暗幕のゲルニカ

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暗幕のゲルニカの評価:

4.19/5点 レビュー 199件。 B ランク

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平均点4.19pt

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全43件 41〜43 3/3ページ
No.3
(1pt)

高評価してるひとって

スペイン内戦以後の世界には、ピカソのゲルニカもキャパの写真もヘミングウェイの文学も何の役にも立たなかったことを知ってる現代人にとっては実に空々しい小説です。
芸術による反戦なんて無駄とシニカルなことが言いたいのではありません。ゲルニカさえあれば「戦争と戦える」とか「負の連鎖を断ち切れる」と思い込んでる登場人物の姿がまるで「ゲルニカ教」の信者のように映るのです。
「オレは絵を描く。他の事は知らん」というピカソ本人の態度が一番まともに見えます。
大体主人公瑤子と共にゲルニカの借り入れに奔走する上司のルースは、石油利権のために中東に紛争の種を撒き散らした元凶のロックフェラー家の人間じゃないですか。
そのルースが911で夫を亡くした瑤子を慰め励まし、反戦をテーマにした企画展を911以後のニューヨークで開催する旗振りをするなんて言うのは何の冗談かと思います。
911だって元をたどればアンタんちが悪いんじゃん。

文章がとにかくクドく、
「スペインに真の民主主義が訪れるまでゲルニカをアメリカに預かって欲しいというのがピカソの意思」という記述が何回出てきたか、数えるのもバカバカしいです。
パルド・イグナシオという人物が出てくるたび「伝説のアート界の巨人」とか「アート界を司る神」とか「芸術の守護神」とか「美の巨人」とか仰々しい
修飾語付きで鬱陶しいことこの上ないです。
「ゲルニカの前でナチスと闘うことができるのは、この世でたったひとり、パブロ・ピカソだけだったからだ」
「幾千万の銃よりも、一本の絵筆のほうがはるかに強いと証明された記念碑的作品」
このようにリキみまくった大げさな描写が頻出します。
脂っこいというか暑苦しいというか。
文体を絵画に置き換えることができるならば、こんな風に過剰に装飾的で押しつけがましく単調なモチーフを繰り返す作品をみたら、元美術館のキュレーターだった著者だってうんざりするのではと思います。

真ん中あたりでもう止めようかと思ってたら、ゲルニカを狙うバスク地方分離独立を目指すテロ組織が出てきて「ほう、そう来たか」と読み続けました。
反戦のシンボルであるゲルニカがバスク独立戦争の引き金になるという皮肉な逆説に、どう落とし前を付けるのか見てみようと思ったからですが結果トホホです。
瑤子はテロ組織(と書いてあるけど私は思ってない)に誘拐され、ゲルニカを手に入れるための人質にされます。
必然性が全くありません。
人命と交換にゲルニカを要求するのであれば人質は誰でもいいのです。人質を取る必要もありません。「要求を飲まなければどこかに仕掛けた爆弾を爆発させる」という声明を出せばいいのです。
必要もないのに警備員と監視カメラに囲まれた高級ホテルに宿泊する瑤子を狙うほどテロリストってバカじゃないと思います。
だから監禁された瑤子の不安も恐怖もアホくさくて共感できません。

この後はネタバレになるので控えますが、ゲルニカは最後まで神聖にして侵すべからざる反戦のイコンで、皮肉な逆説のオチはありません。
どうやら著者自身がゲルニカ教の信者だったようで自分で書いた逆説に気が付いていなかったみたいです。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523
No.2
(1pt)

好感は持てるが評価できない

ピカソやゲルニカへの関心は掻き立てられるし、物語展開が気になって、最後まで読みはする。メッセージには全面的に賛成するし、アートの力に想いを馳せることにもなる。しかし、人物が固定的に描かれていて観念的であり、文章が陳腐である。美術評論で事足りる。ピカソの鋭い一言に敵わない。嫌いではなく、感動もしたが、評価するなら星一つ。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4101259623
No.1
(1pt)

好感は持てるが評価できない

ピカソやゲルニカへの関心は掻き立てられるし、物語展開が気になって、最後まで読みはする。メッセージには全面的に賛成するし、アートの力に想いを馳せることにもなる。しかし、人物が固定的に描かれていて観念的であり、文章が陳腐である。美術評論で事足りる。ピカソの鋭い一言に敵わない。嫌いではなく、感動もしたが、評価するなら星一つ。
暗幕のゲルニカ Amazon書評・レビュー: 暗幕のゲルニカより
4103317523