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カサンドラ
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カサンドラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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「ジョーカーゲーム」のようなスパイものと思っていたら、それ以上にアクションも多く、また考えさせられる内容でした。 ただ、この頃に、プロフィールとかトラウマという言葉は日本語として一般に使われていただろうか?と思いました。 | ||||
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久しぶりに読みごたえのあるお話しを拝見しました。 登場人物の多彩さ、それぞれの心にある光と闇、一見嫌な人物に見えるキャラクターにもそれぞれの過去と信念がありそれぞれの正義がある。それに被さる国家の思惑が緻密に織りあげられてクライマックスへ進んでいく。一気に読了しました。 | ||||
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晴れ渡った日の横浜港から、豪華客船「アグライア号」が出港する。その船上で繰り広げられるアクション大作で、諜報合戦や殺人、テロ、裏切り等の心理戦が満載で、お腹一杯という感じです。とにかく、冒頭からドンドン登場人物が現れ、相関図を整理するのが忙しい。その上、全員が只ならぬ雰囲気を醸し出し、この先繰り広げられるドラマに自分が引き込まれるのが分かります。 戦中からの2大国の国際情勢を背景に、戦後から8年経っても尚、戦争の影響に翻弄される男たちの生き様が情緒たっぷりに描かれています。カサンドラという謎の設定もその真相もお見事で、参考資料をもとに実によく練り込まれています。 多数の登場人物たちもそれぞれの役割通りに見事に使い分けられており、まさに終盤にかけて物語は二転三転し息もつかせない攻防が続きます。複雑なストーリーで難解な話もやや出てきますが、それを補って余りあるエンターテインメント本です。 | ||||
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「“カサンドラ”と呼ばれる機密情報の流出を阻止せよ」 保安隊(後の陸上自衛隊にあたる)の特務により、主人公の入江が乗船することになったのは、『アグライア号』。 アグライア号は、元は日本最大の貨客船だったのだが、戦争勃発により空母として徴用され、終戦後米国の船会社により買い取られたのち客船として再び改造されたという。 しかも、ある“画期的な”新型船用エンジンを搭載して……。 アグライア号は米国船籍の客船であるのに、乗組員は日本人、そのうえ乗船客も官僚・新聞社の社長・物理学者・米軍将校といった一癖のある連中ばかり。 そして、そのアグライア号の中には、入江の“ある過失”によって死に至った親友・佐賀英夫の弟の道夫も乗船していた―――。 ※題名のカサンドラとは、ギリシャ神話に登場する予言者の名前とのこと。 「“カサンドラ”とは何なのか」という疑問を軸にして、息もつかせぬストーリーにぐいぐいと引き込ませる筆力は「見事!」の一言。 また、二転三転どころか八転もする展開なのにもかかわらず、「どう?みんな驚いたでしょ?」とドヤ顔しない文にも好感が持てる。 それから、資料を文章に落とし込むのが巧みで、船の構造や戦時下の状況を知らなくても、説明臭くなく、すんなりと読ませてくれる。 心理描写は他の作家には無い独特な筆致で、多数登場する人物に「どういう信念に基づいて、なぜこういう行動を取ったのか」というリアリティを持たせ、なおかつその人物を光らせているところが良かった。 特に印象に残ったのが、とある人物の言う、「あいにく人間は、陸の上でしか生きられない。陸で生きるとは、どこかの国に属すること。船の上だけで生きられたら、どんなにか、よかったでしょうね」という言葉。 戦争によって国家という保護下から逸脱せざるを得なかったこの人物の台詞は、安寧と暮らすことのできる今の日々の重要さを痛感させられた。 気になった点を二つ。 一つは、主人公の入江は、親友・佐賀英夫と並び称される陸軍中野学校のエースだったはずなのだが、この入江、簡単に人を信用してしまったり感情を隠せなかったりと、かつてのエースの才幹を感じさせないのが少々残念。 まあ、諜報員にあるまじき泥臭いほどの熱血漢というところが入江の魅力となっているのかもしれないが……。 もう一つは、昭和28年が舞台の作品なので、地の文はともかく、登場人物の言葉遣いには時代を反映してほしかった。 (例えば、“トラウマ”や“クレーム”といった外来語は、当時は一般的ではなかったのでは?) そうすれば、(“カサンドラ”という題名にも示唆されているとおり)おそらく***(ネタバレのおそれがあるので伏せます)後に構想したのだろう作者の真意や警告が、現代に生きる我々が過去の時代を読むという時間の対比や不可逆性によって、より鮮明に伝わったのではないだろうか。 | ||||
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作者がまた一化けしましたね。遺跡発掘師のつもりで、外読み用に持って歩いたら、アラ大変、読むのやめられなくなったじゃ有りませんか。 大失敗。 家に持ち帰り一気読み。 今年の私的ベストテン入りです。 内容は、読んでのお楽しみ。 | ||||
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久しぶりにハードカバーを一気読みした。 いつもの桑原作品よりも硬派な内容について行けるかなと思ったけど、全くの杞憂でした。 登場人物が多く複雑かつ舞台の大半が船の上で専門用語も多いけど、とても判りやすく状況や心情が目に浮かぶようでした。 戦中戦後の社会情勢など私自身よく知らない背景が多いのも、大型客船の新型エンジン絡みのあれこれも、逆に興味深く大変面白く読みました。 難しいかな?と思いつつあれよあれよという間に前半読み終わり、後半は怒濤の展開。 戦時中の集団心理の恐ろしさは私達の実生活にも通じるものがあるし、個人の愚かさから軋みが起きる人間関係と思いがけぬ希望。今までのいわゆる桑原節とは違うなぁと思いつつ読み進めましたが、やはり終盤の盛り上がりは圧巻でした。心の闇を抉るような心理描写が筆者の持ち味だと思いますが、今作はそこに傾倒しすぎる事なく、ハードなストーリーとのバランスがよくて読みやすかった。 過去作品とは文体も違うように思います。デビュー作から25年経ちますが、これからもとっても楽しみになりました。 思わず初レビュー書くくらい気に入ったので星5つ。 | ||||
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