死を歌う孤島
評判
死を歌う孤島の評価:
3.33/5点 レビュー 3件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1〜2 1/1ページ
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死を歌う孤島の評価:
3.33/5点 レビュー 3件。 C ランク
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女刑事マリアが車中で死亡男性が発見された現場に最初に駆けつけたのが悪運の始まりだったのかも知れない。そして前回の事件で逮捕された獄中の悪党の手下から脅迫された為に親友カリーンと共に無人島ゴットスカ・サンド島でのセラピーキャンプに参加する事にした決断も後で考えると最悪の選択だったのだが、当然ながらその時には知る由もなかった。
うーん、本書も中盤ではそれぞれに悩みを抱える七人の女達(主催者二人とマリアを含む)が互いに不満をぶつけあっていがみ合う醜い姿は読んでいて決して楽しい物ではなくどうしても頁を繰る手が進まなくなり自然に読むペースが落ちましたね。著者は現代社会に生きる女性達が抱えるさまざまな問題を包み隠す事無く正直にさらけ出すどんなに醜悪であろうとも決して綺麗ごとではなく正直に本音で書く主義の方なのでしょうね。本書の構成は最初の方で正体不明の犯人による内的独白の物語が語られますので、先に動機の部分は読者に知らされているのですが、真犯人の正体についてはさっぱり見当がつかず上手に隠されていて、あの永遠の名作「そして誰もいなくなった」を思い出させる戦慄と緊迫のストーリー展開と欺瞞トリックの巧みの技の鋭い切れ味には「うーむ、完全にしてやられたな」と心の底から唸らされましたね。欲を言えばマリアと真犯人の対決シーンで心理や本音の部分に迫る対話が読めればもっと良かったかなとは思いますが、でも生きるか死ぬかのギリギリの状況ではとてもそんな悠長な事を言っている場合ではなくどうにも致し方ありませんでしたね。それにしても普通はごく正常に見えて実は内面が病んでいる真犯人の最後の豹変ぶりには戦慄が込み上げましたし、後半で常軌を逸した言動を見せる女性の壊れ方には人間のどうしようもないもろさを感じ多少は不自然であっても人は追い詰められるとこうなるのだと違和感なく信じられましたね。さて、女刑事マリアはプロの捜査官と言っても仲間の支援もなく武器も持たないのに加え体力の衰えもあって一般人よりも優位とは言えない状況下でありながらもとにかく必死で頑張って生き抜いたど根性にしぶとい強靭なパワーを感じて唯々感服しますね。しかしそんな彼女も男運はさっぱり良くなくて最初の結婚に失敗し離婚後に前から好きだった同僚とやり直そうと望むけれどその彼は何と既に別の女性と結婚していたのですね。それが前作までの流れでしたが、本書ではその男ペールが家庭を捨ててまでマリアとの愛を貫こうと決意するのですが・・・・。ああ、二人の女に心を惹かれるこの男はろくでもない野郎なのですが、愛は理屈では割り切れず(マリアにとっても)厳格な考え方の昔とは違ってこういった愛の形は現代ではそんなに珍しくもないのでしょうね。けれど本書の最後にこの男ペールに訪れた意外で過酷な運命にはかなり著者のお仕置き的な思いが込められている様に私には思えますね。マリアにとっては将来の希望がまたもや閉ざされてしまった訳ですが、まだ若い彼女が自らの愛と人生についてどんな道を選ぶのか?とても興味深い所ですがシリーズの今後の紹介が続くかどうかは微妙な見通しですね。とは言えまだ可能性はゼロではありませんし決して望みは捨てずに今は次作の刊行とマリアとの再会を楽しみに待ちたいと思いますね。