砂の器

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

砂の器の評価:

4.05/5点 レビュー 172件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.05pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全147件 101〜120 6/8ページ
No.47
(4pt)

映画より先に見るべし

「点と線」「ゼロの焦点」と同様に、情景描写はやはり秀逸。
また犯人を導き出すまでの道程に方言の特殊性を選んだ点など、
時代を考えればやはり凄い着眼点だなと思い知らされます。

ただこの作品は著者本人も認めているように、
加藤剛の映画版のほうが見ている人を虜にするでしょう。
それは本作の中に出てくるトリックの片手落ちな部分を、
映画版では完全に削除し、
代わりに犯人の人物描写を鮮明に描いているからです。

もちろん原作あっての映画なのは間違いありませんし、
この作品自体も名作であることに代わりは無いので、
順番としてはまず原作を読んで映画を観るのが良いと思います。
逆だと映画の良さから少しがっかりする人もいるかもしれません。
砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249
No.46
(4pt)

重厚

簡単に解決できそうな殺人事件。しかし、一向に犯人の手がかりは掴めない。完全犯罪を目論む犯人と、それを追う刑事の執念が描かれる。

登場人物が十数人登場するが、一人一人性格や行動がハッキリ区別されている為、戸惑うことなく読み進めることが出来た。中盤辺りの物語が一気に加速しだしたり、副次的に描かれる新進集団の奇妙な行動は一読の価値がある。
しかし、終盤になっても事件の顛末を明かすことが無く、冗長に感じる。そして、最後の最後になってようやく、たったの2頁で顛末が明かされ、物語は終わる。この辺は趣向が分かれるだろう。私としては、執念で追いつめた刑事と、犯人のやりとりが欲しかった。


砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9) Amazon書評・レビュー: 砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9)より
4334030092
No.45
(4pt)

やっと、原作を読みました

映画は何度も観て感激し、TVドラマも数回みました。
そこで、いつか、原作を読んでみたいものだ、と思ってきましたが、
この度、TBSのドラマを観て、原作を読む機会を得ました。

特に、映画の出来栄えのよさで、この作品にひとかたならない魅力を感じていた
ものです。そこで、読んだ上巻は・・・。

原作を読むほどに、橋本忍、山田洋次のみごとな脚本を賞賛せざるを得ません。

原作は、まさに、今西警部補を主人公にした、犯人探し、謎解きに主眼が置かれ、
しかも、かなり、会話が多い。そして、証拠や話の展開が結構強引なところも
多い気がします。

それに対して、成功を手に取る音楽家の栄光と挫折に焦点をあて、その暗い
過去を、見事な映像美で描いた映画のほうの出来栄えの素晴らしさがかえって
くっきりと際立つ格好になりました(私の中で、ですが)。

原作と映画は分けて見たほうがいいですね。
つまり、プロットや動機は同じでも、作品やメッセージは別であるいう捉え方で。

それはひとまず、上巻では、蒲田、カメダ、東北弁、そして、奇妙な集団の周辺
で起こる連続殺人の余兆が展開されて、推理小説としての導入としては、面白く
できていると思います。


砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249
No.44
(5pt)

何回も読める

細かい話しになるが、ノベルス版は全1冊で900円台であるが、文庫版は上下2巻で1,100円台なので、ノベルス版のほうがお得である。

さて本作品は、74年の映画化後、3度テレビ化されている。1度目は80年前後(犯人:田村正和 刑事:仲代達也)で、2度目は90年初め(犯人:佐藤浩市 刑事:田中邦衛)であると思うが間違っていればご免なさい。3度目は04年で(犯人:仲居正弘 刑事:渡辺謙)が演じている。

本のほうは3回は確実に読んでいる(各々中学・高校・大学時代に1回ずつ)。そしてテレビ化の度に、読んできたと思うので、最低6回以上は読んでいる計算になる。

80年前後のテレビ化の時、犯人役はまだしも、刑事役の仲代はイメージ的に適わず、脚本も陳腐だった。三木謙一が伊勢の映画館で犯人の姿を発見するくだりが、当時の映画ニュースの中で見つけるのは無理(約20年の時間差がある)があり、原作とも違う。

90年初めのテレビ化はその点、原作にも忠実で犯人・刑事役共好演していたと思う。04年ものは時代設定そのものに無理がある。但し、ラストは見応えあり。

80年、90年のテレビ化の内容はよく憶えていないが、04年ものはハンセン病のハの字もでてこない。犯人の父は傷害・殺人事件を起こした人物の設定になっている。根底にハンセン病という、重い課題を持ったテレビ化は無理なのだろうか。

となると、ビジュアル的にはやはり74年の映画化に軍配が上がることになる。ハンセン病を正面に据え、松本清張をして、映画のほうが上だと言わしめたからである。74年作であるが、脚本は60年台半ば頃には出来ていた。山田洋次の脚本集を高校時代に図書館で見つけ、映画化の前に読んだ記憶がある。スッキリとしていて(関川と和賀、恵美子とリエ子を合体させている)良い印象を受けた。しかしこの映画の成功は何といってもラスト30分にわたる父子の巡礼シーンになるだろう。

本はここにおいて、映画に一歩も二歩も譲った感があるが、本当にそうだろうか? その辺のところを再読して確認をしようと思ったのだ。

知能明晰な探偵が快刀乱麻に解決をするわけではなく、読者と同じ視点に立っているから、本はゆったりとしている。歯がゆさはあるものの、心地良さもある。しかし、考えてみたら、「亀嵩」も「紙吹雪の女」も本の半ば前に既に書かれているのだ。いかにその後の展開が錯綜しているのかが判る。

勿論安易な偶然もないではないが、許容範囲といえよう。また50年も前の時代設定なので、古めかしさは否めないが、これも許容範囲といえよう。

今回読んで、改めて思ったことは犯人の冷酷さである。映画やテレビでは内面の苦悩を、ほぼ全面に押し出しているが、本にはそれが一切ない。

従って、犯人に感情移入することもない。むしろ、苦労に苦労を重ねて、最後に犯人逮捕に向かう刑事に拍手喝采を浴びせたいほどだ。昔懐かしいながら、それでも、再読、再々読……に耐える推理小説の傑作であることに間違いはない。                      
砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9) Amazon書評・レビュー: 砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9)より
4334030092
No.43
(5pt)

何回も読める

細かい話しになるが、ノベルス版は全1冊で900円台であるが、文庫版は上下2巻で1,100円台なので、ノベルス版のほうがお得である。

さて本作品は、74年の映画化後、3度テレビ化されている。1度目は80年前後(犯人:田村正和 刑事:仲代達也)で、2度目は90年初め(犯人:佐藤浩市 刑事:田中邦衛)であると思うが間違っていればご免なさい。3度目は04年で(犯人:仲居正弘 刑事:渡辺謙)が演じている。

本のほうは3回は確実に読んでいる(各々中学・高校・大学時代に1回ずつ)。そしてテレビ化の度に、読んできたと思うので、最低6回以上は読んでいる計算になる。

80年前後のテレビ化の時、犯人役はまだしも、刑事役の仲代はイメージ的に適わず、脚本も陳腐だった。三木謙一が伊勢の映画館で犯人の姿を発見するくだりが、当時の映画ニュースの中で見つけるのは無理(約20年の時間差がある)があり、原作とも違う。

90年初めのテレビ化はその点、原作にも忠実で犯人・刑事役共好演していたと思う。04年ものは時代設定そのものに無理がある。但し、ラストは見応えあり。

80年、90年のテレビ化の内容はよく憶えていないが、04年ものはハンセン病のハの字もでてこない。犯人の父は傷害・殺人事件を起こした人物の設定になっている。根底にハンセン病という、重い課題を持ったテレビ化は無理なのだろうか。

となると、ビジュアル的にはやはり74年の映画化に軍配が上がることになる。ハンセン病を正面に据え、松本清張をして、映画のほうが上だと言わしめたからである。74年作であるが、脚本は60年台半ば頃には出来ていた。山田洋次の脚本集を高校時代に図書館で見つけ、映画化の前に読んだ記憶がある。スッキリとしていて(関川と和賀、恵美子とリエ子を合体させている)良い印象を受けた。しかしこの映画の成功は何といってもラスト30分にわたる父子の巡礼シーンになるだろう。

本はここにおいて、映画に一歩も二歩も譲った感があるが、本当にそうだろうか? その辺のところを再読して確認をしようと思ったのだ。

知能明晰な探偵が快刀乱麻に解決をするわけではなく、読者と同じ視点に立っているから、本はゆったりとしている。歯がゆさはあるものの、心地良さもある。しかし、考えてみたら、「亀嵩」も「紙吹雪の女」も本の半ば前に既に書かれているのだ。いかにその後の展開が錯綜しているのかが判る。

勿論安易な偶然もないではないが、許容範囲といえよう。また50年も前の時代設定なので、古めかしさは否めないが、これも許容範囲といえよう。

今回読んで、改めて思ったことは犯人の冷酷さである。映画やテレビでは内面の苦悩を、ほぼ全面に押し出しているが、本にはそれが一切ない。

従って、犯人に感情移入することもない。むしろ、苦労に苦労を重ねて、最後に犯人逮捕に向かう刑事に拍手喝采を浴びせたいほどだ。昔懐かしいながら、それでも、再読、再々読……に耐える推理小説の傑作であることに間違いはない。
砂の器―長編推理小説 (1961年) (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 砂の器―長編推理小説 (1961年) (カッパ・ノベルス)より
B000JAMDRO
No.42
(5pt)

中だるみはあるが、重厚長大な傑作ミステリ

野村版映画は傑作だった。あのラスト30分で涙しないものはいない。故丹波哲郎の熱演もみごとだった。本原作は、どうしてもその映画版と比較される運命にある。だから、映画版の出来がすばらしかった分、原作の評価が低くなることがしばしばだ。

 しかし、本作は、映画とは別物である。文庫で上下巻、全集では一巻まるまるが本作だったほど、長い作品だ。その中身は、映画ではカットされて描写されなかったエピソードや、微妙な心理描写などで詰まっている。連載作品の常で、途中だれるところがあるし、冗長な記述がしばしば見られるなど、不満な点をあげればそれなりにある。結構緊張感が続かないところなど、最たるものである。

 だが、本作の内包するテーマはとても大きい。差別意識というものは現代でもなくならない。いや、むしろ今のほうが、仲間意識が強く、他者を排除しようとするエントロピーは強いのではないだろうか。そういう意味では、普遍的なテーマを持つ作品といえるだろう。

 清張作品、特に長編は、竜頭蛇尾だとよく指摘される。本作も確かにその傾向はある。しかし、こんなに大きなテーマをこれだけ徹底したエンタティメントにする能力には脱帽だ。そしてこのテーマには、まさにこの長さが必要だったのである。二組の親子関係の崩壊、という、ある意味エディプス・コンプレックスともいえる裏テーマ。清張ははたして意識していたのだろうか?

砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249
No.41
(4pt)

ところどころであらが見えるように感じた

殺人事件。必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。
重要参考人が浮上するも、その人物が次々に自然死してゆく。
調査すればするほど、逆に謎が深まっていく。
この今西が事件を追う様子が克明に描かれている。
このリアルを感じさせる調査の過程は、一見の価値があるでしょう。
謎が謎を呼ぶ展開はとても引き込まれる。
だが、解決編はいただけない。
全体に偶然に頼りすぎているし、ところどころであらが見えるように感じた。
それはないだろうと突っ込みたくなる箇所が多い。
調査が丁寧に描がかれているため、解決編のあらが余計に目立ってしまっている。
社会的なテーマも含め、深みが出る要素が多い。
だが、いろいろと盛り込みすぎて、収拾がつかなくなっている感じがしました。
砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249
No.40
(5pt)

感動を味わう

今頃なぜ古い松本清張のDVDが・・・と思ったものの興味本位から第1巻を購入。
途中から、刑事役である丹波哲郎が過去を振り返るシーン「ただ想像するしかありません・・・」から始まる過去のシーンが涙を誘う。
なぜ、日本の美しい風景をバックに過去が進行する。そして殺害事件が次第に解明されていく。その殺害にあった背景とは・・・。
松本清張傑作映画ベスト10 1 砂の器 (小学館DVD BOOK) Amazon書評・レビュー: 松本清張傑作映画ベスト10 1 砂の器 (小学館DVD BOOK)より
4094804013
No.39
(5pt)

清張作品の映画化、最高傑作。巨大なる悲劇が眼前に登場。

松本清張が原作。映画化されたこの作は、原作を越えている!
野村芳太郎が監督、脚本は橋本忍、山田洋次。登場する俳優は当時を実際に体験し、怒りきっている。彼らの姿そのものなのだ。
なぜ、「砂の器」なのか、この映像化された動きをみよう。映像で納得。
緒形健はなぜ殺されたのか。
役者丹波哲朗の最高作でもある。森田健作。笠知衆も登場。森田健作、そして、天才ミュジッシャン加藤剛。愛人は島田陽子、さらに婚約者等、渥美清も出ている。戦争、敗戦、戦後が見事に描かれている。ハンセンシ病への差別。
なぜ、この事件が起きたのか。背後を知る。
いや、若き人に知って欲しい。
敗戦後の日本。加藤剛は生き、苦しきも堂々と第二の道を歩まんとしている。
しかし、丹波哲朗が朗々と語るあの時代。涙。今こそ、何回も観ないといけない。
解説本は見事。いい作品を小学館は残してくれた。
必見。この作品を観ることなくして死ぬことあい無かれ。
松本清張傑作映画ベスト10 1 砂の器 (小学館DVD BOOK) Amazon書評・レビュー: 松本清張傑作映画ベスト10 1 砂の器 (小学館DVD BOOK)より
4094804013
No.38
(4pt)

読書会

一般的には推理小説として読まれている本作ですが、推理小説としての出来は「もうちょっと」と言わざるを得ない。なぜなら手がかりが偶然過ぎるほど偶然に刑事に提示されるからです。そんなことはあり得ない、というぐらい都合良く証拠がそこら辺に転がっているのです。
そこの部分は興ざめしてしまいますが、物語の完成度が高いからでしょう、物語の世界に引き込まれました。我々読者はまるで今西刑事と同化して事件を追うのです。秋田に行ったり、出雲に行ったり、伊勢にいくのです。そして今西刑事と同じように聞き込みを行うのです。犯人の手がかりを追うのです。緊張感溢れる読書体験です。推理小説がエンターテイメントなのは、この同化を楽しむことができるからなのでしょう。その点では最高の部類の作品です。そして本作が読み継がれるのは、誰もが故郷を持っているからです。その故郷はいい思い出も恥ずかしい思い出も憎しみもあるでしょう。そんな故郷を思い出させる「共通体験」ができるからなのでしょう。その感覚は時代を超えるのです。
砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249
No.37
(5pt)

こういう企画を待っていた!

『砂の器』はもう何度観たか数え切れない。評者のなかでは「これぞオールタイム・ベスト」というべき作品だ。勿論原作の小説も読んでいるが、物語としての密度、構成の妙では圧倒的に映画版の方が上なのは衆目の一致するところだろう。クライマックスで流れる『宿命』も実に素晴らしい。
反面、常々物足りなく思ってきたのは、松竹から出るVHSビデオやDVDに解説書の類いが全くないことだった。ひと昔前は、メイキング映像を用意するなど考えられなかったし、ソフト化されて繰り返し観られるだけで御の字だったわけだから、致し方ないことなのだが……。この作品が作られてから35年経ち、関係者にも亡くなられた方が多いことを今回の解説本から改めて知った。インタビューが載っている撮影監督の川又昂氏も既に83歳。まさにぎりぎり間に合った感じだ。とは云え4頁ではあまりに少ない。どうせならもっとたっぷり制作秘話を聞きたかったのに。
また、川本三郎氏の作品解説もちょっと淡白な印象を拭えない。評者が思うに、本作のテーマである親と子の宿命、その哀しさが最も表れているのは今西警部補が事件の犯人・和賀英良=本浦秀夫ではないかと本浦千代吉に質したのに対し、千代吉が悲痛な呻きを漏らしつつこれを否定したシーンだ。立派に成長していた最愛の息子。でもここで親子の名乗りをあげてしまえば、折角輝かしい人生を歩みつつある息子に迷惑を掛けてしまう……。いまだに涙なくして観れない。川本氏の解説はこの部分を全くスルーしてしまっており、大変残念だ。
松本清張傑作映画ベスト10 1 砂の器 (小学館DVD BOOK) Amazon書評・レビュー: 松本清張傑作映画ベスト10 1 砂の器 (小学館DVD BOOK)より
4094804013
No.36
(5pt)

名画の品格を高める魅力的な編集、造本。

いいものはいい。
ただし、映画そのものが傑作なのは言うまでもないので、
《DVDブック》としての魅力に特化して言うと、

1、映画作製時期をイメージさせる解説、写真。
2、撮影を担当した川又昴のインタビュー。
3、川本三郎の委曲を尽くしたエッセイ。
4、重厚で品格のあるブックデザイン。

…ということになろうか。
特に、邦画の魅力に精通し、名著『ミステリと東京』の著者でもある
川本氏の文章は、本書の価値をかなり高めている。

映画について言えば、
ロードショウ時から何度も映画館で観た上、数年前には、
デジタルリマスタリング上演で久々に観て感銘を新たにしたし、
今さらとも思ったが、やはりいいものいい。
脚本、配役の妙はもちろんだが、今となってみると、
秋田、島根、石川、伊勢などの地方の景観美を、
ドラマと一体化して収めたことが、ほんとうに貴重。

松本清張をして原作よりいいと言わしめた名画の、
文字通り永久保存版にふさわしい一冊。
松本清張傑作映画ベスト10 1 砂の器 (小学館DVD BOOK) Amazon書評・レビュー: 松本清張傑作映画ベスト10 1 砂の器 (小学館DVD BOOK)より
4094804013
No.35
(4pt)

映画のほうが名作かも

映画があまりにもいい出来だったので、原作をこの年になるまで読んでいなかった。トリスバーも知っているし(さすがに行ったことはないですが)、新幹線のない夜行列車も乗ったこともあるので、まあお若い方々よりリアリティを感じながら読めました。映画で感じた荘厳な音楽の世界は全く感じず、結構淡々とした推理小説として読んでしまいました。ハンセン病の社会的差別の糾弾的なアジテーションも感じず、この辺も淡々と当時は差別を受けて大変やったのだ・・的な雰囲気のまま、ひたすら今西刑事さんの追跡を追っていく。トリック・ストーリーの展開に関しては、犯人の動機は理解できます。戸籍のドサクサも納得、ただ納得いかないのは、ちょっと偶然性がごり押しでは??と今西刑事の妹のアパートに容疑者が転居してきたりちょっとやりすぎでは??それと超音波の殺人マシーンは昭和35年では革新過ぎてなんかSFの世界のような気がした読者もいただろうと思ってしまう。たがほぼ50年を経過した今の世でもこの理論は成立しているのでしょうか??
映画に比べて原作はちょっと突っ込んでみたくなる点はあります。ただ地方に出て足で調査してしていくあたりの記述は読ませます。確かに第1人者だと思ってしまいます。
やはり一度は読んでおくべき小説には違いないですね。
砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249
No.34
(4pt)

映画の方が面白いかも…

砂の器は、もし映画(加藤剛主演版)がなければ、
それはそれで完成度のある作品なんでしょうが
時代に埋没していたでしょう。
映画版(加藤剛主演版)があって
テレビ版があって
それぞれがオリジナルとは異なる部分が多くあり
そこではじめてオリジナルを読んでみたいという
そんな問題意識が興るのです。

オリジナルにあるのは、らい病への偏見です。
そして、犯人と父親がさすらった長く辛い旅は
映画版を見てからオリジナルにあたったほうがイメージしやすくてよいのかと思います。

テレビ版の「宿命」という解釈は、
時代の埋没を避けるために仕方がなかったのかも知れませんが
私は、無理があったように思います。
砂の器―長編推理小説 (1961年) (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 砂の器―長編推理小説 (1961年) (カッパ・ノベルス)より
B000JAMDRO
No.33
(4pt)

映画の方が面白いかも…

砂の器は、もし映画(加藤剛主演版)がなければ、
それはそれで完成度のある作品なんでしょうが
時代に埋没していたでしょう。
映画版(加藤剛主演版)があって
テレビ版があって
それぞれがオリジナルとは異なる部分が多くあり
そこではじめてオリジナルを読んでみたいという
そんな問題意識が興るのです。
オリジナルにあるのは、らい病への偏見です。
そして、犯人と父親がさすらった長く辛い旅は
映画版を見てからオリジナルにあたったほうがイメージしやすくてよいのかと思います。
テレビ版の「宿命」という解釈は、
時代の埋没を避けるために仕方がなかったのかも知れませんが
私は、無理があったように思います。
砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9) Amazon書評・レビュー: 砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9)より
4334030092
No.32
(5pt)

超オススメ!

私はこの作品を最初に昔の映画で見ました。緒方拳や丹波哲郎が出ているすごーーーいふるい映画です。最近この作品でドラマ化されたので、それを見た人が多いと思いますが、是非機会があれば、その映画のほうも見て欲しいですね。この作品は、とても奥が深いです。読みましょう。絶対楽しめます。でも悲しいストーリーです。映画では寺尾聡のお父さんが(犯人の病気の父親役)がいい味出してます。
砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249
No.31
(5pt)

宿命という悲しみ

 この本の根底にあるのは、病気に対する偏見と誤解です。
この偏見と誤解は やっと最近になって大きな社会問題
として取り上げられています。
 幼いとき、父親が病気を患ってしまい、父と子は放浪
の旅に出ます。
 宿命とはなんでしょうか。人生は変えられないもので
しょうか。
 主人公の悲しみが伝わってくる すばらしい作品です。
 
砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249
No.30
(5pt)

負けたくない

近づく足音
迫る暗い過去
遠ざかる幸せ
孤独、不安、劣等感、忘れかけていた記憶が蘇る。
社会という名の偏見が、無垢な人間を追い詰める。
負けたくない、との切実な思いが・・・
社会によって追い詰められた人間の
孤独と不安の物語。
私は、あなたから逃げているのではありません。
社会から逃げているのです。
砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249
No.29
(4pt)

運命の残酷さを描いた秀作

作者の代表作で映画化もされた。他のレビュアーの方の書評を見るとTV化もされたようだが、私は観ていない。本作は2人の男の運命を2つの交響曲が交錯しているように描いた人間ドラマ。題名は、男が描く夢が砂上の楼閣である事を意味している。
裕福な育ちではあるが、ふとした事から弱みを握られ窮地に陥る男。忌わしい過去を持ちながら、不断の努力によって栄光の座を目前にした男。自分の弱みを消し去るために殺人を繰り返す犯人。不屈のデカ根性で犯人を追う刑事。メインの登場人物は少ないが、彼らが織り成す人間模様が丹念に書き込まれているので、読んでいて充実感がある。
もはやミステリという冠が不必要な、業を背負った人間の運命の残酷さを描き切った秀作。
砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249
No.28
(5pt)

ドラマとは違うけど、やっぱり原作も素晴らしかった!

今までの松本清張作品に無い面白さがありました!(^^*)
もちろん色々な文献、資料、報道、そして時事問題を引用する彼の色には変化が無いのですが、
それが一番いいバランスをとっていたように思います。
今読んでも古くないし、中居君のドラマを観て話を知ってるので、入りやすかったこともあると思います。
ドラマと違う点も色々あって、それも面白かった。
ドラマの場合、犯人が誰だか考えるまでも無く…という感じで、『何故?』と言う部分に焦点が当たっていましたが、
コチラは犯人が誰であるか最後まで混乱させる話の作りになっている点も面白かった。
話を知ってるくせに、アレ?何て思っちゃったりして…
小説を読んで、中居君はやっぱり役として合っていたと思うし、アイドルとしては、かなり役者になっていたと思います。
ドラマの方は父親が生きていて、まだ彼にプレッシャーを与え続けていた所もポイントですが、
小説の方はもっと冷酷な犯人の感じでした。
もちろんハンセン病と言う背景も使えませんので、それも変わっていましたしね。
和賀の音楽もだいぶ違うんですね〜。新興音楽と言うか、クラシックのピアノではなく、電子音楽に挑戦する作曲家だとは思いもしませんでした。(^^;
う〜ん。ドラマの方ももう一度観たくなりました。(^^*)
砂の器〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 砂の器〈上〉 (新潮文庫)より
4101109249