翼ある闇

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評判

翼ある闇の評価:

3.47/5点 レビュー 47件。 A ランク

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平均点3.47pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全89件 41〜60 3/5ページ
No.49
(5pt)

お気に入りに仲間入りの作家を発見!

本作品の著者は、年末・年始に発表される、いくつかの年間ベストミステリのランキングでは、常連と言って差し支えないでしょう。
――にも関わらず、これまで一冊も読んでなかったので、思い切ってデビュー作である、本作品を手に取ってみました。

読者を選ぶ、独特の作風――という先入観があったのですが、以外なことに、変なクセは全くなく、本格ミステリのツボをきっちりと押さえた良作でした。

人里離れた、富豪の一族が住む屋敷で発生する連続殺人。
首を切断された死体に密室殺人、と本格ミステリらしい設定と題材が目白押しです。
そして、後半で二転三転する推理には、どんな落としどころが待っているのか予想できず、かなり質の高いミステリと感じました。

著者は、いわゆる「新本格」としては、綾辻行人や有栖川有栖といった80年代デビューの第一世代に次ぐ、90年代デビュー(本作品は91年に初刊行)の第二世代と称されているとのこと。
しかし、活動開始から20年を超えている現在では、本格ミステリを代表する作家になっているのでしょう。

二人も名探偵(登場人物表では、「探偵」と「銘探偵」)が登場する本作品は、本格ミステリの定石は踏まえつつ、アンチミステリの趣向も取り入れようとする意図も窺えます。
この辺りが、著者の作風なのかもしれません。

デビューからかなり経っての初読となってしまいましたが、本格ミステリは、社会性を欠いている分、時代に流されないという強みがあります。
実際、刊行から20年を経過しても、古びた感じは全くありませんでした。

著者の実力は、本作品で良く分かりましたので、今後は、年間ベストにランキングされたものから、少しずつ読んでいこうと思います。
新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061828231
No.48
(5pt)

お気に入りに仲間入りの作家を発見!

本作品の著者は、年末・年始に発表される、いくつかの年間ベストミステリのランキングでは、常連と言って差し支えないでしょう。
――にも関わらず、これまで一冊も読んでなかったので、思い切ってデビュー作である、本作品を手に取ってみました。

読者を選ぶ、独特の作風――という先入観があったのですが、以外なことに、変なクセは全くなく、本格ミステリのツボをきっちりと押さえた良作でした。

人里離れた、富豪の一族が住む屋敷で発生する連続殺人。
首を切断された死体に密室殺人、と本格ミステリらしい設定と題材が目白押しです。
そして、後半で二転三転する推理には、どんな落としどころが待っているのか予想できず、かなり質の高いミステリと感じました。

著者は、いわゆる「新本格」としては、綾辻行人や有栖川有栖といった80年代デビューの第一世代に次ぐ、90年代デビュー(本作品は91年に初刊行)の第二世代と称されているとのこと。
しかし、活動開始から20年を超えている現在では、本格ミステリを代表する作家になっているのでしょう。

二人も名探偵(登場人物表では、「探偵」と「銘探偵」)が登場する本作品は、本格ミステリの定石は踏まえつつ、アンチミステリの趣向も取り入れようとする意図も窺えます。
この辺りが、著者の作風なのかもしれません。

デビューからかなり経っての初読となってしまいましたが、本格ミステリは、社会性を欠いている分、時代に流されないという強みがあります。
実際、刊行から20年を経過しても、古びた感じは全くありませんでした。

著者の実力は、本作品で良く分かりましたので、今後は、年間ベストにランキングされたものから、少しずつ読んでいこうと思います。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)より
4062632977
No.47
(5pt)

お気に入りに仲間入りの作家を発見!

本作品の著者は、年末・年始に発表される、いくつかの年間ベストミステリのランキングでは、常連と言って差し支えないでしょう。
――にも関わらず、これまで一冊も読んでなかったので、思い切ってデビュー作である、本作品を手に取ってみました。

読者を選ぶ、独特の作風――という先入観があったのですが、以外なことに、変なクセは全くなく、本格ミステリのツボをきっちりと押さえた良作でした。

人里離れた、富豪の一族が住む屋敷で発生する連続殺人。
首を切断された死体に密室殺人、と本格ミステリらしい設定と題材が目白押しです。
そして、後半で二転三転する推理には、どんな落としどころが待っているのか予想できず、かなり質の高いミステリと感じました。

著者は、いわゆる「新本格」としては、綾辻行人や有栖川有栖といった80年代デビューの第一世代に次ぐ、90年代デビュー(本作品は91年に初刊行)の第二世代と称されているとのこと。
しかし、活動開始から20年を超えている現在では、本格ミステリを代表する作家になっているのでしょう。

二人も名探偵(登場人物表では、「探偵」と「銘探偵」)が登場する本作品は、本格ミステリの定石は踏まえつつ、アンチミステリの趣向も取り入れようとする意図も窺えます。
この辺りが、著者の作風なのかもしれません。

デビューからかなり経っての初読となってしまいましたが、本格ミステリは、社会性を欠いている分、時代に流されないという強みがあります。
実際、刊行から20年を経過しても、古びた感じは全くありませんでした。

著者の実力は、本作品で良く分かりましたので、今後は、年間ベストにランキングされたものから、少しずつ読んでいこうと思います。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.46
(5pt)

お気に入りに仲間入りの作家を発見!

本作品の著者は、年末・年始に発表される、いくつかの年間ベストミステリのランキングでは、常連と言って差し支えないでしょう。
――にも関わらず、これまで一冊も読んでなかったので、思い切ってデビュー作である、本作品を手に取ってみました。

読者を選ぶ、独特の作風――という先入観があったのですが、以外なことに、変なクセは全くなく、本格ミステリのツボをきっちりと押さえた良作でした。

人里離れた、富豪の一族が住む屋敷で発生する連続殺人。
首を切断された死体に密室殺人、と本格ミステリらしい設定と題材が目白押しです。
そして、後半で二転三転する推理には、どんな落としどころが待っているのか予想できず、かなり質の高いミステリと感じました。

著者は、いわゆる「新本格」としては、綾辻行人や有栖川有栖といった80年代デビューの第一世代に次ぐ、90年代デビュー(本作品は91年に初刊行)の第二世代と称されているとのこと。
しかし、活動開始から20年を超えている現在では、本格ミステリを代表する作家になっているのでしょう。

二人も名探偵(登場人物表では、「探偵」と「銘探偵」)が登場する本作品は、本格ミステリの定石は踏まえつつ、アンチミステリの趣向も取り入れようとする意図も窺えます。
この辺りが、著者の作風なのかもしれません。

デビューからかなり経っての初読となってしまいましたが、本格ミステリは、社会性を欠いている分、時代に流されないという強みがあります。
実際、刊行から20年を経過しても、古びた感じは全くありませんでした。

著者の実力は、本作品で良く分かりましたので、今後は、年間ベストにランキングされたものから、少しずつ読んでいこうと思います。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.45
(5pt)

典型的なミステリー要素が全て集約された作品

典型的なミステリー要素が全て集約された作品
http://on-the-road.co/?p=1561
新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061828231
No.44
(5pt)

典型的なミステリー要素が全て集約された作品

典型的なミステリー要素が全て集約された作品
http://on-the-road.co/?p=1561
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)より
4062632977
No.43
(5pt)

典型的なミステリー要素が全て集約された作品

典型的なミステリー要素が全て集約された作品
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翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.42
(5pt)

典型的なミステリー要素が全て集約された作品

典型的なミステリー要素が全て集約された作品
http://on-the-road.co/?p=1561
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.41
(4pt)

読む人を選ぶメタミステリー

麻耶氏のデビュー作の新装版だが、著者のよる解説によると加筆や訂正は一切行っておらず、当時出たそのままの文章での復刻となる。
館を舞台にした現実性皆無の重厚な探偵譚が展開するが、この著者の特徴である、次々に人が殺害されていくのに恐怖感も臨場感もまるでない淡々とした進行はデビュー当時からだったのだと分かる。正直事件が淡々と進行する前半は少々かったるいが、メルカトル鮎が登場してくる辺りからはめくるめく推理合戦で急激に盛り上がる。
誰が物語の支配者になるかというテーマを追求したらしく、これまた氏の特徴である、それまで構築した推理で解決したと思いきやそれを根本から覆えすパターンも本作から既に使われているのが興味深い。
途中の探偵による密室のトリックの推理など、これだけ見ると完全なバカミストリックだが、著者は確信犯なので何ともしてやられた感じになる。
ミステリーに対して一歩引いた感がありながら、とことんマニアックなネタを散りばめるという自己言及性の強い新本格第二世代らしいテイストの作品。評価ははっきり分かれるだろう。合わない人にはとことん合わない。
新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061828231
No.40
(5pt)

最後まで予測つかず。ワトソン君がキーパーソン?

作者処女作とは思えないプロットでした。
最後まで見えず最後の最後でどんでん返し。
ワトソン君(私)がキーパーソンでしたか。
綿密なトリック、いとも簡単に読者を惑わせます。
全編に漂う壮大なクラシックとギリシャ神話の神を例えた粋なセリフ回し。
作者の知識と技量がうかがえます。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)より
4062632977
No.39
(5pt)

最後まで予測つかず。ワトソン君がキーパーソン?

作者処女作とは思えないプロットでした。
最後まで見えず最後の最後でどんでん返し。
ワトソン君(私)がキーパーソンでしたか。
綿密なトリック、いとも簡単に読者を惑わせます。
全編に漂う壮大なクラシックとギリシャ神話の神を例えた粋なセリフ回し。
作者の知識と技量がうかがえます。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.38
(5pt)

最後まで予測つかず。ワトソン君がキーパーソン?

作者処女作とは思えないプロットでした。
最後まで見えず最後の最後でどんでん返し。
ワトソン君(私)がキーパーソンでしたか。
綿密なトリック、いとも簡単に読者を惑わせます。
全編に漂う壮大なクラシックとギリシャ神話の神を例えた粋なセリフ回し。
作者の知識と技量がうかがえます。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.37
(4pt)

なんかスゴい

21歳の処女長編から、やっぱり普通では無いです。麻耶さんの他書が楽しめた人は、本著もお勧めです。
アンチミステリと書く人もいるようですが、その気持ちは良く分かります。著者自身は、本格派だといっていますが。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)より
4062632977
No.36
(4pt)

なんかスゴい

21歳の処女長編から、やっぱり普通では無いです。麻耶さんの他書が楽しめた人は、本著もお勧めです。
アンチミステリと書く人もいるようですが、その気持ちは良く分かります。著者自身は、本格派だといっていますが。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.35
(4pt)

なんかスゴい

21歳の処女長編から、やっぱり普通では無いです。麻耶さんの他書が楽しめた人は、本著もお勧めです。
アンチミステリと書く人もいるようですが、その気持ちは良く分かります。著者自身は、本格派だといっていますが。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.34
(5pt)

いやはや

「楽しい!」陰鬱な時代がかった洋館で次々と起こる凄惨な殺人事件が楽しいわけないのだが、ミステリ・ファンなら、読後、あきれ果てながらも認めざるを得ない。「これは、楽しい!」と。すべてが終わったあとは、突っ込みどころ満載の怒涛のアイディアに突っ込みたくて七転八倒しつつも、爽快に満足していることにちょっと驚く。これまで、「この作品のトリックはちょっと」とか、すかして批評するスタンスでミステリを読んでいたファンに、そんなことはどうでもいい、と根源的にわからせてくれる作品。
 私は『メルカトルと美袋のための殺人』から麻耶ワールドに入ったので、最初の短編を読んだあとは、許すまじき人間性を持った、このいけすかない探偵に辟易しつつも、文章の上手さ、人物描写の巧みさ、状況の鮮やかさに惹かれて、次、次、と魅入られたように読み、毎回、憤慨しながら、読み終わるとすぐに『メルカトルかく語りき』を求めていた。こちらはこちらで、「こんなのありか」とか「ふざけるな」とか叫びながら、一気に読んで、憤慨しながらも、読書体験としては、すごく楽しかった。そういえば、もっと「立派」な本が途中で読むのがしんどくなってしまったり、歴史に残る本格作品が、読後鬱々とした気持ちになったりしたことをふと思い出した。 
 麻耶ワールドは中毒する。これは、そのメルの最後の事件。これからは、メルの所業にも若干優しくなれそうな気がした。
 とにかく、最後まで読んでみよう。きっとこう思うはず、「いやはや」。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)より
4062632977
No.33
(5pt)

いやはや

「楽しい!」陰鬱な時代がかった洋館で次々と起こる凄惨な殺人事件が楽しいわけないのだが、ミステリ・ファンなら、読後、あきれ果てながらも認めざるを得ない。「これは、楽しい!」と。すべてが終わったあとは、突っ込みどころ満載の怒涛のアイディアに突っ込みたくて七転八倒しつつも、爽快に満足していることにちょっと驚く。これまで、「この作品のトリックはちょっと」とか、すかして批評するスタンスでミステリを読んでいたファンに、そんなことはどうでもいい、と根源的にわからせてくれる作品。
 私は『メルカトルと美袋のための殺人』から麻耶ワールドに入ったので、最初の短編を読んだあとは、許すまじき人間性を持った、このいけすかない探偵に辟易しつつも、文章の上手さ、人物描写の巧みさ、状況の鮮やかさに惹かれて、次、次、と魅入られたように読み、毎回、憤慨しながら、読み終わるとすぐに『メルカトルかく語りき』を求めていた。こちらはこちらで、「こんなのありか」とか「ふざけるな」とか叫びながら、一気に読んで、憤慨しながらも、読書体験としては、すごく楽しかった。そういえば、もっと「立派」な本が途中で読むのがしんどくなってしまったり、歴史に残る本格作品が、読後鬱々とした気持ちになったりしたことをふと思い出した。 
 麻耶ワールドは中毒する。これは、そのメルの最後の事件。これからは、メルの所業にも若干優しくなれそうな気がした。
 とにかく、最後まで読んでみよう。きっとこう思うはず、「いやはや」。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件より
4062053438
No.32
(5pt)

いやはや

「楽しい!」陰鬱な時代がかった洋館で次々と起こる凄惨な殺人事件が楽しいわけないのだが、ミステリ・ファンなら、読後、あきれ果てながらも認めざるを得ない。「これは、楽しい!」と。すべてが終わったあとは、突っ込みどころ満載の怒涛のアイディアに突っ込みたくて七転八倒しつつも、爽快に満足していることにちょっと驚く。これまで、「この作品のトリックはちょっと」とか、すかして批評するスタンスでミステリを読んでいたファンに、そんなことはどうでもいい、と根源的にわからせてくれる作品。
 私は『メルカトルと美袋のための殺人』から麻耶ワールドに入ったので、最初の短編を読んだあとは、許すまじき人間性を持った、このいけすかない探偵に辟易しつつも、文章の上手さ、人物描写の巧みさ、状況の鮮やかさに惹かれて、次、次、と魅入られたように読み、毎回、憤慨しながら、読み終わるとすぐに『メルカトルかく語りき』を求めていた。こちらはこちらで、「こんなのありか」とか「ふざけるな」とか叫びながら、一気に読んで、憤慨しながらも、読書体験としては、すごく楽しかった。そういえば、もっと「立派」な本が途中で読むのがしんどくなってしまったり、歴史に残る本格作品が、読後鬱々とした気持ちになったりしたことをふと思い出した。 
 麻耶ワールドは中毒する。これは、そのメルの最後の事件。これからは、メルの所業にも若干優しくなれそうな気がした。
 とにかく、最後まで読んでみよう。きっとこう思うはず、「いやはや」。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061816934
No.31
(5pt)

闇はどこまでも深いのだろうか

改めて、このシリーズをみると、今となってはこの最後の答えも全ては操られたものだということもわかる。
この作品も全てを女が操っていたことも明らかだ。事件の構図はいくらでも反転する。
女に、そしてそれを見越したあの男に。ただ憎むべき相手をより完全に滅ぼすために命もかけるあの男に。

そのことは、シリーズ最後に爆弾で暴かれるだろう。そのために一歩一歩作って。
もう一方のシリーズの時限爆弾によって。
これもまた、あの男に見出され、愛していたものが幻なのか否か決定できずに、
緩慢な予め決められた破滅を進んでいるもう一人の男によって。
その男が全てを反転させるだけだろう。

どこまで闇は深いのか。ただ私たちはそれを見届けるしかない。
新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)より
4061828231
No.30
(4pt)

「カタストロフィ」と言う名の快感

麻耶雄嵩の作品は、恐らく極端にその好みが分かれるだろう。その理由と言うのも…彼の描く「ミステリ」は真っ当な「ミステリ作品」とは大きく異なるからだ。

大きく展開する事件とその中にある正に「闇」とも言うべき人の暗部。陰湿に複雑に絡み合った人間関係とその下に見え隠れする陰鬱な心理…。麻耶雄嵩の描く作品は滑稽な描写で多少味付けを変えているものの基本的にそうした深い「闇」に満ちている。

だから、彼の描く作品は恐らく極端に好みが分かれる。けれど「麻耶雄嵩作品が好みが分かれる」理由は、決してそれだけではない。彼の作品が好みが分かれるのは…この一点。読み手がそれまでに必死に推理して自分なりに犯人を導き出そうとしていた展開を根っこから壊してしまう様な「カタストロフィ」が、麻耶雄嵩作品の終幕には存在しているのだ。

だから、好みが分かれる。だからミステリ作品としては異質である。けれど…その「カタストロフィ」の崩壊感こそが麻耶雄嵩作品の最大の味でもあると私は思う。特にその感覚を味わう事が出来るのは同作者の「夏と冬の奏鳴曲」ではあるが、読後の後味を考えると、此方の方が人には勧めやすいと思う。この「翼ある闇」「名探偵 木更津悠也」「メルカトルと美袋のための殺人」を読んでみて、作品が口に合う様なら…本格的に、麻耶雄嵩作品の世界観にはまってみるのも良いかもしれない。




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4062053438