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ただ、それだけでよかったんです
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ただ、それだけでよかったんですの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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買ったまま放置していたのをたまたま手に取りました。文才はある人なのだと思います。テンポ、リズムがそろっていて良い勢いが生まれていると思います。ただ、本当にそれだけです。内容は完全に同じことのくり返しで、一体どこが謎解きなのかさっぱり分かりませんし、言い回しもあまりに一辺倒ですし、キャラクターは意味が分からないぐらいコロコロ性格を変えますし、オチにいたっては、なんなんでしょう?適当に考えて取って付けたようにしか見えません。 作者の方にはもっとサービス精神というか、赤の他人にお金を出して本を買ってもらうということへのリスペクトを持ってほしいです。率直にこれほど独りよがりのひどい作品は読んだことがありません。尖りぶりにはまる人はいるみたいですが、ゲテモノ食いというか、長続きするタイプの人気ではないと思います。少なくとも次作を読みたいとは全く思いません。 文章は光るものを持っていますし、けして駄作ではないと思いますが、大賞はいくらなんでも過ぎた栄誉ではないかと思います。 | ||||
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レビューでハードル上がりすぎていたのもあるが、それにしても期待はずれ。文章が分かりづらい。登場人物にも誰一人として感情移入できないし、論理破綻している人しかいない。結末もほとんど想像通りでがっかり。 | ||||
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電撃大賞作品とのことで購入。 この本の感想を一言で言い表すなら 全体的に粗い作品だな という感じでしょうか。 おおまかなストーリーはとても面白かったです。 ミスリードからのどんでん返しなどが使用されており、著者の構成力の高さなどが伺えました。 ただ、それ以外の文章の稚拙さが... 何度読み返しても意味がわからないところが何箇所もありました。 また重要な接頭語、接尾語が抜けているため、何が言いたいのか分かりづらい部分もありました。 全体的に描写不足です。 確かに若者のニーズに合わせて、テンポを重視して書くことは良いことだと思います。 しかし、きちんと書かなければならないとこもトップスピードで進んでいくので、物足りなさが凄かったです。 構成力はかなりのものでしたが、文章がほんとに読みづらいものでした。 これから著者の2作目を読んでみようと思います。 ありがとうございました。 | ||||
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ラノベって時点でそれは仕方がないのだけど、矛盾しすぎ。 設定が適当…校長も主人公も殺された子の姉も、全員くだらない…何が書きたかったのか分からない。 言い分がむちゃくちゃ。 こんなんで現実社会通用しませんよ、と。 ただ中高生をターゲットにしているだけあってサラッと読みきれました。 読後の感想、なんだったんだこれは(笑)の一言だけ。 子供が書いたのかな?校長みたいな大人が居たら数分で論破できる自信しかない。 以上。 | ||||
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実はこうだった、という1文にかさ増しをして1冊にした印象。 ネタ自体はそこそこなんですが、展開や登場人物に魅力がないので、「ふーん」で終わりました。 | ||||
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リアルな題材にも関わらず設定や物語、登場人物の行動や感情にリアリティーがない。また表現力や語彙力があまりにも低く登場人物を描写しきれていない。主人公の惨めさが何度となく描写されていたが安っぽく、それならば『人間失格』のようにもっと徹底すべき。 | ||||
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ここ数年、電撃大賞の受賞作は出来が今一つで、買って読んでも途中で投げるか、「はあ」と溜め息ついて、本棚の奥の奥にねじ込んでいました。 今作はタイトルから見ても、いわゆるファンタジーではなく、現実社会を描いているのに期待がありました。この世の真実を語るには、現実社会でよりも、 ファンタジー世界で描く方がずっと楽だからです。きっと読みごたえのあるものだが理だろう。期待しました。 しかし、読了後の感想は「残念」の二文字でした。物語は主人公と、主人公が自殺に追い込んだらしい少年の姉の視線を交互に移動しながら進んでいきますが、ほとんどがいわゆる「後だしじゃんけん」的で、粋な伏線がありませんでした。「粋な」というのは、読んでから「ああ、なるほど!」と膝を打つような文章の妙技です。それがこの物語では少し未熟な感がしました。(意地悪に言えば、これは減点対象にはならなかったのでしょうかね?) (ここからネタばらしあり) あまりひねらず、もっとストレートに物語を描くべきだったと思います。学園を舞台にした推理物、としてはあまりにもお粗末でした。私は序盤で物語のキーマンである「ソーさん」の正体が大体掴めていて、ラストやっぱりそうでした、とがっかりしてしまいました。何よりも不可解だったのが「人間テスト」と呼ばれるもの。劇中で名前は何回も出ますが、そのもののシーンが描かれることが無いので、主人公達の行動、言葉からしか、この不可解な試験を想像するしかなかった。この物語の背骨として、この「人間テスト」はきちんと説明しておくべきだったと思います。それにこんなテストに対して、普通の子供達なら要領よくクラス全員結託して、主席と落ちこぼれを作らず、平均的などんぐりになろうと画策するだろうと思ってましたが、どうも今の現代っ子はそんな発想も出来ないようです。ここら辺でクラスの数人(主人公達)を除いた全員がみんなアホに思えて、読む気をぐっとなくしてしまいました。主人公は成績も悪く、体育も不得意で、何も取り絵が無い、なんか私の中学時代みたいな子ですが、こういう子なら、なおさら要領よくテストを潜り抜けることを考えませんか?主人公も、その盟友も、ヒロイン(らしい)子も、そしてもう一人の主人公であるお姉さんも、みんな拗けていて、結局物語の中で一番まともだったのは、このお姉さんの友人でした、ってオチも何か釈然としません。 学校の生徒全員がこの「人間テスト」に反感していて、どうにかこれを止めさせるという話にしたかったのなら、主人公一人にその役を背負わせるのでなく、味方も何人かいるべきでした。主人公を除いて、誰もこんなテストにストレスを感じない子供ばかりという図式の方がずっと不気味ですし、何より不自然です。それゆえに、主人公の小さな革命は、そのままマッチに点いた火のように、あっけなく消されてしまいます。敗北感を背負ったままで、あまりにも無残です。だから今、この本は私の部屋の本棚の、一番奥の奥にねじ込まれています。 こんな救いようのない暗い話は、大賞ではなく銀賞くらいが妥当だったのでは、と思うのですが? | ||||
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この作品が大賞だと知った時、「あれ?アスキーメディアワークス文庫ではないのか?」と思ったが、あらすじをよく読んでみれば得心がいった。 つまり端的に言って、期待したのだ。ここ三年くらいの電撃大賞作は首を傾げるぐらいのものばかりだったので、なおのこと期待してしまったのだ。 結論から言って、期待し過ぎた。 まずこの作品の根底にある『人間力テスト』なる代物、これが余りにも作り込みが甘い。客観的に考えて、よくこんな穴だらけのシステムを多感な時期たる中学生の学校に採用できたものだと思った。 大学が今までのセンター試験を廃止して人物評価なるものを重視する、という方針が出て記憶に新しいが、まさに人間力テストはそれを真似たようなものだろう。 多面的な評価、社会人として生きていく術を身につける、聞こえのいいお題目である。コミュニケーション能力を向上させれば社会でやっていける、何故なら社会がそういう人間を求めているから、というのが立案者たる校長の言である。 これ、冒頭での発言なのだが正直に言って虫酸が走った。 教え子の女の子が社交スキルに欠けたから就活に落ちまくって、それで鬱になって自殺した。 学力だけではやっていけない、詰め込み教育だけではコミュニケーション能力は育たない、それを分かっていながら卒業させて見殺しにする。故にそれを防ぐために人間力なんて曖昧なものを数値化して、序列化して、生徒間に公表こそしないものの本人には『自分がこの程度の価値しかない人間』だと思い込ませる。 問題の解決はおろか解消にすらなっていない、いやそもそもこの問題の解決自体が一個人の力でどうにかなるものではないし。というか校長、あなたのやり方は生徒の自殺を早めているようにしか思えないが。 だってあなたのそれは「お前なんてこの程度の人間なんだよ」と無慈悲に突きつけているだけなのだから。しかも大人サイドからの評価ではなく、同じ子供サイドからのそれなのだから尚更タチが悪い。これが大人からの評価であれば「けっ、先生が何か言ってやんの」で済む話なのだが。 と言ってもだ、もし作者が校長を吐き気を催す邪悪な悪役のつもりで描いたのなら、おめでとう。作者の目論見は成功した、何故なら私は長文を書く程に苛ついているから。 ともあれ、校長の話もそうだが、人間力テストと言うわりにはテストシーンは出てこない。というか基本的にこの物語は主人公にしろ自殺した生徒の姉にしろ、どちらの視点でも伝聞ばかりなのだ。今こういうことが起こっています、と伝えるためのシーンがあまりに少ない。だから実感を伴わない、それは人物表現にまで及んでいる。 自殺した生徒をことあるごとに天才だのなんの言っているが、ならばそれを読者に納得させるような言動を場面として見せてほしい。いくら学力が中学生離れしてるとか、弱小チームを全国まで導いたとか、そんな結果だけ書かれても説得力がない。 これはヒロインに関してもそうで、人間力上位になる所以が見えてこない。ただ可愛いければ投票されるものなのか?主人公に話しかけることができた?だがそれは日陰者に話しかける勇気であって、コミュニケーション能力と言えるのか?もっと主人公以外の人と話しているシーンを見せてほしかった。 このように浅い人物描写や設定の甘さが相まって、リアリティを感じない。だから突き放したような読み方をしてしまう。後半のネタばらしのために敢えて断片的なシーンばかりを描写したのだろうが、そのせいで誰が死のうが傷つこうがどうでもいいと思えてしまう。キャラのバックボーンを伝聞ではなく、ワンシーンとして掘り下げてくれればまだ愛着が持てたのだが。 あと、展開が唐突過ぎる。後半、真実が一気に開示されるのだが、それまでの地の文で重要な事実のヒントが一切書かれていないので予想しようがない。伏線なしでどう推理しろと、これ推理小説読み慣れてないとまず分からんだろ。 実はこうだった、本当はこうだった、ばかりである意味意外な真実の連続である。そして極めつけはラスト数十ページ、またもや真実が明かされるのだがもはや後出しジャンケンのようだ。なんというか、作者の読ませたいように読めれば楽しめるみたいな感じ。それ以外は「いやそれ流石に無理があるだろう」になる筈。 以上ここまで批判ばかりだったが、それでは何故評価を☆1ではなく、☆2にするのか。 それは思春期の、特に中学生に焦点を当てているからだ。これが高校生なら私は間違いなく評価を☆1にしていただろう。 他の方のレビューで、人間力テストなんてものを鵜呑みにしてその順位を上げるため、維持するために異常なまでに気を張ったり遣ったりする彼彼女らの心理が理解し難いという意見があった。 そう、確かにそうなのだ。だが、それは大人や高校生ひいては青春を諦めているような、そんな冷めた視点で世界を見ている主人公だからこそ分かることなのだ。まあだからこそ、主人公は革命実行に踏み切れたのだろうが。 よく、子供にとって親は神様同然だと言われる。そんなこと少し考えればすぐ違うと分かる、いや見える筈なのだ。だが分からない、何故なら視野狭窄に陥っているから。 中学生ぐらいの思春期の子供にとっての世界とは、家と学校の二つしかないのだ。だから友好関係に異常に気を配るし、親に認められたくて、友達に必要とされたくて過剰に努力したり、空回りしてしまったり、墓穴を掘ったりする。 中学生にとって学校とは呉越同舟の監獄であり、あまつさえ虐めなんてものがあれば教室は地獄と化す。いや、人によっては高校すら似たようなものに感じてしまうだろう。 確かに、順位が高かろうが低かろうが大した意味はないのだ。ご褒美が貰えるわけでもなければ、ペナルティを食らうわけでもないのだから。 だが、それでも、たとえ自分の順位が他人にバレなくても、順位というただの数字には他人の気持ちがまとわりついているのだ。 こいつは私より上、あいつは俺より下、選民思想や功利主義が順位となって示される。学校ひいてはクラスとは一つの共同体だ、もし自分の順位が低かったらその中で排斥される、ひどければ『いないもの』として扱われるのだ。これではもはや承認欲求や所属欲求をズタボロに引き裂かれるようなもので、目には見えない心から夥しい量の血が溢れることだろう。 昨今、ネットやSNSで代替的にその二つの欲求を満たすこともできるだろう。だがそれはあくまでネットを介してであって、知り合った相手が同じ学校でもない限り毎日は会えないのだ。そうなれば、毎日顔を合わせるのは自分のことを見下しているクラスメイト、或いは自分を蹴落とそうとするクラスメイトなのだ。 未来に先回りして点と点をつなげることはできない。君たちにできるのは過去を振り返ってつなげることだけなんだ。 私がこの作品を読んでいる時、脳裏に過った言葉である。言わずもがな、スティーブ・ジョブズのスピーチだ。 過去は振り返ることしかできず、未来は先読みできない。つまり、今を生きるしかない。人間力テストで上位だろうが、下位だろうが、学校が監獄だろうが、教室が地獄だろうが、生きるしかないのだ。これを脱するには不登校になるか、不幸な病死や事故死として果てるか、自殺するしかない。 今時、中退で生きていける世の中でもないのに。いくら家でストレスを発散しようが、また登校日はやってくるのだから。 中学生の世界は途徹もなく狭い。家と学校だけで、外国で紛争が続こうがテロが勃発しようが、クラスの空気や雰囲気がぶっ壊れるわけではない。 人間は社会的な生き物で主観でしか世界を見れず、どれだけ足掻いたところで自分だけでは『自己』を評価できない。 だから徒党を組む、だから党員からの評価が気になる。 クラスメイトからの評価=自分の価値、が成り立ってしまうのだ、残酷なことに。 0才から14才までの、減点方式で他人との同調性が求められる狭い世界の中でたった十四年しか生きていない彼彼女たちに、『他人のことなんて一々気にしてたら埒が明かないぞ』『一人でも生きていけるさ気楽にいこうぜ』『自尊心がなんだ、自己愛がなんだ、他人が必要としてくれないなら自己肯定でその二つぐらい満たせばいい、それができない奴を蔑みながらさ』なんて、それで割り切れなんていくら何でも酷ではないだろうか? この作品のストーリーは好きだ、完璧だと思われた計画が上手くいかなかった時の空回りするところも含めて。 そして、結末はハッピーでもあり、バッドでもある。 どちらの意味にも取れて、中学生を題材にしていたからこそ、この作品は魅力的なのだ。この物語を通して思ったことは、愛とは万能ではなく匙加減が重要だということ。けれど、やはり彼の死についてもっと人間力テストを絡めてほしったところ。 そして少なくとも私は、ハッピーエンドだと思っている。 この物語の結末は伝聞ではなく、実際に読んで知ってほしい。散々批判したが、この作品には朧気ではなく、確固とした情けなくて惨めでどうしようもない読後感があったから。 駄文、失礼しました。 | ||||
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タイトルに引き込まれ買って、読んでみましたが、視点がところどころ変わってくるので、正直読みづらいし唐突に展開が進むし、それにラストはまったく救いのないものだったので個人的にはあまり好きになれませんでした。けど、イジメとか学校制度がリアルに描かれていて、本当にこんな制度があったら、こうなってしまうかもしれないと考えさせられたり、それを壊そうとした結果、想定外な悲劇が起きることで現実の厳しさが表されていて面白いとは思いました。 ただ、ハッピーエンドが好きな方はあまりお勧めは出来ません。 | ||||
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受け売りですが、優れた作家とは「与えられた分量の中にきっちりと収まる物語を書く」のだそうです。 本作はまったく枠の中に収まりきれていません。破綻しています。 物語の解決も、人間力テストという仕掛けも、ミステリのネタバラシも、登場人物の紹介も雑で唐突で腑に落ちません。 読んでいる最中「なんでそうなるの?」と何度も首を捻りました。 物語のキモであるテストに説得力が欠如しているため、もう何を書かれても乗れません。腐った土台に高層ビルを建てるようなものです。 「収まりが悪い」という表現がピタリとくる作品だと思いました。 | ||||
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「ちょっと今から仕事やめてくる」が良かったので他のライトノベルも読んでみようと思い、あらすじがおもしろそうなこの本を購入しました。 ですが、魅力的なあらすじほど中身はおもしろくありませんでした。 肉がおいしそうに焼ける音や、コーラの泡が弾ける音が商品を売るというのを聞いたことがあります。それと同様に、おもしろそうなあらすじがこの本を手に取らせたのだと思いました。 良かった点 ・テーマとイジメという題材 この作者さんには朝井リョウ氏と同じ匂いを感じました。題材選びとそれをライトノベルという市場に出すという目の付け所が非常にすぐれている思います。 悪かった点 ・主人公の心理描写が多すぎて、他の描写や設定の掘り下げが足りない(これが評価を低くした大きな要因です) Kを「天才」と書くだけでなく、どのように「天才」なのか読者に伝わるように書いてほしい。クラスに一人はいそうな生徒程度にしか思えませんでした。 個人的に興味をそそられた「人間力テスト」も掘り下げがほとんどなく残念です。 登場人物たちが追い詰められても「なんでそうなるの?」と疑問がわいてしまいます。 それなのに「天才って書いたから天才」、「完璧なイジメって書いたから完璧」、「クズっていう設定だからこいつのことは誰も信じない」、「人間力テストはおそろしいっていう設定だからこうなる」、「悲惨な家庭環境だからつらいでしょ?」というふうにほとんどのことが処理されるので、どんどん不満がたまっていきます。そのわりに主人公の心理描写が「それ、さっき聞いたよ」と言いたくなるくらい多いです。 ・文章が読みづらい 知らない言葉を無理につかおうとしているのが伝わってきました。 ・ミステリーの仕掛けが雑 自分を含めてミステリーが好きな人はある程度、仕掛けの予想がついても伏線が上手なら満足すると思います。しかし、そのような配慮はありません。この物語の中では「天才」と書けば「天才」となるように、「どんでん返し」と書けば「どんでん返し」になるのです。 たくさん悪い点を書きましたが、作者さんの目の付け所はすばらしいと思うので次回作もあらすじがおもしろそうなら手に取ってしまいそうです。 | ||||
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このレビューにはネタバレ要素が含まれています。 岸谷昌也という男子中学生がイジメを苦に自殺をした。 『菅原拓は悪魔です。誰も彼の言葉を信じてはいけない』という遺書を残して。 しかし自殺した岸谷君は人気者の天才少年で、彼をイジメていたとされる菅原君はスクールカースト最下層の地味な生徒だった。 他にもイジメの目撃者が誰もいなかったことなど、多くの謎が残る事件だった。 なぜ天才少年の岸谷君は自殺しなければならなかったのか。 というのが、あらすじです。 低い評価をつけてはいますが、魅力的なストーリーであることは間違いありません。 まだ読まれていない方はここで引き返して、買って読んでいただけたら幸いです。 物語は事件の真相を探るべく奮闘する自殺した岸谷君のお姉さんと、イジメの加害者とされている菅原君の視点を交差しながら進められていきます。 本作で最も多く使われている単語はおそらく『クズ』でしょう。 とにかく自己評価の低い主人公の菅原君はことあるごとに自らをクズ呼ばわりして、挙句のはてに自分のことを『キモオタコミュ障ボッチ童貞ゴミクズ野郎』と表現します。 なんてきたない言葉でしょう。でも、これが人から避けられるタイプだというのなら、この正反対の人格ならみんなの人気者になれるのではと思い、せっかくなので考えてみました。 『小綺麗な非処女』なんてのはどうでしょう。 さて、私が本作を低評価にしている決定的な理由は、この物語の根幹に関わるルールに全く共感できないから、その一点のみです。つまり、そこ以外は悪くないと考えています。 ここが最終防衛線です。ここから先はネタバレのパレードです。未読の方は今すぐ商品をカートに入れて読んでから戻ってきてください。 では、はじめます。 まずはこちらをご覧下さい。本文からの引用です。 人間力テストは二種類の質問事項によって構成される。 『この時代、○○に重要な能力はなんだと思いますか? 以下の群から三つ選びなさい』 『同じ学年の中で、××を持つ人物を挙げてください』 その二種類だ。 ○○にはリーダー、上司、人気者、などといった言葉が入る。リーダーに必要なものは何か? 友達になりたいのは何を持つものか? 文化祭ではどんな能力を持つ者がいれば役に立つか? 将来、仕事で活躍するのに必要な能力は何か? などとなる。 そして、××には、優しさ、真面目さ、外見の良さ、などが書き込まれる。 生徒は各々の理想像やその理想に合った人間を答案に書き込むのだ。「リーダーシップには勤勉さ、優しさ、カリスマ」「学年の中で、一番勤勉なのは加奈子、二番目は妙子」などと。 最後に、すべてを点数化する。現在、生徒が重要視する能力を持った人間ほど高得点というわけだ。生徒全員の順位を公表することはないが、生徒たちは自分の順位や点数を目の当たりにすることになる。 自分という存在の価値を知る。 自分という性格の評価を知る。 ——以上が、本作の柱というべき『人間力テスト』を説明しているくだりです。 自殺した岸谷君のお姉さんは、この人間力テストの存在と岸谷君の自殺に関係があるのではと推理します。後述しますが岸谷君の自殺と人間力テストにそこまでの関係性はありませんでした。 さて、生徒同士で格付けしあうこのシステムが誕生した経緯は、これの生みの親である主人公たちが通う中学の校長先生がまだ若い教師だったころ、学業は優秀だったのにコミュニケーション能力がないせいで自殺した生徒がいて、そういう生徒をもう出さないために発案したのだそうです。 マッドサイエンティスト的といえるかもしれませんが、全く問題の解決になっていません。 コミュニケーションで必要なのは相手を理解する気持ちと伝達能力ですが、他者を格付けするこの人間力テストが生徒に要求しているのは比較と区別による差別です。 校長が何を言っているのか私にはさっぱりわからないのですが、校長先生曰く、『このテストを批判するやつは何も分かってないマヌケだ。』そうで。 いいですか、みなさん。つまりこのレビューはマヌケが書いてます。いえーい。 100歩譲って人間力テストがコミュニケーション能力を養うために開発されたものとしましょう。しかし、根本的な問題が他にもあります。 この学校には人間力テストはあっても、人間力の授業がないのです。 グループワークが多い学校だと後で説明が入るのでそれが授業なのかなと思うと、それも人間力テストの採点素材だと書かれていますし、そもそもコミュニケーション能力の低い人にとってグループワークは地獄ですから。 もう一度確認しましょう。人間力テストはコミュニケーション能力が低いせいで自殺した生徒のために作られました。 言葉を変えると、英語ができないせいで自殺した生徒のために毎週英語テストをすることにしたけど、英語の授業自体はしない。それがこの中学のスタンスなんです。 校長先生のやり方だと生徒の自殺するタイミングが早くなるだけだと思うのですが。 人間力テストに関して覚えておくべき情報があと二つあります。まずはその内の一つ。 生徒がお互いを格付けして採点して順位を出すこのテストですが、安心できる要素もあります。それは、順位自体はおおやけにされることなく、トップだからといって学校内で何か良いことがあるわけでも、最下位だからといって悪いことがあるわけでもないということです。 そして、それこそがこの物語全体を異常なほど理解しがたいものにしているのです。 ここでヒロインの石川さんに登場していただきましょう。 セミロングの黒髪を持つ美少女で、人間力テストの順位も高いみたいです。 出会って数分しか経ってないのに、石川さんは菅原君にこんなことを言います。 「わたしのおっぱい触らせてあげる代わりに、次の人間力テスト、わたしに投票してくれませんか?」 ご覧ください、みなさん。まさに小綺麗な非処女です。 なぜ石川さんがそんなことを言い出したかというと、彼女はおそろしく人間力テストの順位を気にしていて精神を病んでいるみたいなのです。 石川さんに限らず、この学校の生徒たちはカルト的に人間力テストを信奉しています。 学生さんたちにとって学校こそが社会であり世界。そこでの評価こそ全て。みたいなことがいいたいのかもしれませんし、そういう描写もあるのですが、そんなことってありえますか? この作品が1950年くらいを舞台にしているならそういうのもわからなくないですけど、おもいっきり現代が舞台の話ですし。 つまり、世界は開かれているのです。 なぜ人はコンビニのアイスケースに入ったりファミレスのソースを鼻の穴に突っ込む姿を撮影してネットにアップするのかといえば、頭がおかしいからというのは大前提として、そこに過剰な承認欲求があるからです。 すなわち、もっとリツイートしろ、いいねボタンを押せ、動画の再生数よ伸びろ、ということです。 みんなに自分を評価してほしい。そしてどれほどの数字を稼いだか見てほしい。 見せびらかせない評価に価値などないのです。異論は認めません。 誰かがよくわからない基準で投票した公表もされなければ学校生活に支障もない点数にどれほどの意味があるというのでしょうか。 実際、人間力テストがほぼ最下位の菅原君もトップクラスの岸谷君もそれが理由で学校生活は良くも悪くもなっていません。 余談ですが私も小中学生のころ、人間力テストみたいなことは何度かやらされました。 特定の項目に該当する生徒の名前を書いて採点をさせられました。 ご丁寧なことに後で順位と点数をプリントアウトして配ってきたので、この作品の学校よりも鬼畜です。自分の順位は菅原君と同じく最下位あたりだったと記憶していますが、性病の検査並みに自分には関係のないイベントでしたし、それを理由に嫌な思いをしたこともないので、作品内で人間力テストにおびえる生徒たちの姿にリアリティーを感じないのです。 人間力テストに関して覚えておくべき情報の二つ目。 物語内で最重要ともいえる人間力テストですが、作中でテストを受けているシーンが一度もないのです。 どれくらいの頻度で行われているのか、今回はどういう出題で、その回のトップと最下位は誰で、その人たちはその後の学校生活にどういう影響があったのか。 最低でもそれくらいは描いてもらわないと、人間力テストのおそろしさについてイメージできません。 特殊なルールのある学園ものといえば、幾原邦彦監督の『ユリ熊嵐』や衣笠彰梧先生の『ようこそ実力至上主義の教室へ』などがあります。 クラスメイト全員で気に入らない生徒に投票して見事1位に選ばれたら教室から排除されるとか、テストの成績が悪いと人間扱いしてもらえなくなるとか、現実味はゼロですが、敗者をしっかり描くことでその物語の中ではリアリティーがあるし、ストーリーから目を離せない魅力となっています。 このシステムの中で敗北すると、人間としての尊厳を奪われてしまう。だから立ち向かわなくてはいけないんだ。そういうものが人間力テストには欠落しているのです。 作品内リアルも緊張感もない人間力テストに異様なまでに血眼になっている登場人物がわんさか出てくるこの作品には説得力がありません。 ここで思い出したことがあります。 少し前、真昼間から牛丼屋さんで牛丼を食べていると、離れた席で同い年くらいのお兄さん二人が昨日の合コンについて談笑していました。 別に聞き耳をたてていたわけではなく、店内放送かってくらい二人の声が大きかったので、いやでも耳に入ってきただけです。 「お前と話してた子、かわいかったよな。身長162センチくらいの」 「いやいや、あの子、身長163センチはあったよ」 まさかこの世に『豚汁』は『ぶたじる』と読むのか『とんじる』と読むのか以上にくだらない議論が存在するとは思いもしませんでした。 しかし二人の意見は対立し、譲らず、ヒートアップして、最終的に殴りあいとなり、警察沙汰にまで発展しました。 二人はお酒でも飲んでいたのか特殊なお薬にでも手を出していたのかは不明ですが、実はここには重要な情報が一つぬけています。 私自身が合コンなるものに参加したことがないので、合コン参加者にとって出会った女性もしくは男性の身長がどれほどの意味を持つのか見当もつかないということです。 『マジで』の音階だけで会話を成立させ、九九は二の段までしか言えなくて、頭の中は交尾のことでいっぱいの、いやしい身分の人たち。 というのが合コンをたしなむ方の基礎知識だと思っていたのですが、これでは、ラノベってあれでしょ? とりあえず異世界いって美少女と出会ってチートもらって美少女と出会って居酒屋はじめて美少女と出会って森を歩いてたら美少女と出会ってと思ったらそいつは実は男の娘でそれでも次は美少女と出会って姫騎士はオークに襲われてるんだろ? とかなんとか中途半端な知識で偏見をぶつけてくる人と変わりません。 相手の身の丈を1センチでも間違えることは許されざること。訂正も謝罪もないのであれば決闘も辞さない。合コンとは、そういう貴族の社交場なのかもしれませんね。 話を戻します。 人間力テストに苦しむ石川さんを救うべく菅原君はそれを破壊するための革命を起こそうと決意します。ここから物語の飲み込みづらさは爆発的に上昇していきます。 菅原君の目的は人間力テストをやめさせることです。そのための手段が無意味かつ遠回りすぎます。 詳細を書いていたら文字数制限に引っかかったので割愛しますが、風が吹けば桶屋が儲かるみたいな、一見よくわからない理屈でも順を追って説明されたら納得いくようなものではなく、一歩目から破綻しているし、仮にうまくいったとしてもテストがなくなるとは思えませんし、実際、作中では失敗します。 くどいようですが、人間力テストの結果が良かろうが悪かろうが生徒たちの人生には何の影響もないのです。それなのになぜそこまでテストに執着しているのかわかりません。あまりにも価値観が違うので実は物語の舞台が地球ではなく猿の惑星だったみたいなどんでん返しがあるのかなと勘ぐったくらいです。異世界転移もの流行ってますし。 とりあえず『人間力テストをやめないなら自殺します』といった内容の手紙を学校とマスコミに送ればそれでよかったような気もします。ただ、それだけでよかったんです。 とはいえ、この流れ自体は嫌いではありません。 小説の中盤で菅原君は読者に、この物語は僕の愚かさを笑いながら読むのが正しい読み方であると推奨してきます。今のところ順調に愚かです。 それに、頭の中で完成した完璧で素晴らしい計画が後から考えたら清々しいほど無意味だった、なんてことは誰でも一度は経験あると思います。 これまであれこれ書いてきましたが、ここまでの印象は決して悪くありません。Amazon的に評価するなら星四つはつけます。 さて、物語も残りわずかとなりました。ページ数でいうと248ページ。問題はここからです。 万策つきた菅原君は最終手段として人間力テストの生みの親である校長先生を殺害しようとします。 それを紗世さんという女子大生に阻止されます。 紗世さんは岸谷くんのお姉さんの幼馴染みです。小学校から高校まではずっと一緒で、岸谷君のお姉さんに依頼されて今回の事件の解明に協力をしていました。この情報はとても重要なので覚えていて下さい。 人間力テストのせいでどれだけの人が傷ついているのかわかっているのか、と叫ぶ菅原君。 校長先生は言います。「もちろんわかっている。テストは不完全だ」だからこそ順位の低い生徒には個別に連絡を取っていたことを明らかにします。 そこで菅原君は気づきます。「お前が『ソーさん』だったのか?」と。 ソーさんというのは、主人公とネット上でメッセージのやりとりをしていた友達です。 校長先生は言います。「キミがソーさんに学校のことを相談していれば今回の悲劇は起こらなかったのに」と。 意味がわかりません。 どこの世界にハンドルネームしか知らない赤の他人にリアルの情報を提供して問題解決を頼む人がいるのでしょう。「いやー実は僕、学校でむちゃくちゃなことされて困ってるんだけど、もしあなたがその学校の校長だったりしたら、なんとかしてもらえませんか?」とでも言えと? このソーさん(校長)はすごいんです。自分の学校でイジメが発覚して真っ先にしたことが、イジメの起きたクラスの担任のYouTubeのページに匿名で突撃して荒らしをはじめることですからね。それだけじゃおさまらなくて、あろうことか、その担任の個人情報をマスコミに拡散します。 落ち度のある人間には何をしても許される。なぜならそいつは悪であり、それに怒りを覚えた自分たち正義の側は無限の制裁を与える権利がある。その結果そいつが死のうが破滅しようが知ったことじゃない。なぜなら悪いのはそいつだから。なんていう歪んだ価値観は教育者が絶対に認めてはいけないものだ思うのですが。 そして校長は決定的な一言を放ちます。「ただ、キミは情けない。困ったら周りに相談しなさい。それだけのことを言わねばならないなんて」 あのですね、そもそも校長が人間力テストなるものをはじめた理由は『コミュニケーション能力が低くて自殺した生徒のため』だったはずです。コミュニケーション能力が低い人がどういう人なのかというと、そこまで追いつめられても、それでも声をあげることができない人なんです。そういう人をさらに追いつめたらどうなるか。説明の必要はないと思います。 物語のラストで突然異世界に転移した校長がそこにいたオークとゴブリンに惨殺されてしまえば、私は迷わず本作の評価を五つ星にしたのち、もう一冊買って近所の図書館に寄贈したことでしょう。 多少の矛盾やご都合主義、後出し設定についてはそこまで気にしません。しかし、物語の根幹への不誠実さは無視できません。どうしてここまでふざけた話になってしまったのか、そのこたえは簡単で、作り手が信じていないからです。 作者の松村涼哉先生は信じてないんです。こんな話あるわけないって。だから自分が作ったルールの間違いにすら気づけてないんです。 後出し設定は気にしないと書きましたが、この作品に関してはちょっとひどすぎます。 話の発端となった人気者の岸谷君が菅原君にいじめられていた問題ですが、実際には岸谷君が菅原君をいじめていました。でも二人は同じ悩みを抱えて同盟を結ぶほどの親友だったんです。それなのに岸谷君は菅原君に暴力を振るいます。家に帰れば姉から振るわれる暴力からのストレスが原因の一つなんだそうです。 そうです。なんともう一人の主人公である岸谷君のお姉さんは岸谷君に暴行をくわえていたのです。弟を殺したのは人間力テストではなく自分だったのです。意外な展開です。伏線とかありませんでしたし。 二回読み返してみたのですが、唯一の理解者であり心の支えであるはずの菅原君を岸谷君がいじめるという展開には無理がありすぎると感じます。 後出し設定で忘れてはいけないのが紗世さんの存在です。こちらの紗世さん、なぜか終盤まで名字が明かされず、そしてそれが明らかになった瞬間、ある人物との関係がわかるという、ファンタジーの世界ならともかく、現代を舞台にした物語で2016年に使っていいテクニックなのか考えものの仕掛けがほどこされているのですが、それはいいとしましょう。しかし、紗世さんとある人物との関係を岸谷君のお姉さんが知らなかったというのは無理があるというより、不可能だと思います。 幼馴染みで、弟の事件の調査を依頼するほどのなかよしです。相手の家族のことを何も知らないなんてありえるでしょうか。 最後に最大の謎は本作が第22回電撃小説大賞の大賞受賞作ということです。 帯によると4580作品の頂点だそうです。他の4579作品は何がいけなかったのでしょうか。 一行目にガールズ&パンツァーの悪口でも書いていたんでしょうか。 鎌池和馬先生曰く『最初の一文字目から仕掛けは始まっている。』そうなんですが個人的には259ページある物語のなかで256ページのラスト2行目から後出しで設定を追加してくる卑怯な話だなという印象です。 本作が大賞受賞作と知って、とても嬉しかったことを覚えています。 『無職の俺が異世界に転生したけど何もできないので趣味の料理で居酒屋をはじめたら魔王が常連客になってしまったようです。一方そのころ妹は悪役令嬢に転生していた』 みたいなオリジナリティーあふれるタイトルの作品を選ばずに、こういう挑戦的な話に光をあてようとする電撃文庫はさすがトップランナーとして志が高いなと。 個人的にも学園ミステリーは大好物なので。 だからものすごい期待と応援の気持ち、それからやさしい心で予約して買わせていただきました。 でもこれは、あんまりじゃないかなと。 これを読んでいる途中で思い出したことが二つあります。 一つは、何年か前に爆発的なヒットをしていた『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』という本を読んだときの気持ちです。 絶賛の声しか聞こえてこなかったので、どれほど素晴らしいのかと期待して拝読すると、これはいかがなものかと思い、かなりの酷評レビューを書いたのですが、なぜかそのレビューは消されてしまったので証拠はありませんが。 もう一つは前述した牛丼屋さんでの合コンの一件です。 1センチの身長をめぐって殴りあうような、自分には理解できない価値観や評価軸でこの作品は大賞に選ばれたのかなと。 作者の松村涼哉先生は現在23歳と、とてもお若い方です。 かなり年配の方が書かれた作品なのかなと思っていました。 というのもこの作品、一言であらわすと『年寄りの愚痴』なんです。 若者はみんな狂ってるとか、ネットは闇であふれてるとか、そういう周回遅れの価値観で書かれているので。 プロフィールによると、松村先生は最近、ワインが飲めるようになったそうで。私はお酒飲めないのでうらやましいです。 ワインといえば、貴族の飲み物であり合コンの必須アイテム。 電撃小説大賞の大賞受賞者という人生の勝者となった松村先生は合コンでも大人気かと思われます。 メジャーで相手の身長を測ったり、「おっぱいを触らせてくれたら次の人間力テストでキミに投票してあげよう」とか自作ネタをぶちかましたりしているのでしょうか。さすがに言いすぎました。すみません。 大切なことは一つです。 どんな作家さんであれ、新人賞受賞作というのはその一冊しかありません。 はじまりの一冊です。 そして物語の素晴らしいところは、それを受けとった人によって、面白いくらい評価が異なることで、それはその人がその物語にふれるまで決してわからないことです。 この物語はあなたを不快にさせるかもしれない。あなたの宝物になるかもしれない。 つまり 絶対に買って読むべきです。 | ||||
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久々に電撃大賞作品を購入したんですが、期待しすぎたのでしょうか? テーマは悪くないです。剣に魔法にネット世界に俺TUEEEには食傷気味で、ライトノベルから一時期離れていました。 そして今回毛色が変わった大賞作品に、胸ふくらませて読み進めていたのですが・・・。 おもしろくなかった。 以下ネタバレ なにもかも唐突すぎる。登場人物の誰ひとり共感できないまま話がすすみ、実はこうだったんです・・・という説明で完。 実はいじめにあってたんです。・・・いじめの描写の説明はあったが、回想なし。色々つらかったが耐えてました、以上。 実は親友だったんです。・・・回想1、2回。色んなことを話し合ったんですよ、って後から言われても読者に説得力なし・・・・。 (例:真面目でやさしい熱血漢の描写に、「彼は真面目でやさしい熱血漢だ」っていうのは単なる説明。言動・描写を積み重ねて輪郭を書き出すのが小説。もっと具体的には、自殺した生徒は才能あふれる少年だったそうだが、回想に出てくる会話にまったくその描写がない。別に難しい言葉を使わなくてもよい。ちょっとした知的な雰囲気でも、神がかり的な洞察力でもなんでもいい。普通の少年同士の会話シーンに「話しているだけで彼の天才性がわかった。才能にひきこまれた」って言われてもはぁ? てなものである) 実は真相はこうだったんです。・・・予想通りなのは全然悪くない。ただやはり説明に終始して緊迫感がない。ヒス姉の心情変化、頼れる姉さんキャラ登場、なによりエンディングが色々唐突でぽかーん。 (自殺した生徒はいじめっ子? いじめられっ子?という小説では「ソロモンの偽証」あたりが有名ですね。私はライトノベルが大好きですし、一般文芸に勝るとも劣らない素晴らしいコンテンツだと思っています。だからこそ「これだからラノベは・・・」なんて言われたくないし、大賞作品ならそう言われないような内容を見せて欲しかった。残念) | ||||
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読んでる間中ずっと頭には収まりの悪さがつきまといました。 人物にも、設定にも、物語にも。 この手の話は最後にスッキリさせてくれると信じて読んだのですが・・・・。 テーマは良かった。 しかし物語の構成を優先させて人物はちぐはぐ。 文章もまだまだ稚拙。 物語の繋ぎ方も雑。 それより重要な設定である「人間力テスト」は作り込みが浅かったのが致命的かな。 こういう所で手を抜いちゃ説得力が無くなるとおもうのです。 あと独り言の多すぎる語り部(特に姉)にはエロゲかなんかの影響があるんじゃ無いかと感じました。 | ||||
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