悲嘆の門
評判
悲嘆の門の評価:
3.25/5点 レビュー 138件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全142件 101〜120 6/8ページ
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両方が混在していた。上下巻通じて星を5つ付けたい所もあれば、2つで十分だと思う所もある。
下巻で特に、このアンバランスが酷かった。
「女神」を殺された主人公が、復讐の為、異形の者から特別な力を借り受ける、という王道の
ストーリーは良い。読者も、本を握る手につい力が入る。
異能の力の発現の仕方もユニークで新しいと思った。
中でも特に幽霊を見た時の描写が、なぜかとても印象に残っている。いいなあ、と思った場面だ。
また、著者の他の作品同様、オッサンの人物造形がとても魅力的だ。都築が登場すると
(危なっかしい主人公との対比で)とてもほっとしたものだ。
悪い点についてだが、女神の事件の決着後、他の事件に積極的に関わろうとする
主人公の心情がとうとう理解できなかった。悪を駆る快感におぼれた、と後から説明されるが
社長の仇を討つ、まさにその瞬間の主人公は、快感よりも
「目の前からこのおぞましい存在を消したい」と言う
拒絶・逃避といった感情の方が強かったように読めるからだ。
主人公の冒険にはここでピリオドを打っておいたほうがお話として纏まったのでは
ないかと思う。その他の事件も、読みすすめれば確かに興味深くはあったのだが
主人公の強い決心と覚悟を伴った女神事件とは絶対的な断絶があり、読者としては
気持ちを切り替えるのに少々時間がかかった。更に言えば
ガラと連れ立っての「この世界の謎を解く旅」は蛇足に過ぎたのではないか。
おそらく読者が宮部作品に求めているのは、あくまで現実に軸足を置いた
フィクションだ。ミステリーだ。
都築がガラの力を(不本意ながら)借りて犯人を知ってしまうシーンなど
実にスリリングだった。だから全ての非現実的要素を否定したいわけではないのだが
やはりファンタジー要素は、薬味程度に効かせる位でよかったのにな・・・と残念に思う。
(たとえば「クロスファイヤ」などはその路線だったと思うのだが)
呪術や【狼】が出てくる、ファンタジー100%のシーンでは、
真に失礼ながら、こういうのは上橋菜穂子氏にまかせときゃいいのにと思ってしまった。
一体、著者はガラと主人公に幻想の世界を巡らせることで、読者に何を
見せたかったのだろうか?私にそれが理解できる日は来るのだろうか。
そんなモヤモヤとハッとさせられる部分との混在した作品、よって星3つ。