのように陰の中を這い回りながら、窮地に陥ると鼠が猫に立ち向かうように捨て鉢な爆発力を見せるのです。亡き父親のへんてこな遺訓を持ち出したりするあたりも、滑稽で面白い。
 私はこの男が好きになり、両作とも読みました。
 作品自体はスパイ小説のように見せながら実は国際的盗掘団に引き込まれる冒険小説で、国際謀略の陰湿さがありません。そこも私の嗜好に合っていて、アンブラー作中一番読んでいて楽しかった記憶があります。へそ曲りを自負される方はぜひ一読を!
真昼の翳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 15-2)Amazon書評・レビュー:真昼の翳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 15-2)より
4150709025
No.1:
(4pt)

映画版とは視点が正反対の原作

J・ダッシン監督による1964年の映画『トプカピ』の原作である。
 映画の方は未見なのだが、粗筋を読む限り、大きな違いがある。映画では、ある連中の秘密計画を最初から明かしていて、ほぼその連中の視点から計画実行の顛末を描いていくストーリーになっているが、この原作では、その連中が何を計画しているのかは隠しておいて、その一味に接触することになった小悪党の視点から、謎解きミステリ的に話は進んでいくのである。
 この謎解き要素という点については、作者アンブラーは初期からこだわっているようで、シリアス・スパイものの傑作と評される『あるスパイへの墓碑銘』や『ディミトリオスの棺』等も古典的なミステリの構造を持っていた。ただし、全体的な印象はその2作とはかなり違う。映画版はたいていコメディに分類されているようだが、原作もまたこの作者には珍しく、かなりすっとぼけたユーモラスな味わいがあるのだ。
真昼の翳 (1963年) (世界ミステリシリーズ)Amazon書評・レビュー:真昼の翳 (1963年) (世界ミステリシリーズ)より
B000JAI878

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